お陰様で「第2回大阪クルシージョ」無事終了!& 大反響・講義「アレグリアス研究」について。

みなさんこんにちは。いかがお過ごしでしょうか?

ご報告が遅くなりましたが、先日開講された「カバジートスフラメンコさん主催 第2回萩原淳子大阪クルシージョ」はお陰様で無事終了しました。主催のカバジートスさん、会場でお借りしたスタジオ・ラ・クーナの井上みつまささん、受講生の皆様、誠にありがとうございました!

大阪近郊の方々を始め、岡山や島根など遠方からもたくさんの受講生にご参加頂き、「受講してよかった!」「また大阪に来て下さい!」とお喜びの声も多数頂きました。開講できてよかった、とほっとすると同時に大変嬉しく感謝しております。皆様どうもありがとうございました!!!

今回特に反響の大きかったクラスは、大阪では初開講となった「アレグリアス研究カンテ編(講義)」「アレグリアス研究バイレ編(講義)」クラスでした。カンテ編ではカディスの歌い手のCDを聴く事で、バイレ編ではアレグリアスの踊りのDVDを観ることで、歌とギターを聴くということはどういうことなのか、というのを講義形式でご説明するクラス。カンテ編は定員がありませんでしたが、バイレ編はお申し込み開始早々の満席となり、当初より皆様のご関心の高さが伺えました。ただ習った振付をなぞるのではなく、カンテとギターを感じて踊りたい!“フラメンコ体操”ではなく、“フラメンコ”を踊りたい!受講生のその熱心な姿勢がクラス内外でもたくさんの質問につながり、とても充実したクラスとなりました。

元々このクラス、私自身が日本で習いたいと考えていたクラスでした。でも習えなかったクラスでした・・・。そしてそれはスペインでも習えませんでした・・・。

日本でもセビージャでも「カンテを聴きなさい、ギターを聴きなさい」とずっと言われ続けていて、聴いていたけれど、でも、「あ、私、今まで聴いていたようで実は聴けていなかったんだ」と気づかされたきっかけがありました。それはセビージャのとある場所で毎週開催されていた即興プライベートフィエスタでの仕事。会場に着くまで何を踊るか分からない。とりあえず明るい曲と暗い曲用の衣装を1着ずつ持って行く。その場で踊る曲が決まる。事前の打ち合わせが全くなしの完全即興。アントニオ・モジャ、マヌエル・タニェ、ルビオ・デ・プルーナなどの素晴らしいアーティスト達に囲まれた信じられないような仕事でしたが、何が起こるかまったく分からない状態で毎回踊っていました。だって、私が踊る直前の会話はいつもこんなでした。

「ジュンコ、今日は何踊るんだ?」

「ソレア。」

それでおしまい。歌振りがいくつとか、ファルセータがどうのこうの、なんて構成すら説明する余地なし。なぜなら、これから何が起きるか誰も分からないので先に説明しても意味がないから。とにかくやってみるのみ。ギターはソレアを弾き、カンテはソレアを歌い、踊りはソレアを踊る。その即興が素晴らしい瞬間を生んだ時もあれば撃沈した時もありました。契約なんてなかったから、撃沈した時は、本当に落ち込みました。もうこの仕事に呼ばれないんじゃないかって・・・。

でも落ち込んでいる暇はありませんでした。次の仕事まで(もし呼ばれるとしたら)1週間しかない。次の週まで、なぜその即興がうまくいかなかったのか、今度そうならないためにはどうするかを徹底的に研究したのです。CDを聴きまくり、ビデオも観まくり、踊りの先生やギタリストや歌い手にもたくさん質問し、一緒に共演をしていたスペイン人の踊り手からもたくさん学びました。どうやって歌とギターをまとめているのか、乗せているのか、また逆に歌をギターが冷めてしまうのはなぜなのか。それでも毎回“事件”は起きました。その事件を少しずつクリアし、また撃沈し、そうこうしているうちに気づいたら1年半のレギュラー出演になっていました。

そう、私は習ったのではない。自分で学びとったのでした。

自分が学んだ経験を伝えたい、そう思ってそれを講義という形でクラスにしたのが「アレグリアス研究カンテ編/バイレ編」でした。他人の受け売りではなく、私自身の試行錯誤の結果から自分で見つけた真実、それがクラスの内容になっています。だから生徒の皆さんには、たくさんある学び方、アプローチの仕方のうちの1つだとお考え頂ければ幸いです。

クラス後、たくさんの生徒さんから「自分がまさに知りたいことだらけだった」「もっと早く教えてほしかった」「次回も必ず開講して下さい」などなどお声を頂きました。本当に嬉しく思います。ありがとうございます。大切なことはクラス受講後、みなさんがみなさんなりの身体や心を通して、みなさんなりの真実を見つけてゆくことだと思います。そのきっかけがこのクラスであれば、教える冥利に尽きるというものです。

フラメンコって大変。学べば学ぶほど、学ばなくてはいけないことが増えてゆき。好きになれば好きになるほど遠のいて行く。無理なんじゃないかなって思う時もあるかもしれません。でもそれ以上にフラメンコって素晴らしい。こんな素晴らしいものに人生の中で出会えたことも素晴らしい。それを温めていることも素晴らしい。だから頑張っている生徒さんは応援したい。私と一緒だから。

私の知っていることはフラメンコからしたらほんのコショウ粒にしかすぎないと思うけれど、それでも誰かのお役に立てるのならそのコショウをじゃんじゃん使って頂きたいと思います。

次回「第3回大阪クルシージョ」は8月3日(土)・4日(日)開講です。詳細はこのHP「クルシージョ」にてご確認下さい。

2013年5月8日(水) 明日セビージャへ発ちます。またお会いできる日まで!

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