第2回アントニオ・ペレス来日写真展&同時開催フラメンコライブを終えて・・・

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7月30日〜8月3日まで開催されました、第2回アントニオ・ペレス来日写真展『写真が語るとき・・・記憶とフラメンコ』の写真をアップします。たくさんの方にお越し頂き大変感謝しております。誠にありがとうございました!

レブリーハのお祭りの24時間をテーマにした、第1回アントニオ・ペレス来日写真展(昨年夏にスペイン舞踊振興MARUWA財団2階サロンにて開催)が大好評を博し、是非2回目も!とのお声を頂き着想が始まった今回の写真展&フラメンコライブ。一番難関だったのは会場探しでした。昨年会場となったMARUWA財団さんは現在、2階サロンが商談スペースとなっていてイベント開催ができず。お客様にご来場して頂きやすい都内で、写真展とフラメンコライブが同時にできる会場。・・・ありそうでなかなかないんです、これが。セビージャ在住ということで、インターネットを駆使して会場探し。「東京、ギャラリー」でネット検索すると星の数ほどヒット・・・その中からしらみつぶしに、①会場キャパ ②貸出料 ③立地条件 ④会場の雰囲気・格式 ⑤フラメンコライブが可能か を調べて候補を絞ってゆきます。④まででもなかなか難しい。さらに⑤になるとかなり厳しい・・・毎日毎日ネット検索に疲れ果てて、頭がおかしくなるかと・・・そんな中でピカイチだったのが、今回のキッド・アイラック・アートホールさんのギャラリー(3、4、5階)でした。

キッド・アイラック・アートホールさんHP→こちら

前回の一時帰国(今年の1〜2月)の時に萩原が会場下見。会場に入った瞬間に、わーここだ!と直感しました。写真展会場には珍しい黒壁。3−4階吹き抜けの高い天井。とても親身になってくださったスタッフの早川さん。(のちにたいへんお世話になりました、早川さんありがとうございました!)ここに夫の写真を展示するのだ!と思ったら、それまでの苦労が一瞬にして吹っ飛んだのを覚えています。

それからセビージャに戻り夫に報告。今度は同時開催ライブの出演者探し。昨年出演して下さった踊り手さんにメール連絡をし出演交渉。ご予定がすでに入っていてご出演できない方もいらっしゃっり、新たな踊り手さん探し。これがまた結構大変・・・写真展開催中の4日間。1ライブ3名の踊り手さん+私なので、合計12名の踊り手さんにご出演して頂くことにしました。みなさんの4日間のご予定を伺い、出演ご希望の方が全員ご出演して頂くよう日程を組むのは、超難解なパズルを組み立てるようなものでした・・・でもできてしまった♪ あのライブ日程とご出演者が組めた時は、涙がちょぴり出ました。7/30ご出演の阿部碧里さん、市川幸子さん、田村陽子さん、7/31ご出演の奥野裕貴子さん、田倉京さん、水野恵さん、8/2ご出演の後藤めぐみさん、デラフエンテチャベス由香さん、中谷泉さん、8/3ご出演の後藤なほこさん、権弓美さん、松彩果さん、本当にありがとうございました。

ギターの小林亮君(7/30、31ご出演)、久保守さん(8/2、3ご出演)も昨年に引き続き連続ご出演ありがとうございました。カンテのエル・プラテアオは4日間通しご出演。実は4日間のうち2日間、某有名フラメンコ公演と重なっていたのですが、エル・プラテアオはその公演で某有名アーティストに歌うという仕事依頼があったそうです。彼の経歴としてもそのアーティストに歌うという経験は輝かしいものになるはず・・・それは私でも十分過ぎるほど理解できました。でも今回の写真展&フラメンコライブの仕事依頼を先に受けたということ、夫アントニオ・ペレス&私との友情が大事であるということで、私達のささやかな写真展&フラメンコライブ出演を選んでくれました。誰にもできることではありません。ありがとう、エル・プラテアオ。

そして今度はそれを軸に、私のクルシージョ(短期講習会)受講生によるソロライブも開催することに。ソロライブは初の試みだったので、出演したい人いるかな?という不安もあり、ただしソロライブとして入場料を頂く以上、ライブの質も高くなくてはならない。人選にも苦労しました。出演して下さったみなさんありがとう。限られた時間の中本当によく学んで成長しました。

さらにまだある・・・タイムスケジュール。ギャラリーの貸し出し基本時間は8時間。超過料金にならないよう、基本時間内で、写真展をライブを同時開催するタイムスケジュール。写真展の時間、アントニオ・ペレスによる写真展ガイドの時間(日本語通訳は私・・・)ライブの開場開演時間、ライブの合わせ時間、アーティストの休憩時間、会場お手伝いさんの時間、搬出・搬入の時間・・・・ありとあらゆる時間を脳みそに総動員し、全てを無駄なくもれなく有効にタイムスケジュールを組み立てる。どこかで10分でも時間がかぶれば運営に支障が出る。どこかで10分でも無駄があればその分経費を越えてしまう。絶対に間違えられない。夫に話しても本人には何の事か分からないので(笑)この少ない脳みそで何日もかけて練り上げたタイムスケジュール。その後も本番当日まで本当にこのタイムスケジュールで問題がないか、何度も何度も確認しました。自分が神経症かと思うくらい。・・・でも結果はオッケーでした♪ 脳みそくん、ありがとう。

