トリノ国際フラメンコ舞踊コンクール〝フラメンコ・プーロ〟準優勝

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みなさんおはようございます。ただ今、朝5:30です。昨日日本に着きましたが時差ぼけです。(笑)

さて、日曜に行われたトリノ国際フラメンコ舞踊コンクール〝フラメンコ・プーロ〟に「ソリスタ・フィグーラ・プロフェッショナル」の部にて準優勝という結果に終わりました。そして「フェスティバル・デ・ヘレス〝イサベル・バジョン〟賞」と「セノビージャ賞」も受賞することができました。

応援して下さいました皆様、伴奏して下さった公式ギタリストや歌い手の皆様、コンクール主催者の皆様、今後の成長の糧となるアドバイスを下さった審査員の皆様、貴重な経験を分かち合ったコンクール出場者の皆様、どうもありがとうございました。

実際の所、準優勝という結果をすぐに受け止めることができませんでした。このコンクールではバタ・デ・コーラのソレアを踊りましたが、コンクール終了後、3人の審査員のうち2人から「なぜ、バタ・デ・コーラとマントンのアレグリアスを踊らなかったのか?」と聞かれました。理由は簡単、バタとマントンのアレグリアスは既にアレグリアスの本場スペイン・カディスのコンクールで受賞しているので、同じ踊りをイタリアのコンクールで踊ってもあまり意味がないと思ったからです。2人の審査員曰く、コンクールにおいてバタだけで踊るよりも、バタとマントンの両方で踊った方が技術点が高くなるし、見た目も派手、そしてアレグリアスという曲は明るいので、フラメンコを知らない一般的な観客でも理解しやすく拍手を得られやすい。観客が直接審査する訳ではないけれど、観客の拍手というのも審査に少なからず影響する。ソレアは曲がシリアスな分、それだけ難しいのに・・・、ということでした。

・・・そういう観点から審査されていたのか、と愕然としてしまいました。もしバタとマントンのアレグリアスを踊っていたら順位は異なっていたのだろうか、とかいろいろ考えてしまって。でもどちらにしても、バタとマントンのアレグリアスを選ばなかった理由は上記の通りだし、自分でバタのソレアを踊ることを選んだので後悔はしていません。

これまでいろいろなコンクールに出場してきましたが、コンクールによって、審査員によって評価の仕方が全く異なります。だから何がよいのか、悪いのか、誰が正しいのか、とかそういう問題ではないのです。そのコンクールではそのように評価され、そのような結果が出たということにしか過ぎない。変な話、あるコンクールで予選落ちしても、同じ曲で他のコンクールでは入賞することだってあるわけです。

分かってはいるのですが、やはり結果を突きつけられると・・・ね。これはそう、失恋に似ている。経験したことのある人ならきっと分かってもらえるはず。(笑)恋に破れる度に、「男なんか星の数ほどいる」とか、「もっといい男に出会うために別れることになったんだ」とか「失恋の数ほどきれいになる」とか、そういえば昔よく聞いたな〜。でも本当のところは失恋した本人にしかそれは分からない。毎回本気で恋に落ち、そして毎回失恋の度に学んで強くはなるんだけれど、やはりその度に傷つく。今回の結果に関して日本に戻る飛行機の中でもいろいろ考えてしまって、涙もぽろんと落ちました。

よかったこと。審査員のうち1人から「君の踊りからはフラメンコにどれだけ敬意を払っているのか、どれだけカンテを聞いて内側から踊っているか、それが伝わってきて、君の踊りを見ることができて本当によかった、ありがとう」というようなお言葉を頂いたこと。コンクール公式歌い手のインマ・リベーロから「数年前に共演した時は上手に踊るなと思っていた。でも今はあの時なかった〝ペソ〟がある。それを持つのはスペイン人のプロの舞踊家でも難しい事。〝ペソ〟を持つといいのは本当に重要なことなのよ、フラメンコにおいては」と言ってもらえたこと。

その言葉を聞いて、ああ、このコンクールに出場してよかったと思いました。頭では分かっていても、どうしても順位にこだわってしまう自分がいるのも否めない。私は人間として小さい。それでも私の踊りを心で受け止めてくれる人がいたということ、そして私の成長を見てとってくれた人がいたということに感謝したいです。そして先の2人の審査員からは今後のためのアドバイスをたくさん頂きました。本当に有り難い。

それからこのコンクールのために先週火曜からイタリア入りしていたわけですが、ずっとそばで見守ってくれていた夫。コンクール前の緊張とストレスのあまりケンカになってしまった日もありましたが・・・いつもありがとう。

さて、今日、明日とイベリアさん主催フラメンコフェスティバル福岡&大阪公演のギター&歌合わせがあります。踊るのはやはりバタのソレアです。

ではまたお会いしましょう。

写真:アントニオ・ペレス

2015年4月22日 昨日は寒くてラーメンを食べました。

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