みなさんこんにちは。
東日本大震災復興支援特別プロジェクト“SOMOS JAPON”。スペインのフラメンコ・アーティストへのインタビューと、彼らからの応援メッセージの第22回。一時帰国中は一時休止していましたが、日本ではたくさんの方から「何度も読み返しています!」「涙が止まりません」・・・たくさんのお言葉を頂きました。どうもありがとうございました。みなさんから頂いた感謝のお言葉は、そっくりそのまま協力して下さったアーティスト達に贈りたいと思います。
なお、これまでのインタビューとメッセージはご要望にお応えし、第1回から全て1カ所にまとめました。このブログ右側の大きい日本の国旗をクリックして下さい。今後は少しずつ継続してゆきたいと思っています。
さて今日はエル・フンコへのインタビュー&彼からのメッセージです。フンコはこのインタビューに是非協力したい、と私がセビージャに戻るのを待っていてくれていました。(インタビュー、写真:萩原淳子)
第22回 エル・フンコ
(フラメンコ舞踊家)
【質問①】差し支えなければ、あなたの人生の中で起きた、厳しくつらい状況について語って頂けますか?
【質問②】その状況をどのように乗り越えたのですか?
【質問③】あなたの将来のプロジェクトを教えて下さい。
【質問④】日本の人達へメッセージをお願いします。
【答え①】自分が外国にいる時に家族の問題や死に直面すること。アーティストはほとんど海外公演をしていることが多い。その時にその知らせを受けるのは本当につらい。家族から離れているから。最期を看とる事ができないから。人生というのは家族の結びついていること。その時自分が何もできないというのは本当につらいことなんだ。私の祖母が亡くなった時、私は何もできなかったんだ。
(私に向かって)君はここにいて、フラメンコを学び人生を楽しんでいるだろう?でも同時に家族から離れている。私たちと同じ状況だよね。だから分かってもらえるね?(深くうなずく萩原)
【答え②】踊り。観客からの拍手。自分の仲間。痛みの感情。全てが乗り越えるのに役立ってくれる。そういう時の踊りは特別なんだ。踊りは癒しでもあるんだよ。踊ることで自分を落ち着かせることもできるんだ。
【答え③】最新舞台作品の「mirando al pasado」を続けること。ロリ・フローレス、ラファエル・ロドリゲス、ガジ、フアン・ホセ・アマドール、ミゲル・イグレシアス。(萩原註:以上、フンコの共演アーティスト。他の共演舞踊家は、フンコの奥様であるスサーナ・カサス)彼らと共に海外公演をしたいんだ。本当の踊りの公演だよ。舞台芸術や照明などでカモフラージュさせた踊りじゃなくて、いいギター、いいカンテ、踊りだけ。他のものはいらないんだよ。それが本当の踊りなんだよ。それによって即興もしやすくなるからね。そして学び続けること。来た仕事を引き受けること。
【メッセージ】9月に日本に行くことになると思うよ。日本に行く事を恐がるのではなく、私達が行く事で今まで通りのフラメンコの動きに戻していかなくては。日本の人達を元気にしたいんだ。
写真の中のメッセージ:日本を、君たちをとても愛しています。たくさんのキスと愛を持った力強さを。エル・フンコ
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文化庁新進芸術家海外派遣研修員として国費留学をしていた時のことです。任期完了まであと1ヶ月を切った時に、あと少しでやっと2年ぶりに日本に帰れる時、私の祖母は亡くなりました。その次の日に踊ったソレアを私は生涯忘れることはないでしょう。そして祖母のお葬式にすら出られなかったことも。
2011年5月27日 セビージャにて。