May 16

みなさんこんにちは。いかがお過ごしでしょうか?

本当に久しぶりですが、Youtubeに動画をアップしました。年代順に以下3本です。


最近は簡単な動画であればこちらのHPやフェイスブックにさっとアップしたりしていましたが、やはり自分の中で記念になるものはYoutubeにちゃんとアップしようと思いまして。

今回の3本はどれも本当に思い出深すぎるものばかりです。

  • 2011年カディス「アレグリアス舞踊コンクール」決勝(アレグリアスcon バタ&マントン)

317775_10150347014881228_2656126_n4位という結果に長い間自分の中でずっとわだかまりがありました。正しく言えば結果そのものよりも、その結果に至るにあたり、コンクール側ではないとある団体からの圧力がかかっていた、ということ。長い間セビージャでずっと感じていた人種の差、フラメンコの踊り手として生きて行きたいのに、いつも立ちはだかるその壁。だから、このコンクールの決勝と表彰式の動画をすでにカディスのテレビ局がノーカットでYoutubeにアップしていましたが、それを受け止めるのに時間がかかりました。

もちろん、その内部事情を知って私の心を支えてくれた人たちもいました。共演アーティスト達、客席にいた何人かのスペイン人の踊り手達、私の夫。コンクール側だってその圧力に屈するしかなかった事情があったのでしょう。仕方がないとはいえ、ずっと苦い思いが残っていました。忘れようにも忘れられない・・・。

でも不思議なことに、ある時、そのわだかまりから自分が解放されているのに気づいたんです。というか、ああ、そういえばそんなこともあったなあ、と思い出したというか。つまりある時期からあの時の苦しみをどこかにしまっていた自分に気づいたというか。もちろん今思い出せば、あの時の感覚は蘇ってくるから涙も出てきます。でも改めて動画を見ると、あの当時がむしゃらで必死だった自分が懐かしく、そしてあれから年月が経って今の自分の踊りがあることに気付く。踊りの巧い・下手ではなく、周りがどうあろうと自分は自分であるという「核」が育ちつつあること・・・。

ちなみにこのコンクールの後、スペインは激動しました。ここ数年まだ続いている経済危機です。それによりフラメンコ界の状況も変わってきました。人種の差というのはありつつも、でも東洋人は「顧客」でもあるということに多くのスペイン人が気付き始めています。ここ数年、日本でどっとスペイン人のクルシージョ(短期講習会)が増えたことでもそれは理解できるでしょう。

だから「核」が必要なんです。お金を落としてもらうために「顧客」をちやほやするのはどこの世界でも共通しています。それはある意味、生きて行くためには必要な手段なのかもしれない・・・。でも自分に必要なものは何なのか、何を学ばなくてはならないのかを忘れないようにしないと・・・。そしてそれはコンクールの結果や、周りのスペイン人のおべっか中から探すことではない。当たり前のことだけど、見失いがちだから・・・。

全てのことをひっくるめて、2時間半以上もあるコンクール決勝と表彰式を全編Youtubeにアップして下さったカディスのテレビ局に感謝します。そしてその動画の一部を私の名前で再びアップさせて頂きました。

  • 2017年セビージャのフェリア、アナ・マリア・ロペスとのブレリア

18156246_10155218246856228_3506415013524280975_oアナ・マリア・ロペス。ヘレスでブレリアを40年以上にも渡り教えていらっしゃる偉大なマエストラ(大先生)。そのアナ・マリア・ロペスが週に一回セビージャでも教えて下さっているということを知り、習い始めたのが数年前。生徒は平均年齢恐らく60〜70代くらいのセニョーラ達。彼女達のアルテを目の当たりにしながら、毎週アナ・マリア・ロペスの教えを乞いました。なんと輝かしい時期だったことでしょう。今はもうセビージャでは教えられていないのが本当に残念ですが、あの日々、あの感覚はいつまでも私の中に残っています。

