土曜日のペーニャ公演を終えて。

みなさんこんにちは。いかがお過ごしでしょうか。

お陰様で無事に土曜日のライブは終了致しました。たくさんのお客様に来て頂き本当に感謝しております。小さなペーニャで50人入れば満員のところ、60人もいらっしゃったそう。さらにどんどんお客さんが増えたらしいのですが、会場に入りきらなくてペーニャの方がお断りされたそうです。本当に申し訳ございませんでした。

今ライブが終わってミニ打ち上げをし、家に着いたところです。同居人が寝てしまったところでブログを更新することにしました。きっと自分の気持ちを整理しないと前に進めない。そんな気がします。

最低最悪の踊りをしてしまいました。ひどかった。よく、共演していた歌い手達が一緒に仕事をした踊り手がひどい踊りをした時に「あいつの足は切るためにある」という言い方をしていましたが、まさにさっきの私の踊りがそれでした。あんなサパテアードなら足なんていらない。ほとんど全てコンパスを外していました。

満場のお客さんはなぜか拍手喝采で大満足だったようです。でも私は自分がどんな踊りをしたか自分で分かっているので「来てくれてありがとう」とだけお礼を言うのが精一杯でした。直接お礼をお伝えできなかった方も多かったと思います。この場をお借りして・・・ありがとうございました。

トロンボのクラスを再び受け始めて数ヶ月。私はずっと悶々としていました。トロンボのコンパス。クラスにいるヒターノの男の子達(ポレーテとペテーテ)のコンパスに私は毎日うちのめされています。そのコンパスに心から「ole」と言ってしまう自分と、自分が打つサパテアードやパルマに幻滅する自分。練習しても、いや、こんなんじゃない。何かが違う。違うのは分かっている。でもその違いを埋められない。多分感性がどんどん鋭敏になっているのだと思います。今までの自分では気にもとめなかった音が、許せない音になっている。それを分かっていながらどうすることもできず、そのままペーニャ公演を迎えてしまったのです。

これまでの練習で何かをつかめた感覚がまるでない。準備不足だという思いが強くて、それが不安につながり自分をコントロールできないまま舞台で踊り、それがもっとひどい状態でサパテアードに出てしまったのだ。要するにそういうこと。

もう10年以上前の話しですが、やはり舞台で大失敗をして(初めて舞台でソロを踊った時でした)どう立ち直ったらよいのかあの時は分からなくて、当時習っていたクラシック・バレエのC先生に相談したことがあります。先生はこうおっしゃいました。「たくさん練習したと自分で思っても舞台で失敗するということは、練習がまだ足りないからなのよ。」・・・・え?あんなに練習したのにまだ足りない?・・・私は驚きました。でもそれがとあるバレエ団でプリマとして活躍されていた先生のお言葉なら、本当なのでしょう。プロとして踊るということはそういうことなのだ、とはっと気付かされた記憶があります。

そして先生はその時もう一つ重要なことを教えて下さいました。「じゅんちゃんは、自分の悪い所ばかり見ている。自分の欠点を探すのも勉強だけど、良い所も探さなくてはだめよ。でないと他人の踊りを観る時もその人の欠点しか探さなくなるから。」

私の良い所・・・。あれから10年以上経ってやっといくつか見つけることができました。わざわざそれをここで表明する必要はないけれど、その良い所を感じとって下さったお客様が今日のライブで満足されたのだと思います。それが心に届いたのだと思います。

それはそれで重要な事。それがなくてはフラメンコにはならないから。でも私はプロとして踊るからには自分に足りない部分をもっと磨かなくてはならない。次の公演は来週の金曜日。もう1週間もない。自分がやろうとしていることにはまるで時間が足りない。でもやらなくては。

自分の一生をかけても多分到達することはないだろう。でもやると決めている。それと同じこと。

今回の踊りはきっと意味がある。ああ踊ってしまったのは、これから私が成長する上で必要となるのかもしれない。今までもそうやって繰り返して乗り越えてきたから。また繰り返すの?これから先10年も?とげんなりもするけど、それが私の学び方なのだと思う。

  • 次回公演・・・・2012.2.3 // ペーニャ・ピエス・プロモ(セビージャ)22:00開演、入場料5ユーロ
Baile Cante Guitarra
  • 萩原淳子
  • エル・トゥリニ
  • ミゲル・ペレス

2011年1月29日 これでやっと眠れるかな。 セビージャにて。

Comments are closed.