Oct 23
明日!カディス・ペーニャソロ公演
Hagiwara Junko | 新着情報 | 10 23rd, 2009| Comments Off

2009.10.24 // ペーニャ・フラメンカ・サルバドール ・ペリアニェス(コニール、カディス)22:30H

 

萩原淳子ソロ公演 

Baile Cante Guitarra
  • 萩原淳子
  •  ヘロモ・セグーラ
  • アンドレス・マルティネス 

みなさんこんちは!いかがお過ごしでしょうか?

私はすっかり元気です。ご心配をおかけしました。メールを下さった方々、温かいお心遣いどうもありがとうございました!

先程、明日の公演の合わせをしてきました。「本番前日に1回だけの合わせで大丈夫なんですか?」ともメールで質問されましたが・・・。もともと私の場合は、ペーニャ公演の時の合わせは1回のみ、本番の2〜3日前に行います。ただし今回は歌い手のヘロモ・セグーラがそれまでエバ・ジェルバブエナ舞踊団公演で日本にいたので、結局本番前日になりました。踊り手によって、また公演内容によって練習や合わせの仕方は異なると思いますが、ペーニャ公演の場合私はいつもこのやり方です。できるだけお互いのフラメンコが新鮮でいられるように。

今回のギタリスト、アンドレス・マルティネスと一緒に仕事をするのは初めてだったのでちょっと緊張しました。初対面だからというよりも、彼がどんな人間で、どんなギタリストなのか、何を持っているかを1時間半の合わせの中で、全身の神経と耳を集中してキャッチしなければならないからです。彼のギターのよさを最大限引き出すにはどうしたらいいのか?彼のギターが光るように、そして私自身の踊りがそれに触発されるように。もしくはその逆、私の踊りによって彼のギターが触発されるには?

今日の感じでは、アレグリアスがよさそう。シレンシオの部分が今までの自分の踊りと随分変わりそうです。でもそれが新たないい展開になる気がします。その他にも彼のギターのおかげできらっと光りそうな所が出てきました。シギリージャはテンポに気をつけなければいけないかな。彼が持っているファルセータ(ギターのメロディの部分)もそのままでももちろん素敵だけど、踊り方とパソによっては今以上に活きてくる可能性があります。これから家でゆっくり録音を聴いてみます。

歌い手のヘロモは昨日の夜中、日本から着いたばかりでかなり疲れていました。日本滞在4日間でそのうち2日公演、しかも演目が違うというのはアーティストからすると相当大変なこと、というより無謀です。(エバを始め、アーティスト全員が「この日程では、来年はもう日本に来たくない」と言っていたそうです。主催者の方、ご一考よろしくお願い致します!)そんな中私との練習に来てくれたのです。ありがたい、ありがたい・・・・と思っていたら、その後タブラオの仕事に出かけて行ってしまった〜。なんと強靭な体力!ということは、きっと明日の公演でばっちり歌ってくれますね!

というわけで、とうとう明日です。

緊張と不安と、でもわくわくした気持ちと・・・・

ではみなさんまたお会いしましょう!

Oct 13

2009.10.24 // ペーニャ・フラメンカ・サルバドール ・ペリアニェス(コニール、カディス)22:30H

萩原淳子ソロ公演 

Baile Cante Guitarra
  • 萩原淳子
  •  ヘロモ・セグーラ
  • アンドレス・マルティネス 

みなさんこんにちは。いかがお過ごしでしょうか?信じられないかもしれませんが、こちらセビージャはいまだに暑いです。日中は袖のある服で街を歩くことができません。

ソロ公演がもうすぐ近づいています。なのに、風邪でダウンしてしまいました。昨日からのどが焼けるように痛くて熱が出ています。昨日に比べたら少し落ちついてきましたが、今日一日は休んでいた方がよいかもしれません。日本にいた時にいつも言われていた、「もう練習に行くのやめなさい」という母の声が聞こえてきそうです・・・・。