そのアナ・マリア・ロペスと踊ったブレリア。あの踊りの前に、周りの人たちから「ジュンコ、踊れ、今踊れ」って散々せっつかれて踊りました。ボタンを押せば踊るとでも思っているのかな?私はロボットじゃないよ・・・と心の中でつぶやきつつ、でも状況的に踊らずにはいられず・・・。本来ブレリアは自分の気持ちのままに、心のままに踊るもの・・・仕事だったら仕方ないけど、フィエスタでそれではあんまりだよ・・・って、表面的には笑顔でも内心はそう思っていたんです。

そしてそれをアナ・マリア・ロペスはちゃんと感じてくれていた、私の心の中を。

「ジュンコ、あなたが本当に踊りたいと感じた時に踊りなさい」

そうおっしゃって下さったんです。だからあの時、モモ・モネオが歌い出した時にさっと飛び出た。そうしたら、なんと同じタイミングでアナ・マリア・ロペスも踊り始めていた!彼女は別の方向を見ていたから飛び出した私に気付かなかったけど、私は歌い手の方を見ていたから彼の隣にいたアナ・マリア・ロペスに気づいたのです。普通、ブレリアは一人で踊る。フィエスタでは即興で踊るから偶然同じタイミングで誰かと被ってしまうこともある。でもそういう時は普通、どちらかが踊るのをやめるもの・・・。ましてや自分の先生が踊り出したのだから私が引っ込むのは当たり前・・・。でもあのアナ・マリア・ロペスの言葉を思い出したんです。

「ジュンコ、あなたが本当に踊りたいと感じた時に踊りなさい」

踊ろう。きっとアナ・マリア・ロペスなら分かって下さる。引っ込もうかなと一瞬躊躇して、そしてやっぱり踊ろうって思ったのは多分時間にしたら1〜2秒?でもその1〜2秒の決心で何かを変えることもある。

誰かと即興でブレリアを踊ったことは多分なかったように思う。タブラオで最後みんなで即興で合わせたり、前の出番の人と入れ替える時にちょっと即興になったりすることはあるけど。本当にそんなこと自分ができるのか、そんなことしていいのか考える前に身体がアナ・マリア・ロペスの前に向かっていた・・・・。

時間にしたら1分58秒。2分にも満たない。でもその踊りが何かを変えることもある。

アナ・マリア・ロペスに最大の感謝を。

  • 2018年フェスティバル・デ・ヘレス(ソレアconバタ・デ・コーラ)

28616670_10156168552836228_1826314114609084585_oこれが一番最近の動画。「5分でソレアを踊れ」って言われた時は、「そりゃー無理でしょう」って思いました。周りの踊り手さん達に話しても「はあ?じゃ、出てきてそのまま去るってこと?ははははー」って笑われて、そうだよねーなんて私も笑っていたのですが。まあ結局、「ソレアだから6分でもいいよ」という話になりましたが。

何と、出だしの部分、誰かがビデオカメラの前に立ちはだかっていたようで、その人の頭で画面が覆い尽くされているという・・・(笑)なので、その部分はカットしてその後を Youtubeにアップしてあります。

動画というのは怖いですね。自分の短所がもろに目に飛び込んできます。それは先天的なもので私のコンプレックスでもあり、また、後天的なものでどんなに克服しようと努力してもなかなか克服できないもの・・・。だから動画は見たくないというのも気持ちももちろんあるのですが、でもその欠点も含めて、これでもいいじゃないかって思えるようになったのは最近でしょうか。年月を経て自分に甘くなったからか、開き直るようになったからか(笑)

でも、人間なんだもの欠点があってあたり前。ましてやフラメンコに完璧は存在しない。完璧だったらフラメンコじゃないよ。

「100点満点を目指すんじゃなくて、フラメンコは1箇所1万点があればいい。」

昔、そう教えて下さったのはギタリストの俵英三さんでした。

うん、あの時の踊りには「1万点」があった。それは私の細胞が覚えている。そして興味深いことに、それは即興で出てきたんだ。何度も反復練習を積み重ねた結果の100点満点じゃないところ、それがいい。今までのいろ〜んないろ〜んないろ〜んなことがその1箇所に向かって集結してくれたんだ。フラメンコの神様が「よし、今、君にあげよう」って下さった1万点。

