「アンダルシア・ヒターノの日」に レブリーハに行きました。

Monumento-al-guitarrista-Pedro-Bacan-Lebrijaみなさんこんにちは。いかがお過ごしでしょうか?

先週金曜、11/22はアンダルシア・ヒターノの日でした。ちょうどレブリーハで「カルメン・デル・ラタ」という今年90歳になるヒターナと、レブリーハが世界に誇る偉大なギタリスト、故ペドロ・バカン監修の歴史的なCD「Noches gitanas en Lebrija(ノチェス・ヒターナス・エン・レブリーハ)」へのオマージュがあるということで、レブリーハまで行ってきました。(写真左はレブリーハにあるペドロ・バカンの銅像。)

レブリーハはセビージャから電車で50分くらいの所にある町。レブリーハ独特のカンテがあるフラメンコ色の濃い町です。最後にレブリーハに行ったのは、7月の「カラコラ・フェスティバル」で踊って以来です。

その時の踊りはこちら→インタビューとバタ・デ・コーラのソレア
アレグリアス・コン・マントン

レブリーハから帰ってくるといつも放心。
自分が学んでいるフラメンコは何なんだろうなと。
彼らの人生や生活の中で生きているフラメンコとの大きな大きな大きな違い。そりゃあ違って当たり前なのだけど。

劇場やペーニャでの「公演」というのももちろんフラメンコだし、それも楽しめるのだけど、そうではなく、プロではない地元の人達のフラメンコ。クラスや教室で学んだものではないフラメンコ。そういうフラメンコにすごく惹かれる。ああ、これが原点なんだなあって。

私は外国人だからそういうルーツを持っていない。たとえ彼らのフィエスタに混ぜてもらえたとしても、それはルーツを持っている人達と一緒にいるだけで、自分がルーツを持っている人間ではないのは十分知っている。

よくペーニャやフィエスタで会うセニョーラとあの日レブリーハでも会って、そのセニョーラがフィエスタで踊り出した。そのセニョーラが踊るのを見るのは初めてだったので、「あ、この人踊るんだ」って思ったのも束の間、その、もんのすごい味のある踊りに、私は体が固まってしまった。でも眼だけはカッと見開いて彼女の踊りを見ていた。

なんでもない動き。それなのに、それだから、フラメンコ。あんなにもフラメンコ。それを当たり前のように踊り、当たり前のように周りの人達も見ている。カッと眼を見開いて見てたのはきっと私くらいだったんだろうな。

その後そのセニョーラが言ってた。私はアカデミアに行ったことがないのよ。誰かからこうしなさい、ああしなさいって言われたことがない。私が踊っているのは、フィエスタでみんながやっているのを見てきたから、そうやってるだけ。」

文化。

彼らの生活に、人生に、当たり前にある文化。

お稽古事でも仕事でもない。

それは文化。

・・・レブリーハに行く度に、彼らのフィエスタの中に入れてもらう度にそう思う。

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そして、CD「Noches Gitanas en Lebrija」が収録された当時の映像、これが本当に垂涎ものでした。レブリーハが生み出した、レブリーハが誇るギタリスト、「ペドロ・バカン(Pedro Bacán)」。交通事故で亡くなってしまったけれど、彼が残したフラメンコは現代のレブリーハの人達の中にもまだ生きています。これからも生き続けることでしょう。そのペドロ・バカンが生前、レブリーハのヒターノ達の歌そのものを録音に残したのが、CD「Noches Gitanas en Lebrija」なんUnknown-2です。これ、ただのCDではない。ペドロはそのままの状態で録音するために、実際にフィエスタの設定で録音したそうです。録音スタジオではなく。ヒターノ達の前にはテーブル、ワイン、チョリソ・・・etc。みんな飲んだり食べたり、本当のフィエスタの状況で歌ったそうです。そして、その時の様子の録画があの夜、放映されたのでした。

本当に垂涎もの・・・・涙あり笑いありで、あんな貴重な映像をレブリーハの人達と見ることができたなんて・・・。

ちなみに、CD「Noches Gitanas en Lebrija」はYoutubeでも聴くことができます。このCDタイトルで検索すると色々出てきますよ。
例えば→https://www.youtube.com/watch?v=-no5zPo233E

それからこのCDジャケット(写真上)になっている独特の絵。実はこの絵はこのCDが録音されている時に、同時に描かれたものだということを知りました!というのも、金曜に見たこの録画映像の中で、実際に絵を描いているのが写っていたから!しかも絵を描きながら、パルマも叩いていた!すごい!(笑)

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ああ、なんという1日だったことか。レブリーハに行くといつもそんな感じ。だからセビージャに戻ると放心してしまう・・・。でもそれだけのものを、それだけのフラメンコをレブリーハの人達からプレゼントして頂いたということ。

ああ、また新しい1週間が始まる。・・・セビージャで。

2019年11月24日

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