Oct 10

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10月11日(土)アロラ・セルバンテス劇場で公演します。
21:00開演、3ユーロ

 

バイレ:市川幸子、太田マキ、萩原淳子
ギター:久保守、鈴木淳弘
カンテ:フアニジョロ
ゲスト:ドローレス・コルテス・カンポス

 

エンサージョ写真:アントニオ・ペレス

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Oct 8

10548975_843819759001888_5656621986794981425_oみなさんこんばんは。いかがお過ごしでしょうか。

今週の土曜日、アロラ(マラガ)セルバンテス劇場で踊ります。
バタのアレグリアスをソロで、オープニングのブレリア&フィナーレのグアヒーラを群舞でちょっぴり♪

※萩原淳子バタのアレグリアス動画は → こちら

バイレ:市川幸子、太田マキ、萩原淳子
ギター:久保守、鈴木淳弘
カンテ:フアニジョロ
ゲスト:ドローレス・コルテス・カンポス

ちなみにこのバイレ3人で、12月20日(土)恵比寿サラ・アンダルーサでも踊ります。上記アロラ公演で踊る群舞のグアヒーラもご披露しますので、日本の方は是非こちらへお越し下さいませ。

  • 2014.12.20// TERS ESTRELLAS ,サラ・アンダルーサ(恵比寿)13:00開演
    入場料4000円
    (オープニングの群舞グアヒーラ+ガジのカンテソロ+各バイレソロ1曲)
    チケットご希望の方は layunko@gmail.com までご連絡下さい。
Baile Cante Guitarra
  • 市川幸子
  • 太田マキ
  • 萩原淳子
  • エル・ガジ
  •  パコ・イグレシアス

では、明日、明後日とアロラ公演の合わせです!楽しみ!

2014年10月7日 セビージャにて。

Oct 6

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お陰様で、金曜の、サラ・ガルーファでのソロ公演は無事終了致しました。お越し頂きましたお客様、誠にありがとうございました!中にはなんと、バルセロナからお越し下さった方々も。誠にありがとうございました!

公演1部はモイ・デ・モロンのカンテ・ソロでマラゲーニャ。楽屋で聞いていて思わずoleが。マイクがない分、フラメンコファンにはたまりません。そしてアントニオ・モジャのギターソロ、これまた渋いフラメンコの音色のタランタに続き、私のバイレ、アレグリアスで1部終了。1部はお客様がちょっと固いような気がして、正直少し踊りにくかったかな。でも楽屋に戻って、モジャが「オレ達はよかったよね。」なんて言っていて、ちょっとほっとしました。

そして休憩の後の2部。モイのカンテソロ、シギリージャ。これまた鳥肌もの。何度も言うようですが、あのシギリージャをマイクなして、あんなに近い場所で聴けるなんて、これはもう、いらっしゃったお客様は本当にラッキー。歌えば歌う程、どんどん深く黒くなっていくモイのシギリージャ。本当に本当にフラメンコでした。そして、今度は私のソレアだ!と思った瞬間、なぜかギタリストのモジャが楽屋に駆け込んできました。

「爪が割れちゃったよー!!!」

だって・・・。フラメンコギタリストは自分の爪ではギターを弾きません。アロンアルファで付け爪をするのですが、その爪が割れちゃったのだそう。そしてモジャお気に入りの、緑のアロンアルファ(日本製)で爪を作り始めました・・・そしてその間、「おい、なんとかつなげとけ」とモジャに言われ、舞台に一人残されたモイは・・・・なんとギターソロを始めました。

モイ・デ・モロン。 つまり、モロンのモイ。モロンとはセビージャ郊外にある小さな町の名前ですが、この小さな町が生み出した、フラメンコ史上その名を轟かせるギタリストがいます。

その名は「ディエゴ・デル・ガストール」

決して高度な技術を持っているわけではない。でも最小限の音で最大限のフラメンコを弾くギタリスト。そして、そのモロンから輩出されたギタリストの音にはモロンにしか出せないモロンの音があります。明らかにモロンだと分かるその音色。間。

