Jan 29
土曜日のペーニャ公演を終えて。
La Yunko | ブログ, 新着情報 | 01 29th, 2012| Comments Off

みなさんこんにちは。いかがお過ごしでしょうか。

お陰様で無事に土曜日のライブは終了致しました。たくさんのお客様に来て頂き本当に感謝しております。小さなペーニャで50人入れば満員のところ、60人もいらっしゃったそう。さらにどんどんお客さんが増えたらしいのですが、会場に入りきらなくてペーニャの方がお断りされたそうです。本当に申し訳ございませんでした。

今ライブが終わってミニ打ち上げをし、家に着いたところです。同居人が寝てしまったところでブログを更新することにしました。きっと自分の気持ちを整理しないと前に進めない。そんな気がします。

最低最悪の踊りをしてしまいました。ひどかった。よく、共演していた歌い手達が一緒に仕事をした踊り手がひどい踊りをした時に「あいつの足は切るためにある」という言い方をしていましたが、まさにさっきの私の踊りがそれでした。あんなサパテアードなら足なんていらない。ほとんど全てコンパスを外していました。

満場のお客さんはなぜか拍手喝采で大満足だったようです。でも私は自分がどんな踊りをしたか自分で分かっているので「来てくれてありがとう」とだけお礼を言うのが精一杯でした。直接お礼をお伝えできなかった方も多かったと思います。この場をお借りして・・・ありがとうございました。

トロンボのクラスを再び受け始めて数ヶ月。私はずっと悶々としていました。トロンボのコンパス。クラスにいるヒターノの男の子達(ポレーテとペテーテ)のコンパスに私は毎日うちのめされています。そのコンパスに心から「ole」と言ってしまう自分と、自分が打つサパテアードやパルマに幻滅する自分。練習しても、いや、こんなんじゃない。何かが違う。違うのは分かっている。でもその違いを埋められない。多分感性がどんどん鋭敏になっているのだと思います。今までの自分では気にもとめなかった音が、許せない音になっている。それを分かっていながらどうすることもできず、そのままペーニャ公演を迎えてしまったのです。

これまでの練習で何かをつかめた感覚がまるでない。準備不足だという思いが強くて、それが不安につながり自分をコントロールできないまま舞台で踊り、それがもっとひどい状態でサパテアードに出てしまったのだ。要するにそういうこと。

もう10年以上前の話しですが、やはり舞台で大失敗をして(初めて舞台でソロを踊った時でした)どう立ち直ったらよいのかあの時は分からなくて、当時習っていたクラシック・バレエのC先生に相談したことがあります。先生はこうおっしゃいました。「たくさん練習したと自分で思っても舞台で失敗するということは、練習がまだ足りないからなのよ。」・・・・え?あんなに練習したのにまだ足りない?・・・私は驚きました。でもそれがとあるバレエ団でプリマとして活躍されていた先生のお言葉なら、本当なのでしょう。プロとして踊るということはそういうことなのだ、とはっと気付かされた記憶があります。

そして先生はその時もう一つ重要なことを教えて下さいました。「じゅんちゃんは、自分の悪い所ばかり見ている。自分の欠点を探すのも勉強だけど、良い所も探さなくてはだめよ。でないと他人の踊りを観る時もその人の欠点しか探さなくなるから。」

私の良い所・・・。あれから10年以上経ってやっといくつか見つけることができました。わざわざそれをここで表明する必要はないけれど、その良い所を感じとって下さったお客様が今日のライブで満足されたのだと思います。それが心に届いたのだと思います。

それはそれで重要な事。それがなくてはフラメンコにはならないから。でも私はプロとして踊るからには自分に足りない部分をもっと磨かなくてはならない。次の公演は来週の金曜日。もう1週間もない。自分がやろうとしていることにはまるで時間が足りない。でもやらなくては。

自分の一生をかけても多分到達することはないだろう。でもやると決めている。それと同じこと。

今回の踊りはきっと意味がある。ああ踊ってしまったのは、これから私が成長する上で必要となるのかもしれない。今までもそうやって繰り返して乗り越えてきたから。また繰り返すの?これから先10年も?とげんなりもするけど、それが私の学び方なのだと思う。

