待つということ。

みなさんこんにちは。いかがお過ごしでしょうか。

今日はある歌い手から大切なことを教えてもらいました。「待つ」ということです。少し前のとあるコンクールで優勝したその歌い手が、今日観に行ったフラメンコ公演で歌っていました。その歌い手とは何度か共演したことがあり、彼は毎年そのコンクールに出ようか出まいか時期を見計らっていました。年によっては、あり得ない結果になることもあるそのコンクール。(そのコンクールに限ったことではないですが)長い年月をかけて準備してやっと出場、そしてつかんだ優勝。そんなこともあり、私は楽屋に顔を出し「長い時間がかかったけど優勝できてよかったね、おめでとう。」とお祝いの言葉をお伝えしたのです。彼は言いました。

「ジュンコ、待つんだ。物事には相応の時期がある。急ぐ必要はない。待つんだ。準備をするんだ。そうすることで物事は自然にやってくる。」

はっとしました。周りの人が、特に実力のそれほどない人が何らかの力や関係性を使って、舞台に立つ。そういう現実に対して、憤りを感ていた日々でした。何のために自分は努力しているのか、私の努力は無意味なのか。そういう現実に対してなのか、その人個人に対してなのか何がなんだか分からない憤りを自分の中に抱えながら、でも生きていかなくてはならない。泣いたって仕方がない。何かを、もしくは誰かを恨むわけでもない。でもどうすればいいのだろうか。時々私を襲うその思いが、ここ最近また襲ってきて、なんとか自分をコントロールしなくてはならない、ともがいていた時でした。

待つことは闘うこと。

2013年8月29日 セビージャにて。

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