セビージャに着きました。

 みなさんこんにちは。いかがお過ごしでしょうか?
 私は元気です。9日にセビージャに着きました。セマナサンタ(カトリックの宗教行事。セビージャのそれは世界的に有名です)中ということもあって、町中人だらけ。道路も封鎖されているし、マドリッドからようやくセビージャの自宅に辿り着きました。今日は最終日。今、町を練り歩いている音楽隊が段々近づいてきます。あの独特の音楽がおなかに響きます。今いるピソ(セビージャの住居です)のベランダの上から見てみると、音楽隊は一定のリズムで歩いています。おお!これはコンパスを刻んでいる。すごい。そして音楽隊で一番重要なのは、一番目立たない最後尾の大太鼓なのです!彼らがそのコンパスを守っている〜。音楽的に美しいメロディーを支えているのは彼らなのだ!そしてセマナサンタではみんなお神輿(のようなもの)に乗っているマリア像やキリスト像をあがめるけれど、本当に重要なのはそれを下から担いでいるコスタレーロとよばれる屈強な男達なのです。全ての重要なことは目に見えないところにあるのです。
 私が以前通っていたフラメンコスタジオの近くにセマナサンタの彫り物をしている工房がありました。その工房をのぞかせてもらったことがあります。すごい。セマナサンタの彫り物は一度として同じ模様で彫らないそうです。何十年も前の彫り模様を研究して常に新しい彫り模様を決定する。そしてそれを彫る鑿というのが何十本も作業台の上に無秩序に置かれ、彼は一瞬にしてその彫りのため必要な鑿を選択し、彫っていく。ものすごい集中力と地道な作業。たった一人その工房で、もしかすると「アイツは頭がおかしい」と思われながら(実際私はそう思ってました。ごめんなさい)地道すぎる作業を毎日毎日繰り返している。なんのために彼はここまでしてセマナサンタの彫り物に人生を捧げているのか?「何があなたをそうさせているの?」思わず私は聞いてしまいました。すると彼は一言。「アンタがフラメンコやってるのと同じだよ」。
 セビージャにはものすごいアルテ(日本語に直すと「芸術」かな。)があります。そのアルテに魅かれて私はここで生きています。でもただ生きているだけではない。ここで生きるために私はいろいろなものと闘っています。弱い自分、異文化を受け入れられないと思わずシャットアウトしてしまいそうになる自分の堅いアタマ。人種差別。他人からの嫉妬、意地悪。そういうものから超越してただひたすら自分の道を進みたい。それだけです。
 と言っても、私の部屋にはまだスーツケースが転がっています。。。早く片付けないと!しかも今週は掃除当番だし。(ルームシェアなので週ごとに掃除当番があるのです)日常にあるやるべきことをまずやらないとね。日曜なのに結構忙しいわ〜。
 ということで、みなさんまたお会いしましょう。
 2009年4月12日 セビージャのセントロ(中心)にて。

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