May 19

みなさんこんにちは。いかがお過ごしでしょうか?

早速ですが、帰国日程が決まりました。7/19〜9/10、夫のアントニオと一緒に帰国致します。期間中に東京・大阪・福岡・つくば国際美学院さんにてクルシージョを開講予定。詳細は改めてご連絡致します。

すでに決まっているのが、8/11(日)恵比寿サラ・アンダルーサでの松彩果さんとのライブです。お申し込みが5/26(日)から開始しますので先にご案内させて頂きます!

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2019.8.11(日)//松彩果・萩原淳子フラメンコ公演(仮題)

 場所: サラ・アンダルーサ(恵比寿)

時間: 18:00開場/18:30開演

入場料: 大人 5000円/小中高生 2100円 

※いずれも1ドリンク付、入場整理番号順(お申し込み順)自由席。開場時間までにご来場下さい。

※お申し込みの際には ①ご氏名 ②お申し込み人数 をお知らせ下さい。

※チケットはございませんので、お申し込み受付完了のご返信メールにて入場整理番号をご案内させて頂きます。

  • お申し込み開始日時:2019年5月26日(日)13:00より
  • お申し込み先: estudiocandela@yahoo.co.jp(エストゥディオ・カンデーラ)

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Baile Cante Guitarra
  • 松彩果
  • 萩原淳子
  • モイ・デ・モロン
  • パコ・イグレシアス

2月のヘレス・フェスティバルでの共演から、今度は日本でまたやろうね!と松さんと話していて、私の帰国が決まり、すぐにこのライブの話がまとまりました!そして久しぶりのモイ&パコの共演。楽しみで仕方ありません!

サラ・アンダルーサはそれ程大きい会場ではありませんので、ご希望の方は上記日時以降、上記メールアドレス先までお早めにご連絡下さい。(萩原の方では受付しておりませんのでご注意下さい。)お席も入場整理番号順(お申し込み順)自由席となっております。

ヘレス共演の時から、「日本でも開催してほしい!」とたくさんの方からお声を頂き、今回の開催につながり大変嬉しいです。是非皆さまお越し下さいませ!

夏にお会いできることを楽しみにしています!

2019年5月19日(日) セビージャにて。

May 13

59920886_10157277839356228_8563919223468851200_o59834518_10157277839491228_7952728283278213120_o59918573_10157277840451228_3508441613099597824_o60339687_10157277839851228_5120751574146088960_oみなさんこんにちは。いかがお過ごしでしょうか?

怒涛の日々が終わりました〜。1週間続いたセビージャのフェリア(春祭り)が先週土曜で終了!今年60024037_10157277840001228_3269803755435982848_oも楽しかったけど忙しかった〜。忙しかったけど楽しかった〜。ちょうど日本のGWと日程が重なっていたこともあり、日本から生徒さん達がセビージャにやって来ました。そしてアメリカに住むお友達も!(アメリカはGWと関係ないですが。笑)そしてさらにはComunión(コムニオン)と呼ばれるカトリックのお祝いに招待されて、セビージャ郊外の街レブリーハに2週連続で行くという・・・。仕事でもないのにハードスケジュールな日々でしたが(笑)とにかく楽しかったです。会いに来てくださったみなさんありがとうございました!お土産もどうもありがとうございました!

フェリアでは今年もブレリアクラスの仲間のカセタにご招待頂き、ちょっぴり踊らせて頂きました。ギター:フアン・マルエル・アギラール、カンテ:パコ・エル・ガソリーナ、カルメン・グリロ、モモ・モネオ、イスラエル・ロペスのヘレス軍団。セビージャにいながらヘレスのソニケーテを楽しめた貴重な夜でした。

