¨SOMOS JAPON¨⑤ アンへリータ・バルガス

みなさんこんにちは。

今日はアンへリータ・バルガスへのインタビュー&彼女からのメッセージです。彼女の姪・フランチェスカさんのご自宅でアンへリータと会いました。(インタビュー、写真:萩原淳子)

第5回 アンへリータ・バルガス

(フラメンコ舞踊家)

【質問①】差し支えなければ、あなたの人生の中で起きた、厳しくつらい状況について語って頂けますか?

【質問②】その状況をどのように乗り越えたのですか?

【質問③】あなたの将来のプロジェクトを教えて下さい。

【質問④】日本の人達へのメッセージをお願いします。

【答え①】立て続けに、兄弟(萩原註:イシドロ・バルガス、チャンギート)・夫・母・息子を亡くしたことよ。日本で起こったことと同じようなことが私の人生にも起こった。

【答え②】とにかく闘うこと。生きること。上を見ること。他の家族のために。自分のために。

【答え③】無回答。

【メッセージ】フラメンコを続けなさい。そして他人を助けなさい。スペインのフラメンコ界と日本のフラメンコ界は結びついている。同じ神様が見守っている。だから前に進み続けなさい。

アンへリータは字が書けません。写真のサインは姪のフランチェスカから一字一字つづりを教えてもらい、アンへリータ本人が一生懸命書いてくれたものです。書き終わった後、「生まれて初めて自分の名前をちゃんと書けたわ」と感慨深く自分のサインに見入っていたアンへリータが印象的でした。

そして彼女が右手に持っているのは、来週3月28日に日本(大阪)に行くという彼女のE-ticket。「スペインの皆に『日本には行くな、行くな』と言われて、私が『行く』と言っているのに誰も信じてくれない。だから今日、このチケットを証拠に持って来たのよ。」とアンへリータは言っていました。

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アンへリータが帰った後、フランチェスカが私にこんな話しをしてくれました。「ヒターノ(ジプシー)の多くは学校に行かないため、読み書きができない人が多いの。『学校ではスペイン人に洗脳される』と思っているヒターノが多いから。そして子供でも仕事が入れば学校に行かずに働きに行ってしまう。『お金を稼いで何が悪い?』と彼らは思っている。スペイン人とヒターノは全く考え方が違う。彼らには彼らのものの見方、生き方があるの。最近では、仕事を得るには読み書き計算ができた方がいい、と気づき始めているヒターノも増えてきたから学校に行き始めているわ。でも学ぶのは最低限だったり、学校に全く行かないヒターノもいることも事実なのよ。」

その後フランチェスカはアンへリータのこれまでの人生の苦しみを私に語ってくれました。アンへリータが直接語ったことではないので、このブログにはアップしませんが、本当に壮絶なものでした。人づてにその話しを聞いたことはありましたが、フランチェスカが話したことはそれ以上であり、そして真実はもっともっと壮絶なものだったと思われます。

2011年3月22日 人を生きさせる強さについて考えています。 セビージャにて。

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