Apr 24

スクリーンショット 2018-04-24 11.05.38みなさんこんにちは。いかがお過ごしでしょうか?

早速ですがお知らせです。

8/4(土)小松原庸子スペイン舞踊団第48回野外フェスティバル「2018真夏の夜のフラメンコ」公演にソロ出演させて頂くことになりました。小松原舞踊団の公演ではサラゴサ万博、マドリード公演に出演させて頂いたことがありますが、日本で開催される公演での出演は初めてになります。第48回を迎える真夏の大人気恒例イベント。そして豪華スペイン人アーティストを含め、日本で活躍されている著名な舞踊家の方々との共演は大変光栄で、また緊張もしますが、たくさんの方々にフラメンコの魅力を伝えられるよう頑張りたいと思います!私はバタ・デ・コーラでソロ出演させて頂きます。曲は決定次第またご案内致します。

まだ出演者や開演時間などが多少変更になる可能性もあるそうですが、すでに舞踊団事務所の方ではチケットご予約受付を開始されたとのことですので、こちらHPでもご案内、そして私の方でもチケットお申し込み受付を開始致します。ご希望の方はこちら「連絡先」 のフォームを通してご連絡ください。チケット枚数には限りがありますので、ご希望の方はお早めにお願い致します。
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小松原庸子スペイン舞踊団第48回野外フェスティバル「2018真夏の夜のフラメンコ」公演

  • 公演日/2018年8月4日(土)
  • 時間/17:30開演(17:00開場)雨天決行 
  • 会場/日比谷野外大音楽堂(こちら→交通アクセス
  • チケット/S席8000円、A席7000円、B席5000円、C席3000円、ペア席5000円(ペア席は2名様で5000円)
  • 主催/ソル・デ・エスパーニャ(小松原庸子スペイン舞踊団)TEL 03−3314−2568
  • 後援/スペイン大使館、インスティトゥト・セルバンテス東京、公益財団法人日本スペイン協会
  • 協賛/MARUWA
  • バイレ/ミゲル・アンヘル・エレディア渡部純子、萩原淳子、北原志穂今枝友加、石川慶子、漆畑志乃ぶ、知念響

    笹岡洋子(ラティドス フラメンコス)、

    奥野裕貴子・SIROCOスタジオLOS TARANTOS京都

    篠田三枝 y カンデーラ y たからもの号

    森山みえ(La Puerta Abierta)

    小松原庸子スペイン舞踊団

    奥濱春彦

    佐藤哲平 他

  • カンテ/アントニオ・ペーニャ・カルピオ・エル・トロ、エル・プラテアオ
  • ギター/高橋紀博、鈴木尚

S席・A席・B席チケットお申し込み先&お問い合わせ: こちら「連絡先」 もしくは layunko@gmail.com(ハギワラ)まで
①ご氏名 ②郵便番号 ③ご住所 ④チケット種類(S/A/B)第1希望、第2希望 ⑤チケット枚数 をご連絡下さい。チケットは7月中旬以降こちらから発送、もしくはお渡しさせて頂きます。

席種の数には限りがございます。第1希望席種が満席の場合は第2希望席種をお取り置きさせて頂きます。ご希望の方はお早めにご連絡下さい。なお、C席・ペア席はかなり後方のお席になるとのことです。ご希望の方はお手数ですが、小松原庸子スペイン舞踊団:TEL 03−3314−2568まで直接お問い合わせ下さい。
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公演情報は以上になります。(5/6に上記最新情報に更新致しました。)

なお、次回の帰国は7/12〜9/10まで、これまで通り、東京(7/14〜9月上旬)・大阪(9月上旬)・福岡(8/11)にてクルシージョを開講予定です。新規の方で詳細後ご希望の方は上記チケットお申し込み先までご連絡下さい。詳細が決まり次第、既受講生と同様のご案内メールをこちらから直接送らせて頂きます。

では本日は取り急ぎのお知らせでした。ではまたお会いしましょう!

2018年4月23日

Apr 22

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みなさんこんにちは。いかがお過ごしでしょうか?

