6月29日(水)セビージャ・ソロ公演!

みなさんこんにちは。いかがお過ごしでしょうか?

2011.6.29 //  “ミエルコレス・ア・コンパス” カルトゥッハ修道院(セビージャ)21:00開演

入場料:3ユーロ

Baile Cante Guitarra
  • 萩原淳子
  • ヘロモ・セグーラ
  • ハビエル・リベーラ
    • ミゲル・ペレス

今週は大変、くたくたの毎日でした。今は金曜の夜。お友達の家の屋上でのフィエスタ(パーティー)に誘われましたがお断り。最近は土日もクラスを行っているので休む暇がありません。そして今月24日にはカディスのアレグリアス・コンクール出場、29日はセビージャのソロ公演 “ミエルコレス・ア・コンパス” があります。コンクールの話しはまた別の日にブログにしますので、今日は “ミエルコレス・ア・コンパス” について。

毎週水曜日にセビージャのカルトゥッハ修道院で行われるフラメンコ公演「ミエルコレス・ア・コンパス」。主に若手の踊り手が中心に出演し、時にはあっと驚くベテラン舞踊家が出演することも。これまでは入場無料でしたが、経済危機のあおりで無料での公演継続が難しくなり、今年から入場料3ユーロとなりました。といってもすごく安いと思うのですが、昨年に比べてお客さんはぐっと減ってしまいました・・・先週、先々週と公演を観に行きましたが、いい踊り手達のいい公演だったのにお客さんはまばら。すごく残念。私が踊る時にもお客さん少ないのかな・・・と心配です。

せっかくのいい公演だったのでせめてブログにしますね。

  • 6月1日 踊り:アナ・カリ

アナ・カリはグラナダの踊り手。この公演出演のためにわざわざグラナダからやって来たそうです。結論から先に言うと、来てくれて本当にありがとう。あなたの踊りはとても素晴らしかった。大好きだ!!!

アナ・カリの芸歴は恐らく長い。数年前にはベレン・マジャともよく一緒に仕事をしていた実力派。この日はタラントとアレグリアスを踊りました。まず、アナ・カリは身体的に恵まれていません。恐らく私より身長が低い。(私は154センチ)小さい踊り手が舞台に乗っている時に大きく見えることはよくあるけど、前から2列目で見ていたにもかかわらず、アナ・カリは本当に小さかった。踊りが小さいのでなく本当に身長が低い。そして手足も長くない。俗にいう日本人体型・・・でも、多分、多くの日本人の踊り手の方がよっぽどスタイルがよい。本当に申し訳ないし、私は自分の体型を棚に上げているのだけど、それが事実で、それは本人が一番よく知っていると思う。

そんなわけでタラントで踊り出した時は「ああ、残念だな・・・いい踊り手のはずなのに・・・」と思ってしまいました・・・・。でも!!!!タンゴになったら大逆転!!!彼女の土地、グラナダのタンゴ。本当に素晴らしい。これがグラナダのタンゴなのだ。アナ・カリのタンゴなのだ、と。今まで私がタンゴだと思っていたのは何だったのか。脱帽。圧巻。この踊り手はすごい。

2曲目はアレグリアス。なんと、その体型でズボン姿。女性がフラメンコを踊る時にはくるぶしまでの長いスカートをはくのが伝統的であり一般的。ズボンをはく場合もあるし、あえてスカートをはかない場合もあるけど、ズボンをはくからにはそれなりのスタイルと脚力、男性並みのサパテアードの力がないとあまり意味がない。スタイルのいい人は何を着てもサマになるけど、そうでない人は欠点をいかにカモフラージュするか、長所をどう見せるかがポイント。(私も衣装を選ぶ時にはものすごく悩みます。)スカートはその意味でデザインによっては自分の味方になってくれるけど、アナ・カリのズボンは・・・確かにグラナダの踊り手だけあってサパテアードはすごい。でも・・・まさに彼女のそのスタイルの欠点を誇張してしまっている・・・うわ〜と絶句してしまったのだけど・・・

この人のアレグリアスは・・・・OLE OLE OLE OLE OLE OLE OLE OLE OLE OLE OLE OLEEEEEEEEEEEEEEEEE!!!!

本当に素晴らしかった。踊りの上手な人は世の中にいっぱいいる。容姿に恵まれた人も。でも本当に心の底から「ole」が出る踊り手は一体世の中に何人いるのか?!