だからフラメンコに感謝。

・・・そして、改めてふと思い出す。最初に画面の前に立ちふさがっていた誰かさん、途中からどいてくれてありがとう。(笑)

写真:アントニオ・ペレス

2018年5月16日 セビージャにて。

May 8

みなさんこんにちは。いかがお過ごしでしょうか?

先日のブログでご連絡しました「8/4(土)小松原庸子スペイン舞踊団「真夏の夜のフラメンコ」公演」情報ですが、昨日舞踊団事務所からご連絡を頂き、開演時間とキャストに変更があるとのことです。以下、ご連絡頂いた5/7付最新情報をコピペ致します。

小松原庸子スペイン舞踊団 第48回野外フェスティバル 真夏の夜のフラメンコ2018

 

●日時:8月4日(土)17:30開演(17:00開場)雨天決行(1日のみの開催)

●チケット:(全席指定、税込)S席8,000円、A席7,000円、B席5,000円

C席3,000円,ペア席5,000円(ネット割引無し)

*ペア席は2名様で5,000円のチケットです。

●会場:日比谷野外大音楽堂

●主催:ソル・デ・エスパーニャ Tel 03-3314-2568

●後援:スペイン大使館、インスティトゥト・セルバンテス東京

    公益財団法人日本スペイン協会

●協賛:MARUWA

●プレイガイド:チケットぴあ(Pコード486-364)、イープラス、ローソン(Lコード:32051)

●キャスト:

ミゲル・アンヘル・エレディア

大沼由紀、渡部純子、萩原淳子、北原志穂

今枝友加(en mis ojos )、石川慶子、漆畑志乃ぶ、知念響(armonía)

笹岡洋子(ラティドス フラメンコス)、

奥野裕貴子・SIROCOスタジオLOS TARANTOS京都

篠田三枝 y カンデーラ y たからもの号

森山みえ(La Puerta Abierta)

小松原庸子スペイン舞踊団

奥濱春彦

佐藤哲平 他

 

カンテ:Antonio Peña Carpio〝EL TOLO”

 El Plateao

ギター:高橋紀博、鈴木 尚

 

                               5月7日現在

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なお、チケットはご予約受付中です。

S席・A席・B席チケットお申し込み先&お問い合わせ: こちら「連絡先」 もしくは layunko@gmail.com(ハギワラ)まで
①ご氏名 ②郵便番号 ③ご住所 ④チケット種類(S/A/B)第1希望、第2希望 ⑤チケット枚数 をご連絡下さい。チケットは7月中旬以降こちらから発送、もしくはお渡しさせて頂きます。

席種の数には限りがございます。第1希望席種が満席の場合は第2希望席種をお取り置きさせて頂きます。ご希望の方はお早めにご連絡下さい。なお、C席・ペア席はかなり後方のお席になるとのことです。ご希望の方はお手数ですが、小松原庸子スペイン舞踊団:TEL 03−3314−2568まで直接お問い合わせ下さい。

以上になります。

皆様のご来場を心よりお待ち申し上げます!

