仙台チャリティーライブ 無事終了!

みなさんこんにちは。いかがお過ごしでしょうか?

お蔭様で、3/31(土)に行われた、東日本大震災復興支援チャリティーライブ“Desde el horizonte”は無事終了致しました。当日は福島や北海道の方も含め、100名以上のお客様にお越し頂きました。誠にありがとうございました。収益の一部は義援金として寄付され、詳細は後日、主催者である藤井かおるさんのHPにて公表されるとのことです。

藤井かおるさんフラメンコスタジオのHP→www.cincopuentes.com

かおるちゃんとはもう、随分前からのお付き合いになります。10年以上かな。震災後、仙台在住のかおるちゃんのことが心配で、でも主にセビージャにいる私は何もできずもどかしく・・・・昨年の10月に石巻を訪れたのは、仙台でかおるちゃんに会うためでもありました。そして今回のライブ共演のお話を下さったのは、かおるちゃんと同じくチャリティーライブ主催者である浅見純子さんでした。純さんともお付き合いが長く・・・15年くらいになるのかな・・・。私の踊りで少しでも何かお役に立てるのだったら・・・と思い、共演させて頂くことになりました。

ライブのタイトル、“Desde el horizonte” (“地平線から”)はお恥ずかしながら、私がつけさせて頂きました。今月号の雑誌“パセオ・フラメンコ”さんに掲載されたこのライブの紹介の記事では、“仙台の地平線から”という見出しになっていましたが、私が見たのは仙台の地平線ではなく、石巻の地平線でした。何もなくなってしまって、更地になってしまって、残されたのは瓦礫の山と1階だけががらんどうのマンション、火災した南浜町の門脇小学校、玄関であっただろう場所に備えられた花。それを間のあたりにした私は、日が暮れるまでずっとそこにいました。そして思ったのです。地平線って、ずっと見ていなかったな、と。

かおるちゃんから「公演のタイトルをスペイン語でつけたい」と言われた時に、その地平線を思い出しました。もう一度、“地平線から”始めるのだと。

そしてその更地を前に、私はカマロンが歌っていたタランタを思い出していました。どんな歌詞だったか明確には覚えていませんが、確か

爪でひっかいている。小さな子供がライオンのように。鉱山の崩れでその子の父親はその下に埋まっている。

そんな内容の歌詞だったと記憶しています。もちろんそれはアンダルシアのヒターノの歴史に裏付けられたもの。だから日本人である私はその歴史にも文化にも属していないのだけれど、小さな子どもがこの石巻や他の被災地でも、同じように大地をかきむしっているのだ、と思ったら涙が止まらなくなりました。

ソレアやアレグリアスに比べて、私のタラントはまだ日が浅く、本当はまだお客様にみせる踊りではないのかもしれない。でもどうしてもタラントを、このチャリティーライブで踊りたくて踊らせて頂きました。

何年か前のペーニャ公演で、一人の歌い手がソロで歌っていた時、それを楽屋で聴いていたもう一人の歌い手が目に涙を溜めて私に言った言葉が忘れられません。

「本当のことなのよ。本当のことを歌っているのよ、フラメンコは。ジュンコ、本当のことなのよ。」

本当のこと。それが歌われてそれを弾き、それを踊る。それがフラメンコ。だから自分の中に少しでも嘘やごまかしがあったらその人の歌やギターや踊りはフラメンコにならないんじゃないか。技術や表面的なカッコ良さ、それだけを求めたり、それに惑わされて、本当のことを曇らせてはだめだ。フラメンコにおける本当のこと。自分自身における本当のこと。それを探して、大切に守って、取り出さなくてはならない。そうでなくては私が踊る意味は、多分ないと思う。

明日、踊ります。

  • 2012.4.5 // ¨カサ・デ・エスペランサ¨ – 高円寺.  20:00H. 21:15H. 入替なし

入場料5000円(要割引券、フリードリンク&タパス付)

Baile Cante Guitarra
  • 渡部純子
  • 三枝雄輔
  • 萩原淳子
  • 川島桂子
  • 片桐勝彦

立ち見の方も含めほぼ満席、と伺っております。詳細は℡:03-3316-9493(夜、カサ・デ・エスペランサ)もしくは℡:03-3383-0246(昼、セルバ)までお問い合わせ下さるようお願い申し上げます。

2012年4月4日 中野にて。

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