ペーニャ・カルボネリージョ公演を終えて。実はアキレス腱の腱鞘炎でした・・・。

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すっかり忘れていました!3/26(日)に行われた、セビージャのペーニャ・カルボネリージョ公演の写真をアップし忘れていました!もう1ヶ月前にもなってしまうんですね・・・。あの公演の後実は突き指をしてしばらくパソコン片手打ちだったり、その後リスボンに旅行してたり(この写真もアップしてません・・・笑)、クルシージョの時間割作成、日本との連絡・・・etc あっという間に時間が経ってしまいました。今週末も明日からレブリーハに行くので、今のうちにアップしないと!別に義務ではないですが(笑)アントニオがとても素敵な写真を撮ってくれたので、せっかくですからご紹介させて頂きますね。

 

ペーニャ・カルボネリージョについては以前ブログにしましたので、お読みでない方はこちらもどうぞ→http://www.layunko-flamenco.com/JA/2017/03/¨la-yunko¨-baila-en-la-pena-carbonerillosevilla-el-dia-26-de-marzo/

実は、このペーニャ公演の3日前の朝、起きたらなんだか右足首が痛くて・・・痛いなあと思いつつなんとなく1日を過ごしたその夜、なんと歩けなくなってしまいました。え?歩けないよ?とビックリして夜中に救急へ。レントゲンを撮ってもらったら骨には異常なしとのこと。診断は「アキレス腱の腱鞘炎」・・・・ガーン、3日後ペーニャ公演だよ、どうすんの。しかもアキレス腱の腱鞘炎なんてあるの?手首の腱鞘炎ってのは聞いたことあるけど・・・。お医者さんには安静にしなさい、と言われて「3日後踊りの仕事が入っているんですけど・・・」と言うと、お医者さん無言・・・。ガーン、ガーン。

家に帰って「アキレス腱の腱鞘炎」というのをネットで調べてみました。結構あるみたい。やはりダンサーやスポーツ選手に多いとのこと。それにしてもなぜ・・・サパテアードのし過ぎ???それとも朝起きた時に痛かったから寝ている間に何かしていたのか?そういえば、夫曰く、本番数日前になると私はいつも寝ながら足をバタバタ動かしているらしい。(夢の中で踊っているのか?)今でこそ笑えますが、あの時は笑えなかったなあ・・・・

結局救急の先生からは整形外科医に診てもらいなさい、と言われたけど(アンダルシア・たらい回しの術)、救急に行ったのが木曜の夜、金曜というのは皆午前中で仕事を切り上げるお医者さんがほとんどで、予約は全部埋まっている・・・どうしようもなく、マッサージの先生の所へ。マッサージの先生曰く、ふくらはぎの筋肉に疲労がたまっているとのこと。おそらくその疲労をカバーするためにアキレス腱を痛めてしまったらしい。なるほどねー身体は全部繋がっているんだね。アキレス腱の腱鞘炎って言っても、問題はアキレス腱のみにあるわけではない。という訳でふくらはぎのマッサージを重点的にしてもらい、やはりその後も安静に、とのことでした。しかし「安静に」と言われてもそれが金曜、その翌々日には踊らなくてはならない。全然足が動かないのに。どうしよう。公演キャンセルするなら今連絡しないと・・・

一縷の望みは「雨」でした。先のブログでも書きましたが、ペーニャ・カルボネリージョはペーニャ会長さんのご自宅の中庭が会場になっています。そう、屋外。ということは雨が降れば延期。幸い(?)週間天気予報ではペーニャ公演の日曜はセビージャ雨!!!!その前日の土曜も次の日の月曜も雨・雨・雨!!!ということは、ちょっと予報がずれても日曜は絶対雨!!!恵みの雨!!!雨よ降れーーーーー!!!お願いだからこの足で踊らなくて済むようにしてくれーーー!!!