59809231_10157279589891228_4654805849401720832_o59923480_10157279590206228_6263642474690904064_o60080492_10157279590491228_3316308243977863168_o59799542_10157279590806228_5397521156485939200_o60081800_10157279591176228_1722246941842079744_oそして同日の同時間帯には、ペーニャ・トーレス・マカレナのカセタでカルメン・レデスマの公演が。そちらにも行きたかったけど、先述のカセタに招待された時間とかぶってしまったから、カルメンの踊りは見られず・・・・残念でしたが、とりあえずトーレス・マカレナのカセタにも寄ってみよう!と覗いてみたら、なんとちょうど最後のフィン・デ・フィエスタ中。知っているアーティスト達が舞台の上に何人かいたので、ヒョイひょいーっとお客さんの間を縫って舞台に近づきました。(遅れて来たくせに図々しい。笑)舞台の下からカルメンに手を振ると、おいでおいでをしてくれたので、さらに図々しく舞台に上がってしまいました。(笑)お客さんもペーニャの会員さんがほとんどだし、会長さんとは知り会いだからまあいいかなって思って。(笑)

舞台に上がりさすがに端っこの方に立ちましたが、その私の手をカルメンが引っ張って中央、カルメンの隣に立たせてくれました。ひえーって思ったけど、ここで、いいですいいです・・・なんて謙遜するのも逆に失礼なので(日本と文化が違いますから。笑)そのまま中央カルメン横に陣取ってしまった萩原でした・・・。(笑)

どうもまだフィエスタは始まったばかりみたいで、若手の飛び入り参加の歌い手が歌い始め、同じく飛び入り参加の踊り手さん達がどんどん踊っていきます。隣のカルメンが「ジュンコ、ジュンコは今踊っちゃダメ、ホセ(・メンデス)の歌で踊りなさい」と耳打ち。おお!それは嬉しい!とホセの歌まで待っていたのですが、ホセが歌い出したら他の踊り手が踊ってホセが引っ込んでしまった・・・。そしたらもう一人の歌い手エル・カブレ(写真緑のジャケットの人)が出てきて、完全に私を指定して歌ってきた・・・こうなると座長カルメンもどうすることもできず、(その瞬間のカルメンは、しまったーって顔してました。)萩原は腹をくくって踊るしかありません。

ブレリアと言ってもいろいろな歌があります。舞踊伴唱に慣れて経験豊かなホセ・メンデスであれば踊りに向いたブレリアを歌ってくれるかもしれないけど、このエル・カブレは自由気ままなボヘミアンだからなー(笑)この歌をどう踊ればいいんだ????って思いながらとにかく聞いて、コンパスを刻んで・・・・そして、うりゃー!ここだ!っていう所でレマーテをし、パソ・デ・ブレリアに持って行く。あとははけ歌を呼んでさっさとはけて行くのですが・・・この、うりゃー!ここだ!っていうのは、どういう所なのかと聞かれても、私も説明がつきません。(笑)とにかく、瞬間的にそう感じるのです。それは歌によっても歌い手によっても違います。

先述のホセ・メンデスのように経験豊かな歌い手であれば、この踊り手がどのくらい歌に精通しているかというのをすぐに見てとって、その踊り手の力量(フラメンコ力)に合わせた歌を歌ってくれるかもしれない。つまり、力量があまりない踊り手には誰にでも分かりやすい歌を、力量のある踊り手には彼の気持ちの赴くまま歌う、とかね。

でも自分が踊る時に、常に自分の知っている歌が歌われるとは限らない。そうでないことの方がずっと多い。じゃあどうやってブレリアを踊れるのか?どうやって歌を踊るのか?どうやって即興するのか?

ここがフラメンコの、ブレリアの面白い所、深い所ですね。

この「うりゃー!ここだ!」の感覚があれば、勝手にマッチが擦られる。身体にシュッと火がつく。後は自分の身体の向くままに踊るだけ。ここがブレリアの面白いところ。

でも、その「うりゃー!ここだ!」の感覚がない時もある。そうするとそのブレリアは悪くはないけど、味も素っ気もない踊りになる。ここがブレリアの難しいところ。

そして、その「うりゃー!ここだ!」の感覚があっても、彼らの感覚とずれている時もある。そうすると自分は盛り上がってるかもしれないけど、端から見るとちょっと恥ずかしい。多分独りよがりで自分だけ浮いているからね。

うーん、難しい。

あの日の私の踊りはどうだったのか・・・????

