怒涛の日々が終わりました〜。1週間続いたセビージャのフェリア(春祭り)が先週土曜で終了!今年も楽しかったけど忙しかった〜。忙しかったけど楽しかった〜。ちょうど日本のGWと日程が重なっていたこともあり、日本から生徒さん達がセビージャにやって来ました。そしてアメリカに住むお友達も!(アメリカはGWと関係ないですが。笑)そしてさらにはComunión(コムニオン)と呼ばれるカトリックのお祝いに招待されて、セビージャ郊外の街レブリーハに2週連続で行くという・・・。仕事でもないのにハードスケジュールな日々でしたが(笑)とにかく楽しかったです。会いに来てくださったみなさんありがとうございました!お土産もどうもありがとうございました!
フェリアでは今年もブレリアクラスの仲間のカセタにご招待頂き、ちょっぴり踊らせて頂きました。ギター:フアン・マルエル・アギラール、カンテ:パコ・エル・ガソリーナ、カルメン・グリロ、モモ・モネオ、イスラエル・ロペスのヘレス軍団。セビージャにいながらヘレスのソニケーテを楽しめた貴重な夜でした。
そして同日の同時間帯には、ペーニャ・トーレス・マカレナのカセタでカルメン・レデスマの公演が。そちらにも行きたかったけど、先述のカセタに招待された時間とかぶってしまったから、カルメンの踊りは見られず・・・・残念でしたが、とりあえずトーレス・マカレナのカセタにも寄ってみよう!と覗いてみたら、なんとちょうど最後のフィン・デ・フィエスタ中。知っているアーティスト達が舞台の上に何人かいたので、ヒョイひょいーっとお客さんの間を縫って舞台に近づきました。(遅れて来たくせに図々しい。笑)舞台の下からカルメンに手を振ると、おいでおいでをしてくれたので、さらに図々しく舞台に上がってしまいました。(笑)お客さんもペーニャの会員さんがほとんどだし、会長さんとは知り会いだからまあいいかなって思って。(笑)
舞台に上がりさすがに端っこの方に立ちましたが、その私の手をカルメンが引っ張って中央、カルメンの隣に立たせてくれました。ひえーって思ったけど、ここで、いいですいいです・・・なんて謙遜するのも逆に失礼なので(日本と文化が違いますから。笑)そのまま中央カルメン横に陣取ってしまった萩原でした・・・。(笑)
どうもまだフィエスタは始まったばかりみたいで、若手の飛び入り参加の歌い手が歌い始め、同じく飛び入り参加の踊り手さん達がどんどん踊っていきます。隣のカルメンが「ジュンコ、ジュンコは今踊っちゃダメ、ホセ(・メンデス)の歌で踊りなさい」と耳打ち。おお!それは嬉しい!とホセの歌まで待っていたのですが、ホセが歌い出したら他の踊り手が踊ってホセが引っ込んでしまった・・・。そしたらもう一人の歌い手エル・カブレ(写真緑のジャケットの人)が出てきて、完全に私を指定して歌ってきた・・・こうなると座長カルメンもどうすることもできず、(その瞬間のカルメンは、しまったーって顔してました。)萩原は腹をくくって踊るしかありません。
ブレリアと言ってもいろいろな歌があります。舞踊伴唱に慣れて経験豊かなホセ・メンデスであれば踊りに向いたブレリアを歌ってくれるかもしれないけど、このエル・カブレは自由気ままなボヘミアンだからなー(笑)この歌をどう踊ればいいんだ????って思いながらとにかく聞いて、コンパスを刻んで・・・・そして、うりゃー!ここだ!っていう所でレマーテをし、パソ・デ・ブレリアに持って行く。あとははけ歌を呼んでさっさとはけて行くのですが・・・この、うりゃー!ここだ!っていうのは、どういう所なのかと聞かれても、私も説明がつきません。(笑)とにかく、瞬間的にそう感じるのです。それは歌によっても歌い手によっても違います。
先述のホセ・メンデスのように経験豊かな歌い手であれば、この踊り手がどのくらい歌に精通しているかというのをすぐに見てとって、その踊り手の力量(フラメンコ力)に合わせた歌を歌ってくれるかもしれない。つまり、力量があまりない踊り手には誰にでも分かりやすい歌を、力量のある踊り手には彼の気持ちの赴くまま歌う、とかね。
でも自分が踊る時に、常に自分の知っている歌が歌われるとは限らない。そうでないことの方がずっと多い。じゃあどうやってブレリアを踊れるのか?どうやって歌を踊るのか?どうやって即興するのか?
ここがフラメンコの、ブレリアの面白い所、深い所ですね。
この「うりゃー!ここだ!」の感覚があれば、勝手にマッチが擦られる。身体にシュッと火がつく。後は自分の身体の向くままに踊るだけ。ここがブレリアの面白いところ。
でも、その「うりゃー!ここだ!」の感覚がない時もある。そうするとそのブレリアは悪くはないけど、味も素っ気もない踊りになる。ここがブレリアの難しいところ。
そして、その「うりゃー!ここだ!」の感覚があっても、彼らの感覚とずれている時もある。そうすると自分は盛り上がってるかもしれないけど、端から見るとちょっと恥ずかしい。多分独りよがりで自分だけ浮いているからね。
うーん、難しい。
あの日の私の踊りはどうだったのか・・・????
踊り終わった後、歌った本人エル・カブレがハイタッチを求めてきたので、うーん、あれでよかったのか???とも思ったけど、自分ではよく分からん。
確かにうりゃー!ここだ!の感覚はあったけど。
だからブレリアは難しい。
でもやめられない。(笑)
写真:アントニオ・ペレス
2019年5月13日 セビージャにて。