ペーニャ・エル・チョッサ公演を終えて。やっぱりソレアだ、の巻。

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こちらセビージャは一昨日冬時間になりました。スペインにはサマータイム制度が導入されているので、毎年10月の最後の日曜に夏時間(サマータイム)から冬時間に変わるわけです。よく昔やっていたのは、その前日の土曜に寝る前に時計の針を1時間ずらしておくと、朝起きた時には夏時間、もしくは冬時間になっているという方式。でもよくあるパターンが、1時間ずらすのは分かるんだけど、1時間後なのか前なのか???というのでもめる。(笑)毎年繰り返しているのだから分かりそうなものなのですがね(笑)。でも最近では勝手に携帯やパソコンが時間を変えてくれるのでその心配もなくなりました。機械の方が私より賢いわけです(笑)

さて、先週金曜のペーニャ・エル・チョッサ公演はお陰様で無事に、そして大盛況のうちに終了しました。本当にたくさんのお客様で・・・会場に入りきれないため、ドアを開放し、舞台外のバルや表通りからご覧になっていたお客様もいらっしゃいました。それ程大きくはないペーニャですが、セビージャの外れにあるあのペーニャにあれ程お客様が入ったのも珍しいとのことでした。本当にありがとうございました!

第24回フラメンコ文化週間
ペーニャ「エル・チョッサ」
2017年10月27日
ギター:ミゲル・イグレシアス
カンテ:エル・ガジ、モイ・デ・モロン
バイレ:萩原淳子

写真:アントニオ・ペレス

当日はマントンのアレグリアスと、ソレアの2曲を踊りました。(小さな舞台だったので小さめのマントンを使用。)今回はエンサージョなし、本番前に楽屋で構成を口頭で伝えだけで舞台に立ちました。自分が即興にどう対応できるか試してみたかったからです。もちろんついてきてくれると安心できるアーティスト達との共演だったからこそですが。

ミゲル・イグレシアスとは初共演でした。舞台の上での彼との掛け合いというか、駆け引きみたいのがスリル満点。でも即興がうまく行かない所もあり、反省。ガジとモイとは共演したことが何度かあったけど、この二人のセットは初めて。ガジとモイって、1+1=2ではなく、1+1=5くらいになる。凄いな。

1部はミゲル・イグレシアスのギターソロからガジのカンテ・ソロに続き、私のアレグリアス・コン・マントン。先述の通り小さな舞台だったので小さめのマントンを使用しました。歌い手のマイクに引っかからないようにと気をつけていたら、自分のペイネタ(飾り櫛)に引っ掛けてしまったという・・・(笑)エイっと取ったので特には影響なかったので良かったです。アレグリアスに関しては特筆することなしかなあ・・・1部終わった後にガジが「すごい良かったね!」とニコニコしてたけど、私としては「そうかなー?」という感じ。悪くはないけど、花火を上げる程でもない。1曲目ということもあったのかな?一般的に後半になるにつれて盛り上がるものですからね。

そして2部。モイのカンテ・ソロから始まりました。マラゲーニャ。うわー、これがすごかったわ。声に、歌い方にこもるモイの感情。カンテはそれが溢れ出るもの。歌うってそういうことなんじゃないか、と。前日に同じペーニャで聴いたアルフレッド・テハダのカンテも圧巻だったけど、あの日のモイにはかなわないでしょう。素晴らしかった。モイが素晴らしい歌い手なのはみなさん知っているのでしょうけど、素晴らしい中でも、その時によって度合いが違う。あのマラゲーニャはその度合いの違うマラゲーニャだったわけです。楽屋で一緒に聴いていたガジの目も涙目になってた・・・

そしてその後が私のソロのソレア。久しぶりに来ました。あの感覚。あの独特の感覚。あれがある時に私はソレアを踊れる。ソレアの振付ではなくて、ソレア。どうしてそれが来るのかはよく分からないし、来ない時はなぜ来ないのかは分からない。でも来た時、いや、来る時にははっきり分かる。モイのマラゲーニャはそれに至るまでの一つの流れだったのかもしれないし、それにガジのソレアのサリーダ、歌と引き継いだのかもしれない。いずれにせよ、モイのソレアで私の中の何かがぶっ飛んだ。ぶっ飛んだけど、地に根を張っていた。相反するようで実はつながっているのかもしれない、私のソレア。評論家が見ればいろいろ批評すべき部分があるのでしょうが、いいんです。私は私のソレアを踊れたことに、というかここ最近ソレアを踊ってもソレアを踊った感がピンと来なかった自分に、ドカンとソレアが落ちてきたこと、ソレアに戻れたことに感謝したい。そしてそのためには彼らの歌とギターが必要だったということ。だから彼らにももちろん感謝しています。ありがとう。

やっぱりソレアだ、私の踊りは。

細かいことを言えば、即興がしっくり来なかった部分もあり、やっぱり反省。やっぱり初めて仕事したギタリストだったから、少なくとも本番前に楽屋でさらっと見てもらえばよかったかなあ、そういうのもなしにしてぶっつけ本番にしちゃった自分に責任があったかな・・・色々考えてあの日はまた眠れなかったし・・・。でもまあ、終わったものは仕方ない。次回の検討課題にしよう。いずれにせよ、いい面悪い面全部ひっくるめても、あのソレアを踊れて本当によかった。それが私の中で最大。

それと、これは舞台上でお話させて頂いたけど、東洋人がこの土地で踊り続けるというのは難しい・・・。たとえフラメンコを愛していて学び続けていても、その壁を取り払うのは簡単ではない。でもこのペーニャの皆さんのように、「心の眼」で私の踊りを見てくださる方々がいらっしゃるからこそ、私はこれからも道を歩み続けることができるのだと思う。本当にありがとうございました!!!

最後に・・・たくさんお喜びのお言葉を頂けて本当に感謝しているけれど、あるのペーニャ会員の方から頂いたお言葉が一番嬉しかった。

「もっと遠くに行きなさい、君なら行けるはずだから。」

・・・うん、そうだ。行けると信じて歩き続けよう。

2017年10月30日 セビージャにて。

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