そのディエゴ・デル・ガストールの、モロンのブレリアをモイが弾き始めました。訥々と。決して上手な訳ではない。でもモロンの音がする。モロンの薫りがする。それを楽屋で聞いていた私は思わず笑みがこぼれました。付け爪を作っているモジャを見ると、モジャも本当に嬉しそうな笑顔。客席からも暖かな笑い声が。フラメンコが好きって、本当に素晴らしいことだと思う。あー、しみじみ。あ、そうえいばモイって、歌い手になる前はギターを弾いていたんだ、と思い出しそれをモジャに言うと、

「モロンではパン屋だってギターを弾くんだよ」

つまり、それだけモロンの人にとってギターを弾くということは当たり前のこと、という例え。その言い方があまりにも愛嬌に満ちていて思わず、はっははーと声を出して笑ってしまいました。セビージャが踊りの町なら、ヘレスはカンテの町。そしてモロンはギターの町、という訳です。同じアンダルシア地方でもその土地によって特色が違う。そこがまたフラメンコの豊かさ、素晴らしいところなんですよね。

そんなこんなでモジャの爪も作成完了。私のソレア。出だしから、ソレアの歌でまたモイが炸裂。うおー、モイの歌が身体に入ってきたー。ぞわぞわーと踊りが出てきました。モジャのファルセータ(ギターのメロディ)に引き続き、またモイの歌につなぐ!!!と盛り上がってきた所で、なぜかモジャのギターがフェイドアウト・・・・無音になってしまった・・・

???なぜですか?モジャ???? なんなの?この展開?

仕方がないので、ここから即興。ソレア・ポル・ブレリアにするか、と思いジャマーダをして歌を呼んでみたけど、歌が入らない・・・・モイの方を見たら、状況を把握できない模様。がーん。落ち込む暇もなく、今のはフェイントで(笑)、歌を呼ぶジャマーダじゃなかったよ〜んと見せかけて、テンポを上げてブレリアに突入。さらに私の即興は続きます。自分でもこの後どう踊りを組み立ててゆけばよいのか、その段階では分かっていない。私が分からなければモジャもモイも分からない。何かがひらめくまで即興で踊り続けていました・・・。

こういう時は脳みそを使わなくてはなりません。「フラメンコは感じて踊る」とよく言われますが、その通りですが、半分脳みそも使う必要もあります。例えばこういう時。よくありがちなのが(今までの私の経験でよくあったのが)頭が真っ白になってしまって何がなんだか自分で分からなくてぐちゃぐちゃになって終わり、後で大泣きするパターン。だからこそ落ち着いて脳みそを使わなくてはいけない。舞台の上で止まることはできない、「あ、すみません、もう1回」とやり直すこともできない。即興で踊り続けながら、次の展開を考える。

これ、結構難しいです。文章にすると簡単ですが。でもやるしかない。そうこうするうちに何とか自分の中でも流れが整理できて、よし!と思いました。ブレリアのエスコビージャ(足の技術の部分)を終えて、これならモジャも分かるだろう!と確信を持ってレマーテをしてファルセータ(ギターのメロディ部分)を呼んだのに・・・

・・・・ギターが止まってしまった・・・・また無音・・・なんなんだ!!!この展開!!!

