遅くなりましたが・・・セルバンテス公演終了のご報告

みなさんこんにちは。いかがお過ごしでしょうか。

久しぶりのブログです。とても忙しい日々でした。10月7日・14日のソロ公演からもう1ヶ月も経ってしまうなんて・・・

10月26日にセルバンテス文化センターで行われた「第1回クンブレ・フラメンカ・デ・ハポン」もとうの昔に終わってしまった・・・ご挨拶が遅くなりましたが会場にお越し下さった皆様ありがとうございました。堀越千秋さんから出演依頼を頂いたこの公演、26日に私の他に出演された方々はAMIさん、森田志保さん、沖仁くんでした。素晴らしいアーティストの皆さんと同じに日に出演することができとても光栄に思っています。皆様ありがとうございました。セルバンテスの方々にも大変お世話になりました。ありがとうございました。そしてこの日の共演者、俵英三さん、エル・プラテアオ、小里彩ちゃんにも感謝!彼らからとてもたくさんのことを学びました。

あの日、私はバタ・デ・コーラのアレグリアスとソレアを踊りましたが、本当は全然別のことを行う予定だったのです。30分という出演時間を自由に使ってよい、と堀越さんから伺っていたので、本当に自由に使わせて頂くつもりでした。ぴかーん!とある日突如としてひらめいたそのアイディアは私を興奮させました。すごく創造的。私だからこそ思いついたアイディア(たぶん)。そして何より重要なのは、斬新なアイディアと表現方法なのに、フラメンコの本質を突いている。夫にだけそのアイディアの詳細をを打ち明けました。あの時の夫の興奮様。「今すぐに台本を書くんだ!舞台構成もメモして!今話したことを全部書くんだ!」

台本も舞台構成も衣装デザインも全部準備して考えました。そのアイディアを舞台化するにあたり必要な共演アーティストは誰か。片言の日本語を少し話すスペイン人アーティスト1人、スペイン人と対等に話せるスペイン語力を持つ日本人ギタリストと歌い手1人ずつ。そしてその斬新なアイディアを理解し、共有してくれるであろう柔軟な考え方を持った人。いや、フラメンコというものに真っ向から取り組んでいる人なら絶対に理解してくれる。そしてお願いしたのが俵さん、パコ、小里彩ちゃんでした。

う〜む。しかしこのアイディアは頓挫しました。あれだけ準備したのに。がびーん。今思うと仕方がなかったしそのアイディアを決行しなくてよかったのかなとも思いますが・・・。あの時私はセビージャにいて、10月のソロ公演の準備やクルシージョの準備で猛烈に忙しかった。それと併行してその素晴らしい思いつきをセルバンテスでの公演で実践させるための時間も気力もなかったのです。いや、正確に言うとあった。途中までは。でも最後のつめに至るまでの時間と気力に欠けていた・・・・。とても悔しかったけれど、それを無理に決行させてソロ公演の準備がおざなりになるのも堪え難かった。

でも悔しい。あのアイディアはいつか舞台化する。もしかすると時間が必要なのかもしれない。長い目で見た時に、あの時舞台化しなくてよかった、あの時できなかったのはちゃんと理由があったのだ、と思える日が来るかもしれない。

しかしながらそんなことは抜きにしても、この公演に出演させて頂いたお陰で私はたくさんの事を学ばせて頂きました。自分の踊りの出来云々はどうでもいい。共演のAMIさんのお着替えを手伝ったり、森田志保さんのグループと公演前にコーヒーを飲んだり、沖仁くんがうちの楽屋に遊びに来たり、なんとなくあの一日の中で、みなさんとちょっぴりだけ関わりがあった中で、その中のちょっとした会話やちょっとしたみなさんの言動などからハッと気付くことがたくさんありました。共演の俵さんやパコや小里彩ちゃん達からも気付かされたこと。それは

萩原淳子、人としてまだまだ、だめだ。

私は踊り手としては成長しているのかもしれない。そう周囲は評価しているかもしれない。でも、私は人として、まだまだ、だめだ。

そういえば10年以上前、私がAMIさんの生徒だった頃、AMIさんの公演で森田志保さんと共演させて頂いたことがあった。あの時私は志保さんとタラントを踊った。あの時よりも確かに私の踊りは成長している。でもあの時思った「私は人としてだめだ」と思った気持ちは結局今も同じだ。それは10年前セビージャで仁くんや仁くんのお友達とご飯を食べた時にも思った気持ち。

私は一体いつになったら人として成長できるのだろうか。

公演後落ち込んだ。夜中にセビージャにいる夫に電話したら泣いてしまった。これもだめである。離れていて会えないのに、私が泣いたら夫はどんな気持ちになるか。なんでそんなことが分からないのだろう。分かっているはずなのに、なぜそんなことはすこーんと頭から抜けてしまって泣いてしまうのか。

落ち込みと自己嫌悪の中で、でも次の日はもうクラスがあるという現実。この気持ちを引きずったまま生徒さんの前には立てない。それはプロではない。強引に気持ちを切り替えて一生懸命教えた。そうこうするうちに日にちが経って、東京でのクルシージョはあと4日になった。たくさんの生徒さんに受講して頂き、たくさんの方から感謝のお言葉を頂き、たくさんの方から「次のクルシージョにも参加したい!」とおっしゃって頂き、ああ、こんな私でもいいのかなあと少しだけ思えるようになりました。

あと4日で今回の東京での「第10回少人数制クルシージョ」は終了します。最後までしっかり教える。がんばる。

2012年11月12日(月) ・・・・・・そして日曜には夫が日本に来る。やっと会える。

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