Apr 12
セビージャに着きました。
Hagiwara Junko | 新着情報 | 04 12th, 2009| Comments Off
 みなさんこんにちは。いかがお過ごしでしょうか?
 私は元気です。9日にセビージャに着きました。セマナサンタ(カトリックの宗教行事。セビージャのそれは世界的に有名です)中ということもあって、町中人だらけ。道路も封鎖されているし、マドリッドからようやくセビージャの自宅に辿り着きました。今日は最終日。今、町を練り歩いている音楽隊が段々近づいてきます。あの独特の音楽がおなかに響きます。今いるピソ(セビージャの住居です)のベランダの上から見てみると、音楽隊は一定のリズムで歩いています。おお!これはコンパスを刻んでいる。すごい。そして音楽隊で一番重要なのは、一番目立たない最後尾の大太鼓なのです!彼らがそのコンパスを守っている〜。音楽的に美しいメロディーを支えているのは彼らなのだ!そしてセマナサンタではみんなお神輿(のようなもの)に乗っているマリア像やキリスト像をあがめるけれど、本当に重要なのはそれを下から担いでいるコスタレーロとよばれる屈強な男達なのです。全ての重要なことは目に見えないところにあるのです。
 私が以前通っていたフラメンコスタジオの近くにセマナサンタの彫り物をしている工房がありました。その工房をのぞかせてもらったことがあります。すごい。セマナサンタの彫り物は一度として同じ模様で彫らないそうです。何十年も前の彫り模様を研究して常に新しい彫り模様を決定する。そしてそれを彫る鑿というのが何十本も作業台の上に無秩序に置かれ、彼は一瞬にしてその彫りのため必要な鑿を選択し、彫っていく。ものすごい集中力と地道な作業。たった一人その工房で、もしかすると「アイツは頭がおかしい」と思われながら(実際私はそう思ってました。ごめんなさい)地道すぎる作業を毎日毎日繰り返している。なんのために彼はここまでしてセマナサンタの彫り物に人生を捧げているのか?「何があなたをそうさせているの?」思わず私は聞いてしまいました。すると彼は一言。「アンタがフラメンコやってるのと同じだよ」。
 セビージャにはものすごいアルテ(日本語に直すと「芸術」かな。)があります。そのアルテに魅かれて私はここで生きています。でもただ生きているだけではない。ここで生きるために私はいろいろなものと闘っています。弱い自分、異文化を受け入れられないと思わずシャットアウトしてしまいそうになる自分の堅いアタマ。人種差別。他人からの嫉妬、意地悪。そういうものから超越してただひたすら自分の道を進みたい。それだけです。
 と言っても、私の部屋にはまだスーツケースが転がっています。。。早く片付けないと!しかも今週は掃除当番だし。(ルームシェアなので週ごとに掃除当番があるのです)日常にあるやるべきことをまずやらないとね。日曜なのに結構忙しいわ〜。
 ということで、みなさんまたお会いしましょう。
 2009年4月12日 セビージャのセントロ(中心)にて。
Apr 7
セビージャに戻ります!
Hagiwara Junko | ブログ | 04 7th, 2009| Comments Off

みなさんこんにちは!お久しぶりのブログです。

明日日本を発ちます。2月上旬に一時帰国してからあっという間に2か月が経ちました。その間マルワ財団フラメンココンクール出場(準優勝!やった~!)、日本で師事していたAMIさんのエル・フラメンコ公演にゲスト出演、恵比寿のサラ・アンダルーサにてライブ出演、東京・中野とつくばの国際美学院さんでのクルシージョと、本当に目まぐるしい毎日でした。しかしながら1年半ぶりに家族や友人と会えたこと、日本食や桜も満喫(おでんは5年ぶりに食べました~)、本当に充実した毎日でした。

初めてのクルシージョ開催ということもあって準備はてんやわんやでしたが、たくさんの方々に支えられて無事終了することができました。勉強熱心で素直な生徒さん達にも恵まれ、私は本当に幸せものです。どうもありがとうございました!その生徒さん達から頂いたお言葉、「目から鱗の落ちるレッスンでした」「フラメンコが前より好きになりました」「なぜフラメンコを踊るのか、その意義が見えてきたように思います」などなど・・・を励みに今後も教授活動も続けていきたいと思っています。

また公演活動においても、たくさんの方々に支えられ、踊りを観にきて頂き本当に感謝しています。毎回毎回の踊りが印象深いですが、特に今回の一時帰国で最後のライブになった恵比寿サラ・アンダルーサでの踊りが一番自分らしかったのではと思います。エンリケ・エル・エストレメーニョのカンテを聴きながら踊っている時の感覚が、セビージャで踊っている時のそれと同じでした。今回の一時帰国中に彼と共演できたことは自分にとって必要なことだったように思います。

2か月セビージャを留守にしていたため、その間の向こうでの仕事を引き受けられず悔しい思いもしました。あちらでの舞踊活動のリズムを取り戻せるかちょっと不安ですが、それはやってみないと分りません。いずれにせよ今回の一時帰国中に勉強したことをセビージャに持ち帰ってまた精進したいと思います。がんばるわ!

次回の一時帰国は夏の予定。またお会いできることを楽しみにしています。みなさんもどうぞご自愛ください!

2009年4月7日 藤沢のネットカフェにて。

萩原淳子