アンへリータ・バルガスのご容態

みなさんこんにちは。いかがお過ごしでしょうか?

先週の金曜日にセビージャ郊外の町、レブリーハのフェスティバル「カラコラ」に行って来ました。そこでお会いしたのがアンへリータ・バルガスのご家族の方。フラメンコ関係者の方はご存知かと思いますが、6月末に脳梗塞で倒れ右半身麻痺と言語障害が残った、フラメンコの踊り手アンへリータ・バルガス。その踊り、存在は“人間国宝”と言えると私は思うのですが、フラメンコを愛する方ならきっと同じように思われるのではないでしょうか・・・・。

アンへリータが脳梗塞で倒れたというニュースは、彼女の姪のフランチェスカさんから伺いました。私は6月29日の自身のセビージャ公演の前、右腕が痛くてスイカが切れない・・・と落ち込んでいましたが、同じ頃右半身麻痺になってしまったアンへリータのことを思い、また、自分の公演のことで頭がいっぱいで、フランチェスカからの連絡があるまで何も知らなかった自分を思い、なんだか申し訳なく、そして自分に対して憤りを感じてしまいました・・・当時はセビージャ郊外の町“ボルムホス”の病院に入院されていたアンへリータ。フランチェスカと一緒にアンへリータのお見舞いに行きたいと申し出たのですが、その後彼女との連絡が途絶え、アンへリータの容態がずっと心配でした。

そんな時に届いたのが、アンへリータ・バルガスのクラスを企画されていた横田万紀さんからの「アンへリータ・バルガス闘病寄金」と題されたメールでした。詳細はこちらをクリック→angelitavargas

また、フェイスブック上でも “Amigos de Angelita Vargas a Favor de Su Rehabilitacion” というグループが結成され、7月24日現在、1724人がアンへリータのリハビリを支えるメンバーとなっています。英語やスペイン語が主ですが、アンへリータに近しい会員達が日々コメントを寄せています。

その後のご容態を、先週の金曜日にレブリーハに住む、アンへリータのご家族のデリアさんから伺いました。アンへリータが倒れた時、彼女は意識を失っていなかった、その間彼女の脳は機能し続け、自分に起こった事を彼女はちゃんと覚えていたそうです。そしてその数日後、医者が「奇跡」という程の驚異的な回復力で快方に向かい始めたそうです。現在は彼女の自宅に戻り、リハビリを精力的に行っているそう。フランチェスカの旦那さん“としさん”(日本人のマッサージ師さんです)が教えるリハビリ体操を、アンへリータは一人の時ももくもくと続けているそうです。そしてデリアは言いました。「アンへリータが脳梗塞で倒れた、という話しを聞いて、皆、『もうアンへリータは終わった』というような気持ちになっている。でも皆が思っているほどひどい状況ではない。ひどい状況とも言えるけど、彼女はそれに打ち克つ強さを持っている。なぜならアンへリータだから。」

その言葉を聞いて私は強くうなずきました。そうだ。アンへリータ・バルガスという踊り手はそういう人間なのだ。

最後に、このブログの「SOMOS JAPON」(東日本大震災復興支援特別プロジェクト)でご紹介した、アンへリータ・バルガスへのインタビューとメッセージ。まだお読みでない方はこちらをクリックして下さい。→¨somos-japon¨-⑤%E3%80%80angelita-vargas

(トップ写真は上記インタビュー時の2011年3月22日、彼女のお誕生日会にて撮影したものです)

アンへリータの信じる神様が彼女を守って下さいますように。

2011年7月24日 セビージャにて。

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