公演前日、土曜。セビージャ雨。予報でも明日は雨。こりゃ中止だな、と思って「明日は中止だよね?」とギタリストに電話で聞いてみる。「多分中止だと思うけど、最終連絡は当日会長さんからあるから」とのこと。公演前日もじーっと家にこもったまま雨乞いを続ける私。(っていうか、すでに雨が降っていたので雨が止まない雨乞いね。)

公演当日、日曜の朝9:00。ザーザー降り!!!やったー!!!天気予報を見ても、今日は1日雨。ペーニャ公演は15:00からだけど、何時だろうと今日は1日セビージャ雨になっている。こりゃ中止だね。1時間待って朝10:00にギタリストに電話してみる。「今日は中止だよね?」すると・・・「いや、雨でもやるって。車庫の中で出来るからって。車庫だったら屋根あるし。」えええええ、車庫の中ですか???なんでも、会長さんは何が何でもこの公演をやり遂げたいらしい。(私は延期してもらってもいいんだけど・・・・)という言葉をうっと飲みながら、こうなったら踊るしかないな、と腹をくくる。

ギタリストは「車庫だよ、車庫。屋根があったって床は濡れてるだろうし、ギターにも悪いし。君も踊りにくいだろうし、衣装もきっと汚れるよ。ちゃんとした衣装じゃなくて、ちょっときれいな練習着みたいなファルダとブラウスでいいよ。」

・・・・ちゃんとした衣装じゃなくていい?練習着みたいなファルダでいい?・・・

なぜかその言葉を聞いた時に、腹が立ちました。あれだけ踊らなくて済めばいいのに、って願っていたのに、でもその言葉を聞いてカチンときたのです。

私は踊る。車庫の中だろうが、雨だろうが、踊る。それは私の仕事で、私は踊り手なのだから。どんな場所で踊るにせよ、もしかしたらお客さんが数名かもしれないし、行って結局やっぱり中止なんて最悪の状況も考えられる。でも仕事で踊るのに、ちゃんとした衣装じゃなくていい?練習着みたいなファルダでいい?なんだそれは?私はプロだよ、衣装を着るよ。雨や泥で汚れたら洗えばいいじゃないか。それがどうした。

もちろんギタリストはそんなつもりで言ったのではなく、私のことを思って言ってくれたのかもしれない。でもいずれにせよ、その言葉を聞いた瞬間に俄然力がみなぎってきました。メラメラー。

踊ってやる。ちゃんとした衣装で。そう思って、そっと靴を履いてみました。そっと歩いてみました。そっとサパテアードのふりをしてみました。

できる。絶対できる。

それから数時間後、なんということでしょう、晴れたのです。晴れた。信じられない。雨が上がって跡形もなく晴れた。数日前からずっとセビージャ雨予報だったのに。その日の朝の予報でも1日ずっと雨のはずだったのに。晴れた。私がペーニャに着いた時は、会場となる中庭の床はまだ水たまりが残っていました。でも公演の前に、フアン・ベルヒージョさんの講習会が30分ほどあって、その間に乾いちゃったみたい。さすがアンダルシアの太陽。だから公演は車庫じゃなくて、当初の通り中庭で行われました。

公演の最初は寒かったなあ。ギタリストはマフラー巻いてるし。1曲目のタラントでは歯をカチカチならせながら踊りました。2曲目のアレグリアスは、シレンシオの時が寒かった・・・。汗をかいた身体に冷たい風がピューっと・・・。でもそれ以外は青空の下で踊れてとても幸せでした。セビージャの空。私の踊り。

公演後は同じ場所でペーニャ会員の皆さんとお昼ご飯。会長さん手作りのお料理をみんなで食べながら充実した日曜の午後を過ごせました。

でもその後家に帰ったら、なんと今度は雲行きが怪しくなり・・・・ザーッとまた雨・・・・その晩も雨・・・・。ということはまさにあのペーニャ公演の間だけなぜか晴れていたということ???信じられない。でも本当。奇跡とも言えるあの数時間。会長さんのフラメンコ愛(アフィシオン)が天にも通じたとしか思えない。

恐るべし、アフィシオン・・・

そして私のアキレス腱の腱鞘炎もすっかり治っています。踊っている時も全然痛くなかったし、その後も全く問題なし。あの公演からもうすぐ1ヶ月経つけど未だに信じられない。雨にしても、アキレス腱の腱鞘炎にしても。

やっぱりフラメンコってすごい。やっぱり何かがきっとあるんだろうな、フラメンコには。

写真:アントニオ・ペレス

2017年4月21日 セビージャにて。

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