  • 次回公演・・・・2012.2.3 // ペーニャ・ピエス・プロモ(セビージャ)22:00開演、入場料5ユーロ
Baile Cante Guitarra
  • 萩原淳子
  • エル・トゥリニ
  • ミゲル・ペレス

2011年1月29日 これでやっと眠れるかな。 セビージャにて。

Jan 26

みなさんこんにちは。いかがお過ごしでしょうか。

今週の土曜と来週の金曜日にセビージャのペーニャで私の公演があります。タラントとアレグリアスを踊ります。今日は土曜日に共演するギタリストのホセ・ルイス・メディーナと歌い手のディビと合わせをしました。ホセ・ルイスはここ1年ほどタラントを弾いていなかったらしく悪戦苦闘・・・「本番までに練習しておくね」と言っていましたが大丈夫なんだろうか・・・そんなこと言う私もタラントを踊るのは多分2年ぶりくらい?大丈夫なんだろうか・・・

実はすごく不安で最近はよく眠れていません。常に頭の中でカンテとギターが流れていて止まらず、小さい私が頭の中で踊っています。そのくせスタジオに入ると集中できないのです・・・最悪の悪循環。こんな状態でどうしようと思いながらとぼとぼ道を歩いていると、すれ違いざまに耳に入った声がありました。あ!この声は!と思ってバッと振り向くと・・・・やはり・・・・ミゲル・ポベダでした。妹のソニア(踊り手)としゃべっているミゲル・ポベダ。人目を気にしているのか(さすが超大物アーティスト)帽子とマフラー、サングラスで変装しているぽかったのでチラ見でしたが、かなりガン見が入っていたかもしれません。

なんだかちょっと得した気分。それで踊れるようになるわけではないのですが。全然。

というわけで・・・何卒応援よろしくお願い致します。

2011年1月26日 チラシは素敵だと言われます。チラシは・・・ね。 セビージャにて。

Jan 22
みなさんこんにちは!以下、次回クルシージョ情報の詳細です。春にお会いできることを楽しみにしております!

「第9回少人数制クルシージョ(2012年3月8日〜4月8日 東京・中野)」お申し込み受付中!

  • クラス内容詳細、お申し込み方法等は右をクリック20123cursillo
  • クラス時間割は右をクリック→20123calendario (万が一ファイルが開けない場合は、このHP「連絡先」までお願い致します。クルシージョ詳細ファイル2点を添付メールさせて頂きます。)
  • 場所 :スタジオ・アル・ソル(東京・中野。JR中野駅徒歩10分、丸の内線東高円寺駅徒歩7分)
  • 開講クラス: ①舞踊テクニカ基礎 ②バタ・デ・コーラテクニカ基礎全10回 ③マントン・テクニカ(基礎+応用)全10回 ④バタ・デ・コーラ振付(ソレア)全10回 ⑤マントン振付(アレグリアス)全5回 ⑥マルティネーテ全5回 ⑦ギター・カンテ伴奏付クラス(ソレア、アレグリアス、マルティネーテ) 
  • 受講料: ①②④⑥ 10回 35000円/ 5回 18500円/ 1回4000円

 

③⑤10回33000円/ 5回 17000円/ 1回3500円

⑦各回4500円(ギター・カンテ伴奏代込み)

    • 定員: ①6名 ②③④⑤5名 ⑥8名

1月22日現在のクラスお申し込み状況(今後のお申し込み状況はこのHP「クルシージョ」にてご確認下さい。)