踊り終わった後、歌った本人エル・カブレがハイタッチを求めてきたので、うーん、あれでよかったのか???とも思ったけど、自分ではよく分からん。

確かにうりゃー!ここだ!の感覚はあったけど。

だからブレリアは難しい。

でもやめられない。(笑)

写真:アントニオ・ペレス

2019年5月13日 セビージャにて。

 

Apr 30

みなさんこんにちは。いかがお過ごしでしょうか?

お陰様で一昨日、「ラベリント」で行われました「フラメンコ+にほんのうた」ライブは無事終了しました。たくさんのお客様にお越し頂き大変感謝しております。ありがとうございました!

2019.4.28(日)//  ラベリント(Calle Castellar 52, Sevilla)54220425_307363383298998_4969861165355106304_n

Baile Cante Guitarra
  • 徳田志帆
  • 萩原淳子
  • アレハンドロ・ビジャエスクサ(カンテ)
  • 吉武萌(にほんのうた)
  • ブラス・マルティネス

58574718_10157249098666228_7617223975193542656_o58570599_10157249099196228_1429259404078743552_o59423532_10157249099691228_7427171977288220672_o58902158_10157249099921228_7637419555664429056_o58549623_10157249100536228_2464202520751243264_o鹿児島在住の徳田志帆ちゃんの企画ライブ。志帆ちゃんからお話を頂いた時は、フラメンコと日本のうたのフュージョンってどんな感じだろう?って具体的に想像つかなかったのですが、みんなで意見を出し合って試行錯誤しながら作り上げることができてとても嬉しかったです。その過程もとても勉強になったし、本番はたくさんのお客様の熱く暖かい雰囲気の中ライブができて本当に良かったです。

お越し下さいました皆様、共演の皆様、本当にありがとうございました!

オープニングは萌ちゃんの歌う「荒城の月」からタンゴ・デ・トゥリアーナにかけ、志帆ちゃんと二人でのタンゴ。

ブラス・マルティネスくんのギターソロを挟み、志帆ちゃんのソレア。

その後に萌ちゃんの歌う「五木の子守歌」とアレハンドロ・ビジャエスクサくんの歌う「ナナ」(フラメンコの子守歌)。そして私のソロのアレグリアス、お客様にもご参加頂いたフィン・デ・フィエスタでした!

たくさんの方から「面白かった!」とご好評だったこのライブ。日本の皆さんにもご覧頂けるといいなあ。。。

お写真は観に来て下さったお客様から頂きました。おっしーとエレナちゃん、どうもありがとうございました!

そして、セビージャ在住フラメンコ研究家の志風恭子さんにもお越し頂き、ライブの模様をブログに掲載して頂きました。たくさんの素敵なお写真も掲載されています。どうぞお読み下さい!

こちらクリック→志風恭子のフラメンコ最前線「Flamenco +日本のうた/徳田志帆、萩原淳子、吉武もえ」

次回は5月末にマドリードで踊ることになるかも?詳細が決まりましたらまたご報告させて頂きますね!

ではまたお会いしましょう!

2019年4月30日 セビージャにて

Apr 27

みなさんこんにちは。いかがお過ごしでしょうか?

日本はGWに入ったのですね。今日から日本の生徒さん達がセビージャ入りします。今週土曜からこちらセビージャではフェリアが始まるので楽しみです!

さて、明日「ラベリント」にて踊ります。

2019.4.28(日)//  ラベリント(Calle Castellar 52, Sevilla)開演20:00、8ユーロ

54220425_307363383298998_4969861165355106304_n

Baile Cante Guitarra
  • 徳田志帆
  • 萩原淳子
  • アレハンドロ・ビジャエスクサ(カンテ)
  • 吉武萌(にほんのうた)
  • ブラス・マルティネス

鹿児島在住の踊り手さん、徳田志帆ちゃんの企画です。セビージャ郊外の街に住む日本人歌手、吉武萌ちゃんをお迎えして萌ちゃんの歌う日本の歌とフラメンコの公演!

