不安と希望とエネルギーと。

4月6日(土)・7日(日)公演フライヤー表面 4月6日(土)7日(日)公演フライヤー裏面みなさんこんばんは。いかがお過ごしでしょうか。

昨日今日クルシージョはお休みだったので、4月6日(土)・7日(日)萩原淳子在西10年記念フラメンコ公演「ハモンは皿にのせるだけでよい」公演の練習を一人でしていました。

共演のミゲルとモイと私の3人揃ってセビージャで合わせをしたのは実は1回だけ。全然スケジュールが合わなかったのです・・・。それも先日ブログにしたヘレス・フェスティバル併行追加アクティビティライブの後。つまりあの公演はほぼぶっつけ本番で、日本での公演の合わせをその後に行いました。ライブはライブで楽しかったのですが、その後の合わせがすごかった。凄まじい。ミゲルもモイも本領発揮という感じでした。ヘレスの貸しスタジオで行われた合わせ。通りすがりの人が立ち止まったり、写真やビデオを撮ったり。私はいつものユニクロの練習着だったのですが。(ユニクロいいですよね!)

その凄まじい1回のみの合わせの録音を聴きながら最近は練習しているのですが、すごい。合わせの練習でなんであんなカンテが出てくるのか。モイ・デ・モロン。踊っていたら涙が出て来てしまいました。本番はどんなカンテになるのだろう。

ミゲルのギターももちろんいい。ミゲル・ペレス。彼は私が長年いろいろなギタリストと共演してやっと巡り会ったギタリストです。いろ〜んなギタリストがいました。みんなもちろんプロフェッショナルで上手い。でもミゲルのようにフラメンコだけでなく、人間的な部分でもぴったり来た人はいなかったんだな。そして長い年月の中で私の辛酸をいつも舞台の上と裏で見ていた人。そしていつも私に正直なアドバイスをくれた人。だからこそ日本で公演をするならば、絶対にミゲルと共演するのだ、と心の中で決めていました。数年前から。だから今回の公演は本当に嬉しい。

・・・でも、大丈夫かな、と不安になることも。

今日は劇場のスタッフさんと舞台監督さんと私で打ち合わせをしました。劇場スタッフさんはハキハキしていて頼もしいですが、テンポの遅い私はその回転の早さになかなかついてゆけず・・・劇場公演初めての私にはいろいろと要領がつかめず・・・皆さん普段のお仕事の合間に打ち合わせをして下さるのですから、急いで当たり前ですね。セビージャじゃないんだ、ここは。と改めて思いました。

そして打ち合わせの後もう一度舞台を客席から拝見させて頂きました。

いい。

とてもいい劇場なんです。川崎市アートセンター アルテリオ小劇場 (小田急線「新百合ケ丘駅」北口より徒歩3分)。何度も言うようですが。客として一度この劇場で観てみたい。いい。小劇場なので一番後ろの席からも舞台がきちんと見える。しかも劇場としての格式がある。ここはいい。

その後、舞台監督さんと二人で、公演の流れや照明・構成などを詰めました。私が考えていた構成や演出プランは大体できそう。多少変更する必要もありますが。来週、音響さんと照明さんに踊りを観て頂き、さらにそのプランを練ってゆきます。こうやって公演ができてゆくんだ。

・・・不安もありますが、少しずつ希望と期待もふくらんでいます。

お陰様でたくさんのお客様にお越し頂けそうです。北は北海道、南は福岡から、関東以外からもたくさんのお客様がいらっしゃいます。(ご検討中の方はお早めにチケットご予約下さいませ。)

・・・不安もありますが、どんどんエネルギーが溢れてきます。

フラメンコとは何か、ということに真っ向から対峙してきた私のセビージャでの10年。だから公演サブタイトルは「萩原淳子 在西10年記念フラメンコ公演」。そしてタイトルは「ハモンは皿にのせるだけでよい」。タイトルそのままです。ハモンには花も飾りもソースもいらない。なぜならそれだけで美味しいから。余計なものは必要ない。

そう、私にとってフラメンコはそういうもの。

ミゲルとモイと私と、そして当日会場にお越し下さる皆様でフラメンコの瞬間を共有できますように。当日来られない方々の所までそのエネルギーが伝わりますように。

ただそれだけを願って。

2013年3月19日(火)   日本にて。

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