「ハモンは皿にのせるだけでよい」公演への道のり②

603981_10151612588181228_312009799_n プロローグ(シギリージャ) プロローグ(シギリージャ)

みなさんこんばんは。

昨日のブログの続きです。4月6日(土)・7日(日)に開催された萩原淳子在西10年記念フラメンコ公演「ハモンは皿にのせるだけでよい」に至るまでの過程をブログにしています。私にとって、私の人生にとってこれはとても重要な公演になるだろうから。「公演大大大成功」という事実よりも私にとって重要なのはその過程だからです。

劇場公演。それは初めての経験でした。前回のソロ公演は新宿エル・フラメンコと追加公演で恵比寿サラ・アンダルーサをお借りしました。劇場。それは以前群舞やコンクールなどでその舞台に立ったことはある。でも自分の名前での劇場ソロ公演は初めて。どこの劇場を借りればよいのだろう。これまでに行ったことのある劇場をいくつか思い出してみました。う〜む。イメージが湧かない。私が想像する自分のフラメンコ公演・・・・。

正直言って、フラメンコの公演を大劇場で観るのは個人的にあまり好きではありません。舞踊団の群舞ならまだしも、舞踊ソロの公演では特に。小さめの劇場がいい。お客さんとのコミュニケーションもあり、でも劇場としての格と雰囲気も持ち、そう、私の好きなセビージャの「セントラル劇場」のような。客席がひな壇形式になっていてどこからでも舞台がよく見える。舞台近くの席は本当に舞台近くで、客席との一体感があるような。その空間全体がフラメンコに包まれるような。

収容客数200〜300くらいの劇場。これが日本には少ないのです。キャパ500〜600、もしくはそれ以上の劇場はたくさんある。もしくはミニシアターのようにキャパ50〜100くらいの場所も結構ある。でもその中間の200〜300というのは少ない。あってもその劇場のある区民が優先で希望日がとれない、人気で予定が埋まっている、劇場使用料が高いなどなど。

その中で巡り会ったのが 川崎市アートセンターアルテリオ小劇場 でした。場所は新百合ケ丘。神奈川県。新宿から小田急線急行で25分。

劇場下見の時に私は「ここだ!」と直感しました。まさにそのセビージャ・セントラル劇場。しかもアルテリオの方がセントラル劇場よりも客席にゆとりがある。ここで私は私の行いたいフラメンコ公演ができる!お客様に喜んで頂ける公演になる!と。でも同時に迷いもしました。お客様はこの劇場の良さを誰も知らない。この劇場でこれまでフラメンコ公演は開催されていませんでした。やはり都内の劇場でないとお客様を呼べないのでは・・・

最終的に決定した要因は、この劇場に防音室があったことでした。

ガラス張りの防音室。それは小さなお子様をお連れの方でも公演に来て頂けるということ。私は「お子様抱っこ席」という名のお席を設定しました。普通は劇場入場不可とされる未就学児童でも、もしぐずったりしたらお連れの方はお子様と一緒に防音室に移動して頂く。防音室だけれどガラス張りで舞台の音は聞こえるのでそのまま鑑賞して頂ける。こんな画期的な席がご用意できるなんて!

お子様連れのお母様方からお礼のお言葉をたくさん頂きました。嬉しかったです。舞台の上でも時々お子様の声が少し聞こえてきました。アンダルシアで踊っているみたい、そう思いました。後から聞いたのですが、お友達の踊り手のお子様が公演中ハレオをたくさんかけて下さったとのこと。嬉しい。そうやってフラメンコの文化というのは育ってゆくと思うから。私がもし親になるなら、子どもと一緒に芸術を楽しみたい。

そして公演後のアンケートでほとんどのお客様が「次回公演もアルテリオ劇場を希望する」に○をされていました。主な理由は①ちょうどよい大きさ ②観やすい ③駅から近い など。よかった、ここで公演をして。そう思いました。

写真:松本青樹氏/衣装:Pitusa Gasul(ピトゥッサ・ガスル)

2013年4月16日   アンケート集計は後日改めて発表させて頂きます。

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