【定員締切キャンセル待ちのクラス】

  • 3月8日(木)マルティネーテ 19:35〜
  • 3月10日(土)バタ・デ・コーラ・テクニカ基礎 12:05〜
  • 3月10日(土)ソレア・バタ振付 15:10〜
  • 3月11日(日)ソレア・バタ振付 14:35〜
  • 3月11日(日)マントン・テクニカ 15:55〜
  • 3月15日(木)マルティネーテ 19:35〜
  • 3月17日(土)バタ・デ・コーラ・テクニカ基礎 14:20〜
  • 3月17日(土)ソレア・バタ振付 16:45〜
  • 3月18日(日)ソレア・バタ振付 14:35〜
  • 3月18日(日)マントン・テクニカ 15:55〜
  • 3月20日(火)ソレア・バタ振付 17:00〜
  • 3月22日(木)マルティネーテ 19:35〜
  • 3月24日(土)バタ・デ・コーラ・テクニカ基礎 12:05〜
  • 3月24日(土)ソレア・バタ振付 15:10〜
  • 3月25日(日)ソレア・バタ振付 14:35〜
  • 3月27日(火)マルティネーテ 19:35〜
  • 4月1日(日)アレグリアス・コン・マントン 15:55〜
  • 4月1日(日)ソレア・バタ振付 17:00〜
  • 4月3日(火)マルティネーテ 19:35〜
  • 4月7日(土)アレグリアス・コン・マントン 13:25〜
  • 4月7日(土)実践ソレア・バタ 16:00〜
  • 4月7日(土)実践マルティネーテ 17:05〜
  • 4月8日(日)アレグリアス・コン・マントン 15:25〜
  • 4月8日(日)実践マルティネーテ 18:50〜
    ……………………………………………………………………………………………………………………
    .
    【定員締切まであと1名のクラス】
  • 3月10日(土)マントン・テクニカ 13:25〜
  • 3月11日(日)舞踊テクニカ基礎  17:00〜
  • 3月13日(火)マントン・テクニカ 18:35〜
  • 3月20日(火)マントン・テクニカ 15:55〜
  • 3月23日(金)マントン・テクニカ 18:35〜
  • 3月24日(土)アレグリアス・コン・マントン 13:25〜
  • 3月25日(日)アレグリアス・コン・マントン 15:55〜
  • 3月27日(火)マントン・テクニカ 18:35〜
  • 4月3日(火)マントン・テクニカ 18:35〜
  • 4月4日(水)マントン・テクニカ 18:35〜
  • 4月8日(日)実践アレグリアス・コン・マントン 16:40〜
  • 4月8日(日)実践ソレア・バタ 17:45〜

「クルシージョ生徒発表会」に関して・・・クルシージョ内外の皆様から生徒発表会に関してお問い合わせを頂いております。日時・場所に関しては未定ではありますが、将来的に開催の方向で、振付クラスで学ぶ曲目を発表会の演目として少しずつ準備できればと思います。発表会はクルシージョ受講生有志の方が中心となります。振付クラスを受講したから発表会に出なければならないというわけではありませんし、振付クラスを受講しないから発表会に出られない、というわけでもありません。有志の方を中心に、皆様の成長の糧となるような発表会を築いてゆければと思います。よろしくお願い致します。

2011年1月22日 セビージャにて。

Jan 16
ダビ・ラゴスとお掃除と文化論
La Yunko | ブログ | 01 16th, 2012| Comments Off

みなさんこんばんは。いかがお過ごしでしょうか。

ただ今、日曜の22:30。やっとお掃除が終わりました。スペインでは「夜に掃除すると結婚できない」とよく言われます。でもそれを知ったのはこの間。そんなの知らなくて今までずっと夜も掃除していたよ〜。だって終わらないんだもん。もっと早くから掃除を始めれば夕方くらいには終わるのかもしれません。でもなかなか腰が重たくて・・・。掃除し出すとモーレツに掃除するのですが。

今日の掃除に時間がかかったのは理由があります。ダビ・ラゴスのCDをかけちゃったから。この人のCDをかけると掃除どころではない。はたきでコンパスを刻み、ゴム手袋をはめたままパルマをたたき、そのうち踊ってしまう。すごいダビ・ラゴス。彼のCD「EL ESPEJO EN QUE ME MIRO」(写真)。これはすごい。

数年前に発売されたCDだから、もうお聴きになっていらっしゃる方も多いかな?まだ、という方、YouTubeにそのCDのプロモーションがアップされていますよ。クリック→watch?v=ME3FGu7FSQI

