May 12

みなさんこんにちは。いかがお過ごしでしょうか?

スペインに着いた次の日の11日、スペイン東南部のムルシア州ロルカでマグニチュード4.4、5.2と2度地震がありました。1956年以来の大きな地震だそうです。ロルカはセビージャから450kmほど離れています。車だと5時間くらい。セビージャでは揺れは感じませんでしたよ。全然気付かず、日本のお友達からのメールで「えっ、地震あったの?!」と初めて知りました。私の周りの人間は幸い無事です。ご心配をおかけしました。お心遣いありがとうございました。

この地震で9名の方が亡くなってしまったとのことです・・・日本ほど地震のない国で、建物の耐震性はほとんどないと言っても過言ではありません。工事中の建物を見ると、鉄筋なんてまず見ません。細い、針金か?!と思ってしまう程細い、あれは何でしょう。支えみたいのがヒョーンヒョーンと中に入っていますが、あとはレンガの積み重ね。日本人から見たら「こんなので大丈夫?!」と思ってしまう。きっとロルカの町の建物も似たような感じなのではないでしょうか・・・(※写真は、お友達お家の内側。建設中。空手チョップしたら崩れそう・・・と思うのは私だけ?)

去年あたりセビージャでも地震がありました。多分震度1か2くらいだったと思いますが、その地震が原因で、うちの寝室の天井にとりつけてある扇風機の取り付け部分から天井に亀裂が入りました。すぐに直してもらったけど。9年住んでいてたった1度の地震だったけど、ある意味こわいですね。ほとんど揺れているうちに入らないのに、そんな揺れでも扇風機が上から落ちて来て怪我でもしたらたまったものではありません。

亡くなった方々のご冥福をお祈り申し上げます。日本もロルカも早く復興しますように。。。。

2011年5月12日 セビージャにて

May 11

みなさんこんにちは。いかがお過ごしでしょうか?

お陰様で、昨晩無事セビージャに着きました。“日本からの持ち込み品は没収される”とか、“放射能チェックをされて入国できない”とか・・・いろいろな噂がありましたが、私は何もされず普通に入国できましたよ。あ、でも機内でとんでもない“珍事件”がありました・・・それはまた次回のブログでお伝えしますね。まずは、先日のチャリティーライブの結果ご報告です。↓

5月4日に行われました「東日本大震災復興支援フラメンコチャリティーライブ in アルハムブラ“VIVIR〜生きて行く”」はお陰様で無事終了致しました。沢山のお客様にお越し頂き誠にありがとうございました。

ライブチケット代とカンパを合わせた義援金202000円は、今回のライブ主催者である関口京子さん、河内さおりさん、私の3人で、一昨日東邦銀行を通して福島県双葉郡浪江町へ送金させて頂きました。(送金者の名前は連名できないとのことでしたので、会の名前と河内さんのお名前で送金しています。)

送金先を浪江町に選ばせて頂いた理由は、原発・地震・津波の三重苦の福島県の中で双葉郡浪江町は自主避難の方が多く、他の町に比べて援助をあまり受けていないということ、東京電力からの最初のお見舞金を町長さんがお断りされたという経緯があるためです。ライブの翌日の新聞で、実際に、やっと東電社長が浪江町に謝罪しに行ったこと、壇上から挨拶しようとして町民から怒号が飛び、土下座をしている姿が報じられていました。また当日ライブに来て下さったお客様のご親族の方々が浪江町ご出身で、やはり自主避難されているというお話をライブ後直接伺いました。少しでも早くとにかく少しでも早く安心した日々が戻ることを切に願い、お祈り申し上げます。

今回のライブでチャリティー出演という形でご協力して下さいました、AMIさん、屋良有子さん、ギターのフェルミンさん、歌い手のパコ・エル・プラテアオさん、本当にどうもありがとうございました。そして今回特別に会場を無料提供して下さったタブラオ「西日暮里アルハムブラ」さん、当日お手伝いに駆けつけて下さった皆さん、応援して下さった皆さん、本当にありがとうございました。皆様のご協力なしには実現できなかったライブだったと思います。

※左写真はライブ後アルハムブラ楽屋にて。(左から屋良有子さん、パコ・エル・プラテアオさん、AMIさん、河内さおりさん、関口京子さん、フェルミンさん。パコの前にいるのが私です。)

そして主催者として一緒に動いて下さった関口京子さん、河内さおりさん、本当にありがとうございます。(左写真は送金後の記念に。左から河内さおりさん、関口京子さん、私)このライブの発起人は確かに私ではありましたが、実際のところは気持ちばかり突っ走って、周囲をなぎ倒していたような気がします。そんな私をお二人の優しさ、落ち着き、寛容さが見守り、軌道修正してくれました。京子さん、さおちゃんのお二人がいらっしゃらなかったら、このライブは一体どうなっていたのか・・・本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

セビージャでも震災復興支援チャリティー公演に携わってきましたが、今回のライブが一番完結していたように思います。それはなぜかな・・・と考えた時に、京子さんがおっしゃっていたお言葉が一番ぴったりきました。