57379415_10157456662587662_3102238441060958208_n先週は萌ちゃんの家でたこ焼きパーティー後(写真左。出演しないアントニオが一番目立って写っています。笑)、公演の打ち合わせをしました。フラメンコの歌と日本の歌をどのように掛け合わせるのか、文化が全く異なるだけにお互いのコミュニケーションが大切になります。ただフュージョンするのではなく、それに「意味」を持たせる。「意味」があるから融合する。単なる目新しさやカッコよさでフュージョンするのだったら、普通にフラメンコだけの方がいい。私はそんな風に思います。

だからフュージョンって難しいと思うのですが、今回はみんなのいろいろな意見を試したり、もう一度やり直したり、また試したり・・・そんな手探りの試行錯誤の中からも、これだったらいけるかな?という形が見えてきました。

そして今日は先程、その打ち合わせた内容を実際に合わせてみての練習。今日も試行錯誤でしたが、なかなかいい仕上がりになっているのではないでしょうか????本番どうなるか楽しみです。

オープニングは全員のタンゴ、踊りは志帆ちゃんのソロ、ソレアと、私のソロ、アレグリアスです。ギタリストはブラス・マルティネスくん。まだ20代(!)の若手。歌い手はアレハンドロ・ビジャエスクサくん。なかなかの味を出しています。

ちなみに20:00開演となっていますが、実際の開演は20:30頃になると思われます。(さすがスペイン。笑)が、開演前には志帆ちゃんが日本から大量に持ってきてくれた日本のお菓子と梅酒が少し振舞われるそうですので、お早めにご到着される方もお楽しみ頂けますよ。

ではお越しできる方は、是非、明日お会いしましょう!お待ちしております!

2019年4月27日 セビージャにて。

Apr 21

みなさんこんにちは。いかがお過ごしでしょうか?

金曜の明け方に、セビージャ近郊の町、マルチェーナのセマナ・サンタに行ってきました。マルチェーナに住む夫の友人から、「マルチェーナのセマナ・サンタは特別。サエタがたくさん歌われるんだよ」と教えてもらい、昨年初めて夫と一緒に行きました。

本当にすごい。

これは・・・・!!!と思って今年も行ってきました、マルチェーナ。

セビージャではプロの歌い手たちが雇われてバルコニーで歌うのに対して、マルチェーナでは一般市民がパソと一緒に歩きながら、サエタを歌うのです。パソは金曜の明け方6時に教会を出発するのですが、その段階で教会前にはものすごい人だかりになっています。(私たちは朝4時半にセビージャを出発。車で約1時間でマルチェーナへ到着。)まずそこでサエタがたくさん歌われる。そしてその教会から街の広場までパソは続くのですが、その間も一般市民が次から次へと歌い継ぐ。普通はサエタが歌われる時にはパソは止まるのですが、あまりにも歌い継がれるので、時には止まらずに進んで行くことも。教会から広場まで、多分普通に歩いたら5〜6分くらいの距離のはずなのですが、あれだけ歌われているサエタの度にいちいち止まっていたら、たどり着かないわけです。だからパソが止まってサエタが歌われる時もあれば、サエタを歩きながら歌っている人もいる。それでも2時間くらいかかったかなあ?(その間歩いてサエタを聴き続けている!)。私たちはキリスト像の山車の近くにいましたが、その後ろに聖母像の山車もあり、キリスト像に歌いかける人と、聖母像に歌いかける人もいて、キリスト像の近くのサエタを聴きながら、遠くの方から聖母に歌いかける別のサエタもうっすら聞こえてきました。

そして音楽隊はクラリネット2つとオボーエ1つの3人のみ。たくさんの楽隊が行列をなし、大音量の音楽を奏でるセビージャとは全然違う。セビージャの豪華絢爛なセマナ・サンタに慣れているので、最初はなんだか物足りない感じがしたけれど、そのクラリネットとオーボエの幻想的な音の方がこのマルチェーナのセマナ・サンタにあっている気がするし、本来のセマナ・サンタの意義に近いんじゃないかなと思えてきました。

