ヘレス・ペーニャ公演&ラトーレ群舞公演無事終了!

みなさんこんにちは。いかがお過ごしでしょうか?

お陰様で私の大風邪は小風邪くらいになり、無事に水曜日のヘレス・ペーニャ公演を終えることができました。前日まで体調が悪かったこともあり、たくさんの方々にご心配をおかけしました。しかしお陰様で直前になんとか回復。懸念していた鼻水も飛ばず、自分では体調不良をまったく感じずに踊る事ができました。今回の公演ではいろいろな点でちょっと踊りにくかったとも言えますが、観に来て下さったお客さんや、共演したヘレスの音楽家達はとっても満足していたようです。それならそれでよし!よかったことにしましょう!応援して下さったみなさん、どうもありがとうございました!

そして土曜日にもヘレスのサラ・コンパニアという劇場で踊りました。今回のヘレス・フェスティバル期間中におこなわれたハビエル・ラトーレのクルシージョ受講生による公演です。今回1週間のクルシージョで振付けられたアレグリアスを群舞でクラス最終日に受講生全員で劇場公演するというもの。一見無謀な企画ともいえますが、これがラトーレの手にかかるとできちゃうんです。できちゃったんです。すごい。受講生は20名。舞踊技術のレベルはばらばら。プロで活動しているスペイン人舞踊家もいれば、スペイン語をほとんど知らない外国人留学生も。でもみな、最終日に舞台に立つことを目標に一丸となってこの一週間練習したのです。習いたての振付けを1週間で舞台に乗せるのは至難の業です。しかも20名の群舞なのでフォーメーション、出はけなど覚えることもいっぱい。クルシージョ中に泣いてしまった人も。私自身、具合が悪かったこともあり、習う振付けが頭にも身体にも入って来ず、本番では・・・・・結構間違えました!!!(しかも最前列で!)

でも、なぜか終わった後に、自分が間違えたことよりも、群舞ってなんて素晴らしいんだろう!と感動したのです。正直、初めてそう思いました。舞踊団に所属したことのない私は群舞が苦手です。それ以前にとにかく方向音痴、くるっと後ろを向くと左右が分からなくなります。(8年住んでいるセビージャでも道に迷うことはしょっちゅう・・・)それに加え、普段即興に近い踊りに慣れている私は、同じ振付けを繰り返し踊ることができないのです。群舞ははっきり言って恐怖に近い。でもそんな私が初めて、群舞ってこんなに楽しいものだったんだ〜!と思えたのはハビエル・ラトーレのおかげだと思っています。

ラトーレは言っていました。「私にとってこの公演を行うのは、スペイン国立バレエ団の公演作品を作るのと同じように重要なことだ。」おおおおおおおお!そしてこうも言っていました。「群舞の素晴らしさは仲間と共有すること。誰が誰よりも上手いとかそういう問題ではない。自分だけできてもだめだ。みんなで作り上げること。そこに価値がある。」ラトーレは生徒全員の名前を覚えていました。つまらないことかもしれませんが、そういう所にも彼の人柄が出ていると思うのです。そしてその目は厳しく温かい。的確。そしてこんなにまで生徒全員に公平なんて・・・・。当たり前のことが当たり前にできないことが多いこの世の中で、ラトーレの指導は本当に素晴らしかった。人を動かすのはやはり人。彼の作品の素晴らしさの理由はそこにあると思うのです。

公演を観に来て下さったお客さんは「皆のエネルギーが集結していた。」「すごい群舞だった!」「1週間でよくあんなにできるね!!」とおっしゃっていましたよ。やはり伝わるんだ。私は、群舞を踊って初めて感動したのです。公演後ラトーレは泣いていました。ラトーレ、あなたはすごいです。私の群舞に対する価値観を変えてくれた人、それがあなたでした。本当にどうもありがとうございました。

ずっと体調が悪くてなかなか楽しめなかったヘレス・フェスティバル。でも後半調子を取り戻し、無事にペーニャ公演を終了、そしてラトーレ作品の群舞でもたくさん・たくさん勉強することができました。これからもっともっと勉強して数年後に私は自分の群舞作品を創ります。やる気もりもり。

これからセビージャを発ちます。エネルギー満タンで火曜日に成田着です!

ではみなさん日本でお会いしましょう!!!楽しみにしています!!!

2010年3月14日 しばしのお別れ・・・またね。セビージャ。

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