セビージャのフェリアは昨日終了し、少しずつ街全体が落ち着きを取り戻しているように思えます。先日フェリアでの写真をアップしましたが、その翌々日にまたカルメン・レデスマのグループと合流させて頂きましたので、その写真をアップします。

フェリアは1週間続きますが、今年は2日間行きました。フェリアでのフラメンコのライブは夜遅くに始まる場合が多いので、それに合わせると夜中にフェリア会場に到着し、家に着くのは明け方5時頃とか。ライブは1時間くらいで終わるのですが、なんだかんだでフェリア会場にいるとあっという間に時間が経ってしまうのですね。時間の感覚がなくなるというか・・・。明け方5時に帰宅しても朝は9時くらいに起きて、午前中に自主練習、午後は名古屋からいらしている生徒さんの個人レッスン、そしてまた自主練習、夏に行う日本でのクルシージョの時間割も組んで・・・・という生活をしていますから、体力勝負。そして手が抜けてしまうのは家事。フェリア中は家の中がとっ散らかり、今朝やっと少し片付けができたところです。(笑)

それはそうと、今回もカルメンは素晴らしかったです。前回よりもさらに環境が悪く・・・というのは、1部ではマイクが壊れていたのかほとんど生音。カルメンの踊るスペースには板なんぞなく、土の上そのままだったからサパテアードも全然聞こえないし。2部ではマイクがやっと繋がりましたが、嫌がらせなのか、隣のカセタがさらに音量を上げるという・・・。

そして今回もフィン・デ・フィエスタで踊らせて頂いたのですが、今回はこんなことがありました。マリ・ペーニャがブレリアを歌っていた時です。それはコプラと呼ばれる、歌謡曲みたいのをブレリアのリズムに乗せて歌うもの。フラメンコの踊りを学んでいる人がよく耳にする一般的なブレリアとは全く異なります。歌詞もメロディも。私が聞いたことのあるコプラもありましたが、マリは次から次へとコプラを歌い、どんどん深い世界に入って行きました。とても素敵で聞き惚れていたのですが、それと同時に「あーこんなにたくさんのコプラがあって、私が知っているのなんて本当にほんの一握りなんだ。」って、まだまだ自分は聴くのが足りないんだなって思っていたんです。そしたらその時カルメンが「ジュンコ、踊れ!」と・・・・。思わず、「えー!」って大きな声を出してしまいました。カルメンの命令でもこれは踊れない・・・私には無理だ・・・・いくらいろんな所でブレリアを踊っている私でも、こ、こ、これは難しい・・・。そう思って・・・、いや・・・でももしかしたら踊れるかもしれない・・・マリの次のカンテを聞いてみよう・・・と思って、少し待っていました。そしてああやっぱりこの歌も私には無理だなって思った瞬間、カルメンがさっと立ち上がったのです。

カルメンがその歌を踊りだしました。ああああああ、こういうことなんだよ。何も難しいことはしていない。でもカルメンの踊りはカンテそのまま。確実な部分を全て外さず、逃さず、そして高みに持って行く。歌に流されることもなく、歌を押しつぶすこともなく、カルメンのスタイルもそのまま。圧巻でした。

その後他の歌い手達(エルミニア、ホセ・メンデス)がブレリアを歌い、それはもう少し踊りやすいブレリアだったのでその場にいたカルメンの生徒さん達(と言ってもプロの踊り手ですが)が踊り、私も一振り踊らせて頂きました。楽しかったけど、いやー、ブレリアは奥が深すぎる。その奥の深いブレリアを難なく最高の状態で踊ってしまうカルメン・レデスマ。本当にすごい。カルメンに習ったのはもう10年くらい前になるかなあ、それからは時々しか習っていないし、ここ数年はしばらく習っていなかったけど、クラスでよりもこういう場でカルメンからは学ばせて頂いている。むしろこういう場だからこそたくさんのことを学べる。だから本当にカルメンに感謝。