2018年5月8日 セビージャにて。

May 1

みなさんこんにちは。いかがお過ごしでしょうか。

こちらセビージャなぜかまた寒くなり・・・今日は一度しまった「極暖」を引っ張り出してしまいました。

早速ですが、夏のクルシージョ日程が決まりましたのでお知らせいたします。

28058520_10156119487886228_2825704335764578014_n-300x168「第23回少人数制クルシージョ」
日程:7/14(土)〜9/1(土)
場所:アルソル(中野)、MAURWA財団スタジオ(赤羽橋)、イベリア(恵比寿)

開講予定クラス

  • 今、見直すべき基本
  • 即興への扉
  • マントン・テクニカ基礎/応用
  • バタ・デ・コーラ・テクニカ基礎
  • 新規タラント&タンゴ・デ・グラナダ振付
  • ガロティン振付
  • バタ・デ・コーラ・カーニャ振付

27748060_10210809596464977_6711008079734251303_o-300x223「第14回福岡クルシージョ」
日程:8月11日(土)
場所:博多ビークラブフラメンコスタジオ
※6月中旬頃、詳細発表予定。

開講予定クラス:

  • 今見直すべき基本
  • マントン・テクニカ基礎
  • バタ・デ・コーラ・テクニカ基礎
  • その他


27545006_1605624152857078_8655853099119702670_n-300x225「第14回大阪クルシージョ」

日程:9月8日(土)
場所:スタジオ・ラ・クーナ(堺筋本町)
※6月中旬頃、詳細発表予定。

開講予定クラス:

  • 今見直すべき基本
  • マントン・テクニカ基礎
  • バタ・デ・コーラ・テクニカ基礎
  • その他

既受講生やお問い合わせを下さった方には直接こちらからご案内メールを送らせて頂きます。新規の方で詳細ご希望の方は こちら「連絡先」 のフォームを通してご連絡下さい

※写真は前回冬のクルシージョのものになります。また夏にお会いできることを楽しみにしております!

2018年5月1日 セビージャにて。

Apr 24

スクリーンショット 2018-04-24 11.05.38みなさんこんにちは。いかがお過ごしでしょうか?

早速ですがお知らせです。

8/4(土)小松原庸子スペイン舞踊団第48回野外フェスティバル「2018真夏の夜のフラメンコ」公演にソロ出演させて頂くことになりました。小松原舞踊団の公演ではサラゴサ万博、マドリード公演に出演させて頂いたことがありますが、日本で開催される公演での出演は初めてになります。第48回を迎える真夏の大人気恒例イベント。そして豪華スペイン人アーティストを含め、日本で活躍されている著名な舞踊家の方々との共演は大変光栄で、また緊張もしますが、たくさんの方々にフラメンコの魅力を伝えられるよう頑張りたいと思います!私はバタ・デ・コーラでソロ出演させて頂きます。曲は決定次第またご案内致します。

まだ出演者や開演時間などが多少変更になる可能性もあるそうですが、すでに舞踊団事務所の方ではチケットご予約受付を開始されたとのことですので、こちらHPでもご案内、そして私の方でもチケットお申し込み受付を開始致します。ご希望の方はこちら「連絡先」 のフォームを通してご連絡ください。チケット枚数には限りがありますので、ご希望の方はお早めにお願い致します。
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小松原庸子スペイン舞踊団第48回野外フェスティバル「2018真夏の夜のフラメンコ」公演

  • 公演日/2018年8月4日(土)
  • 時間/17:30開演(17:00開場)雨天決行 
  • 会場/日比谷野外大音楽堂(こちら→交通アクセス
  • チケット/S席8000円、A席7000円、B席5000円、C席3000円、ペア席5000円(ペア席は2名様で5000円)
  • 主催/ソル・デ・エスパーニャ(小松原庸子スペイン舞踊団)TEL 03−3314−2568
  • 後援/スペイン大使館、インスティトゥト・セルバンテス東京、公益財団法人日本スペイン協会
  • 協賛/MARUWA
  • バイレ/ミゲル・アンヘル・エレディア渡部純子、萩原淳子、北原志穂今枝友加、石川慶子、漆畑志乃ぶ、知念響

    笹岡洋子(ラティドス フラメンコス)、

    奥野裕貴子・SIROCOスタジオLOS TARANTOS京都

    篠田三枝 y カンデーラ y たからもの号

    森山みえ(La Puerta Abierta)

