ヘレス・フェスティバル併行追加アクティビティ公演無事終了!

みなさんこんにちは。いかがお過ごしでしょうか?

先週より、セビージャ→マドリッド→ヘレス→セビージャ→へレス→セビージャ→へレス→セビージャと移動の毎日でした。そして明日月曜には日本へ!なんとまあ、バタバタの毎日。しかもこの間踊りの仕事も2つ。体力だけが取り柄の私です。

さて、そんなさなかご連絡が遅くなりましたが、3月2日(土)ヘレス・フェスティバル併行追加アクティビティライブが無事終了しました!よかった〜!

いろいろご報告したいのですが、なんせあと7時間後くらいにはセビージャを発つので、あまりゆっくりブログできません。荷造りは大体終りましたが。

ひとまず、ライブ写真アップです。(写真:アントニオ・ペレス)

  

  

ちなみにに会場となったギャラリーで開催されている写真展「Being There…」は Steve kahn(スティーブ・カーン) というアメリカ人写真家のフラメンコ写真展です。素晴らしいです。スティーブさんは元々、クラシックとフラメンコギター練習生でした。モロン・デ・ラ・フロンテーラのギタリスト“ディエゴ・デル・ガストール”の録音を当時耳にし、今までに一度も聴いた事のない音に衝撃を受け、23歳の時に初めてモロン・デ・ラ・フロンテーラの地に立ちます。1967年5月のことでした。そして彼はその土地に息づくフラメンコを、アーティストの日常の写真を撮り始めたのです。彼は言います。「私はただそこにいたかった。(“Being There”)彼らが生きる場所に、フラメンコが生きるその土地に。」

なんという感動的な話か。1967年ですよ、モロン・デ・ラ・フロンテーラですよ、アメリカ人の若干23歳の男の子が、ディエゴ・デル・ガストールの録音を聴いただけでモロンに行ってしまった。彼もすごいが、そうさせてしまったディエゴ・デル・ガストールもすごい。このギタリストは本当にすごい。確かこのブログでも以前紹介したことがあるような気がします。Diego del Gastor(ディエゴ・デル・ガストール)。最小限の音で無限大のフラメンコを表したギタリスト。彼の手にかかれば「エリーゼのために」のメロディーですらフラメンコになってしまう。モロンだけでなく、世界中のフラメンコ愛好家に多大な影響を与えた、そして今もこれからもずっとずっと影響を与え続けるでしょう。

写真展にはそのディエゴ・デル・ガストールやモロンやウトレーラのアーティストの日常を切り取った写真が飾られています。奇遇なことに、歌い手モイ・デ・モロンの後ろに飾られている写真のアーティストは、なんとモイの家族だった!モイ大興奮!

ちなみにこの写真展は5月18日まで開催されています。Galería de Sánchez de Lamadrid. Calle Pozo del Olivar 19, Jerez de la Frontera. アントニオ・エル・ピパのスタジオの近くです。ヘレスにいらっしゃる方、必見です!

正直言って、この写真展の方が今年のヘレスフェスティバル期間中に観た劇場公演のいくつかよりも、ずっとずっとフラメンコでした。どうしてあれらの劇場公演は、「ショー」化しているのだろう。踊りが上手で照明や構成も凝っていて、舞台展開も面白い。でも、ああ、フラメンコだ・・・という実感がまるでない。何も心に届かない。

私は自分のライブ後、改めてギャラリーにおもむき、写真の前に立ち尽くしました。スティーブ・カーンさんのフラメンコに対する熱い思い、愛情、アーティストに対する、その土地に対する敬意というものが写真から溢れ出ていて、その中にいるだけで幸せでした。そしてその数日前にその空間で踊れたことに感謝しました。ありがとう、フラメンコ。

2013年3月10日 セビージャにて。

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