Mar 22

みなさんこんにちは。いかがお過ごしでしょうか?

3/26(日)ペーニャ・カルボネリージョ(セビージャ)で踊ることになりました。

2017.3.26(日)15:00 開演 ペーニャ・カルボネリージョ(Calle Torrijiano 25, Sevilla)入場無料。

Baile Cante Guitarra
  • 萩原淳子
  • インマ・リベーロ
  • フアン・カンタローテ
  • アントニオ・ガメス

2月末のペーニャ・トーレス・マカレナでの公演を観に来て下さった、ペーニャ・カルボネリージョの会長さんが自分のペーニャでも踊って欲しいと呼んで下さいました。とても嬉しいです。このペーニャでのバイレ(舞踊)公演のギタリストはアントニオ・ガメスが担当しているということで、ギターはガメス。ガメスとは10年以上前に共演したきりずっと共演していませんでしたので、久しぶりです。カンテ(歌)はインマ・リベーロとフアン・カンタローテ。このお二人はオシドリ夫婦の歌い手で、5年前の私の初のソロ公演「魚の選び方を知った時」で共演して下さいました。

その時の動画はこちら→https://www.youtube.com/watch?v=-Obdb3jwxD4

あ、そう、ペーニャ、という言葉ですが、「愛好会」という意味です。私のブログでペーニャといういう時はペーニャ・フラメンカ(フラメンコ愛好会)の略。一般的にペーニャというのは、そこでアーティストを呼んでフラメンコ公演を楽しんだり、もしくは会員だけが集まって自分たちで歌ったり弾いたり踊ったり内輪の会合を楽しんだりするため、会員からの会費で拠点となるペーニャ会場の家賃や光熱費、アーティストへの出演料をまかなっていてます。

ところがこのカルボネリージョの会長さんはご自宅のパティオ(中庭)をペーニャにしてしまった。つまり家賃ゼロ。(笑)アンダルシアの家では大体このパティオというのがあり、そこで洗濯物を干したり、植物を植えたり、食事をしたりします。恐らくカルボネリージョの会長さんも普段はそのような使い方をされていると思うのですが、月1回のフラメンコの会の時にはその中庭に舞台の板を敷き、客席用の椅子を並べてペーニャ会場に早変わりさせるというわけです。しかも、フラメンコの日はパティオにつながった会場さんのご自宅の台所も開放され、会員はめいめい勝手に台所に入り、冷蔵庫から飲み物を出したり。その日に出されるパエージャなんかも会長さんの手作りです。(笑)

すごいな、この形式。スペインは数年前からの経済危機の影響で実はペーニャがどんどん少なくなっています。会費を払えなくなった会員がペーニャを去り、会員が少なくなれば当然会費も少ないわけで、ペーニャを維持できなくなります。そんな昨今、こんな形でペーニャを開いてしまった会長さん。そこに集まる会員。会費を払うだけではなく、みんな一品持ち寄りで会を盛り上げているのです。これぞアフィシオン、フラメンコへの愛。何度かそこで開催されたカンテのコンサートに行ったことがありますが、決して広いとは言えないその中庭、いや、ペーニャ会場に会員の皆さんのたくさんの愛情があふれていました。素晴らしい場所です。

ところで、あの会場でどのくらいの踊りのスペースがあるのかなあ?会長さんにふざけて「バタ・デ・コーラでは踊れないですよねえ」と言ったら、真面目に取られて「うちのペーニャは本当に狭いから・・・」と言われたので、「ははは、冗談ですよ、知ってます。あ、でもマントンだったら大丈夫ですよね、天井がないから。(笑)」と言ったら大笑いされていました。いやいや、マントンも難しいです。確かに天井はないのですが(中庭だから)、お客さんとの距離が近すぎて無理でしょう。お客さんをマントンでなぎ倒して踊ることになってしまいます。(笑)さて、何を踊ろうかなあ?

