エバ・ジェルバブエナのセミナー

みなさんこんにちは。いかがお過ごしでしょうか?

こちらセビージャはちょっと涼しくなったかな?と思ったらやっぱり暑い、そこがやっぱりセビージャだよね、と一人で納得しています。私は元気です。

セビージャに着いて早々エバ・ジェルバブエナのフラメンコ・セミナーを受けました。「感想教えて下さい!」とのメールがいくつか届いていますので、ブログにしてみすね。

まず今回のセミナーは、今までエバが行ったクルシージョとは全く性格の違うもの、つまり彼女が教えたいことを彼女なりの方法論で教えるというものでした。その趣旨のものとしては今回が初、今後は2年に1回行う予定だそうです。(興味のある方には、まずはスペイン語をしっかり勉強することをおすすめします。)

午前中10時〜14時までがエバのクラス(本当は12時までだっのですが、エバは毎日2時間延長してくれました。ありがとうございます!!!)午後17時〜21時までが舞台関係者とエバによる講義。生徒は25名程、約半数がスペイン人、約半数が外国人。日本人では屋良有子ちゃんと私が参加しました。スペイン人はほとんどが将来有望な若手の踊り手ばかり。実際にがんがん仕事をしている人、コンクール受賞者もたくさんいました。そんなこと言ったら私も今年のウブリケ・コンクールの準優勝者なのですが、彼らはとにかく若い!10代後半から20代前半ですよ。子供のころから踊りのレッスンしかしていない彼らに比べて、18歳でフラメンコを習い始めて、会社で必死に働き留学資金を作った私との大きな大きな差!!!でもそれが現実。がっくりしない。めげない。

エバのクラスは波乱続きでした。振付けやパソを教えるのではなく、あれはなんというのでしょう、フラメンコの深層を垣間みるにはどうしたらよいか、フラメンコをフラメンコだけでなく大きな芸術の中でとらえるには?という方法論からアプローチするクラスだったので、振付とパソがほしくて申し込んだ人はクラスから去って行きました。多分4人くらい。

確かにエバ自身もその方法論を毎日、瞬間瞬間で模索していた感じがあったし、そういう意味ではきちんと系統だったクラスではなかったかもしれません。でもエバが求めている方向性はフラメンコ界の方向性の一つとしてあっていいと思うし、私自身それを求めて7年前にセビージャに来たから、個人的にはすごく納得できました。ただその一方でクラスを去っていった人の気持ちも分からなくはありません。人それぞれその時点で求めるものも違うから、彼らのそれがエバのセミナーと合致しなかったのだと思います。でも内面的に成熟している人間ならば、どんな時にでもどんなことからも習えるのではないかなとも思います。残念です。

具体的にセミナーで何をやったのかということを言葉で説明すると、私が感じたものとはかけ離れてしまうからここでは説明しません。しかしエバが試した方法論は他の一般のフラメンコクラスでは行わないものなので、生徒さん達には斬新に思えたようです。でも実は私はそのほとんどをすでに習っていたのです。今までに師事した何人かの先生達から。思うに、7年前にセビージャに着いた時からその方向性で先生やクラスを探していたから、出会う確率が高かったのかもしれません。そして同じクラスでも受ける側の意識の違いで、学び取る内容は大きく変わってきます。振付をどんどんとって国に帰っていく留学生が多い中で、私の勉強の仕方は回り道が多かったかもしれません。自分の学び方はこれでいいのだろうかと疑問に思うことも多々ありましたが、今なら言える。それでよかったのだと。少なくとも私が目指すフラメンコにとっては。

そしてもっと重要なことを、私は両親から教わっていたということに気づいたのです。フラメンコを学ぶということはフラメンコの形式や内容、技術を学ぶだけではありません。重要なことを実は自分自身の中に持っていたこと、それに感謝したい気持ちでいっぱいになりました。と同時にそんなに大切なことになぜ今まで気づかなかったのか、ということ。エバのセミナーを通して学んだこと。それは「重要なことは一番自分に近い所にある。本当は自分の中にある。」

私はこれから変わっていくでしょう。自分がどんどん伸びていく確信があります。セビージャのヤシの木のように。

またお会いできる日を楽しみにしています。

2009年9月27日 もうすぐ大好きな日曜日が終わってしまう・・・まだまだ暑いセビージャにて。

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