みなさんこんにちは。いかがおすごしでしょうか?
10月になりましたが、セビージャは猛烈に暑いです。昨日は日中40度近くにもなっていました。今日も暑い!午後これから友達と会う予定ですが、待ち合わせ場所をアイスクリーム屋さんに変更!あーザブッとプールにでも入りたい!
2週間前のペーニャの公演が終わってから、セビージャのアカデミアでラ・ルピのクラスを受講していました。いつだったか日本のタブラオ、ガルロチに出演されていたのでご覧になった方もいらっしゃるかもしれません。マラガ出身のベテラン女性舞踊家。ブレリア、理論、タンゴの3クラスを受講しました。どのクラスも面白かったけど、理論のクラスが勉強になったかな。割とフラメンコ初級者向けの理論のクラスだったので、ある程度知っている内容だったりもしたのですが、自分が知っていることでも先生から改めて教わると、なるほど、と納得があったり、そういう説明の仕方をするのか、と教える面での勉強にもなります。ただ、フラメンコには正解がたくさんあると思うので、一つだけの理論を鵜呑みにしてしまうのは良くないですね。(ルピの教えがまちがっているというわけではなく)10月はルピに習ったことをいろいろな角度から研究してみたいと思います。
そして、先週の木曜と金曜はウトレーラで開催された、ディエゴ・デ・ラ・マルガラのブレリアのクルシージョに行ってきました。ウトレーラはセビージャから電車で20分程の小さな町。たくさんのフラメンコアーティスト、特に歌い手を輩出したフラメンコ色の濃い町でもあります。ディエゴ・デ・ラ・マルガラはヘレスの踊り手。ヘレスの人たちに「ヘレスのブレリアを最も素晴らしく踊る、踊り手」と絶賛される方でもあります。昔のカルロス・サウラの映画「フラメンコ」の中で、冒頭ヘレスのブレリアのシーンで踊っている方なので、ああ!と思い出される方もいらっしゃるかな?動画はこちら→https://www.youtube.com/watch?v=CeTIwQSOYr0
セビージャのルピのクラスでは、スペイン各地からやってきているスペイン人の踊り手や、外国人留学生がいっぱいなのに対し、ウトレーラでのディエゴのクラスでは、受講生はほとんどがウトレーラ在住のセニョーラ達(平均年齢50代くらい?)と、10代後半くらいの女の子達も3人いました。外国人は私と、スイス在住の日本人の踊り手さんだけ。なんともいい雰囲気。みんなのんびりしているというか、普通にフラメンコを習っている。こう、ある種の「ガツガツさ」というのが全くありません。いいなあ。
ディエゴは踊る時にはあんなにエレガントなのに、普段は子どものようなはしゃぎっぷり(笑)いきなりクルっと回ったり、ジャンプしたり、すばしっこい。目が離せない。というか、そんな動きにも実はアルテが隠れているんじゃないか、なーんて萩原は思ってしまうわけで(笑)、目を皿のようにしてディエゴを観察していました。(笑)
シンプルなんですね、なんでも動きが。動きだけ見ると、何だそれだけのこと?って思ってしまうかもしれない。でもそれだけのことに、ものすごいことがいっぱい詰まっている。同じように動こうなんて思っても、ダメ、だって同じようには動けない、根本的に全然違う。ああ、素晴らしいなあ。技術や振付の巧みさではないんですね。
あれはどこから来るんだろう。
一つ、とても重要なことを言葉で教えて下さいました。ブレリアを踊り終わる時の抜け方。ああ、そういう発想は私、持っていなかったなあ、そういう小さなことが実は大きな違いなんだなと、大いに納得。素晴らしい教え。忘れないようにしっかりとっておこう。
人生がシンプルであるなら、踊るということもシンプルでいいんだと私は思います。世の中たくさんの難しいことが溢れていて、いかに難しいことや目新しいことをするのかに躍起になっている人もいるけど・・・・、それはそれ。
そして、誇張。本当に心から嫌だなと思う。なんで誇張するんだろ。そのままでいいのに。
でもそのままに自信がないからきっと誇張してごまかそうとするんでしょうね。
フラメンコって、本当はシンプルで自然のはず。だって、カンテを聴いたらそういう内容じゃない?それを踊るわけだから。
写真:アントニオ・ペレス
2017年10月1日 セビージャにて。