    小松原庸子スペイン舞踊団

    奥濱春彦

    佐藤哲平 他

  • カンテ/アントニオ・ペーニャ・カルピオ・エル・トロ、エル・プラテアオ
  • ギター/高橋紀博、鈴木尚

S席・A席・B席チケットお申し込み先&お問い合わせ: こちら「連絡先」 もしくは layunko@gmail.com(ハギワラ)まで
①ご氏名 ②郵便番号 ③ご住所 ④チケット種類(S/A/B)第1希望、第2希望 ⑤チケット枚数 をご連絡下さい。チケットは7月中旬以降こちらから発送、もしくはお渡しさせて頂きます。

席種の数には限りがございます。第1希望席種が満席の場合は第2希望席種をお取り置きさせて頂きます。ご希望の方はお早めにご連絡下さい。なお、C席・ペア席はかなり後方のお席になるとのことです。ご希望の方はお手数ですが、小松原庸子スペイン舞踊団:TEL 03−3314−2568まで直接お問い合わせ下さい。
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公演情報は以上になります。(5/6に上記最新情報に更新致しました。)

なお、次回の帰国は7/12〜9/10まで、これまで通り、東京(7/14〜9月上旬)・大阪(9月上旬)・福岡(8/11)にてクルシージョを開講予定です。新規の方で詳細後ご希望の方は上記チケットお申し込み先までご連絡下さい。詳細が決まり次第、既受講生と同様のご案内メールをこちらから直接送らせて頂きます。

では本日は取り急ぎのお知らせでした。ではまたお会いしましょう!

2018年4月23日

Apr 22

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みなさんこんにちは。いかがお過ごしでしょうか?

セビージャのフェリアは昨日終了し、少しずつ街全体が落ち着きを取り戻しているように思えます。先日フェリアでの写真をアップしましたが、その翌々日にまたカルメン・レデスマのグループと合流させて頂きましたので、その写真をアップします。

フェリアは1週間続きますが、今年は2日間行きました。フェリアでのフラメンコのライブは夜遅くに始まる場合が多いので、それに合わせると夜中にフェリア会場に到着し、家に着くのは明け方5時頃とか。ライブは1時間くらいで終わるのですが、なんだかんだでフェリア会場にいるとあっという間に時間が経ってしまうのですね。時間の感覚がなくなるというか・・・。明け方5時に帰宅しても朝は9時くらいに起きて、午前中に自主練習、午後は名古屋からいらしている生徒さんの個人レッスン、そしてまた自主練習、夏に行う日本でのクルシージョの時間割も組んで・・・・という生活をしていますから、体力勝負。そして手が抜けてしまうのは家事。フェリア中は家の中がとっ散らかり、今朝やっと少し片付けができたところです。(笑)

それはそうと、今回もカルメンは素晴らしかったです。前回よりもさらに環境が悪く・・・というのは、1部ではマイクが壊れていたのかほとんど生音。カルメンの踊るスペースには板なんぞなく、土の上そのままだったからサパテアードも全然聞こえないし。2部ではマイクがやっと繋がりましたが、嫌がらせなのか、隣のカセタがさらに音量を上げるという・・・。

そして今回もフィン・デ・フィエスタで踊らせて頂いたのですが、今回はこんなことがありました。マリ・ペーニャがブレリアを歌っていた時です。それはコプラと呼ばれる、歌謡曲みたいのをブレリアのリズムに乗せて歌うもの。フラメンコの踊りを学んでいる人がよく耳にする一般的なブレリアとは全く異なります。歌詞もメロディも。私が聞いたことのあるコプラもありましたが、マリは次から次へとコプラを歌い、どんどん深い世界に入って行きました。とても素敵で聞き惚れていたのですが、それと同時に「あーこんなにたくさんのコプラがあって、私が知っているのなんて本当にほんの一握りなんだ。」って、まだまだ自分は聴くのが足りないんだなって思っていたんです。そしたらその時カルメンが「ジュンコ、踊れ!」と・・・・。思わず、「えー!」って大きな声を出してしまいました。カルメンの命令でもこれは踊れない・・・私には無理だ・・・・いくらいろんな所でブレリアを踊っている私でも、こ、こ、これは難しい・・・。そう思って・・・、いや・・・でももしかしたら踊れるかもしれない・・・マリの次のカンテを聞いてみよう・・・と思って、少し待っていました。そしてああやっぱりこの歌も私には無理だなって思った瞬間、カルメンがさっと立ち上がったのです。