17203074_10212268543938347_3929866230812928453_nちなみにこの公演の前に13:30からフラメンコ学者のフアン・ベルギージョさんによる講習会があるそうです。(入場無料)それが30分くらい。そしてその後14:00〜15:00の時間帯で、同じ場所で皆さんお食事をされるそうです。(ペーニャ会員でない人は確か5ユーロ)その後私たちの公演が始まるとのことですので、ご興味がある方は講習会、お食事、フラメンコと続けられてもいいかもしれません。(もちろん公演だけでも大丈夫です。公演自体は入場無料)

それにしてもこの講習会のタイトルは「〝私はこの土地のものではない〟フラメンコにおける外国人」。なんでしょうね、この後に踊る私。私も外国人ですが、なにか???(笑)

2017年3月21日 セビージャにて。

Mar 14

みなさんこんにちは。いかがお過ごしでしょうか?

お陰様で「ペーニャ・トーレス・マカレナ」(セビージャ)、「グアリダ・デル・アンヘル」(へレス)でのライブを終え、ホッとした所、セビージャの別のペーニャから出演依頼を頂きました。「ペーニャ・カルボネリージョ」にて3/26(日)15:00開演です。その他詳細はペーニャの方から連絡を頂き次第アップしたいと思います。

さて、先程、「少人数制クルシージョ」受講生・お問い合わせの方に以下のBCCメールを送らせて頂きました。

クルシージョ受講生・お問い合わせの皆様へ

こんにちは。いかがお過ごしでしょうか?
こちらはセビージャとヘレスでのソロ公演も終わり、少しホッとした所です。
 
早速ですが、次回一時帰国は6月中旬〜9月上旬を予定しております。
現在、期間中のライブやクルシージョの日程を組んでいる最中ですので
詳細が決まりましたら、またこちらからご連絡させて頂きます。
どうぞ宜しくお願い致します。
 
別件、これまでにクルシージョ内の振付クラス
(バタ・ソレア、バタ・アレグリアス、アレグリアス・マントン、
ティエントy タンゴ、タンゴ、シギリージャ、ソレア・ポル・ブレリア)
を受講された方で7月17日(月祝)新宿スペースゼロホールにて開催される
「プリメラの仲間たち(フラメンコ合同発表会)」に出演されたい方、
ご興味のある方には募集要項を送らせて頂きますので
お手数ですがご返信ください。ご質問等もお受付いたしますが、
オーガナイズの都合上お早めにご連絡頂けますと助かります。
お忙しい所恐縮ですが宜しくお願い致します。
 
では夏にお会いできることを楽しみにしております!
季節の変わり目、皆様もどうぞご自愛くださいませ。

対象の方でメールが届いていない方は、お手数をおかけしますが layunko@gmail.com までご連絡頂ければ幸いです。(戻ってきてしまったメールが何通かあります。)

また、大阪・福岡でのクルシージョ&ライブも調整中ですので、どうぞ宜しくお願い致します。

ではまたお会いしましょう!
2017年3月12日 セビージャにて。
Mar 7

17039266_10155036556526228_7876986503929747572_o17016919_10155036556536228_2903499041302911654_o17097707_10155036557506228_2556634106315501509_o16992000_10155036556701228_3749995801721593054_o17038923_10155036557611228_7096952781926384467_o17097230_10155036557091228_1750192484156457385_o17038699_10155036557816228_8299380039411408161_o16992188_10155036556756228_7334808119946105191_o16836227_10155036557151228_3474415365202696832_o17097336_10155036557286228_8686094468688773821_o17097888_10155036557321228_4560715734540755118_o17038992_10155036556816228_3097112362328098084_o17038849_10155036557366228_424819236012397138_o17097555_10155036557436228_8837171510786660947_o17097262_10155036557491228_913739639469693046_o16992330_10155036556856228_58576125676130752_o17015790_10155036557886228_1267937634217443741_o16992101_10155036556911228_3850561633502592710_o16991914_10155036556976228_1703765798522834134_o17015945_10155036557896228_2621174693896921349_o17017222_10155036557966228_1775718361803806831_o17017132_10155036557636228_55333886646392027_o17097367_10155036557686228_4055248159730539133_o17097312_10155036558076228_7370892937255693902_oみなさんこんにちは。いかがお過ごしでしょうか?