ライブが終わってから、カルメンに「踊れって言ってもらったけど、あの歌は私には無理だから踊れませんでした、ごめんなさい。あの歌は私ではなく、あなたが踊るものだし、あなただからこそ踊れてだからお客さんも喜んだと思う。私も感動しました。」って言いました。そしたらカルメンが「そんなことないわよ、ジュンコなら踊れるって」・・・。いや、それは無理、って答えたら、カルメンはこう言っていました。

「ソレアを踊るのと同じだから」。

・・・・やっぱりカルメンはすごいなあ。

今年のフェリアは楽しんだだけでなくて、本当にたくさん学ばせて頂いた。フェリアだけではないけど、こういう日が少しずつ自分に還って、つながっていくんだろうなあと思う。クラスやYoutubeで振付をパッと取って踊ることも可能。でも、フラメンコを学ぶってそういうことではない。少なくとも、私が求めているフラメンコはそれでは学べない。

フラメンコを生きること、時間をかけて少しずつ。

写真:アントニオ・ペレス
(素晴らしいフラメンコの瞬間を、フラメンコの息遣いを、フラメンコを匂いを届けてくれる写真家にも感謝!)

2018年4月22日 セビージャにて。

Apr 20

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ただいまセビージャはフェリア真っ最中。今週1週間はセビージャ郊外の敷地で毎日お祭り。といっても仕事もしているし、毎日行くのは疲れるから私は毎年2回くらいかな、フェリア会場に行くのは。今年はまず、ペーニャ・トーレス・マカレナのカセタ(フェリア敷地に仮設される飾り小屋みたいの)でカルメン・レデスマグループのフラメンコライブがあるとのことで、それをめがけて火曜に出かけてきました。フェリアと言うと一般的に民俗舞踊のセビジャーナスが踊られますが、フラメンコのライブも行われます。カセタのオーナーがフラメンコ愛好家だったりすると、フラメンコアーティスト達を雇って自分のカセタでショーをしてもらうのです。セビジャーナスもいいですが、ずーっと踊っているとちょっと飽きてくる・・・やっぱり私はフラメンコが好きだな。

セビージャのフェリアのカセタは会員制で、会員やもしくは会員の知り合いでないと自由に入れないカセタがほとんどです。もちろん誰でも入れる公共のカセタもあるのですが、やはりセビージャのフェリアは個人のカセタに入った方が楽しい。カセタによっては入り口に警備員を立たせて入場者をチェックしたりする厳しいカセタもあります。そうではなく割と自由に出入りできるカセタもありますが。「閉鎖的だよね」と云う意見もありますが、現実問題、フェリア敷地の中でカセタを1年間維持するためには、要するに次のフェリアまで維持するためには会員はお金を払っています。払うお金のない人はカセタを維持する権利を失い、お金を払えてカセタを所有したい人に権利が譲られるというわけです。だからお金を払っている人間だけがカセタに入れて、維持費を払っていない人が入れないというのは、お金を払っている側からすれば当然なのかもしれませんね・・・。

もちろん私はカセタを持っていません(笑)。まあ持っていない一般市民がほとんどですから、結局カセタを持っているお友達や知り合いをつてにして、あちこちカセタを渡り歩くわけです。トーレス・マカレナのカセタも、私はペーニャ会員ではないですが、カセタの中にいる知っている人を見つけてカセタに入ってしまったというわけ。

フラメンコのペーニャだけあって、ちゃんとライブ用の舞台が設置されていました。でも通りに面したカセタで壁がなくカーテンで仕切ってあるだけなので、外の騒音が結構聞こえてきます。フェリアってあちこちで音楽が大音響で流れているから、独特の雰囲気。劇場やタブラオでフラメンコ鑑賞するのとは全く異なります。カセタの外もうるさいし、観客も開放的な雰囲気でショーの最中でもおしゃべりしたり食べたりしている人も結構います。そして、そうなってくると手を抜くアーティストも実は結構多い・・・。うるささに対抗するためにただ単に目立つだけの派手な動きで踊ったり、大声だけ出して歌ったり。ギタリストもどうせ聞こえないからって、テキトーに弾く人も多い。仕方がないといえば仕方がないのかもしれないけど、中には熱心なフラメンコ愛好家もいますからね。私のように。(笑)

