お陰様で無事セビージャに着きました。

みなさんこんにちは。いかがお過ごしでしょうか?

お陰様で無事、昨晩セビージャに着きました。

日本での日々も猛烈に忙しく、また家にインターネットもなくブログの更新が遅れ申し訳ございません。

4月5日高円寺カサ・デ・エスペランサライブ、第9回少人数制クルシージョもお陰様で無事終了致しました。

ライブにお越し頂いた皆様、受講生の皆様、誠にありがとうございました。

ライブもクルシージョもたくさんの素敵な時間がありとても充実していましたが、中でもとりわけ印象に残っているのはクルシージョの最後に行った、「カンテ&ギター伴奏付き実践クラス」です。ギタリストのフェルミン、歌い手の瀧本正信さんのお陰で大変充実したクラスとなりました。

私のクルシージョは巷のそれと違い、数時間で振付けてハイ、さよなら、というクラスではありません。教える方は短時間でぱっとお金を稼ぐことができ、習う方は振付けという〝お土産〟をもらうことによってフラメンコを習ったような充実感がある。そう、習った「ような」。本当にそれでフラメンコを習っているのかな?フラメンコを学んでいるのかな?私自身これまでにそのような形態の〝即席フラメンコ(っぽい)〟クルシージョを受けたことがあったので、今大いに疑問に思います。そんなクルシージョをとっかえ引っ替え受けてフラメンコになるの????

フラメンコってなんなのだろう?

私はフラメンコを学びたい。

 

 

フラメンコ風ダンスではなくて、フラメンコを。

 

 

それだけに焦点をあてて、セビージャで10年が経ちました。(お陰様で3月1日で在西10年を迎えました。)その中で学んだこと、今も学んでいることを私はクルシージョで教えています。 だから私が教えているのは〝振付〟ではない。たとえ〝振付〟クラスであっても、〝振付〟を題材にしてフラメンコの本質に真っ向から対峙すること。

これまでのクルシージョの中で少しずつ始めた、〝振付〟クラスはマルティネーテ、マントンのアレグリアス、バタ・デ・コーラのソレアでした。それぞれのクラスにおいて、舞踊テクニカ、マントン、バタのテクニカ基本を持っていること。それぞれの歌が一体何を表現しているのか、振付けた動きには何の意味があるのか、ジャマーダとは、レマーテとは?カンテとギターを聴くということは?学ぶべきことはたくさんあります。本当にそれらに向き合ったら、きっと一生かかるくらい。いや、一生かかっても学びきれないかも。

その中で、私の言葉だけでは説明しても100%伝わらないことを、実際に歌とギターを聴く事で学んでほしい。そう思い、今回歌&ギター伴奏付きの実践クラスを設けました。瀧本さんとフェルミンには、「生徒さん達はまだ技術が足りない人も多いし、振付をきちんと踊れる人は少ない。本当はまだ歌やギターと合わせる段階ではないのかもしれないけれど、でもあえてカンテとギターを聴く重要性を学んでほしい。その観点からクラスを行いますのでよろしくお願い致します」と事前に伝えておきました。

世の中には、手足を上手に動かすことだけでフラメンコを踊っていると勘違いしている人がいます。フラメンコっぽい動きをすることで、フラメンコを踊っていると錯覚している人がいます。その勘違いや錯覚によって作り上げられた虚像が一人歩きし、同じく、フラメンコとは何か、に向き合わない人達がその虚像をホンモノだとか、プーロだとか呼んでいます。おかしな現象だと思いますが、その現象が大多数であればあるほどそのおかしさに気付かなくなってしまうのではないでしょうか。

今回の実践クラスではその問題に真っ向から取り組みました。私が渡西前、日本で学びたくて仕方がなかったこと。当時師事していたAMIさんに質問したら「そんなこと自分で考えなさい」とはねつけられたこと。でもそのお陰でセビージャで私は自分の力で掴むことができました。でもそれはフラメンコの本質から少しでも目を反らしたら、きっとするりと逃げてしまうもの。 だから一生向かい合ってゆくもの。

瀧本さんがクラスで説明して下さった言葉は、そのまま私の言葉でもありました。フェルミンがクラスの後に私に個人的に訴えていたこと。その通りでした。彼らのお陰で、私もたくさんのことを学ぶことができました。何人かの生徒さんからは「いかに自分が聴いていないかが分かった」「まさに学びたかったことを学べた」などなど、ご感想を頂きました。もちろん、なんだかピンと来ないまま終わってしまった人もいらっしゃったと思います。でもそれも勉強のうちだと思うのです。分からないということが分かったことだけも。

私は教えるからには、自分が持っているものは全て教えたいと思っています。踊る時に自分の内面を全部取り出すのと一緒。よく、教えるのと踊るのは別だと言われますが、私にとっては最終的には同じことなのです。

日本からやって来る踊り手仲間と、月曜にセビージャでライブをします。

2012.4.16 // ¨ラ・カハ・ネグラ¨ – セビージャ、 22時以降開演、入場料5ユーロ

Baile Cante Guitarra
  • 浅見純子
  • 市川幸子
  • 萩原淳子
  • 〝エル・プラテアオ〟
  • 〝エル・リソス〟
  • 久保守

※チラシは市川幸子さん作です!

なぜこんな特別企画ライブがあるのかというと・・・実は明後日、歌い手のプラテアオ&踊り手・北原由香ちゃん夫妻の結婚パーティーと、愛娘サマラちゃんの洗礼式がセビージャで行われるのです。日本からたくさんの方々がセビージャにいらっしゃいます。今回共演する浅見純子さん、市川幸子さんとはもう15年以上になるでしょうか、長いおつきあいをさせて頂いております。そんなわけで、特別企画ライブをセッティングしてみました♪

ではみなさんまたお会いしましょう。

2012年4月12日 実はまだ旅の疲れが残っています。。。明日は元気になるかな。 セビージャにて。

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