セビージャに着きました。

みなさんこんにちは。いかがお過ごしでしょうか?

私は元気です。おとといセビージャに着きました。こちらは相変わらず暑いです・・・.。あまりの暑さに脳みそが溶け出しそうですが、なんとかHPを更新しています・・・。

今回の一時帰国でも大変充実した2ヶ月を過ごすことができました。2回目となった「少人数制クルシージョ」も軌道に乗り、私自身も前回に比べると随分リラックスして教えることができたように思えます。前回受講されたみなさんに加え、今回新規で受講された方々の「フラメンコを学びたい!」という熱心さが、教える上での大きなエネルギーとなりました。どうもありがとうございました。8月に行われた恵比寿「サラ・アンダルーサ」でのライブも充実した瞬間をお客様と共有できたように思えます。どうもありがとうございました!クルシージョやライブにお越し頂いた方々、いつも陰で応援して下さる方々の顔を思い出す度に、またがんばろうという意欲につながります。これからもどうぞよろしくお願い致します!(次回一時帰国は来春を予定しています。)

さて明日からエバ・ジェルバブエナのクラスを受講します。

エバ・・・・!フラメンコを学んでいる人なら誰でも知っている、現代フラメンコ舞踊の最高峰に位置すると言っても過言ではないアルティスタ。(日本でも10月に公演しますね。)2002年のヘレスフェスティバルで観た彼女のソレア。ある瞬間に会場中の「oooooooooleeeeeeeeeeeeeeeeeee!!!!!!」という、いや、文字では表せない、あんな声を聞いた事のない、自分でもどこからそんな声が出ているのか分からない、内臓がえぐり取られた瞬間、今思い出しても身体が震えて来るあの瞬間を引き出したアルティスタ。それがエバでした。

フラメンコ舞踊界には「バイラオール/ラ(舞踊手)」と「アルティスタ(アーティスト)」がいると思います。2つの言葉は今現在どちらもごっちゃに使われていますが、私の中には厳然たる区別があります。前者はプロフェッショナルなレベルで上手に踊る人、後者は「アルテ」を持った踊り手。この世の中に何百万人のフラメンコ舞踊家が存在するのでしょうか?そしてその中の何人が「アルテ」を持っているのでしょうか?その「アルテ」に敬意を払い、「アルテ」を舞台の上で引き出すことのできる人が何人いるのでしょうか?

「アルテ」を持たずに技術レベルだけ傑出することは日本人でも可能です。フラメンコっぽく見せることはモノマネの上手な人なら誰でもできます。そしてそれがどんなに浅はかなことか気づかずにいる愚鈍さ。踊る方も観る方も。残念ながらその表層的な考え方、感じ方は、その人の人としてのあり方から来ています。

私は自分が「アルテ」を感じる心を持っていることに感謝したい。一体誰に(何に)感謝するのか?私を産んでくれた親、フラメンコそのもの、「アルテ」のあるこの土地に。私を取り巻く全てに。

そのことを忘れずに明日からのエバのクラスを受けようと思います。

ではみなさんまたお会いしましょう。

2009年9月6日 セビージャ、業務用巨大扇風機の真正面にて。

萩原淳子

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