ヘレスの歌い手だけにブレリアのコンパスは「うへ〜」だ。そして最近の若い歌い手にありがちな、一般受けするライトなポップス調のブレリアやルンバをCDに混ぜていないところがいい。全部フラメンコだ。フラメンコなんだ。

そしてレトラもいい。このCDのほとんどのレトラは彼自身が作詞しているみたい。そのブレリアの中にこんな歌詞がある。聴き取ってみた。(ちょっと違うかもしれないけど・・・)

¡Quién pudiera tenerte en un reloj!

de esos que granito a granito cuenta el tiempo

y a cada granito poder besarte yo

hasta formar una montaña, formar una montaña

lleno de besos de amor

日本語に訳したいけど、訳すとなんだかおかしくなってしまう。ニュアンスが変わってしまう。でもそれを承知で訳してみると

君を時計の中に持てればいいのに!

その時計、一粒一粒時を刻む時計。

そしてその粒ごとに僕は君に口づけする。

その粒が山を作るまで、山を作るまで

愛の口づけでいっぱいの。

やっぱりおかしい。私の訳し方が悪いのかな・・・要するにそういうことなんだけど、でもスペイン語で聴く歌詞と日本語訳した歌詞というのは、元が同じでも全然違ってしまう。

例えば「beso」という言葉。これは日本語にすれば「接吻」「口づけ」「キス」・・・なんか違うんだよな〜。「beso」は「beso」で他の何者でもない。要するにその言葉の土台となっている文化が違うんだろう。だからその言葉をその言葉のまま感じとらなければ。でもそれはスペイン語を母国語としない人には難しい。スペイン語を話す人にだって、フラメンコの歌詞を聴きとりましてや感じることは難しい。フラメンコの文化。

松尾芭蕉のかの有名な句。「古池や 蛙飛び込む 水の音」・・・この英訳を何かの本で読んだことがある。「それ、ちょっと違うでしょ!!!」と本にツッコんでしまった記憶がある。確かに訳しているけど、間違ってはいないけど、そうじゃないんだよ〜。という感覚。俳句は俳句だ。日本語だ。

それと一緒。多分。

でももし自分がもっとフラメンコの文化と日本の文化に精通しているなら、きっともっといい翻訳ができるに違いない。絶対的な限界があるにしても。多分私はどっちも中途半端なんだろう。

・・・・ちゃんと掃除したつもりでも、後から同居人が同じ所を掃除していたりする・・・

その掃除の仕方と一緒。多分。

でもそれはそれで、私は自分がやったことに満足していたりする。それが私の小さな幸せだったりする。最近そう思えるようになってきました。

明日からまた、そんな1週間が始まりますように。

2012年1月15日 セビージャにて

Jan 7

みなさんこんにちは。いかがお過ごしでしょうか。

ちょっと遅くなりましたが新年明けましておめでとうございます。

昨年は日本もスペインも大変な一年でしたが、お陰様で無事に新年を迎えられたことを嬉しく思います。

実は今年で在西10年を迎えます。たくさんの方々に支えられ、お世話になり大変感謝しております。本年はこれまでを振り返りつつ、今まで同様、自身の道を切り拓いてゆきたいと思います。

なお、ちょっとお知らせですが、フラメンコ雑誌「月刊パセオ・フラメンコ」さんの新年号から半年間、私の連載が掲載されます。すでに1月号は発売されており、お読み下さった方々から「面白いです!」「次回が楽しみです!」とメールを頂いております。どうもありがとうございます!

私の拙い文章でお恥ずかしい限りですが・・・お読みでない方、是非お時間のある時にでも読んで頂けると嬉しいです。上記パセオさんのHP上からでも雑誌購入できるようですよ。

ちなみに連載のタイトルは「『限りある無限』にむかって」。写真はアントニオ・ペレス氏によるものです。(パセオさんに載せて頂いているものを、今日のブログでカラーでアップしています。)

では本年も精進しますので、何卒宜しくお願い致します!

2011年1月7日 アンティーブ(南フランス)、生徒さんのお家にて。