ライブ開催にあたってのお手伝いさん探しも直前まで難航しました。土日のライブはお手伝いさんが見つかりやすいですが、平日のライブとなると会社で働いている方が多いので探すのは大変です。同じ方に何度もお手伝いして頂くのも申し訳なく・・・かといって誰でもいいという訳でもなく・・・そんな中、快くお手伝いを引き受けて下さった受講生のみなさん、本当にありがとうございました。

第2回写真展ライブフライヤー表それから、今回のライブフライヤーはキッド・アイラック・アートホールのデザイナー工藤さんが作って下さいました。縦書きのタイトル。縦書き表記に慣れていないアントニオには相当衝撃だったようです。横書き表記の多いフラメンコ公演フライヤーに見慣れている私にもそれは新鮮でした。ちなみに、フライヤーの校正って結構たいへんなんですよね、やったことのある方ならお分かりかと思いますが。不思議なことに何度校正しても、校正の度に誤植や気になる点が出てきてしまうんです。あれだけチェックしたのになー、と不思議です。でも工藤さんのお陰で素敵なフライヤーが完成!そして写真展&ライブ開催期間中にもいつも細やかななお心遣いをして下さいました。ありがとうございました。

舞台セッティングをして下さったStudio.Genの間瀬弦禰さんにも感謝!間瀬さんには学生時代からたいへんお世話になっています。20年前(!)早稲田大学のフラメンコサークルに所属していた私が、他の大学のフラメンコサークル仲間と出会うようになったのは、スーパーバイザーとして学生フラメンコ連盟を引っ張って下さっていた間瀬さんのお陰。久しぶりにお会いした間瀬さんは20年前と変わらずお元気そのものでした。間瀬さんありがとうございました。

今思えばたくさんの感謝でいっぱいですが、なんでこんなに大変な思いをしなきゃなんないんだ、と思いながら毎日毎日準備に明け暮れて、でも生活はそれで回っているわけではなく、他の仕事もたくさんあるし日常の雑事もあるし、昨年も経験していたので想像はしていましたが、今年もやっぱり目が回る程忙しくて睡眠時間も足りなくて、疲れてイライラして夫とケンカになったこともありました。その度に夫から「もう一緒に仕事をしない方がいいんじゃないかな」と言われてショックを受けたり。

自分でもなんでここまでやっているのだろう、私は踊り手なのだから、依頼されたライブに出演してればいいのではないか。もしくは全てお膳立てされたライブに申し込んで、後は自分の練習に専念すればいいのではないか。そう思う時も多々ありました。だってライブにいらっしゃるお客様はライブでの私の踊りをご覧になるのだから。だから限られた時間で練習しました。主催者側で忙しくて踊りの方は準備不足だったとは言えないから。踊ったのは数年ぶりのティエントでしたが、新たな自分を発見した感じ。即興で踊ることでどんどん自分が開放されるのを感じました。

思い返せばいろいろある。夫と日本に着いてからは日本語とスペイン語の通訳で疲れたり、どうしても出てしまうカルチャーショックというか、夫本来の気質と日本の“常識”が噛み合ない時の対処・・・(これはまたいずれブログにするかも)そんな中、それでも今思うのは夫へ感謝。夫がいなければこんな写真展&フラメンコライブなんて企画しない。夫が「ただの写真家」だったら企画しない。

「ただの写真家」・・・つまり、写真を撮る技術だけに長けている人。ただ見た目に美しい写真を撮るだけの人。写真を商業的にし自分の私利私欲に利用している人。

そうではない、芸術としての写真。それを見た時にあっと心を鷲掴みにされるような、心を揺さぶられるような、その前から離れなくなってしまうような、その写真がいつまでもいつまでも自分の心に残るような、その写真にある背景を考えざるを得ないような。そんな写真を撮る写真家は世の中に何人いるのだろう。

そしてそれは踊り手にもいえる。

「ただの踊り手」・・・つまり踊る技術だけに長けている人。ただ見た目に美しい踊りをするだけの人。(または、ただ見た目にフラメンコっぽい動きをするだけの人)。踊りを商業的にし自分の私利私欲に利用している人。

そうではない、芸術としてのフラメンコ舞踊。それを見た時にあっと心を鷲掴みされるような、心を揺さぶられるような、その前から離れなくなってしまうような、その踊りが、もしくはその踊りの一瞬がいつまでもいつまでも自分の心に残るような、その踊りにある背景を考えざるを得ないような。そんな踊り手は世の中に何人いるのだろう。

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芸術への愛、夫への愛。それだけが私を突き動かしていたのだと思います。

そして、同じく芸術と愛を信じる人の心に私達の想いが伝わったのだと思います。

ありがとうございました。

2014年 8月12日

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