私が出演するカディスのペーニャ公演と同じ日にアルゼンチンやカナダでも何かフェスティバルらしきものがあるらしく、アーティストを決めるのが大変でした。毎回これで悩みます。自分が希望するアーティストが日程やギャラの件で共演できないことが多いのです。ギタリストが変われば歌い手も変わるし、自分との相性も変わる可能性もあります。それによって踊りが全然違ってくるのです。でもそれはある意味「チャンス」。いつも同じ共演者で組むのは楽でもありますが、自分が発展しない危険性もあります。初めて組む共演者とでは、相性がいまいちの可能性もありますが、もしかすると、すごい展開になり、自分の新たな面を発見できる可能性も秘めています。

今回の共演アーティストは(やっと決まった!)ギターがアンドレス・マルティネス(アンダルシア舞踊団在籍ギタリスト)、カンテがヘロモ・セグーラ(エバ・ジェルバブエナ舞踊団在籍カンタオール)。アンドレスとは初共演と思っていたのですが、実は日本で共演していました!日本で私が師事していたAMI先生の公演(2001年「CLAVERES REVENTONES」公演)で。私は当時群舞の一員でした。アンドレスはその時新宿のタブラオ「エル・フラメンコ」に出演している最中だったんですね。あの時AMI先生がスペイン人アーティスト達に群舞の構成などの話しているようでしたが、当時の私はスペイン語が全く分からず、でもどういう風に打ち合わせをしているのか、こっそり耳をそばだてて聞いていました。「いつの日か私もスペイン人と仕事をするんだ」ということを心に決めて。

ヘロモ・セグーラとはこちらで随分共演しています。先のウブリケコンクールでも予選、決勝とともに歌ってくれました。彼は来週日本で行われるエバ・ジェルバブエナ公演に出演するので、スペインに戻るのが10月22日の夜中、23日に私と練習して、次の日本番です。ちょっと大変かもしれないけど、ヘロモは私との仕事をいつも楽しみにしてくれるのでがんばってくれると思います!

アンドレス、ヘロモ、私の3人でどんなフラメンコが飛び出すか?3人の初顔合わせは本番前日。そして本当に「何か」が飛び出すのは、舞台の上です。そしてその舞台がペーニャだということ。これは重要です。観光客が集まるタブラオとは違います。フラメンコを、カンテをこよなく愛する人達の前で踊るからこそ飛び出る「何か」。彼らからも私たちからも飛び出る「何か」。だからフラメンコは面白い。

さ〜て、24日はどうなるかな?今は身体が動かせませんが、なんだかわくわくしてきました。

ではまた元気になった頃お会いできると思います。みなさんもどうぞご自愛下さいね!

Oct 4

みなさんこんにちは。いかがお過ごしでしょうか?

私は元気です。今は静かな日曜の夕方、といっても今週はいろいろなことがありました。月曜から金曜は練習練習練習練習の日々。10月24日にカディスのペーニャでソロ公演を行うので気合いが入っています。また11月には小松原庸子スペイン舞踊団のマドリッド公演に参加するので、その振付けも覚えなくてはいけません。舞踊団から送って頂いた公演DVDから振付けをとるのですがこれがまた大変。以前に行われた公演本番のDVDなので、見たい所で舞台袖からスモークがもわ〜っと出て来たり。しかも正面からの映像なので振付けを取る時には左右反対に覚えなければいけません。パソコン画面を背に首をうねっと曲げてなんとかがんばっています。10月のペーニャ公演の次の日にすぐマドリッドに発ち、その日から舞踊団の方々と合流、練習が始まります。結構大変なんです。本当はブログ更新している場合ではないのです〜。(→公演詳細はこのブログの「スケジュール」を見て下さいね。

