「フラメンケリア」ライブお陰様で無事終了!/グアヒーラの振付と踊り方。

1812jpgみなさんこんにちは。いかがお過ごしでしょうか?

夫の具合が悪くなってしばらくブログをお休みしていました。数日前から少しずつお昼間外に出られるようになってきて嬉しいです。時期が前後してしまいますが、12/14に行われた「フラメンケリア」のライブはお陰様で無事終了しました。お越し下さいました皆様ありがとうございました!

_MG_4109_MG_4144_MG_4179_MG_4219_MG_4269_MG_4277当日は20年ぶり(?)くらいにグアヒーラを、それとマントンのソレアを踊りました。グアヒーラは本当に久しぶり。以前AMIさんに習っていた時に、AMIさんの公演で群舞で踊るグアヒーラを覚えたくらいで、それから全然踊っていませんでした。(3年前のソロ公演「人はなぜ、絵はがきの風景を探すのか?」のフィン・デ・フィエスタでグアヒーラを踊りましたが、ちゃんと1曲踊るのは久しぶり。)あの当時私は20歳くらい???AMIさんからは「グアヒーラというものは大人の女性が踊るものなのよ」と何度も言われ、ああ、私はまだグアヒーラ踊れる年齢ではないんだなあ・・・と思っていました。群舞で出演した他の生徒さん達は皆私よりも年上だったし、自分だけ若い(=幼い)ことにずっとコンプレックスを持っていたんです。だから自然とグアヒーラを踊ることを自分の中で封印してしまったというか・・・・。

しかし、ふと思えば今の自分の年齢はあの当時のAMIさんの年齢くらい???あらっ、私、もしかして大人(?)笑。ということにある日気づき、グアヒーラ踊ってみようかなあって思ったんです。よく考えれば大人になったのは年齢だけで中身は・・・という疑問も湧いてはくるのですが・・・ま、その辺は置いといて。笑。

不思議なもので、20年以上前に習った当時の振付やパソの一部を結構覚えているものなんです。昨日習ったパソは忘れているっていうのに。(笑)ビデオを見て思い出したわけでなく、自分の記憶だけを頼りにして思い出せるってすごいな。それだけあの当時必死に学んだことが身体と脳みそに刻み込まれているということなのか?だから今回のライブに向かってグアヒーラを振付しようと思った時、自然にあの当時習った内容の一部がムクムクと沸き起こってきました。

振付は楽しいです。習った振付をそのまま踊るということは私はしないので、習ったものを自分流にアレンジしたり、または即興で踊っていてポンっと出てくる動きや音などもあり、(その「ポン!」の瞬間は最高の気分。)それらのパーツを組みあわせていく。そのパーツの内容も大切だけど、そのパーツの組み合わせ方というのも実は重要で、ここを誤ると踊りが悲惨になる・・・。その人はその振付をたくさん練習して上手に踊っているかもしれないけど、振付が悪いと見ている人は振付が気になって踊りに集中できないという結果に・・・。だから今回久しぶりにグアヒーラを踊るということもあり、念には念を入れて振付を考えました。

ところが・・・共演ギタリストのミゲル・ペレスが一言。

「考えすぎるな。振付も構成も決めるな、即興で踊れ。グアヒーラとはそういうものだ」

そこでハッとしたんです。私、グアヒーラを久しぶりに踊るからって、振付や構成をとりあえずきちんと決めなきゃ、って必死になっていた。ミゲル曰く、その決まった「型」にとらわれるとグアヒーラがグアヒーラでなくなってしまうのだそうだ。歌の部分では歌い手が自由に伸ばしたり縮めて歌うから(タラントやシギリージャみたいに)その部分も即興で対応するように、構成も歌が来てもファルセータが来ても何もこなくても、もっと自由になれと。アレグリアスやソレア・ポル・ブレリアのように構成を決めてそれをギタリストや歌い手に伝えるものじゃない、グアヒーラってのは。

そっかああああ。

でもそんなこと私できるのかなあ、グアヒーラ20年ぶりに踊るのに・・・・って思ったのだけど、ミゲルが「君の構成は聞かない」と言うので(笑)じゃあ即興でやってみるか、と。

そういう話をミゲルとしたのが本番2〜3日前だったかな?それから、それまで一生懸命作った振付を一旦白紙にして即興に対応できるように準備。そうしたら、不思議なことになんだか気分がすごく楽になったんですね。あ、なんだ、これでいいのか!と。さらには振り付けていたマントンのソレアも一旦白紙にすることに。振付を踊るんじゃないくて、マントンもカンテやギターを聴けるように、と。

本番もすごく心地よかったです。もちろん即興特有の緊張感、何が来るのか、来ないのか?これからどうなる?どうする?という部分もありましたが、それを含めて心地よかった。多分ミゲルのギターだから安心できた部分と、クリスティーナとは初共演だったけど彼女の安定したパルマに支えられたから自由になれたんだな。

もともと今回クリスティーナにお願いしたのはグアヒーラを踊るのでクリスティーナの声がいいかなと思ったのですが、もちろんそれもそうだったけど、彼女のソレアも素晴らしかったです。彼女はまだ若いし、まだそれ程有名ではないかもしれない。(セビージャのタブラオでは結構歌っていますが。)でもだからなのか、それとも本人が元々そうなのか、手を抜かない、全身全霊で歌う。彼女よりも有名な歌い手も上手な歌い手もたくさんいるけれど、彼らの中には結構手を抜く人もいますからね。とにかく彼女のソレアには驚きました。

いいライブでした。ギターもカンテも、私も皆心地よく自分のことができたし、お互いが共鳴していたし、お客様も本当に喜んで下さいました。フラメンコを知らない観光客の前でダーってサパテアードしたりして、お客さんがWow!!!! って盛り上がる、よくあるセビージャのタブラオ・フラメンコではなくて、私たちが感じていることがそのまま伝わったフラメンコ。なんだか不思議と落ち着き、とても幸せな夜でした。

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ちなみにグアヒーラは日本でも踊ります。来年2/7(木)高円寺カサ・デ・エスペランサさんでのソロライブにて。グアヒーラを踊るつもりで、歌はエル・プラテアオに頼みました。実はプラテアオ、知る人ぞ知るグアヒーラの名手なんですよ。彼のそのグアヒーラでどう踊ることになるのか、本当に楽しみです。是非みなさんいらして下さいね!

2019.2.7//  パセオフラメンコライブ (カサ・デ・エスペランサ). 20:00開演. 4500円(1ドリンク付)
電話予約 昼(セルバ)03-3383-0246/夜(エスペランサ)03-3316-9493

メール予約 selva@tablaoesperanza.com

Baile Cante Guitarra
  • 萩原淳子
  • エル・プラテアオ
  •  ペペ・マジャ

舞台写真:アグスティン・ロドリゲス

2018年12月25日 セビージャにて。

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