2018年セビージャのフェリア。カルメン・レデスマと。②

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みなさんこんにちは。いかがお過ごしでしょうか?

セビージャのフェリアは昨日終了し、少しずつ街全体が落ち着きを取り戻しているように思えます。先日フェリアでの写真をアップしましたが、その翌々日にまたカルメン・レデスマのグループと合流させて頂きましたので、その写真をアップします。

フェリアは1週間続きますが、今年は2日間行きました。フェリアでのフラメンコのライブは夜遅くに始まる場合が多いので、それに合わせると夜中にフェリア会場に到着し、家に着くのは明け方5時頃とか。ライブは1時間くらいで終わるのですが、なんだかんだでフェリア会場にいるとあっという間に時間が経ってしまうのですね。時間の感覚がなくなるというか・・・。明け方5時に帰宅しても朝は9時くらいに起きて、午前中に自主練習、午後は名古屋からいらしている生徒さんの個人レッスン、そしてまた自主練習、夏に行う日本でのクルシージョの時間割も組んで・・・・という生活をしていますから、体力勝負。そして手が抜けてしまうのは家事。フェリア中は家の中がとっ散らかり、今朝やっと少し片付けができたところです。(笑)

それはそうと、今回もカルメンは素晴らしかったです。前回よりもさらに環境が悪く・・・というのは、1部ではマイクが壊れていたのかほとんど生音。カルメンの踊るスペースには板なんぞなく、土の上そのままだったからサパテアードも全然聞こえないし。2部ではマイクがやっと繋がりましたが、嫌がらせなのか、隣のカセタがさらに音量を上げるという・・・。

そして今回もフィン・デ・フィエスタで踊らせて頂いたのですが、今回はこんなことがありました。マリ・ペーニャがブレリアを歌っていた時です。それはコプラと呼ばれる、歌謡曲みたいのをブレリアのリズムに乗せて歌うもの。フラメンコの踊りを学んでいる人がよく耳にする一般的なブレリアとは全く異なります。歌詞もメロディも。私が聞いたことのあるコプラもありましたが、マリは次から次へとコプラを歌い、どんどん深い世界に入って行きました。とても素敵で聞き惚れていたのですが、それと同時に「あーこんなにたくさんのコプラがあって、私が知っているのなんて本当にほんの一握りなんだ。」って、まだまだ自分は聴くのが足りないんだなって思っていたんです。そしたらその時カルメンが「ジュンコ、踊れ!」と・・・・。思わず、「えー!」って大きな声を出してしまいました。カルメンの命令でもこれは踊れない・・・私には無理だ・・・・いくらいろんな所でブレリアを踊っている私でも、こ、こ、これは難しい・・・。そう思って・・・、いや・・・でももしかしたら踊れるかもしれない・・・マリの次のカンテを聞いてみよう・・・と思って、少し待っていました。そしてああやっぱりこの歌も私には無理だなって思った瞬間、カルメンがさっと立ち上がったのです。

カルメンがその歌を踊りだしました。ああああああ、こういうことなんだよ。何も難しいことはしていない。でもカルメンの踊りはカンテそのまま。確実な部分を全て外さず、逃さず、そして高みに持って行く。歌に流されることもなく、歌を押しつぶすこともなく、カルメンのスタイルもそのまま。圧巻でした。

その後他の歌い手達(エルミニア、ホセ・メンデス)がブレリアを歌い、それはもう少し踊りやすいブレリアだったのでその場にいたカルメンの生徒さん達(と言ってもプロの踊り手ですが)が踊り、私も一振り踊らせて頂きました。楽しかったけど、いやー、ブレリアは奥が深すぎる。その奥の深いブレリアを難なく最高の状態で踊ってしまうカルメン・レデスマ。本当にすごい。カルメンに習ったのはもう10年くらい前になるかなあ、それからは時々しか習っていないし、ここ数年はしばらく習っていなかったけど、クラスでよりもこういう場でカルメンからは学ばせて頂いている。むしろこういう場だからこそたくさんのことを学べる。だから本当にカルメンに感謝。

ライブが終わってから、カルメンに「踊れって言ってもらったけど、あの歌は私には無理だから踊れませんでした、ごめんなさい。あの歌は私ではなく、あなたが踊るものだし、あなただからこそ踊れてだからお客さんも喜んだと思う。私も感動しました。」って言いました。そしたらカルメンが「そんなことないわよ、ジュンコなら踊れるって」・・・。いや、それは無理、って答えたら、カルメンはこう言っていました。

「ソレアを踊るのと同じだから」。

・・・・やっぱりカルメンはすごいなあ。

今年のフェリアは楽しんだだけでなくて、本当にたくさん学ばせて頂いた。フェリアだけではないけど、こういう日が少しずつ自分に還って、つながっていくんだろうなあと思う。クラスやYoutubeで振付をパッと取って踊ることも可能。でも、フラメンコを学ぶってそういうことではない。少なくとも、私が求めているフラメンコはそれでは学べない。

フラメンコを生きること、時間をかけて少しずつ。

写真:アントニオ・ペレス
(素晴らしいフラメンコの瞬間を、フラメンコの息遣いを、フラメンコを匂いを届けてくれる写真家にも感謝!)

2018年4月22日 セビージャにて。

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