人々も、道端でパソを見ている人より、パソと一緒に歩いている人達の方が圧倒的に多い。そしてキリスト像の山車の前を歩く人達は誰もキリスト像に背を見せない。つまり、後ろ歩きでキリスト像を見ながら歩いていくわけです。私はそれを最初知らないくてそのまま前を向いて歩いていたのですが、人々がキリスト像を見る眼差し、表情が目に入ってきてハッとしました。私はキリスト教徒ではないから、彼らと同じような気持ちになることはできないのだけれど、何かを信じる気持ちがあればそうなるのは当然だって。それは「パレード」ではない。「見学」しているわけではないのだから。

それにしても次から次へと歌われるサエタ。そして時にはサエタとはちょっと違う歌も歌われます。それがマルチェーナに伝わる「Cuarta(クワルタ)」もしくは「Quinta(キンタ)」と呼ばれる歌。これは、マルチェーナ以外で聞くことができるのでしょうか???歌詞の内容はサエタと同様、キリストの受難について歌われるのには変わりがないのですが、サエタと全くメロディーが異なります。そして短い。終わり方も不思議な感じで、普通サエタを含めてフラメンコの歌というのは、「Caida(カイーダ)」と呼ばれる、メロディーが盛り上がってから落ちるところがある。でもこのクワルタ、もしくはキンタではそのメロディーの落ちがない。メロディーだけ聞いているとなんだか尻切れとんぼみたいな終わりかた。でもその短い中にちゃんと内容が歌われている。

スクリーンショット 2019-04-21 20.33.17こういう時に役に立つのが、「Rito y G eografia」(フラメンコの儀礼と地理)のカンテ編。早速探してみました。→https://www.youtube.com/watch?v=WLFqlFkW3yY

ありました!!!上記のビデオの29:10くらいにペペ・マルチェーナ(マルチェーナ出身の歌い手。写真左)がそのキンタについて説明し、実際にこんな歌だよ、と歌ってくれています。そうそう、これ。ちょっと聞いてみてください。ちなみにここでは「Saeta quinta de Marchena」と紹介されているので、キンタというのはサエタの一種なのかもしれません。

それにしてもなぜマルチェーナではこんなにサエタが歌われるのかを、マルチェーナの友達に聞いた所、マルチェーナにはサエタの伝統が他の土地よりも根付いていて、サエタの学校もありサエタの歌を習う人も多いのだとか。それから、キリストへの信仰心を歌に託すだけでなく、自分の願い事を歌う人達もいました。車椅子に乗った年配の男性の後ろにいる女性二人。多分男性の妻と男性の娘さんなのでしょう。その男性の病気が治るようにキリストに願いをかけて歌っていました。(さすがにこの時はパソは彼らの前で止まっていました。)昨年も今年も彼らが同じ場所にいたということは、きっとそこが彼らのご自宅なのかな・・・・。そしてキリスト像の山車のそばを必死で歩いている年配の男性もいらっしゃいました。多分身体が麻痺している・・・。ふらふらしながら、必死にキリスト像の山車から遅れをとらずに歩き続けている姿を見ていたら涙が出そうになりました。助けようかと思ったけど、街の人達は誰も助けていない。きっと彼が一人でキリスト像のそばを歩くというのが、誰の助けも借りずに歩ききるというのが、彼にとっての願掛けなのかもしれない、サエタを歌わなくても、気持ちは同じなのかもしれない・・・。

それからサエタが歌われる時に、セビージャだと歌い終わった後に盛大な拍手が観客の中から起こりますが、マルチェーナではあまり起きない。そもそも、キリストの受難に関する内容や、または先述の女性二人のように、自分の夫(父)の病気を治してほしい、という内容に対して拍手をするのというのは、よく考えたらおかしいわけです。上手に歌えたから拍手をするにしても、上手に歌うということが本来の目的ではないのだから拍手というのは的外れになってしまうわけ。同様に、マルチェーナでは他のフラメンコの歌と違って、サエタに対して「Ole」という声はかけないものだそうです。

本来のサエタって、そういうものなんだろうなあ。

そんなことをマルチェーナで感じながらセビージャに戻ってきて、SNSに溢れている、歌い手たちのサエタを歌っている動画が見ていたらなんだかちょっと違和感が・・・・。バルコニーで歌っている自分、雇われて歌っている自分、そんな自分をみんなに知らせてたくてSNSにアップしているのかなあ・・・。