そんな中でカルメンはカルメンでした。どんな状況でも手を抜くことも媚びることもせず、カルメンはカルメンの踊りを踊る。それってアーティストとして当たり前のことなんだけど、でもその当たり前のことが当たり前にできるというのがすごい。だからこそアーティストなんだ。真のアーティスト。カルメン・レデスマ。もちろんもっと環境が整っていればもっとカルメンの踊りは良かったのかもしれない。それは人間だからそういうこともある。でも私は、やっぱりカルメンはすごいなって思う。ただの踊り手じゃない。

そしてカルメンは人としてもすごい。あの日カセタに来ていたカルメンの生徒やカルメンを慕う若者たちを舞台に上げてパルマをたたかせたり、フィン・デ・フェイスタに呼んだり。もちろん私も呼んで頂きました。1部と2部の休憩の間に「ジュンコ、フィン・デ・フィエスタで踊ってね」と声をかけて下さり、しかも2部のフィン・デ・フィエスタになる前に、舞台の上から「ジュンコ」って名指しで呼んで下さった。そうでもしないと舞台の上に乗らない私を引っ張り出してくださったのだ。そのカルメンの暖かい心、人としての懐の広さに感動。オレがオレが、私が私がって自分が主役になることだけ考えている踊り手とは次元が違う。カルメンがそういう人で、だからそういう踊りをするというのは知っていたけど、改めてカルメンに感謝した夜でした。

ちなみにあの日着て行ったフェリアの衣装は、実は前日に夜なべをして直したもの。衣装が入らないのは想像していたけど、そこまで入らないか!と自分でも笑える程ファスナーが閉まらなくて(笑)。それでもパツパツで、あの衣装で踊るのはかなり大変でした。だから大したことはしなかったです。でも楽しかったなあ。終わった後にペーニャ会員の皆さんから暖かいお言葉を頂けて嬉しかったです。いい夜でした。

カルメンありがとう。

写真:アントニオ・ペレス

2018年4月20日

Apr 10

30516018_1512804825515399_849244959204648971_n_DSC1934_DSC1959_DSC1949_DSC1951みなさんこんにちは。いかがお過ごしでしょうか?

日曜にレブリーハに行ってきました。レブリーハを代表する踊り手、コンチャ・バルガスが今年でアーティスト50周年を迎えます。それを讃える「ヒラルディージャ・フラメンカ」の授与式がレブリーハのペーニャ・フラメンカで行われました。ペーニャ会員や愛好家、フラメンコ識者で会場はぎゅうぎゅう。コンチャ・バルガスも式典の中で「これまでたくさんの賞を頂いてきたけど、今回の賞が一番嬉しい。自分の生まれた土地でその土地の人に祝ってもらえる事ほど嬉しいことはない」とおっしゃっていました。おめでとうございます!!!それにしても50年ってすごいなあ。私の人生以上の年月をアーティストとして踊ってきているのだ、コンチャは。素晴らしい!!!

その式典の後にはコンチャの息子さんクーロ・バルガスのギターと、レブリーハ出身の歌い手アナベル・バレンシアによるコンサートも行われました。アナベル・バレンシアはあまり日本では馴染みのない歌い手かもしれませんが、素晴らしい歌い手です。あの日もソレアから始まり、圧巻のマラゲーニャ、そして鳥肌と涙のシギリージャを歌いました。クーロのギターもよかったです。ごちゃごちゃ弾かない。あの溜めというか、間というか。そこに彼のフラメンコの凄味が詰まっている。そして最後のブレリアでは客席で聴いていらしたコンチャが舞台に上がり、一振り踊って下さいました。レブリーハのブレリア。レブリーハの醍醐味。それはヘレスのものともトゥリアーナのものとも全く違う。どれが一番いいとかそういう問題ではない。唯一無二のレブリーハのコンパス。本当はもう少しアナベルの歌を、そしてコンチャの踊りを見ていたかったけど、あっという間に終わってしまった・・・・。またいつか、是非!

