エスペランサライブ無事終了!&ガロティンについて。

みなさんこんにちは。いかがお過ごしでしょうか?

ちょっとご報告が遅れましたが、10日(金)高円寺カサ・デ・エスペランサ新春ライブはお陰様で無事終了しました。寒い中たくさんのお客様にご来場頂きとても嬉しかったです。ありがとうございました!共演者の皆様もサポートして頂きありがとうございました!

2014.1.10 // ¨カサ・デ・エスペランサ新春ライブ2014¨

Baile Cante Guitarra
  • AMI
  • 鈴木舞
  • 萩原淳子
  • 川島桂子
  • 有田圭輔
  • 片桐勝彦
  • 尾藤大介

当日はソレアとガロティンを踊りました。ガロティンは新作。帰国前にセビージャでマヌエル・ベタンソスに習ったガロティンの振付と自分の振付を混ぜて、タブラオ用に構成し直しました。なので元々の振付とはかなり変わってしまいましたが、それはそれでもなかなか良かったかも?お客様からは「淳子さんの雰囲気にピッタリ!」「あのガロティンを観て、自分が女に産まれてきてよかったと思いました!」と様々なご感想を頂きました。嬉しいですね。ありがとうございます!

rafael_romeroガロティンはスペインではほとんどお目にかかりません。踊る人も教える人も弾く人も歌う人も少ないガロティン・・・どちらかというとガロティンって軽視されがちな曲種。日本でも発表会ではよく踊られますが、やっぱり軽視している人も多いかなあ?

いろいろな理由があるのでしょうが、まずカンテのバリエーションが少ない。ソレアやシギリージャ、ブレリア、タンゴなど同じ曲種の中でも様々なスタイルがあります。その歌が生まれ育った土地によって、また歌の創唱者によって。定番のアレグリアスもそれが属するカンティーニャスのグループで考えると本当に豊かです。タラントにしても然り。でもガロティンといえばスタイルは限られている。歌詞も前述の曲種ほどない。歌い手にしてみると、これほど〝狭い〟歌はなかなかない、という感じでしょうか。そんなこともありガロティンを歌う人は少ない。日本ではタブラオや発表会で踊られるため、〝仕事用〟に歌える人はいるかもしれませんが、じゃあその歌い手がカンテ・ソロ・コンサートをするとした時にガロティンを歌うか?というとどうなのでしょうか・・・?

いいガロティンを聴きたいなと思って探してみてもなかなか出会えません。前述のように元々それほど歌われないですからね。その中でも萩原的にああ、このガロティンは!というのが以下の歌い手達です。

  • Rafael Romero ラファエル・ロメーロ(写真) →YouTubeは こちら
  • José Menese  ホセ・メネセ →YouTubeは こちら
  • Mayte Martín マイテ・マルティン →YouTubeは こちら

いいですね〜。何度もoleeeee が出てしまいます。軽視されているガロティン・・・でも重要なのは何を歌うかではなく、どう歌うか、なのではないでしょうか。

そして今日改めていろいろ探していて驚いたのはマヌエル・ヘレーナのガロティン。

  • Manuel Gerena  マヌエル・ヘレーナ →YouTubeは こちら

この歌詞、よく聞く一般的なガロティンの歌詞と全然違う。これはフランコ独裁時代、言論弾圧されたことを歌っているのかなあ?その一節はこんな歌詞だと思います。(自分で聴き取ったのでちょっと違っているかも。笑)

【Garrotín】 Manuel Gerena

Tú callaste a mi amigo

callaste la lengua de mi amigo

La mía lengua no ocultará

Sabrá mi pueblo a su tiempo

su derecho y toda la verdad.

*Ay que no puede ser

ay no aguanto más

porque me falta manera a la libertad.

(以下日本語訳)

お前は俺の友人を黙らせた。

俺の友人の口を封じた。

俺は黙らない。

時間とともに民衆は知るだろう。

権利と全ての真実を。

*ありえない。

これ以上我慢できない。

俺には自由になる術がない。

一般的にガロティンの歌の最後に歌われる「アイ ガロティン♪ アイ ガロタン♪ ケベラベーラ・デ・サン・フアン♪」という部分が全部上記の*の部分で終わっています。うーん、そうなってくるとガロティンはここまで表現できるのか、と感服せざるを得ない。あなどれないガロティン。

踊りにしてもそう。ガロティンを踊るからといって、ソレアやシギリージャよりも劣るわけではない。フラメンコは好みでは計れません。ガロティンという言葉を聞いて「あ〜ガロティンね(笑)」と中途半端なフラメンコの知識でバカにしてしまう視野の狭さも残念です。

2月末、セビージャに戻ってからガロティンをまた踊ります。今度はタブラオではなく大きな舞台になるので新たに構成しますが、どんどん踊りこんで、もっともっと勉強して、人生を生きて、自分のガロティンを目指したいと思います!

2014年1月14日(火) 明日は本当に雪が降る???

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