12/26(月)アルハムブラライブを終えて。

15782178_1251999238212570_1915789446_n15750384_1251999231545904_1694697093_n15750100_1251999234879237_197205887_n15749684_1251999191545908_480693783_n15782266_1251999218212572_1172939934_n15731100_1251999211545906_1524137607_n15724240_1251999241545903_19057848_nみなさんこんばんは。いかがお過ごしでしょうか?

昨日のアルハムブラさんでのライブはお陰様で大盛況のうちに幕を閉じました。大入り満員のお客様、年末のお忙しい中お越し頂き誠にありがとうございました!共演のエミリオ・マジャ、ロシオ・ラ・ボテリータ、浅見純子さん、荻野リサさん、そして今回のライブの企画をしてくれた松彩果さん、会場となりましたアルハムブラ西日暮里店の皆様、誠にありがとうございました!

今回は1部にティエント、2部にマントンでのアレグリアスを踊りました。日本でティエントを踊るのは一昨年の夏以来かな?ティエントの部分もタンゴの部分もほぼ即興になったような気がしますが・・・あまり記憶がないです・・・でも自由に踊らせて頂いた記憶はあります。それはとても幸せなことですね。マントンでのアレグリアスは天井から吊り下げられた照明器具に引っかからないかちょっと心配しましたが、(試しに練習した時にまんまと引っかかりました。笑)本番も実は、あ!と思った瞬間がありましたが、なんとか無事に踊り終えてよかったです。というのも、日程的にお客様のほとんどが2016年フラメンコライブの見納めということで、その私のアレグリアスが2部最後の曲だったので、ここでコケたらみなさんの丸一年分のフラメンコに泥を塗ることになるんじゃないか・・・と、とにかく緊張。でも共演者の皆さんに大いに盛り上げて頂き助けられました。ありがとうございました!

エミリオも乗ってましたね。時々いろいろなリズムやファルセータ(メロディ)を入れてきて聞いていて楽しかったです。私はパルマを叩きながらニヤッと笑ったり、oleと出たり。マラガの歌い手のロシオの声は久しぶりに聞く甘さと伸びの良さ。ソロで歌ったグアヒーラも素敵でしたが、タラントがよかったなー。隣で思わずロシオの横顔に至近距離でoleを言ったり、涙も出そうになったり。あー、このタラントで踊れたらよかったなー、と心から思いました。共演の松彩果さん、荻野リサさん、浅見純子さんもみなさんとても素敵でした。後ろでパルマを叩くのも楽しかったですが、もう一人の自分が幽体離脱して同時に客席でそのライブを楽しめたらよかったのに、と本気で思ったり。(笑)昨晩のお客様はラッキーでしたね!早々に満席になってしまったそうなのでいらっしゃれなかった方には本当に申し訳ないですが・・・。

嬉しかったのは、終演後にエミリオから「そう、アレグリアスというのは、そういう風に踊るものなんだよ」と言われたこと。やっぱりフラメンコのルーツを知っている人にはちゃんと伝わるのだな、と。私はアレグリアスを踊るの時によくバタ・デ・コーラやマントンを使うので、たくさんの方がバタやマントンのご感想をおっしゃって下さいますが、もちろんそれはとても嬉しいのですが、私の中にはバタだろうがマントンだろうが、それがあろうがなかろうが、アレグリアスを踊る、フラメンコを踊る、という「核」があります。マントンやバタにもコンパスが宿っている。アルテがある。なぜならその踊り手が生命を吹き込んでいるから。そしてたとえバタやマントンを持たなくても、その踊り手自身がフラメンコだということ。そしてアレグリアスを踊るなら、それはアレグリアスである必要がある。12拍子のリズムに自分の好きな動きや音を入れて、あとはアレグリアスを弾いてもらって、歌ってもらえばいいってもんじゃない。何をもってアレグリアスと呼ぶのか?何をもってフラメンコと呼ぶのか?その根本の所がなければ、たとえバタでもマントンでもどんなに上手に扱えたとしても、それはアレグリアスでもフラメンコでも何でもない。少なくとも私にはアレグリアスにもフラメンコにも見えない。強いて言えば・・・見栄えのする踊り・・・というより、サーカス?・・・これもできるよ!あれもできるよ!これも持ってるよ!あれも持ってるよ!見てみてみて!!!というオンパレード・・・。

このライブが今年の踊り納めとなりました。でもいつでも求めていることとやっていることは一緒なんです。だから「宿題」は来年に持ち越しですね。笑 そうやって毎年毎年宿題を片付けて、フラメンコってどんどん宿題が増えていくのだけど、時として一緒に考えてくれたり、ヒントを与えてくれたり、私が宿題できるように陰で支えてくれたり、その途中経過を褒めてくれたりする人たちが周りにいるというのは、とてもありがたいことなんだなと思います。

最後になってしまったけどこれも書く必要があります。2部の最初にロシオのカンテソロがあり、ギターと椅子が舞台中央に並べられていて、そのカンテソロが終わって暗転になったので、じゃ、踊りの出番だって思って私はさささと舞台に上がって他の踊り手さん達もついてきてしまったのだけど、照明の飴谷さんが暗転の中、椅子を直して下さいました。また引っ込むのもなんなので、暗転だしって思ってそのまま舞台の上で皆待っていたのだけど、そうだよなーこういうことも飴谷さんがやって下さっているんだよなー、私はそういうこともよく考えずに自分が踊ることとばかり考えて出てきてしまったけど・・・、って恥ずかしかったです。私が会場入りした時にはすでに音響や舞台のチェックを黙々とこなしていた彼の後姿を思い出しました。それから舞台の上で、自分の気持ちがすーっと落ち着いてこれから、さあ次の所!と思った時に、全く同じタイミングですーっと照明が変わっていったのも。

そしてこのブログに掲載した写真を撮って下さったのは、川尻敏晴さん。ライブのすぐ次の日の朝に送って下さり、そして「踊りの写真はもう少し待って下さいね」というメッセージまでも。なんという気配りでしょう。本当にありがとうございます。自分の夫が写真家なので、写真を準備するというのは大変な労力だということを私は知っています。撮られている方は「送ってー」って簡単に言うけど、写真を撮るって、シャッターを押すことだけではないのよ、撮った後も大変なのよ。そんなことを思いながら、写真を頂くのが当たり前だと思っちゃいけないと自分に言い聞かせました。

きっともっともっとたくさんの方に感謝しなくてはいけないのだと思います。

その気持ちを踊りに変えて、たくさんの人たちに還元できる人間になりたいです。

2016年12月26日

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