「第7回少人数制クルシージョ」 義援金送金のご報告

こんにちは。いかがお過ごしでしょうか?

お蔭様で「第7回少人数制クルシージョ」(東京・中野4/16~30)は無事終了致しました。どうもありがとうございました。

遅くなりましたがクルシージョの収益金と生徒さんからのカンパを合わせた373385円を東日本大震災義援金として日本赤十字社に送金させて頂きました。(郵便局所定の義援金振込み用紙では、口座加入者名“日本赤十字社東北関東大震災義援金”と印刷されてあります。)被災された方々のお役に立てるよう、今後も復興のために微力ながら支援してゆければと思っております。

今回のクルシージョですが、震災前からお申し込みは始まっており、震災後、すでにお申し込みされていた生徒さん達から「今回は無理して開講しないで下さいね」「延期でも構いません」とお気遣いのメールをたくさん頂きました。セビージャでも「なんで今日本に行くの?」「怖くないの?」と多くの人に(同じ日本人にさえも)言われ続けていました。

あの時、限られ、誇張された報道の中でクルシージョ延期案を却下したのはなぜだろう、と思います。正直、とても怖かった。日本に帰るのが。でも家族と離れて自分だけ“安全な”場所にいることが許せなかったし、ここでクルシージョを延期しては絶対だめだ、という根拠のない思いだけがありました。外国人がみんな日本からいなくなってしまって、あれほど日本で働きたがっていたスペイン人アーティスト達は誰一人日本に行きたがらなくなり、セビージャにいる日本人さえも「しばらくは帰らない方がいいよね~」と話しているのを耳にし、「私は、行くわよ」・・・と。・・・反骨精神みたいなものでしょうか。・・・いや、あれは「怒り」に近かったような気がする。でも何に対して怒っていたのか・・・・よく分かりませんが、そんなものが自分をただ頑固にしていたように思えます。考えようにも震災後、日本に戻るまでの1ヶ月は頭も心もばらばらでパニックの状態でした。だからあの時なぜ決断できたのかよく分からないのですが・・・でも決断した自分がいました。

どう考えてもセビージャにいる方が状況は“安全”なのに、日本に着いて家族と会い、この国に自分がいることで初めて、やっと気持ちが落ち着きました。そして思ったのです。被災された方々の気持ちを「理解」しようとしていた私の「理解」は現実から程遠いものでしかない、ということを。

被災していない人間一人一人が「できることをやる」。その“スローガン”は正しいと思います。でも何かがずっとひっかかっていました。果たして、私はこれまでの人生の中で「できることをや」ってきたのだろうか?・・・・何かがちょっと違う。そもそも私は「できる」か「できない」かを考えて行動していたっけ???・・・・私にとって重要なのは「やる」か「やらない」か、ではないのか。それだけ。

そう!私は自分で「やる」と決めたことを「やる」のだ。なぜなら「できる」か「できない」かは「やる」ことなしには分からないから。人はそれを無謀と呼ぶのかもしれない。でもだから何?とにかく「やる」のみ。でもそのためには闘わなければ。自分自身と闘い続けること。

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今回のクルシージョに集まって下さった40名の生徒さん。全ての方からお話を伺っていませんが、たくさんの方が「クルシージョに出たことで元気が出た」「一人では始められなかったけど、クラスに来てがんばろうと思った」「やっぱり楽しかった」とおっしゃっていました。そして「次回8月に!」とみなさん元気な笑顔でお別れできたことを嬉しく思います。

大変な中、勇気を出して受講して頂きありがとうございました。私の方こそみなさんからエネルギーを頂き、あの時決断してよかったなと思います。そして受講されたくてもできなかった方へ。踊りのクラスを受けることだけがフラメンコの勉強ではありません。踊れない時間が自分の内面を深めることも知っておいて頂きたいと思います。そしてそれが、どんなに高度な技術やカッコいい振り付けを持つことより、何百倍も大切だということも。

いつの日かお会いできることを楽しみにしております。必ずお会いできると信じて。

「がんばろう日本」 「続ける。フラメンコ」

2011年5月9日(火) 明日セビージャに戻ります。 今のところはまだ湘南台にて。

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