12/1(水)セビージャ・ソロ公演

みなさんこんにちは!いかがお過ごしでしょうか?

こちらセビージャもだいぶ寒くなりましたが、お陰様で私は相変わらず元気です。

12/1(水)にセビージャでソロ公演があります。

2010.12.1 // 「オトーニョ・クルトゥラル」 -(テハール・デル・メジッソ市民センター、セビージャ)19:30H 入場無料

Baile Cante Guitarra
  • 萩原淳子
  • ヘロモ・セグーラ
  • ハビエル・リベーラ
  • ミゲル・ペレス

※↓「オトーニョ・クルトゥラル」についてのネット記事(スペイン語)

sevilla-otoño-cultural-en-los-remedios

「ラ・ジュンコ」出身・日本、と紹介されています。(力士みたいですね。)写真も下の方にアップされています。

「オトーニョ・クルトゥラル」はセビージャ、レメディオス地区で毎年行われる秋の文化行事です。10月から12月までコンサート、演劇、フラメンコ、ミュージカル等が計18公演。単純計算すると1ヶ月に6公演、週に1〜2公演。しかもそれが無料で楽しめます。地域の住民はもちろん、全ての人が入場無料です。(経済危機の中、文化や芸術を守る姿勢に拍手を送りたい。)フラメンコは3日間、そのうちの1日に呼ばれソロ公演をすることになりました。

今回の共演者、ギターは最近いつも一緒に仕事をしているミゲル・ペレス。この人は本当にいいギタリストなのです。ギターはうまい、舞踊伴奏も経験豊富、人柄もいい。いつも5分前行動。お金に汚くなく、もちろん麻薬なんてやっていません。(そんなの、仕事なんだから当たり前でしょ〜!と思いたいのですが、ここではいろんなアーティストがいます。困ったものです。)私はミゲルの率直で誠実な人柄が好き。裏表がなく、おべっかも悪口も言わない。結局そういう人間性がギターに現れるのだと思います。

さて、カンテは誰にするか。踊る曲はアレグリアスとティエント。まずハビエル・リベーラ。先のコルドバ・コンクールで歌ってくれました。コンクールではどちらも踊りませんでしたが、合わせの段階でものすごくいいティエントを歌ってくれたのです。あのティエントで踊りたい、ということで、まずはハビエル。

そしてもう一人の歌い手は?ここで随分悩みました。モイ・デ・モロンかヘロモ・セグーラか。全くカラーの違う二人。好みが分かれる所かもしれませんが、どちらも歌い手として一流です。う〜む。最終的にヘロモを呼びました。なぜなら、ティエントを踊るから。アレグリアスは二人ともとてもいい。もしソレアを踊るならモイを呼んでいたと思いますが、ティエントとなると後半はタンゴもあり、やっぱりヘロモかな、と。ハビエルとヘロモは長年一緒に仕事をしているし、そういう組み合わせというのも重要だからです。

よく「共演者はどうやって決めているの?」と質問されることが多いのですが、これは難しいのです。すでに共演者が決められていてそこに自分が入る場合は別として、自分で共演者を選ぶ場合は結構大変。最近ではそうでもありませんが、最初の頃は私がいきなり電話をしても「オマエ誰だ?日本人?」みたいな反応をされる可能性が非常に高かったので、誰かに紹介してもらわないと出演交渉ができませんでした。そうして少しずつ共演していくうちに、別のアーティストを紹介してもらえるようになり、自分で直接交渉できるようになり。時には逆に「自分と共演してほしい」と言われることもあったり・・・。(ありがたいことです。)

しかしいつでも自分の好きなアーティストと共演できる訳ではありません。日程、場所、出演料の関係で共演アーティストというのは変わってきます。いったん共演承諾されても、よりよい条件の仕事が入れば直前でもそちらに鞍替えする人も結構います。そうすると新たに共演者を探さなくてはいけません。またギタリスト、歌い手の間の相性というのもあるので寄せ集めればよいというわけでもないのです。共演承諾してくれたアーティストが勧める別のアーティストが自分の好みとちょっと違う場合もあるし、自分の好みのアーティストが他の共演者と相性ぴったりというわけでもなかったり・・・。そして自分との相性も。舞台で聴いて「この人と共演したい!」と思っても仕事を一緒にするにあたり、う〜む、人間性が・・・ということもあり。難しいのです。

とはいっても、最終的には自分の踊りをちゃんとしなくては。いくらいいアーティストに囲まれていても、やはりそのアーティストを率いる実力がないと。実力とは、踊りの技術的レベルの高さではなく(それは最低必須条件だけど、それを準備するのも実は大変だ)、フラメンコをどれだけ理解しているか、カンテやギターをどれだけ聴いているか、その場その場の状況判断をどれだけ迅速正確にし、彼らを引っ張っていくことができるか。これは本当に難しい。それができる時もあれば、できずに「あちゃー」という時もあります。実際は「あちゃー」の方が多いのですが、だからこそ、プロフェッショナルなアーティストと共演したいのです。彼らに救ってもらうためではなく、どこに問題があったのかはっきりさせるため。問題点を自分以外に転嫁させないため。そして自分に率直に意見を言ってくれるアーティストであれば、なおさら勉強になります。次の仕事を期待しておべんちゃらを並べたり、ギャラをもらいさえすれば後は無関心、というのではなく。

がんばろう。これまで一生懸命練習してきたけど、本当はまだ足りない気がします。多分全然足りない。でも与えられた機会を大切に、自分ができることしっかりやっていきたい。そうして積み重ねしていくしかないと思うから。

では、またお会いしましょう。みなさんもどうぞご自愛下さいね。

2010年11月27日 寒いのでけんちん汁を作りました。 セビージャにて。

Comments are closed.