_DSC1965_DSC1961_DSC1929_DSC1933_DSC1975そしてその後は会場となったペーニャのバルにてフィエスタの始まり。レブリーハの偉大な歌い手、レブリハーノの息子さん(多分彼はプロの歌い手ではないと思うけど)が踊ったり歌ったり。それから、やはりレブリーハの知る人ぞ知るヒターノの踊り手「エル・ビア」の息子さんのパルマと歌。あのパルマの音は一生聴いていたい音でした。セビジャーナス合唱隊のセニョーラ達も混じり、ブレリア、タンゴ、セビジャーナスと繰り広げられました。楽しかったなあ。

感動したのはその後のレブリハーノの息子さんのスピーチでした。同じくレブリーハの偉大な歌い手「クーロ・マレーナ」の息子さんがギターを弾いていたのですが、彼の肩を持ち、クーロ・マレーナを讃え乾杯をしていました。聞くところによると、レブリハーノとクーロ・マレーナはライバル関係にあったそうです。でもそれは父同士のことって、はっきり言っていましたっけ。

「レブリーハは固有のコンパスを持ち、固有のカンテを持つ。だからこそレブリーハである。」

「レブリーハのヒターノに乾杯!」

そしてその場にいた皆で乾杯。さらにはあのレブリハーノの名盤「Persecución」に収録されている歌の一部を皆で歌い出したんです。音源はこちら→https://www.youtube.com/watch?v=f8imNPPXJBA

Libres como el aire  

Libres como el viento 

como las estrellas    

en el firmamento….

もちろんヒターノでないレブリーハの人もいました。私なんてレブリーハの人間でもない、ヒターナでもアンダルシア人でもない、スペイン人でもない。でも感動して一緒に乾杯し歌ってしまいました。その数十分前のアナベル・バレンシアの歌にも感動したけど、一瞬自分がどこにいるのか分からなくなってしまうほどの感動。

あの日、4月8日は Dia Intelnacional de Pueblo Gitano「国際ヒターノ・デー」とでも訳すのでしょうか。年に一度のヒターノの日でした。彼らが彼らの家族や彼らの土地に伝わる歌を代々受け継いでいく、だからこそフラメンコが存在し、存在し続けるのでしょう。

そういうものの中で私は生かされ、学ばせて頂いている。もちろんお金を払って学ぶものもある。レッスンを受けるとか、劇場公演を観るとか。でもそうでない所にこそフラメンコの本質が詰まっているのではないか。そしてそれはその土地でないと享受することができない。もちろん日本やその他外国でもそういう状況というのはあるのかもしれない。でもフラメンコはこの土地のもの。当たり前のことだけど、私はいつもそれを肝に銘じている。

03131811_4b9b56bbb601dちなみに、レブリハーノの名盤「Persecución(ペルセクシオン)」のCDジャケットはこちら

ペルセクシオンとはスペイン語で迫害の意味。ヒターノの迫害の歴史を詩と歌で1枚のCDにした歴史的な作品です。皆で歌ったのはこのCDに収録されている「CARAVANA」の一部。またこのCDでレブリハーノは「GALERA(ガレーラ)」というフラメンコの曲を創作しています。背景が背景だけに歌詞は過酷。しかしながら、フラメンコがどこから来たのかを知るためには必聴だと思います。ご興味のある方はどうぞ聴いてみて下さいね。私も久しぶりに改めて聴きました。

写真:www.lebrijaflamenca.com、アントニオ・ペレス

2018年4月10日 セビージャにて。

Apr 9
先週木曜のフィエスタ
La Yunko | 新着情報 | 04 9th, 2018| Comments Off

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みなさんこんにちは。お元気でお過ごしでしょうか?