カルメンがその歌を踊りだしました。ああああああ、こういうことなんだよ。何も難しいことはしていない。でもカルメンの踊りはカンテそのまま。確実な部分を全て外さず、逃さず、そして高みに持って行く。歌に流されることもなく、歌を押しつぶすこともなく、カルメンのスタイルもそのまま。圧巻でした。

その後他の歌い手達(エルミニア、ホセ・メンデス)がブレリアを歌い、それはもう少し踊りやすいブレリアだったのでその場にいたカルメンの生徒さん達(と言ってもプロの踊り手ですが)が踊り、私も一振り踊らせて頂きました。楽しかったけど、いやー、ブレリアは奥が深すぎる。その奥の深いブレリアを難なく最高の状態で踊ってしまうカルメン・レデスマ。本当にすごい。カルメンに習ったのはもう10年くらい前になるかなあ、それからは時々しか習っていないし、ここ数年はしばらく習っていなかったけど、クラスでよりもこういう場でカルメンからは学ばせて頂いている。むしろこういう場だからこそたくさんのことを学べる。だから本当にカルメンに感謝。

ライブが終わってから、カルメンに「踊れって言ってもらったけど、あの歌は私には無理だから踊れませんでした、ごめんなさい。あの歌は私ではなく、あなたが踊るものだし、あなただからこそ踊れてだからお客さんも喜んだと思う。私も感動しました。」って言いました。そしたらカルメンが「そんなことないわよ、ジュンコなら踊れるって」・・・。いや、それは無理、って答えたら、カルメンはこう言っていました。

「ソレアを踊るのと同じだから」。

・・・・やっぱりカルメンはすごいなあ。

今年のフェリアは楽しんだだけでなくて、本当にたくさん学ばせて頂いた。フェリアだけではないけど、こういう日が少しずつ自分に還って、つながっていくんだろうなあと思う。クラスやYoutubeで振付をパッと取って踊ることも可能。でも、フラメンコを学ぶってそういうことではない。少なくとも、私が求めているフラメンコはそれでは学べない。

フラメンコを生きること、時間をかけて少しずつ。

写真:アントニオ・ペレス
(素晴らしいフラメンコの瞬間を、フラメンコの息遣いを、フラメンコを匂いを届けてくれる写真家にも感謝!)

2018年4月22日 セビージャにて。

Apr 20

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ただいまセビージャはフェリア真っ最中。今週1週間はセビージャ郊外の敷地で毎日お祭り。といっても仕事もしているし、毎日行くのは疲れるから私は毎年2回くらいかな、フェリア会場に行くのは。今年はまず、ペーニャ・トーレス・マカレナのカセタ(フェリア敷地に仮設される飾り小屋みたいの)でカルメン・レデスマグループのフラメンコライブがあるとのことで、それをめがけて火曜に出かけてきました。フェリアと言うと一般的に民俗舞踊のセビジャーナスが踊られますが、フラメンコのライブも行われます。カセタのオーナーがフラメンコ愛好家だったりすると、フラメンコアーティスト達を雇って自分のカセタでショーをしてもらうのです。セビジャーナスもいいですが、ずーっと踊っているとちょっと飽きてくる・・・やっぱり私はフラメンコが好きだな。

