¨SOMOS JAPON¨ ⑩ アリシア・マルケス

みなさんこんにちは。

今日はアリシア・マルケスへのインタビュー&彼女からのメッセージです。(インタビュー、写真:萩原淳子)

第10回 アリシア・マルケス

(フラメンコ舞踊家、「アリシア・マルケス・フラメンコスタジオ主宰」)

【質問①】差し支えなければ、あなたの人生の中で起きた、厳しくつらい状況について語って頂けますか?

【質問②】その状況をどのように乗り越えたのですか?

【質問③】あなたの将来のプロジェクトを教えて下さい。

【質問④】日本の人達へのメッセージをお願いします。

【答え①】2年前の母の死と、5ヶ月前の夫の死。

【答え②】ずっとつらかった。でも私にはつかむものがあった。娘よ。彼女が私を助けてくれたの。そして自分に愛情を注いでくれる人達。彼らのためにも乗り越えた。

【答え③】一日一日を生きること。今現在、それだけよ、持っているのは。明日あれをやろう、これをやろうと考えて後回しにしないの。今のうちにそれをやるのよ。今日できることを。そして人生を楽しむこと。人はいつ死ぬか分からないから。それを私は学んだわ。

【メッセージ(写真)】生には、前に進みたくないことや時があるのは分かっています。でも乗り越えるためには愛の全てを心の中から探して取り出さなければならないのです。 愛と時間を。」

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このインタビュー企画を始めるまで、私はアリシアに習っていました。一人一人生徒をきちんと見て、毎日毎日一生懸命教えて下さる。時には厳しく、時には冗談を交えて。そして私は、アリシアが楽しそうに笑う時の目元のしわがとても素敵だなとずっと思っていました。幸せに年齢を重ねた女性のしるし。たくさんの生徒に愛され、かわいいお嬢さんの成長を見守るアリシア。今の私は「小じわ小じわ〜」と気にして目元美容液を塗りこんでいるけど、いつの日かアリシアみたいなしわが刻まれている女性になりたいなと思っていたのです。

だからインタビューの第一質問の答えを聞き、私は凍り付いてしまいました。全然知らなかった・・・。そんなことをおくびにも出さずに教授活動を続けていたアリシア。彼女にはきっと、彼女が考えている以上に、彼女を愛している人がたくさんいると思う。なぜならアリシアはどんな人にも愛を与えているから。

このインタビューのせいでつらい思いをさせてしまった。「ごめんなさい・・・。」と言ったきり胸が詰まって何も言えなくなってしまった私に、アリシアは優しく微笑んで言いました。「正直言って、今の私には日本の人に与えられるほどの元気がない。でも重要なことは、一人一人が力を合わせることなの。そうすることで何かを動かすことができる。私で何か役に立てるのなら、いつでも声をかけてね。」

「愛と時間を」・・・・・・この言葉はアリシアが自分自身にも向けた言葉なのかもしれません。

2011年3月27日 セビージャにて。

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