アナ・カリはそのうちの一人だ。実力のある踊り手というのは知っていたが、彼女のソロの踊りを生で観たのは初めてだった。世の中にこんな踊り手が存在していることが嬉しい。ペソと呼ばれる、重み、存在感。それがある。確実に彼女から地軸に向かってまっすぐにエネルギーが伸びている。そしてそこから時としてマグマが噴出する。彼女の身体を通して。カルメン・アマジャの影響を強く持っている踊り手。でもそれがただの物マネではなく、アナ・カリ自身の何かと直結している。アナ・カリの踊り。

「personalidad」という言葉がある。その人がその人であること。その人でしかないこと。日本語に訳すと「個性」になるのだろうが、「個性」という言葉とはニュアンスがちょっと違う。うまく説明できないが、それを「個性」と訳してしまうと何か違和感がある・・・。が、それ以外のぴったりくる言葉も見つからない。出る杭が打たれる文化にはその言葉は真の意味では存在しないのかもしれない・・・。が、とにかくその確固たる「personalidad」を持つ踊り手。それを持つ踊り手は一体世の中に何人いるのか?!特に若手舞踊家の中で。誰もが上手に踊る、でもそれが時としてみんな同じように見えたり、誰かのモノマネに見えたりする中で。

それにしても観客が少ない。こんないい踊りを3ユーロで観られたのに。

  • 6月8日 踊り:イレーネ¨ラ・センティーオ¨

イレーネはイタリア人。昨年のセビージャ・ビエナルのファルキートの公演の中で出演した4人の女性舞踊家のうちの一人。ファルキートに習っているだけあってとにかく脚力が強い。速くて正確なサパテアード。そんじょそこらの男性舞踊家よりもよっぽどすごい。彼女のソロ公演を観た事がなかったのでこの日もカルトゥッハ修道院へ足を運ぶ。

これまでは修道院の礼拝堂が公演会場だったが、この日から後の公演は修道院中庭の屋外舞台。セビージャでは6月はもう夏の暑さが押し寄せている。野外公演が始まるのがこの月。でもこの日は意外に涼しくて、公演中ちょっと寒かった。そしてやはりお客さんがまばら。野外だけに人数の少なさが余計に強調されてしまう・・・

イレーネは上手だった。でも残念なことにサパテアードの音を拾うフット・マイクがなかった。屋外なのに。ギターとカンテにマイクがあっても足音が聞こえないから、イレーネの良さが伝わらない・・・。すごいことしているんだろうな〜と足音を想像しながら観るしかなかった。とても残念だ。

よかったのは若手のギタリストのブレリア。モロン出身に違いない。かの、ディエゴ・デル・ガストールを輩出したスーパー・フラメンコの土地、モロン・デ・ラ・フロンテーラ。モロンのギタリストというのはすぐに分かる。あのモロンのギター。会場から「¡Viva Moroooooooon!(モロン万歳!)」という雄叫びが。やっぱりね。観客が少なくても、ここにはフラメンコを愛する人が必ず紛れているものなのだ。舞踊伴奏は残念ながら今ひとつで、それもイレーネが可哀想だった要因だけれど、彼のソロの部分はすごくよかった。その意味ではなんだかちょっと得した気分。

ところで「ディエゴ・デル・ガストール」って誰?という人、このYouTube の映像をどうぞ。必見。必聴。

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しかし・・・のんきに他人の公演を批評している場合じゃない。どうしよう!!!29日の私の公演!!!と焦りまくる私。どうしよう!!!時間が足りない!!!準備が足りない!!!ブログ更新している場合じゃないよ〜!!!

29日、私はソレアと、アレグリアスを踊ります。アレグリアスはマントンとバタ・デ・コーラの新しい振付。これが恐ろしい・・・一体どうなるのか?初出しというのはとにかく緊張する・・・しかも野外公演だ。マントンとバタには強敵の風が強い可能性が高い・・・

とにかく練習するしかない。克服できるかできないかは分からないけど練習あるのみ。「だったら無難に、今までの踊りをすればいいじゃないか」という、頭の中の“ジュンコ”が囁く。すると“もう一人のジュンコ”が、「何を言うか、失敗を恐れるな。やりたいことを貫け」と言う。さらに“別のジュンコ”が「そうだそうだ。恥かくだけで死にゃーしないよ。」と加勢する。どうなってんの。まったく。

そして練習すればいいってもんじゃない、ということも知っている。オリンピックに魔物が住んでいるように、舞台にも魔物が住んでいる。と私は思う。

不安だ・・・私の公演・・・・

そう思いつつ、明日の朝はスーパーに買い出しに行かないといけない、なんてふと思いついてしまう。。。平日は忙しくてスーパーに行けない。日曜はどこも閉まっている。土曜が1週間分の食料まとめ買いの勝負だ。しかも砂糖が切れている。いつもの買い物より1kgプラス。でもメロンも買いたい・・・あ〜〜〜。そしてさらに、今週は階段掃除当番だ。

がんばる、じゅんこ。でも今日はもう寝る。

2011年6月11日 ・・・もう土曜になってしまった・・・

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