ペーニャ・ピエス・プロモ公演 無事終了!

みなさんこんにちは。いかがお過ごしでしょうか?

2012.6.1// ペーニャ・ピエス・プロモ公演(セビージャ)

Baile Cante Guitarra
  • 萩原淳子
  • エル・トゥリニ
  • マヌエル・エル・パティ

お陰様で先日のペーニャ・ピエス・プロモ公演は無事終了致しました。ありがとうございました。当日は他のペーニャなどでも公演があったようで、お客様はちょっと少なめでした。出演が決まったのが直前だったこともありあまり宣伝もできなかったからかもしれません。でも、当日一番のりでお越し頂いたお客様はなんと・・・ベレン・マジャでした!!!

前回のブログでも紹介しましたが、5月の1ヶ月間私はベレンのクラスを受講していました。公演準備のためにクラスを欠席するとベレンに伝えると、「え!ペーニャで踊るの?観に行きたい!」とおっしゃったのです。そばにいたベレンの旦那様のダビも「行こう行こう!!」とすごい乗り気。ダビは俳優・舞台監督らしく、またカンテにも精通しているので ベレンの踊りのクラスの後にカンテの講義クラスで教えて下さっていました。お二人ともペーニャが大好きだそうです。でもベレンはこんなことをおっしゃっていました。「私はペーニャで踊ったことがあまりないの。何度かはあるけれど、とても緊張したわ。舞台とは全然違う。あなたは勇気があるわね!」え〜、私は逆。舞台よりもペーニャで踊っている。といっても、ベレンのような超一流の踊り手と私では月とスッポン。比べようにも比べようがないのだけど・・・。なんだか全ての会話が信じられなくて、でも頭の片隅で、そうはおっしゃって下さっても当日来られなくなることもあるかもしれないから・・・なんて思い、「そうおっしゃって下さるだけで本当に光栄です」とお伝えしました。

でも、お二人とも本当に観に来て下さいました!しかも一番のりで!びっくり、感激、感動、光栄!!!!(ちなみにその日のベレンは、スパンコールがたくさんついたキラキラ黒いノースリーブのワンピース姿でした)そして、日本人留学生や、ベレンのクラスで一緒だったクラスメート、その他お友達、やフラメンコ愛好家らしき人々、歌い手etc、皆様お越し頂きありがとうございました。

1部で踊ったタラントは技術的にはいまいちだったと思うのですが・・・これは自分のこれまでの練習の仕方に問題がありました。5/30の公演が中止になり、その他諸々災難がふりかかり精神的に落ち込んでいた先月はモチベーションがものすごく下がってしまっていました。もちろんそれでもスタジオに通い練習を続けていましたが、そのような状態での練習の質はとても悪かったと思います。なんとかしなくては、ともがいている最中に突然この公演出演の話が舞い込んで来たので、嬉しかった反面、きちんとした準備がちゃんとできない状態で踊ってしまいました。いつでもどんな時でもプロフェッショナルなレベルを保たなければ。そのためには日々の努力が絶対に必要。そう肝に命じました。

2部で踊ったアレグリアスはもう少しリラックスして踊れたかもしれません。踊っている最中にお客様からのハレオが聞こえてきて、特にベレンの声のハレオはとても嬉しかったです。

ギターのマヌエル・エル・パティとは初共演でしたが、とてもいい人。普段はセビージャのタブラオ、パラシオ・アンダルースで弾いているそうです。カンテのトゥリニも素晴らしい歌い手。ソロで歌っていた時にはお客さんからのうなるようなハレオがかかっていました。1部と2部でソレアとティエントを歌いましたが、私は楽屋で聴いていて感動。お二人とも私と共演してくれてありがとう!!!

公演後、何人かのお客様から「あなたのことを知らないで観に来たのだけど、とても素晴らしかった。ありがとう」と声をかけられました。有名人でもない私にわざわざ感想をおっしゃって下さる方というのは、きっと心がきれいにまっさらな方なのだと思います。故に、フラメンコもまっさらな感情で受け取ることができる。そういう方の輝くようなお顔を拝見するのは何よりも嬉しい。本当に踊っていてよかったなと思います。

ベレンと旦那様のダビもとても喜んで下さいました。「あなたの踊りが大好きだ」と。この言葉も本当に嬉しい。そしてベレンはすぐさま私に質問しました。「あなたは即興で踊っているでしょう?」そうです、私の踊りの大半は即興です。どうして分かったのですか?と質問したら、「カンテを聴いて踊っているから」と今度はダビが答えてくれました。そしてこうも続けました。「踊りの構成が伝統的だから、次に何が来るか大体は分かる。でも観ていて何が起こるんだろうってわくわくするんだ。」すると今度はベレンが「歌い手もギタリストもあなたのことをしっかりみていて、あなたも歌もギターにも反応していて、ものすごいつながりがあった。」と。そしてダビが言いました。「今のフラメンコは観ていてつまらないんだよ。何もかも全部お膳立てされていて。きっと踊り手は違う歌が歌われたりすると対応できないのが怖くて、なんでも事前に決めてしまうんだろうね。だからフラメンコがプログラム化されてしまっているんだろうね。」

う〜む。同意見。私のようなレベルの踊り手はお二人に意見を言えるような立場にはないのだけど。でもこう伝えました。「私には固定の歌い手やギタリストというのがいません。今日共演してくれたギタリストとは昨日初めて会いました。劇場公演と違ってペーニャ公演では事前の合わせというのはほとんどありません。歌い手が練習と違う歌を歌ったり、ギタリストが即興で全然違うことを弾き始めることもしょっちゅうだから、確かに緊張します。でもそれで私は学べるから、事前に細々決めたりはしません。即興がうまくいく時もそうでない時もあるけれど、全部自分の勉強になります。」

その後ベレンは「一つだけアドバイスしてもいい?」とおっしゃり、私のアレグリアスについて直した方がいい部分を1点教えて下さいました。ありがたや〜ありがたや〜。大変大変貴重なアドバイスでした。ベレンのような素晴らしい踊り手に公演を観に来て頂いて、喜んで頂いて、アドバイスまで頂いて、これ以上に望むことはあるのかな。

ようやくトンネルから抜け出す時が来たようです。 (写真:アントニオ・ペレス)

2012年6月3日 今日はIKEAに行ってバタ・デ・コーラがすっぽり下に入る大量収納付きベッドを買ってしまいました。明日から倹約します。。。

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