あっという間にヘレスでの10日間が過ぎ、昨日セビージャに戻りました。ヘレスのフェスティバルはまだ今週末まで続きますが、ここ最近は1週間のみヘレスに滞在してセビージャに戻ることが多いです。フェスティバルは楽しいですが、人も多く、公演も多く、なんだかせわしなく、2週間だと疲れてしまうかな・・・という感じです。今年のフェスティバルでは、初日の2/24(金)に「ラ・グアリダ・デル・アンヘル」という会場でのソロ公演に出演しました。この通称「グアリダ」でのライブは期間中に毎日3〜4公演がフェスティバルと併行して行われます。フェステイバル公式プログラムではないのですが、地元の愛好家にも人気のライブです。実はこのライブへの出演依頼は昨年のフェスティバルの時でした。と言っても、グアリダの方から「来年は君にも出演してもらうからね」と言われただけで、えー本当かなーーー?という気持ちでした。別にグアリダの人がどうという訳ではないですが、一般的にスペイン(特にアンダルシア)において、声をかけられてもそれが実現することって結構少ないです。嘘つきとか、騙しているとかではないのですが、なんというか、多分その時の気分でパッと言ってしまうんでしょうね。そしてそれを後から確証する、しかも結構ギリギリに(笑)。だからそういうこともあって、スペイン(特にアンダルシア)での仕事って急に決まることが多い。ゆえに予定が立てづらい(笑)。

本当に公演のフライヤーを見るまではヒヤヒヤしていました。しかも、自分の出演依頼以外にも他の日本人の2ライブもオーガナイズしてほしいと頼まれ・・・残りの2ライブが決まるまで生きた心地がしなかったです。バルセロナ在住の中田佳代子さん、そしてヘレスといえば大沼由紀さんのお二人にご出演快諾して頂きなんと嬉しかったことか・・・でもお二人のフライヤーが出るまで内心ヒヤヒヤもしていました。お二人ともお忙しいスケジュールの中ご出演して下さる、特に大沼さんはこのライブのために日本からいらっしゃる・・・万が一直前になっておじゃんになってしまったら・・・もちろんそれは私の責任ではないのですが、お声をかけさせて頂いた以上、そのようなことがないようにグアリダの方とはできるだけ連絡を密にとっていました。まあ、いろいろありましたが、中田さんや大沼さんの公演も全て無事に終了し正直ホッとしています。お越し下さいました皆様、応援して下さいました皆様ありがとうございました!!!

ヘレスのフェスティバルで踊るのは4度目でした。ヘレスのアーティスト達に呼んで頂いて彼らのグループの中で1〜2曲踊らせて頂いたのが2回、セビージャからアーティストを連れてライブをしJUNKO HAGIWARAたのが1回でしたが、今回のように私の名前のソロ公演をヘレスにて開催して頂くのは初めてでした。いつも共演しているセビージャのアーティストをヘレスに連れて行くか、ヘレスのアーティスト達にお願いするかかなり迷いました。セビージャのアーティストとの共演の方が当然慣れているのですが、せっかくヘレスのフェスティバルで踊らせて頂けるのだから思い切ってアーティストをヘレスで固めよう!と最終的には決めました。

その後は、今度はヘレスの誰にするか、です。ここも結構難しい問題でした。セビージャのアーティストだと誰と誰の組み合わせが良いかというのがなんとなく分かるのですが、ヘレスはあまりよく分からず・・・この組み合わせって結構重要なんですね。自分の好きなアーティストをただ集めればいいというわけではないです。私の場合はそのライブによってアーティストの選び方は変えていますが、今回はまずモモ・モネオに声をかけました。モモは昨年のヘレスのフェスティバルで私を呼んでくれた歌い手。モモの歌が私は大好きです。モモの叔父さんは今は亡きあの伝説の歌い手、「エル・トルタ」。そのトルタの声を彷彿させる、ものすごいフラメンコな歌い手です。ありがたいことに声をかけたら二つ返事で引き受けてくれました。ただ問題はモモはあまり踊り伴唱に慣れていないということ。そんなわけでもう一人の歌い手は、踊り伴唱に慣れていて、かつモモとの組み合わせも良い歌い手・・・。モモに聞いてみてこの人だったら・・・と思った歌い手がルイス・バルガス〝エル・モノ〟。なんでもかなり昔に日本にも踊り伴唱で来日していたそうです。今はなき「エル・フラメンコ」でのカルメリージャ・モントージャやトレオのグループで歌っていたそう。エル・フラメンコでのカルメリージャのグループといえば、当時毎日のようにライブを見に行ってたっけ・・・。あの頃は踊りばっかり見ていたけど、知らず知らずのうちに実はルイスの歌を聞いていたんだと思ったら、なんだか感慨深いものがありました。そしてルイスも二つ返事で引き受けてくれました。ルイスとは以前にちょっとヘレスで紹介してもらって挨拶したくらいなのでほとんど面識がなかったのですが。本当にありがたいことです。そして最後はギタリスト。モモとルイスともよく仕事をしている、ヘスス・アガラード〝エル・グアルディア〟にお願いしました。ヘススからも二つ返事。よかった〜〜〜。

