¨SOMOS JAPON¨ ⑭ イニエスタ・コルテス

みなさんこんにちは。

今日はイニエスタ・コルテスへのインタビュー&彼女からのメッセージです。イニエスタは3月26日に行われたチャリティー公演に出演、また4月2日に行われた別のチャリティー公演にはお客さんとして駆けつけて下さいました。(インタビュー、写真:萩原淳子)

第14回 イニエスタ・コルテス

(フラメンコ舞踊家)

【質問①】差し支えなければ、あなたの人生の中で起きた、厳しくつらい状況について語って頂けますか?

【質問②】その状況をどのように乗り越えたのですか?

【質問③】あなたの将来のプロジェクトを教えて下さい。

【質問④】日本の人へメッセージをお願いします。

【答え①】母の死。ひざの手術。手術後長い間踊る事ができなかった。そして今は離婚したばかり。子供もいるから、自分が踊る時に子供を一人にしなくてはならないのがつらいわ。

【答え②】少しずつ闘っている。前に進んでいる。子供のために強くならなければ。

【答え③】今仕事をし始めている。でもスペインは経済危機で仕事がない。経済的な援助がないままフラメンコ公演をするのは無理よ。誰もお金を持っていないのは知っているでしょう?フェスティバルでも踊り手が出演しなくなってしまった。昔は素晴らしい踊り手が出演していたのに。踊り手を雇うお金がないから、フェスティバル主催地のフラメンコ教室の発表会みたいになっている。誰もお金を払えないのよ。そんな状況の中で将来のプロジェクトを持つのは難しい。物事は変化しないわ。でも希望を持つことで何かが変わるかもしれない。みんなで団結するのよ。

私と私の周りの人が元気でいること。そうすれば日本のためにがんばれるから。

【メッセージ】日本の全ての友人達のために。その誠実さ、そして物事をきちんと行うあなた達のために、心の全てでエネルギーを送ります。あなた達は達成できる。ありがとう、日本。お身体を大切にして下さい。

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この後イニエスタは彼女の友人であり、仙台在住のフラメンコ舞踊家「藤井かおる」さんの話しをし始めました。「カオルには小さな子がいるでしょう。『子供を連れて私の家に来なさい』と何度も言っているの。子供のことをもっと考えなくては。子供が一番なのに。私だったら子供を連れて今すぐにでもどこかへ行く。スペイン人なら誰でもそうよ。でもあなた達日本人は文化が違うのよね・・・自分のことよりも、周りの人間のことを考えるのよね。それは日本の素晴らしいところだと思うの。私はそういう日本の文化が大好きよ。でも・・・・こんな時は・・・子供を連れてどこかに行けないのかしら・・・。」イニエスタは「どうしたらいいのかしら」という言葉を何度も何度も繰り返していました。

かおるちゃんは私の友達でもあります。イニエスタの言うこともよく分かる。でもかおるちゃんがどういう人かと考えた時、仙台のご家族や友人、生徒さん達を残しておけない気持ち、復興のために自分がここで踏ん張るんだというかおるちゃんの気持ちも痛いほどよく分かります。イニエスタも頭ではきっと分かっているのでしょうが、心配で心配で仕方がないという気持ちが勝ってしまっているのだと思います。

被災地にはかおるちゃんのような方がたくさんいらっしゃるのだと思います。

遠くからだけれど、私のできることならなんでもしたい。そう切に思います。

2011年4月4日 セビージャにて。

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