そしてモジャが弾き出したのが、またソレア・・・・え?なんで?と思ってモイを見たら、モイの顔にも「?」が10個くらいついている。それにしても、モイ、気持ちは分かるがもう少し顔に出さないようにしてくれないか・・・なんて正直なんだ君は・・・と思ったけれど、もうソレアしかない。というわけで、モイがソレアを歌い出す。まあ、それはそれでよかったのですが。そんなわけで、その後もまた即興が続き、わーっと踊って終了。

フィン・デ・フィエスタはタンゴで、もちろん即興。まあ、最後なのでこれは普通、即興で踊られるものなのですが。いやー、あの日のソレアの即興度(?)は久々でした。踊り手には大きく分かれて2種類の踊り方があります。1つは、音楽も振付も事前に完全に決めて、それを何百回と繰り返し、本番でもその通りに踊るタイプ。シンクロナイズドスイミングとか、新体操のようなスポーツ的な準備の仕方でしょうか。もう1つは、ある程度、要所要所の構成は決めておいて、あとは自由に弾いたり踊ったり歌ったり、という即興部分を残しておくタイプ。普段の私は、舞踊団の群舞で踊る以外は後者のタイプで踊りますが、あの日のソレアは、要所要所の構成自体が舞台上で変わってしまったので、そこから全て即興になってしまいました。ちょっと骨を折ったけれど、ライブはお陰様で無事終了。お客様はみなさん大喝采で「来てよかったー」とおっしゃって下さり、よかった。楽屋ではなぜか、モジャ大満足。「いやージュンコ、よかったぞ!」と・・・。私が即興で格闘していたのに全く気付かなかった様子。そんなモジャにole。(笑)そういう時に黙って何も言わないモイにもole。(笑)本当はもっと「普通に」ソレアを踊りたかったけど・・・まあ、これもありか。

今から5〜6年前、私が即興で踊っていたプライベート・フィエスタで弾いていたのがモジャ。そこは、一流アーティストが舞台の上にも、客席にも集まるものすごいフィエスタでした。そんな中でいつも踊るのが怖くて、でもそれこそ命がけで踊って、いい時もあったけど玉砕することもたくさんあって、家に帰って大泣きすることもたくさんあって、それでも踊り手として呼んでもらえて1年半修行させて頂いた場所。あの時たくさんかいた大恥と、流した涙が今の私につながっている。そう思うと、あの時に比べて私はちょっと成長したのかも。そしてあの1年半、私を鍛えてくれたのがモジャ。

そのモジャが昨晩、開演前に楽屋で言っていました。「オレはいつも舞台の前で緊張するんだ。フェルナンダ(・デ・ウトレーラ)もすごい緊張していたぞ。フェルナンダの緊張は普通じゃなかったぞ」うん、私も緊張する。5〜6年前、あのフィエスタの時は緊張どころか踊るのが怖かった。あんなにすごいアーティストに囲まれて、なんであの人達じゃなくて、私が踊らなくちゃいけないんだ、って。何にも知らない日本人が、って。そういう私にモジャは言いました。「オレ達の仕事は不条理だな。緊張ばっかりして。」「そうそう、緊張して、ストレスたまって、夜も眠れないし、顔に吹き出物は出るし、夫は八つ当たりされて可哀想だし」という私に、ふぁっふぁっと笑うモジャ。そしてこうも言っていました。

「だから舞台の上では楽しまなくては。」

そうなんだよね。いろいろあったけど、それも結局楽しめるようになったのかなあ。

ありがとう、モジャ。ありがとう、モイ。

(写真:アントニオ・ペレス)

2014年10月6日 セビージャにて。

Oct 1

みなさんこんばんは。

もう一つもやもやしていること。あ、このブログから読まれる方は、この前のブログもお読み下さいね。その続きです。ビエナル公演のスタンディング・オベーションに関してです。

スタンディング・オベーション。wikipediaで調べると以下のように説明されています。

スタンディング・オベーション(Standing ovation)は、演奏会やスポーツイベントなどで、観客が立ち上がって拍手を送ることである。素晴らしい演奏や演技、プレーに感動した観客による最大限の賛辞である。日本語では満場総立ちと表現することがある。逆に非難する場合は、ブーイングが用いられる。

結論から言って、皆、スタンディング・オベーションし過ぎなのではないか。どの公演に行っても、ほとんど全ての公演がスタンディング・オベーションになっている。「最大限の賛辞」を送る公演がそんなに毎回あるものなのだろうか。

