みなさん、こんにちは!いかがお過ごしでしょうか?
私は元気です。
先週の水曜、新宿エル・フラメンコで行われた公演ですが、以前師事していたAMIさんの公演にてゲスト出演しました。踊った曲はAMIさんとのオープニングに続くタラント、そしてバタ・デ・コーラのアレグリアス。自分では納得いかなかった部分もたくさんありましたが、たくさんのお客様にお越し頂き、応援をして頂いたことを嬉しく思っております。どうもありがとうございました。
実は今正直、複雑な心境です。公演を観に来て下さったフラメンコ・ジャーナリストの志風恭子さんのブログで、この公演における私の踊りについての批評を拝読したからです。志風さんが私の今後を思ってあえて厳しい批評をして下さったことは重々承知していますが(志風さん自身からその旨メールを頂きました)、あまりの厳しさに涙も出ず、かえってちょっと笑ってしまいました。人の感情は度を越えるとタガが外れてしまうのかもしれません。
↓ 以下、志風さんによる批評です。ご興味のある方はクリックしてお読み下さい。
今回踊ったタラントとバタ・デ・コーラのアレグリアスは、2月末に行われたセビージャでのカルトゥッハ修道院でも踊りました。その後体調を崩し、ほとんど動けない状態が続いたため、すでに決まっていたへレスでのペーニャ公演やハビエル・ラト-レクルシージョの群舞作品はなんとか出演しましたが、その後すぐに帰国、準備不足であったことは否めません。自分のクルシージョの合間を縫ってAMIさんとのオープニングの振付を詰め込みで覚えるのに精一杯。自分の踊りの練習はほとんどできない状態でした。でもそれは言い訳。どんな状況でも一定のレベルを保たなければプロとはいえません。たとえ何が起ころうと、それでも自分の踊りをしなければ。厳しい志風さんの批評を読み、猛反省・再反省をしました。そして志風さんのおっしゃる通り、このタラントは自分にとってはまだ新しいので、これからもっともっと踊りこんでいこうと思っています。たとえ時間がかかっても、ソレアやアレグリアスと同じように自分の踊りにします。見ていて下さい。
ひとつ、「なぜタラントの歌の半分を客席に背中を向けて踊るのか分からない」という志風さんの疑問にお答えさせて頂くならば・・・その時の自分の踊りを客観的に見ることはできないし、ビデオも見ていないのでなんとも言えませんが、あの時私が感じていたことは、歌い手が自分の全部を出して私に歌っていた、ということです。私はそのカンテの中に入り、自分がカンテから出てきたことを本能的に感じていました。その瞬間のあの独特の感覚。それを今でもはっきり覚えています。でも、もしかするとその時、その自分の全意識が歌い手に向かっていたため、結果的にはお客さんに背を向けているように見えてしまったのかもしれません。
そしてその時のレトラ(歌詞)は「もうこれ以上できない、がまんできない、自分には力が残っていない、だからこのタラントも泣きながら歌っている」というような意味でした。このレトラを聴くとき、私は「振付」を踊ることができません。そもそも私の踊りの歌振りの部分に「振付」というものは存在しないのです。いろいろな振付をいろいろな先生に習いましたし、「カッコイイ」振付もつけようと思えばつけられると思うのですが、それをしたところで、実際舞台の上で聴いているものに私の身体は反応するため、その振付は意味をなさなくなってしまうのです。
それがいいのか悪いのか私には分かりません。それが結果的にいい場合もあるし、マイナスにとられてしまうこともあるのかもしれません。昨年のビエナル併行ペーニャ公演でのアレグリアスでは、「なんて大きな苦しみなんだ!この苦しみは自分が葬られた時に大地に持っていくんだ。」という内容を歌われ(厳密にはそれはアレグリアスではなく、カンティーニャス・デ・ピニー二だったのですが)その通り感じたまま踊ったら、後のスペイン人による批評で「ジュンコのアレグリアスには『喜び』の表情はなかった」と書かれてしまいました。
「カンテを聴いて踊りなさい」と一番最初に私に教えてくれたのは、AMIさんでした。でもその当時(もう10年以上前です)「カンテを聴いて踊るってどういうことなんだろう」とずっと分からなくて、でも技術と振付だけは一生懸命鍛錬して「上手」に踊れるようになっていった私。当時AMIさんそっくりに踊っていた(らしい)私は「小AMI(コアミ)」と揶揄されていたそうです。でも自分が技術的に「上手」に踊れるようになればなるほど、反比例して自分が求めるフラメンコというものから遠ざかっているのではないか、と疑問を持ち始めた時、でもどうしていいのか分からず、意を決してAMIさんにそれを伝えたことがありました。その時「あなたは正しく学んできた。これまで通り続けなさい。それでも疑問に思うなら他の先生に習えば。」と言われたのです。その時は「AMIさんを怒らせてしまった!どうしよう!」と思い、「すみませんでした、これからもAMIさんの元で学びます」と答えましたが、今思うとあの時をきっかけに、私は真剣にスペイン行きを考え始めたように思います。
ずっと同じ問題に取り組んでいます。フラメンコはカンテであること。そしてカンテとギターを聴くことが私の踊りの源になっていること。まだまだ勉強することはたくさんあります。私がスペインで踊っている経歴を知った人は「すごいすごい」とおっしゃいますが、全然すごくない。日本に住む人が日本で踊り学ぶように、私はセビージャに住んでいるから、そこで踊り学んでいるだけのこと。そこになんら変わりはありません。
今回の公演に限らず、今後(これまでの公演でもOKです!)私の踊りを観てくださった方で、私の踊りに対する意見を下さる方がいらっしゃいましたら、是非ご連絡頂きたいと思います。このHP「連絡先」のフォーラムを利用してメールを下さい。すべてのご意見ご感想を真摯に受け止め、私は前進したいと思っております。どうぞよろしくお願い致します。
次回は4/16(金)、4/24(土)の恵比寿サラ・アンダルーサライブです。もう一度タラントとアレグリアスを踊ります。
ではまたお会いしましょう。
2010年3月30日 昨日は私の誕生日でした。34歳+1日。