先週の木曜に行われたフィエスタの写真をアップします。カルメン・レデスマが遊びに来て、本当に本当に素晴らしいブレリアを披露して下さいました。歌っているのはエバ・ルビッチ。その他の歌い手はホセ・カルピオ・エル・ミヒータ、イスラエル・ロペス、ギターはフアン・マヌエル・モネオ。ヘレス軍団でしたが、カルメンはカルメン。カルメン・レデスマ、ここにあり。オレー!!!

参加者のセニョーラ達もみなさん味のあるブレリアを披露されていました。なんでもないようですが、実は歌を聴いている。それが動きに現れている。派手な動きでギャフンと言わせようとするブレリアを踊る人達に見てもらいたいなー。あのシンプルさ。シンプルさの中にある個性と味。あれは年齢からくるのだろうか。私も歳をとったらもっといいブレリアが踊れるように_DSC0247_DSC0251_DSC0252なるのかな?多分歳をとればいいってもんじゃないんだろうけど。

私もちょっぴり踊りました。それまで例によって周りから「ジュンコ、踊れ、踊れ」としょっちゅう突っつかれて、(頼むよ、歌聴かせてくれよー)と内心思いつつ、「あははーそのうちねー」と笑ってごまかす。ロボットじゃないんだから、突っついてボタン押せば踊り出すわけないでしょーに。って思うのですが、毎回。(笑)

フィエスタのブレリアは出だしが肝心です。私の場合。突っつかれて、自分の気持ちが乗ってもいないのに輪の中に出て行って踊ってしまうとなかなか難しい。これだ!と勝手にスイッチが入って飛び出せるといいですね。そういうカンテが聞こえてきた時。それは歌い手にもよるし、歌にもよる。その場の雰囲気にもよる。この間のフィエスタではミヒータの歌で踊りたいなあと思っていたのですが、イスラエルが私の大好きなルイス・デ・ラ・ピカの歌を歌い出したので、電光石火のごとく飛び出した。(笑)

歌を聴くだけの時というのもあります。なんでもかんでも踊ればいいってもんでもない。ミヒータが輪の中に出て立って歌った時のあの歌の凄まじさ。そういうのは歌を尊重しなくてはいけない。そういうのを分からなくて、雰囲気を読めなくてしゃしゃり出て踊ってしまう人・・・・たまにいますが・・・この間のフィエスタではそういう人が誰もいなくてよかった。(笑)

いいカンテを聴いて、いい踊りを見て、その時間をその場でその人達と一緒に共有する。

それがフィエスタの醍醐味かなあ。

自分の踊りは気になる所でもあるんだけど・・・ああ、あれをやればよかったかなあとか、そんなことも思うのだけど・・・、結局それはどうでもいいことなのかもしれない。

写真:アントニオ・ペレス

2018年4月9日 セビージャにて。

Apr 5
ドイツ、ケルンへの旅
La Yunko | 新着情報 | 04 5th, 2018| Comments Off

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こちらセビージャは来週からフェリアが始まります。ブログ更新が遅れていますが、先週のセマナ・サンタの時に行ったドイツ、ケルンの写真をアップします!

ケルンは夫、アントニオが20年近く前にコックとして働いていた町です。ちなみに、ケルンを英語表記すると「Cologne」、日本語的に読んでみると「コロン」になります。日本で使われている「オーデコロン」(香水、もしくは香水よりももう少し軽いもの)ですが、これはフランス語表記から来た「eau de cologe」のこと、つまり、「コロンの水」。ややこしくなってきましたが、ケルンはオーデコロンの発祥の地なのであります!

へー。意外な所で勉強に29983078_10156259862926228_1257584505603698857_o29982949_10156259859976228_431702640123381250_o29749722_10156259863086228_1542664081363397848_o30051705_10156259859996228_6670814647253238876_o29871606_10156259863511228_2159617612582751170_o29872555_10156259859986228_3156193432855687486_o29983205_10156259863071228_7671373393518938509_o29749253_10156259860206228_7565129333980095518_o29750145_10156259863211228_6049060309918143083_o29749722_10156259863086228_1542664081363397848_o 29744891_10156259863356228_3844921784772196882_o29749660_10156259863216228_6327660512903161760_o29744873_10156259863376228_8785775650753001161_o29750138_10156259863371228_7891311827153986813_o29749921_10156259861191228_8613851064673750725_o30073387_10156259860211228_1378325250291813404_oなるブログ(笑)