でも本当にこの3人と私で大丈夫なのかは直前まで分かりませんでした。そんなこともあり、このグアリダの話の後に出演依頼を頂いたセビージャのペーニャ・トーレス・マカレナでのライブ(グアリダの2日前)も思い切って彼らに共演お願いしました。ヘレスから来て頂くので、セビージャのアーティストにお願いするより交通費が余計にかかってしまうのですが、それでも、まずはトーレス・マカレナで共演、そしてその2日後にヘレスのグアリダで共演、と同じメンバーで流れを作った方がいいかなと判断しました。結果的にはそれがよかったようです。最初はおっかなびっくりの部分もありながら全員で合わせをしたのですが、これはいい。という手応えがありましたよ。もちろん普段慣れているセビージャのアーティスト達とは音楽も歌も人としての雰囲気も全然違う。だから私の方ではちょっと戸惑ってしまった所もあったけど、結局は彼らをどう生かすか、そして自分も彼らの中でどう生かすか、という問題だと思うのです。そのためには当然彼らをリスペクトしますが、でも自分を卑下するのではなく、自分の良さも柔軟に共鳴させる。

難しいですが、これをクリアーしないと。いつでもどこでも自分にとって、ある意味「ラクな」アーティストと共演できるわけではないし、今回はあえてそうではないアーティストを自分で選んだのだから。でも昨年のフェスティバルでモモに呼ばれてソレアを踊った時、インフルエンザで大変な状況でも踊りきったし、彼らのあのコンパスの中で、踊った、という実感が自分の中であったので、大丈夫、という自負もちょっとありました。だから思い切って挑戦してみよう!と。

で、そこに来ての腰痛・・・。がーん・・・。(この件に関しては前々回のブログで書いていますのでそちらをお読みください。)なんとまあ・・・1月末にセビージャに戻り、それから公演に向けてみっちり練習しようと思っていたのに、ほぼ1ヶ月練習しない状況で公演に臨みました。まともに練習できたのは公演数日前から・・・。公演当日には調子がよかったのがせめてもの救い。でも、トーレス・マカレナの時には休憩を挟んで2曲踊ったくらいで体力消耗したにもかかわらず、ヘレスでは休憩なしで3曲踊っても大丈夫でした。不思議なものです。

2つの公演を通して感じたことは、彼らが持っている特別な「何か」によって、私の中の「何か」も引き出されたということ。それはセビージャのアーティストが持っていないもの。だからもしいつものセビージャのアーティストと共演していたら、それに遭遇することはできなかったと思います。セビージャとヘレスのどちらがいい悪いではないんですね、ただ単に違うということ。その違いが自分の中の「何か」を目覚めさせてくれた、化学反応を起こさせてくれたということです。あの感覚は独特ですね。そしてその感覚を持てたこと、持たせてもらえたことにとても感謝したいです。

フラメンコって、土地によって全然違う。人によってはその違いを何かの盾のようにして、自分と違うものと対立したり認めようとしない人もいますが、私はそれはしないなあ。私には聴く耳があって、感じる心がある。そしてありがたいことにそれを身体で表現する術を持っている。そうやってこれまで、フラメンコの豊かさ、その土地土地が持つ味や匂いをそれぞれ享受してきました。聴くのも、観るのも、習うのも、踊る時もそうでした。多分これからもずっとそうだと思います。

写真:アントニオ・ペレス

2017年3月6日 セビージャにて。