ちなみに、上記ご紹介した「Rito y Geografia」の中でパケーラはこう話しています。

「私はバルコニーからサエタを歌うのが好きではない。隅っこのつつましい場所で歌っているのがパケーラよ。」

そうだよ、サエタってそういうものなんだよ、きっと・・・。セビージャのセマナ・サンタは豪華で素晴らしいと思うけど、そして、そんな中でサエタを歌えるというのは歌い手からすれば名誉なことなのかもしれないけど・・・。

本当に信仰心があって歌いたければ、ただ歌えばいい。一人の人間として。

私はキリスト教徒でもないし、フラメンコからしたら外国人。だからこんなこと私が言うことではないのかもしれないけど、サエタを歌うということが、自分の歌い手としてのエゴにすり替わってしまうのであれば・・・・どんなに有名な歌い手でも、どんなに歌がうまくても、それは本来のサエタから離れてしまうのではないか。だから、マルチェーナのセマナ・サンタが特別なのは、そのサエタがサエタ本来の純度で歌われているからなんじゃないか。

・・・・そんなことを思いました。

ちなみに、上記のRito y Geografia では、他の土地のサエタも紹介されています。また、先述のパケーラが話している「サジャゴ」のサエタの収録も素晴らしいです。ご興味がある方が是非ご覧ください。

サエタ、奥が深いです。

2019年4月21日 セビージャにて。

Apr 19
セビージャのセマナ・サンタ2019
La Yunko | 新着情報 | 04 19th, 2019| Comments Off

57280435_10157218030376228_4557503356720906240_n58382843_10157218030801228_3045144049225826304_nCaptura de pantalla 2019-04-17 a las 10.45.46
みなさんこんにちは。いかがお過ごしでしょうか?

今日はセマナ・サンタ、聖週間の金曜です。セマナ・サンタとは、キリストが処刑され復活するまでの1週間。特にセビージャのセマナ・サンタはその規模と豪華さ(?)でも有名でスペインだけでなく世界中から観光客が集まります。「Domingo de Ramos」(ドミンゴ・デ・ラモス)と呼ばれる復活1週間前の日曜から始まり、月曜・火曜・水曜、キリストが弟子たちと最後の晩餐をした木曜(Jueves Santo フエベス・サント。聖木曜)、処刑された金曜(Viernes Santo ビエルネス・サント。聖金曜)、土曜、そして復活の日曜。
私はキリスト教徒ではないので、ピンとこない部分もあるのですが、セビージャがこのセマナ・サンタに向かっていく日々とその期間中の熱気を感じるとこりゃーすごいものだなと思わずにはいられません。

セビージャのセマナ・サンタに参加する信心会は60以上。各信心会が奉るキリスト像とマリア像、それぞれが豪華絢爛に飾り立てられた山車に乗せられ、街中を歩きます。でも山車と言っても車輪があるわけではない。その山車の下には「Costalero」(コスタレーロ)と呼ばれる山車を担いで練り歩く屈強な男たちがいます。豪華絢爛に飾り立てられた山車は1トン以上になるんだとか。セマナ・サンタの前にはそのコスタレーロ達がコンクリートブロックなどを載せて実際と同じくらいの重さにした練習用の山車で街中リハーサルする姿も。でも本番は山車の下は布で被せられていてコスタレーロ達の顔も身体も見えない。見えるのはすり足で少しずつ歩く足元だけ。

57387345_10157218032876228_8570558151986774016_n57131092_10157218030256228_4450146040657477632_nそれからその山車に伴うのは、「Nazareno」(ナサレノ)と呼ばれる受難者の服装をした人達。とんがり帽で目しか見えない姿はかなりキョーレツ。初めて見た時は本当に怖かった。ちなみに悪名高い「KKK」(クー・クラックス・クラン)と見た目に大差はない気がするのだけど・・・。そのナサレノ達の行列は一種異様だけど、見慣れれば厳かな感じ?ちなみに子供のナサレノというのもいて(小さくて可愛い)、彼らはアメやキリストや聖母像の小さな写真を持っているので、ナサレノではない一般の子ども達は子どもナサレノからそれをもらったりします。あまり大人にはあげないそうだけど、今年あるパソ(山車やナサレノ達の行列のこと)で床にかがんでいたら、子ども達がくれました(笑)