先日、セビージャの外国人留学生達が出演する公演を観た。ビエナルの公式プログラムではないが、ビエナル期間中にセビージャの劇場で行われた公演だ。お世辞にも上手いとは言えないレベルの留学生達が頑張って踊ったのはよくわかった。きっとたくさん練習したのだろうなというのも垣間見えた。外国人留学生と言っても、もっと上手な人はたくさんいるだろうに、なぜ彼女達が起用されたのか不可思議で、公演としての質は残念ながら拍手にすら値しない。チケット代を返してほしいと思ってしまったくらいの公演だったが、スタンディング・オベーション・・・別の公演で、有名な舞踊家のビエナル公式プログラム内の劇場公演だったが、内容はフラメンコにはほど遠いもの。舞踊作品としては一級品なのかもしれないが、これは「ビエナル・デ・フラメンコ」の公式プログラムに入れてはいけないのではないか、と思ってしまったくらいの公演。が、これもスタンディング・オベーション・・・

上記は極端な例だけれど、それ以外の公演もぜーんぶスタンディング・オベーション。ちなみに私は、本当に素晴らしいと思った公演にしかスタンディング・オベーションをしないようにしている。なぜなら、観客の拍手というのがアーティストを育てるからだ。もちろん、どんな公演であっても公演を行うためには、観客には決して見えない努力、下準備、苦労というものがある。だからそれに見合う拍手はしたい。とある評論家のように、それすら認めず、アーティスト達が挨拶している最中にこれ見よがしに立ち上がって劇場を去るようなことはしない。しかし、何でもかんでもスタンディング・オベーションというのはどういう訳なのだろう。

理由の一つに、先程の「もやもや①」のブログに関連する部分があるのかもしれない。地元の愛好家が発する「OLE」を聞いたことがあるだろうか。確実に、愛好家だけが感じる瞬間。フラメンコの瞬間。彼らは決して、カッコいい踊りや高度な技術にスタンディング・オベーションはしない。しかし、ビエナルの観客の大半は外国人だ。その影響の一旦として “なんでもスタンディング・オベーション”という流れにつながってゆくのかもしれない。

「私は、本当に素晴らしいと思った公演以外は席についたまま拍手するよ」と夫に言ったところ、「ジュンコは正直すぎるんだよ」と言われてしまった。夫曰く、周りがみーんなスタンディング・オベーションしているのに私だけ座っているとすると、周りの人間は「あの人だけ立ち上がっていない」と内心非難するそうだ。だから結局みんな立ち上がるのだと。そしてバカ正直に座ったまま拍手する私は、感じの悪い人にされてしまうわけ。

そーんなー、ひどいー!!!と抗議すると、「だからジュンコは正直すぎるんだよ。正直なのはジュンコのいい所だけれど、時には自分で自分を狭めてしまう。ただ立ち上がって拍手をするだけで、周りの人から悪く思われないんだ。だからみんな立つんだよ」・・・いや、それでも私はできない。自分に嘘をつくなんて。そして私自身人前で踊る立場である以上、そんなスタンディング・オベーションなんていらないから。本当に素晴らしいと思った人だけ立って拍手をしてもらえればよい。そんなスタンディング・オベーションに慣れてしまったら、そして自分自身に嘘をついてスタンディング・オベーションをしたら、私は腐る。私という人間が、その人間から発せられる踊りが腐る。

そんな私に「すごくよく分かるよ。だから君と一緒にいるんだ。でもだから君に伝えなくてはならないんだ。」と言う夫。その言葉を聞きながら、何年か前に、とある日本人の踊り手さんに言われた一言を思い出した。

「淳ちゃん、そんなにまっすぐ生きていて、苦しくならないの?」

・・・・その時は、意味が分からなかったけれど、今ならちょっと分かるかも。苦しくはないけど、もやもやしています・・・。

2014年9月30日 もう何年かすると苦しくなっちゃうのかな・・・。 セビージャにて。

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