「ソレアド」リニューアル4周年記念スペシャル・ライブを終えて。&“arriesgar” すること。

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みなさんこんばんは。いかがお過ごしでしょうか?

先週土曜日の「ソレアド」リニューアル4周年記念スペシャル・ライブはお陰様で大盛況のうちに幕を閉じました。いやー熱かった、熱かった。お越し下さいました皆様、共演の皆様、ソレアドの皆様、誠にありがとうございました!

1部は前日に作ったオープニングのマルティネーテ(全員)から始まり、ギターソロ(ぺぺ・マジャ)、ガロティン(小島慶子さん)、ソレア(松彩果さん)、アレグリアス(萩原淳子)。そして当日85歳のお誕生日のお客様をお祝いし休憩。2部は松さんのタラント、萩原のソレア・ポル・ブレリア、小島さんのアレグリアス、最後はフィン・デ・フィエスタに私の夫アントニオ・ペレスもちょっぴり参加させて頂き、盛りだくさん内容となりました。日本でのタブラオライブ出演は久しぶりでしたが、土曜は特別でした。本当にスペシャルな夜だったと思います!

個人的には、1部のバタ・デ・コーラのアレグリアスではちょっとバタさばきが思うようにいかなかったかな?タブラオ出演にしては長めのバタだったので(劇場用にはちょうどいいですが)、お客様にぶつからないよう急遽振付を変えたり、でも後ろのアーティスト達の足下にぶつかってしまったり、といったことが少しありました。小さな空間でバタを使うのはそれはそれで難しいものです。コントロールできないとね。

2部のソレア・ポル・ブレリア。ソレア・ポル・ブレリアを人前で踊るのは今回がなんと舞踊人生2回目。しかも数年振りでした。ソレアの構成の中でソレア・ポル・ブレリアを入れたりしたことはありましたが、ソレア・ポル・ブレリアだけを単独で一つの曲として踊ったことが、今迄1回しかなかったのです。というのは、なんとなくソレア・ポル・ブレリアに興味がなかったというか・・・カンテはソレアが断然好きだし、他の踊り手さんのソレア・ポル・ブレリアを観てもあまり気持ちが動かされたことがないというか・・・へーという感想で終わってしまうことが多く、自分で踊ってみたいなという気持ちがあまり起きなかったというか・・・はっきりとした理由は自分でもよく分からないのですが、ほとんど踊ったことがなかったのです。

ただ、今回は他の共演者と曲がかぶってしまうこともあり、また8月のソロ公演で踊らない曲を出してみようということで、ソレア・ポル・ブレリアを踊ってみました。

結果・・・うーん、自分ではよく分かりません。記憶があるといえばあるし、ないといえばないし・・・・

舞台の上での踊りに関してはよくわかりませんが、本番前の、歌い手のパコの言葉が印象的でした。「日本で歌う時は、いつも同じパターンで歌っている、そうでないと踊り手が踊れなくなってしまうから。でもフラメンコは本当はもっと豊かなものなんだ、だから自由に歌いたいんだけど。いいかな?」そう言ってました。もちろん。自由に歌ってもらわないと私も本領を発揮できないから。

決まりきった歌い方を、決められた通りに歌われて何をどう感じるのでしょう?そこにあるのは安心?練習してきた振付をその通りに失敗せずに踊れるという?お客様の前でうろたえずに踊りきるという?

安定した人生がつまらないように、安心が約束されたフラメンコもつまらない。

何かを得るには危険を冒さなくては。

arriesgar (アリエスガール)と言います。スペイン語で。この言葉が大好きです。

もちろん失敗もつきものです。例えば、あの日、私はギタリストのペペにファルセータ(ギターのメロディ部分)が入る所を自分の足音で合図するはずでした。(その前が即興になってしまうから)でもその合図の出し方がイマイチだった。合図にはなっていたので伝わったけれど、サパテアードの音の流れがうまく流れていなくて唐突だったように思います。失敗ではないのかもしれないけれど、一瞬、しまった!と思いました。踊り終わった後に悔しいなと思いました。

でもその失敗を恐れて挑戦しなかったら、“まあいい”出来になるかもしれない。でもそれは“まあいい” でしか過ぎない。“まあいい”フラメンコほどつまらないものはない。そこがアルテ(芸術)の面白い所です。“まあいい”踊りを踊ることて無難に高得点を狙うのはスポーツ。もしくはコンクール。だからフラメンコをスポーツ化して高得点をたたき出す踊りというのは、コンクールで優勝することはできても、人の心には届かない。へーすごい、という感心にはなっても、感動はない。なんだか分からないけど、とにかくあの人の踊りが好き、ってことには絶対にならない。

何をとるか、ですかね? 人生と同様。

それと今まであまり興味のなかったソレア・ポル・ブレリアを踊ってみてよかっった。意外と自分に合っているというか、確実に存在する自分のどこか一部に合致しているというか。ソレア・ポル・ブレリアを踊ることによって、それが引き出される。それを自分で舞台上で感じられたのは、私にとって大きな収穫でした。そう、“arriesgar” したことによる収穫。

そして、あの日のソレア・ポル・ブレリアには“何か”があった・・・ように思います。特にパコが自由に歌った、2つ目の歌の時に。

・・・そんなことを再確認できたライブでした。

皆様、本当にありがとうございました。また少しずつ精進したいと思います!

写真:アントニオ・ペレス

2015年7月27日 今日はとしまえんのプールに行きました♪

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