でも今週末はその練習練習練習の後にすばらしいプレゼントが待っていました。金曜の午前中の練習中、へろへろになっている時に(しかも生理痛で苦しかった〜)志風恭子さんからお電話が。(注:志風さんとはセビージャにもう20年以上在住のフラメンコジャーナリストです。)「あのさ〜きみさ〜(志風さんは私のことを「きみ」と呼ぶ世界でただ一人の方です。なんだか気持ちがしゃっきりします。)今日バディアでネグラへのオメナへ(日本語だとオマージュかな?)があるんだけど行く?」うわ〜、ネグラ!フラメンコのモントージャ一家のネグラです。しかも場所はバディア。ここは私が以前踊っていた所でもありますが、フラメンコ通やアーティストが集まる、知る人ぞ知るプライベートのフラメンコを行うところです。ここで行われるネグラへのオメナへ。すごいに違いありません。20時開始ということで、志風さんと二人でタクシーで会場まで。といっても20時には始まりません。結局22時半くらいだったかな?始まったのは。

フラメンコって本当にすばらしい!!!!!

ネグラだけでなくもちろん彼女の家族(ファミリア・モントージャ)が一同そろって始まったフィエスタ。あの家族のパルマ。あれはなんと表現したらいいのでしょう、普通ものを聞く(聴く)時は「耳」という部分を使いますが、本当にすごいフラメンコに出会った時に働いているのは「耳」ではないと私は思うのです。もちろん「耳」も使われるんだろうけど、使われているのは「毛穴」ではないか?

佐伯チズ氏は言ってます。「人間の身体全体には無数の毛穴があって、毛穴があるからこそ汗をかき老廃物を排出できる。毛穴は大切なんです。」そうそう、そうなんですけど、毛穴にはもう一つの働きがあると思うんです。すごいフラメンコに出会った時は、普段は排出の役割を果たしている「毛穴」が吸収の働きにパチっと切り替わる。全身にある無数の毛穴がフラメンコを吸収していく。だから鳥肌が立つ。鳥肌とは結果の表現であって、実際に立っている部分は毛穴でしょ?全身がビリビリっとなるのも毛穴が全身にあるから。

ま、毛穴論はそのくらいにして、とにかく、パルマとそしてネグラの声。カンテ。あ〜これはブログにできない。ブレリアだけで涙が出て来てしまった。家族の根っこのあるフラメンコ。フラメンコ一家の深い深い根っこ。それを毛穴で吸収している外国人。毛穴で吸収したものをなんとか根付かせようと一生懸命土を掘る、掘っている土も違うことも知りながら。

フラメンコは彼らのものです。でも、なぜ彼らの外にいる、しかもフラメンコの文化が全くない国で育った外国人に届くのでしょう?その矛盾を感じながら、でもフラメンコの素晴らしさに打たれている私。もう一度言いますが

フラメンコって本当に素晴らしい!!!!!

また明日月曜になれば私はスタジオにこもりひたすら練習に明け暮れるでしょう。そしてDVDと格闘する毎日が始まります。あのファミリア・モントージャのフラメンコになんら関連性があるのかないのか?よくわからないけれど、でも私はやるべきことをやらなければなりません。カディスのペーニャの人達は私のフラメンコを楽しみに待っています。舞踊団公演では私は舞踊団員ではないけど、公演を成功させたい。そのために自分ができることはきちんとやりたい。がんばらなくっちゃ。

・・・とブログを終わりにするところでしたが、なんと、昨日から干している洗濯物を取り込むのを忘れていた〜!セビージャでは気候が乾燥しているのと、日差しが強いのでちょっとほったらかしにしておくと、洗濯物がばりばり、韓国海苔みたいにになってしまうのです〜。

ではみなさん、これから私は屋上に行って洗濯物をとりこんできます。遠くに見えるヒラルダの塔がきらきら光って見えることでしょう。。。。最後にもう一度

フラメンコって本当に素晴らしい!!!! (太字にしてみた)

2009年10月4日