それから音楽隊。年に1回の演奏のために1年間ずっと練習しているんですね。パソによって音楽が異なり面白いです。厳かな雰囲気のものから、タランティーノの映画で使えるんじゃないの?(笑)って思えちゃうぐらいの音楽まで色々。音楽を聴いているだけでも素晴らしいですよ。感動します。

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その延々と続く行列に、一緒に歩いてキリストの受難を感じる信者たち。道端でそれを見る信者、観光客、道沿いのバルコニーから見る人。ものすごい熱気です。

そしてサエタ!セマナ・サンタの時に歌われる、無伴奏のフラメンコの歌。セビージャの場合は、バルコニーから歌い手が山車の上のキリスト像や聖母像に歌いかけることが多いです。このサエタに遭遇できたらラッキーですね。歌い手がいるバルコニーの前で山車もナサレロも音楽隊もピタリと止まり、何万という群衆もそのサエタを聴くためにシーンとなります。そしてサエタが終わると拍手、また行進が始まりキリスト像や聖母像が少しずつ去って行く。

57106713_10157218097196228_8712872447390515200_oCaptura de pantalla 2019-04-17 a las 10.37.34Captura de pantalla 2019-04-17 a las 10.33.01
今年は留学中のお友達Nちゃんから「サエタを生で聴きたい!聴けるところがあったら教えて!」と言われていて、ちょうどアントニオの職場関係の人がサエタを歌う人を雇ったという情報を得たので、その人のサエタをバルコニーの真下から聴くことができました。よかった!

そう、セビージャではこのサエタに遭遇するのが結構難しかったりします。(だから遭遇できればラッキー!)勝手にバルコニーから誰かが歌っているわけではなく、多くの場合はバルコニーを所有する人がサエタの歌い手を雇って、自分のバルコニーでサエタを歌ってもらう。そして多くの場合はそのサエタの時にパソが止まるように事前に信心会に知らせておくようです。

そんな感じで事前にその情報をキャッチしていればその場に張っていられますが(笑)今年、知り合いの歌い手がサエタを歌うはずだったのですが、行進中に雨が降り出したのでパソは彼が歌うはずだったバルコニーで止まらず、早足で通り過ぎてしまったとのこと。その歌い手さんはサエタが歌えず泣いていたそうです・・・・。かわいそうに・・・。

え?って思われるかもしれませんが、雨が降るとパソは中止になるんです。この日のために1年間準備してきた山車も音楽隊もナサレノも行進できない。それは信者にとっては胸が張り裂けるくらいの悲しみなんでしょう、本当に泣いている人達もこれまでに何度も見かけました。

キリスト教徒でないとちょっとそういう感情は分からないかな・・・。でも例えば想像してみましょう。1年に1回の発表会でしかフラメンコを人前で踊れないとして、その日のために1年間一生懸命たくさん練習を重ねて、人前で踊ることへの緊張にも耐え、恐怖も乗り越え、その日のために衣装も花も靴も全部用意して・・・それなのに雨のために発表会が中止になって踊れないとしたら?それまでの努力と苦労を考えたら?・・・・そりゃ泣く。もちろん宗教とフラメンコとは比べられないのですが(比べちゃってすみません)フラメンコ大好きな人だったらなんとなく分かるかなー。私もそんな範囲でしか想像できませんが、そんなこんなで雨が降らないことだけを毎年祈っています。

セマナ・サンタは奥が深い。もし機会があるのなら一生に一度、見てもいいものだと私は思います。

とりあえず今日のブログはここまでにして、次回はマルチェーナという街のセマナ・サンタについてブログにしますね。(このマルチェーナのセマナ・サンタも別の意味ですごいんですね・・・。)

では!

写真:アントニオ・ペレス

2019年4月19日 セビージャにて

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