“サラ・アンダルーサ”ライブを終えて。パコ・イグレシアスから学んだこと。

10556381_916142721729253_7129902828753893996_nみなさんこんばんは。いかがお過ごしでしょうか。

先週土曜日の恵比寿“サラ・アンダルーサ”でのライブはお陰様で無事終了致しました。たくさんのお客様にお越し頂きとても嬉しかったです!共演のパコ・イグレシアス、ガジ、市川幸子さん、太田マキさんともに熱く楽しいフラメンコライブとなりました。

先週月曜夜に日本に着き、それから時差ぼけなのか数日眠れずにいました。ライブ前日に4〜5時間くらいでしょうかやっと眠れて、ライブにはセーフ(笑)当日は群舞のグアヒーラ、ソロでバタ・デ・コーラ(裾の長いフラメンコ舞踊の衣装)のカンティーニャスを踊りました。それ程大きい舞台ではないので、バタの裾がお客様にぶつかったりしたらどうしよう!と心配もしていましたが、大丈夫だったみたい・・・と思いきや、最後皆で挨拶してくるっと振り向いた瞬間に、バタの裾で舞台隅に置いてあった出演者用の水ピッチャーをばーんと倒してしまった〜!舞台水浸し・・・あ〜いつも何かやらかしてしまう私。イベリアの皆様すみませんでした!!!

それはさておき、ライブは楽しかったけど、正直あと1曲くらい踊りたかったです。1部終わって、さあこれからまだまだ踊れるぞ!という所で終わってしまいました。別に手を抜いて踊った訳ではないのですが、1曲終わってさらにエネルギーが湧いてくるというもの。その意味でちょっと残念だったかなあ。もちろんそのエネルギーはその後のクラスで爆発しましたけど。(笑)

今回のライブでは、その後、ギターのパコ・イグレシアスとの会話から学んだことが特に大きかったように思えます。パコとスペインで共演したのは1回だけ。久しぶりの共演でパコの印象が随分変わりました。あれから数年経って、私が変わったのかもしれません。いろいろな話しをしました。会話の内容はブログにはしませんが、改めて学んだこと。

人前で踊る度に「勉強になった」と自分でも思うし、よく人も言う。それは本当で、自分の足りないものに改めて気付く。そしてそれを克服するよう努力する。それは学んでいれば当然のことで、それをやめてしまったり、自分はもう大丈夫と思ってしまったらその人の成長は止まる。

でもそれとは別に自分のよい所、自分にしかない「何か」、それを守っていくことも大切。それはあの人の方が上手いとか、○○ができる、できない、という他人との比較ではなく、ただ単に自分が自分の内面を見つめて探し出すもの。そしてそれを見つけたらそれを大切にしなくてはならない。なぜならそれは自分しかできないから。自分が大切にしなければ誰もそれを深めてくれることはない。

つまり、それが、アーティストとして成長するということ。

パコは寡黙なギタリストだと思っていたけれど、そこから紡ぎ出される言葉には久々に耳にする重みがありました。たくさんのおべっか、うわべだけの態度、そういうものに触れる度にもうその人のカンテもギターも耳にしたくないとすら思ってしまいます。たとえどんなに歌やギターが上手くても。

フラメンコは結局「人」なんだと思う。フラメンコに限らず芸術というものは。

自分の踊りは自分を越えることはないのです。

2015年12月23日

Comments are closed.