カルトゥッハ修道院公演大成功!

みなさんこんにちは!いかがお過ごしでしょうか?

水曜日に行われたカルトゥッハ修道院における「ミエルコレス・アル・コンパス」公演は大成功に終わったようです。「ようです」というのは、私としてはそんなに実感がないのですが、共演アーティストや主催者側、お客様がみなさんお喜びされていたからです。本当にありがとうございました。

当日は本当にたくさんのお客様がいらっしゃいました。その日は、セビージャ(セビージャを本拠地とするサッカーチーム)の試合がありました。重要なサッカーの試合とフラメンコ公演の時間が重なるとどうなるか・・・?事前にチケットを購入する劇場公演は別として、入場無料の催し物やペーニャ公演はガラガラになります。そのため開演時間をサッカーの試合の終了後に変更する場合もあるくらい。主催者側の方がおっしゃるには「この国でサッカーに勝つものはいない。」しかし公演30分以上前にすでに長蛇の列ができていたそう。開場とほぼ同時に満席、開演後もぞくぞくとお客さんが詰めかけていたそうです。「ジュンコ、サッカーに勝ったね!」と主催者のみなさんは大喜び。本当にありがとうございました。

踊りの方は・・・日曜のベジャビスタ公演よりはずっとよかったとは思うのですが、自分としてはまずまず・・・といったところ。次回はあの部分をああしよう、こうしようなんて考えていました。すると歌い手のヘロモ・セグーラが「ジュンコ!今日の公演はカラッホ(carajo)だったよ!だから俺は君と仕事をするんだ!」と目をきらきらさせて興奮していました。ヘロモの口からカラッホという言葉が出るときは、本当に素晴らしかった時。「すげーよかった!」みたいな意味になるでしょうか?(ちなみに「カラッホ」を辞書で引くと、別の意味が出てきます)だからその言葉を聞いた時、「今日の公演はどうも成功したようだ」と思ったのです。いまいちピンと来ていない私を見てギタリストのミゲル・ペレスが「ジュンコ、もっと自分の踊りに自信を持っていいんだよ!」と。

そう、数日前のペーニャ公演で1曲大失敗してしまった私は、その後この公演まで生きたような死んだような気分でした。次の公演がまだ1ヶ月先ならまだしも、2日しかなかったのです。「どうしよう、また失敗したら・・・」と心配がぬぐってもぬぐっても、頭から離れませんでした。「できる、できる」と自己暗示をして臨んだ公演だったのです。自信?どうしたらそんなものを持てるのでしょう?

でも公演が始まり、まず最初のカンテソロのソレアを聴いた時、何かがぱーんと弾けたのです。私は踊る前に泣いていました。そして1曲目の踊りのタラント。ファルセータ(ギターのメロディ部分)を聴いた時、本当に涙がぽろんと舞台に落ちるかと思いました。そしてその後はほとんど何も覚えていません。どうも私が踊っている最中に会場の灯りが全部消えて真っ暗になってしまったようなのですが、それも記憶にありませんでした。舞台終了後、観に来てくれた屋良有子ちゃんと里有光子ちゃんに「あかりが消えちゃったのに、全然動揺してませんでしたね!」と言われて、あ、そういえば消えた瞬間があったよね、なんて思い出しました。

2曲目はバタ・デ・コーラで踊ったアレグリアス。バタ・デ・コーラを習って随分経ちますが、1曲まるまるソロで踊ったのは今回が初めてでした。コーラで踊るのは本当に難しい。どんなに高い技術を持っていても、スタジオでものすごい練習を積んでも、本番でコーラをはくのは全然違うのです。でも挑戦したかったのです。だからコーラで踊りました。踊りがどうだったのかはタラントと同じで、覚えているようで覚えていない、覚えていないけれど覚えている。でもいずれにせよ、これからもっともっと磨いていきたいと思います。その意味で私にとっては重要な第一歩でした。

やはり大成功だったのでしょうか。公演後友達から「すごくよかった!」「そのまま踊り続けて」と携帯メッセージや電話がぞくぞくと寄せられました。本当にそんなによかったの?何が???と面食らってしまうくらい。正直、今もぴんと来ていません。でもみなさんが喜んで下さってよかった。そう心から思います。そして思うのは、もし本当に私の踊りがよかったのだとすれば、あの数日前のペーニャ公演での大失敗があったからこそなんじゃないかな?ということ。やはり私は舞台を通して何かを学んでいると思うのです。いろいろな意味で、いろいろな人にいろいろなものに感謝の気持ちを感じました。

さて、明日はセビージャ3公演第3弾。アンダルシアの日の特別公演です。詩の朗読に合わせて踊るはずだったのですがそれに加えて、タラント、アレグリアス・デ・コルドバ、ブレリア、ソレアの4曲も踊る事になってしまいました。(歌ぶりだけですが)一体どうなってしまうんでしょう。こんなに公演が立て続いて、しかも内容も共演者も毎回異なり、息つく暇がありません。でもやると決めたからにはやらねば。がんばる。

2010.2.28 // フラメンコ舞踊博物館-(セビージャ)12:00H. 入場無料 

Baile Cante Guitarra Poema
  • 萩原淳子
  • フアン・イグナシオ・スアレス
  • ゴンサロ・トロ
  • チャロ・サントス
  • フアン・カニャーダ
  • ぺパ・ブルネス
  • イサベル・レブレロ
  • マヌエル・マヌエル
  • アウレリア・ヒメネス
  • ホセ・マヌエル・ピサーラ
  • イスマエル・ピサーラ
  • フアン・レアル
  • マルコス・セラート
  • エミリオ・ペレス・ロメーロ
  • ホセ・ルイス・ゴンサレス・カセレス
  • フアン・アントニオ・モリーナ
  • フアン・オロスコ
  • マヌエル・センラ

では、また公演結果をご報告しますね。

2010年2月27日 そういえば今日からベレン・マジャのクラスが始まるんだった・・・。(それどころでない私) フラメンコフェスティバルが始まったヘレスにて。

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