セビージャのフェリアのカセタは会員制で、会員やもしくは会員の知り合いでないと自由に入れないカセタがほとんどです。もちろん誰でも入れる公共のカセタもあるのですが、やはりセビージャのフェリアは個人のカセタに入った方が楽しい。カセタによっては入り口に警備員を立たせて入場者をチェックしたりする厳しいカセタもあります。そうではなく割と自由に出入りできるカセタもありますが。「閉鎖的だよね」と云う意見もありますが、現実問題、フェリア敷地の中でカセタを1年間維持するためには、要するに次のフェリアまで維持するためには会員はお金を払っています。払うお金のない人はカセタを維持する権利を失い、お金を払えてカセタを所有したい人に権利が譲られるというわけです。だからお金を払っている人間だけがカセタに入れて、維持費を払っていない人が入れないというのは、お金を払っている側からすれば当然なのかもしれませんね・・・。

もちろん私はカセタを持っていません(笑)。まあ持っていない一般市民がほとんどですから、結局カセタを持っているお友達や知り合いをつてにして、あちこちカセタを渡り歩くわけです。トーレス・マカレナのカセタも、私はペーニャ会員ではないですが、カセタの中にいる知っている人を見つけてカセタに入ってしまったというわけ。

フラメンコのペーニャだけあって、ちゃんとライブ用の舞台が設置されていました。でも通りに面したカセタで壁がなくカーテンで仕切ってあるだけなので、外の騒音が結構聞こえてきます。フェリアってあちこちで音楽が大音響で流れているから、独特の雰囲気。劇場やタブラオでフラメンコ鑑賞するのとは全く異なります。カセタの外もうるさいし、観客も開放的な雰囲気でショーの最中でもおしゃべりしたり食べたりしている人も結構います。そして、そうなってくると手を抜くアーティストも実は結構多い・・・。うるささに対抗するためにただ単に目立つだけの派手な動きで踊ったり、大声だけ出して歌ったり。ギタリストもどうせ聞こえないからって、テキトーに弾く人も多い。仕方がないといえば仕方がないのかもしれないけど、中には熱心なフラメンコ愛好家もいますからね。私のように。(笑)

そんな中でカルメンはカルメンでした。どんな状況でも手を抜くことも媚びることもせず、カルメンはカルメンの踊りを踊る。それってアーティストとして当たり前のことなんだけど、でもその当たり前のことが当たり前にできるというのがすごい。だからこそアーティストなんだ。真のアーティスト。カルメン・レデスマ。もちろんもっと環境が整っていればもっとカルメンの踊りは良かったのかもしれない。それは人間だからそういうこともある。でも私は、やっぱりカルメンはすごいなって思う。ただの踊り手じゃない。

そしてカルメンは人としてもすごい。あの日カセタに来ていたカルメンの生徒やカルメンを慕う若者たちを舞台に上げてパルマをたたかせたり、フィン・デ・フェイスタに呼んだり。もちろん私も呼んで頂きました。1部と2部の休憩の間に「ジュンコ、フィン・デ・フィエスタで踊ってね」と声をかけて下さり、しかも2部のフィン・デ・フィエスタになる前に、舞台の上から「ジュンコ」って名指しで呼んで下さった。そうでもしないと舞台の上に乗らない私を引っ張り出してくださったのだ。そのカルメンの暖かい心、人としての懐の広さに感動。オレがオレが、私が私がって自分が主役になることだけ考えている踊り手とは次元が違う。カルメンがそういう人で、だからそういう踊りをするというのは知っていたけど、改めてカルメンに感謝した夜でした。

ちなみにあの日着て行ったフェリアの衣装は、実は前日に夜なべをして直したもの。衣装が入らないのは想像していたけど、そこまで入らないか!と自分でも笑える程ファスナーが閉まらなくて(笑)。それでもパツパツで、あの衣装で踊るのはかなり大変でした。だから大したことはしなかったです。でも楽しかったなあ。終わった後にペーニャ会員の皆さんから暖かいお言葉を頂けて嬉しかったです。いい夜でした。

カルメンありがとう。

写真:アントニオ・ペレス

2018年4月20日

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