ブログ更新が遅れていますが、日本に戻る前の12/1にセビージャで故エンリケ・モレンテのドキュメンタリー映画「OMEGA(オメガ)」を観ました。映画タイトルになっている「OMEGA(オメガ)」は故エンリケ・モレンテの生前のCDタイトルであり、そのCD作成にまつわるドキュメンタリーとなっています。このCDは1996年の作品で、巨匠とも言われた伝統的で純粋なエンリケ・モレンテのカンテ(フラメンコの歌)と、Lagartija Nick(ラガルティーハ・ニック)というバンドのロックの融合。しかも歌詞はフェデリコ・ガルシア・ロルカ。そしてロルカを崇めたレオナルド・コーエンの歌も歌っています。コンサート会場では熱狂的な歓声や嬌声と同じくらいの怒号も飛んでいたそうで、大変な物議を醸した作品でもあるそう。
映画は本当に面白かった。エンリケ・モレンテを始め「OMEGA」に携わったアーティストやいろいろな人達のインタビューや実際のリハーサルの映像、エンリケ・モレンテの構想メモなど、観れば観るほど、聞けば聞くほど面白い。ああ、そうやってあのCDはできたんだ、と。あの映画を観てまたCDを聴けばさらに面白いはず・・・。私がこのCDを買ったのは、発売されてから数年経った頃。買って、1曲目をかけて、なんだこりゃと思ってそれ以降ほとんど聴いていなかったけど・・・・改めてまた聞き直しています。
そういえば、初めてカンテを聴いた時もそうだった。15歳の時。なんだか地中からの叫び声のようなもの・・・それが歌であるとは到底思えずただ怖かった・・・それから全然フラメンコを聴こうとは思わなかったなあ・・・年月が経ってそれがJuan Talega(フアン・タレガ)のトナーであるということを知るまでは・・・。
この映画は日本で上映されるかなあ・・・。以前セビージャで観てこのブログで紹介した「Sacromonte(サクロモンテ)」は来年2/18(土)から日本で「サクロモンテの丘」というタイトルで公開されることになったけど・・・。あの時はとあるフラメンコ関係者の方から、日本での上映に向けて動きたいとのことでご連絡を頂き、映画について色々ご質問を受けたのでした。それが直接来年の上映につながったのかはよく分からないけれど、自分がいいと思ったものを発信することで何かが動き出したり、誰かにつながったりしていくのは本当に嬉しい。ちょっとでもフラメンコの役に立てればいいなあと思っています。
「OMEGA(オメガ)」の上映も祈りつつ・・・「サクロモンテの丘」は必ず観てくださいね!!!
公式HPはこちら→http://www.uplink.co.jp/sacromonte/
2017年12月14日