ケルンは第二次世界大戦で大爆撃を受けてから復興した街なので、建物が比較的新しい。そして移民が非常に多い。東洋人はあまり見なかったような気がしますが、アフリカや中東の地域の人たちがたくさんいました。

観光として有名なのはケルン大聖堂とホーエンツォレルン橋。(この橋の名前は未だに覚えられない)。写真では大聖堂が小さくしか写っていないですが、ゴシック様式として世界最大の聖堂だそうです。近くから見ると本当に圧巻でした。(大き過ぎてカメラに収まらないくらい。笑)

ホーエンツォレルン橋の柵にはものすごい量の南京錠がかかっています。永遠の愛を誓いここに南京錠をかけ、鍵を下のライン川に投げるのだそうです。私たちも南京錠をかけましたが、鍵をライン川に捨てるのを忘れた!あの鍵は一体どこにあるのでしょう・・・?(笑)それにしてもこれら南京錠の重みでいつか橋が落ちるのでは・・・という不安もあります。(笑)

美術館にも訪れました。ルートヴィヒ美術館と、後名前は忘れましたが二つの美術館。(ドイツ語は難しくてアルファベットから読み方が想像できない・・・)なかなか面白かったです。

食べ物は、肉・肉・肉。肉ばかりを食べていました。ウインナーは40センチくらいあり、噛むと本当にプリっと音がする!あの、子供の頃見たウインナーのCMの音と同じで感動しました。(今まだあるのか、あのCMは?笑)とにかく魚が少ないので、セビージャに戻ってから魚を大量に食べました。そういえば、昔のルームメートでドイツ人の女の子がいたけど、魚は四角い切り身の形で泳いでいると長年思っていたらしい。確かに魚屋さんとかで魚を買わなければそういう発想にもなるなー。

そしてドイツといえば、やはりビール。ビールおいしい!あのビールを飲んでしまうとクルスカンポ(セビージャのビールメーカー)が飲めなくなるなー。

アントニオが旅行前に怪我して松葉つえでの旅となったのが残念でしたが、逆にゆっくり町を歩いたりのんびり過ごせてよかったです。

旅行中にいろいろな話をしました。アントニオがセビージャでコックとして働いていた時、オーナーに騙されて人間不信になり、環境を変える必要があったこと、そしてちょうどその時にケルンでの仕事の話を持ちかけられたこと。ケルンで写真の勉強を始めたこと。その後ロンドンやフランスのリヨンでも働いたこと・・・etc。なんとなくは聞いていたけど詳しく聞いたことはなかったので、ああこの人はいろいろな国で働いてきて今のこの人につながっているんだなあと思いました。

ロンドンでは酷い人種差別にあったそうです。道を歩いていたら急に通りすがりの男たちに顔面を殴られたり、ボコボコ蹴られて殺されないようにうずくまって、そして、ハハハハーと笑いながら通り過ぎる足元を見ていたそうです・・・・。セビージャでも人種差別はあって私はこれまでに何度も悔しい思いをしたり、家で泣いたこともあったけど、そういう命に関わるようなことはなかった・・・。そういう話ってやはり体験した人にしかその辛さは分からない。だから今の私ではそんな大したことないよ、って思えるような人種差別でも、私が差別されている時にアントニオは本気で怒っているんだな、って理解できた。

人生には選択するときというのがあって、自分のことを振り返る場合、安全で安心できそうな道ではなく、どうなるか分からない道の方を何度か選んできた。今考えるとなぜそうしたのか分からないけど、それから年月が経って今アントニオと一緒にいる。
不思議だ。

でも、自分で選択できる自由に恵まれたことは本当に幸運だったと思うし、私が選択できるようにしてくれた人達に感謝したいと思う。

・・・なーんてことを考えた旅でした。

2018年4月5日 セビージャにて

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