「3人がそれぞれの役割と仕事をそれぞれの適性で行い、3つの車輪となって動く事ができた」

このチャリティーライブは、もともと同日別の場所で行われる予定だったライブが中止になったため、共演予定だったお二人や他の方々に「チャリティーライブにしませんか?」と私の方から図々しくお誘いしたことがきっかけでした。その後、すぐに返信を下さった京子さん、さおちゃんと主催者として話を具体的に進め始めたのですが、その時私はまだセビージャにいたため、メールでのやりとり。膨大な量のメールで意見交換をする毎日でした。

そんな中、東京のフラメンコ界の状況を垣間みることができたり、いろいろな立場や状況からの異なった考え方を学ぶことができました。チャリティーに関しても人によって温度差があるみたい・・・考え方が違うのは当たり前だし、それがセビージャと日本の違い、文化の違いなのかなと思ったり・・・

チャリティーライブを開催するというのはいろいろな意味で難しい。でもそんな中で京子さん、さおちゃんと3人で一緒に試行錯誤してお互いの意見を尊重しながらライブの骨格を作り、開催し、お客様や他の出演者のみなさんに喜んで頂き、一昨日送金が完了したこと。本当に感謝しています。私は足りない所ばかりの人間で、そしてその足りない部分は非常に足りない。それを京子さんとさおちゃんから学びました。そんな私と一緒に動いて下さったお二人には本当に頭の下がる思いです。ありがとうございました。

他の人と助け合って初めて「できる」ということもある。そのためには相手を信じて感謝すること。人を愛するということ。今回のライブを通してそれが強く強く心に刻みつけられました。

2011年5月11日 セビージャにて。

May 9

こんにちは。いかがお過ごしでしょうか?

お蔭様で「第7回少人数制クルシージョ」(東京・中野4/16~30)は無事終了致しました。どうもありがとうございました。

遅くなりましたがクルシージョの収益金と生徒さんからのカンパを合わせた373385円を東日本大震災義援金として日本赤十字社に送金させて頂きました。(郵便局所定の義援金振込み用紙では、口座加入者名“日本赤十字社東北関東大震災義援金”と印刷されてあります。)被災された方々のお役に立てるよう、今後も復興のために微力ながら支援してゆければと思っております。

今回のクルシージョですが、震災前からお申し込みは始まっており、震災後、すでにお申し込みされていた生徒さん達から「今回は無理して開講しないで下さいね」「延期でも構いません」とお気遣いのメールをたくさん頂きました。セビージャでも「なんで今日本に行くの?」「怖くないの?」と多くの人に(同じ日本人にさえも)言われ続けていました。

あの時、限られ、誇張された報道の中でクルシージョ延期案を却下したのはなぜだろう、と思います。正直、とても怖かった。日本に帰るのが。でも家族と離れて自分だけ“安全な”場所にいることが許せなかったし、ここでクルシージョを延期しては絶対だめだ、という根拠のない思いだけがありました。外国人がみんな日本からいなくなってしまって、あれほど日本で働きたがっていたスペイン人アーティスト達は誰一人日本に行きたがらなくなり、セビージャにいる日本人さえも「しばらくは帰らない方がいいよね~」と話しているのを耳にし、「私は、行くわよ」・・・と。・・・反骨精神みたいなものでしょうか。・・・いや、あれは「怒り」に近かったような気がする。でも何に対して怒っていたのか・・・・よく分かりませんが、そんなものが自分をただ頑固にしていたように思えます。考えようにも震災後、日本に戻るまでの1ヶ月は頭も心もばらばらでパニックの状態でした。だからあの時なぜ決断できたのかよく分からないのですが・・・でも決断した自分がいました。

どう考えてもセビージャにいる方が状況は“安全”なのに、日本に着いて家族と会い、この国に自分がいることで初めて、やっと気持ちが落ち着きました。そして思ったのです。被災された方々の気持ちを「理解」しようとしていた私の「理解」は現実から程遠いものでしかない、ということを。

被災していない人間一人一人が「できることをやる」。その“スローガン”は正しいと思います。でも何かがずっとひっかかっていました。果たして、私はこれまでの人生の中で「できることをや」ってきたのだろうか?・・・・何かがちょっと違う。そもそも私は「できる」か「できない」かを考えて行動していたっけ???・・・・私にとって重要なのは「やる」か「やらない」か、ではないのか。それだけ。

そう!私は自分で「やる」と決めたことを「やる」のだ。なぜなら「できる」か「できない」かは「やる」ことなしには分からないから。人はそれを無謀と呼ぶのかもしれない。でもだから何?とにかく「やる」のみ。でもそのためには闘わなければ。自分自身と闘い続けること。

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今回のクルシージョに集まって下さった40名の生徒さん。全ての方からお話を伺っていませんが、たくさんの方が「クルシージョに出たことで元気が出た」「一人では始められなかったけど、クラスに来てがんばろうと思った」「やっぱり楽しかった」とおっしゃっていました。そして「次回8月に!」とみなさん元気な笑顔でお別れできたことを嬉しく思います。

大変な中、勇気を出して受講して頂きありがとうございました。私の方こそみなさんからエネルギーを頂き、あの時決断してよかったなと思います。そして受講されたくてもできなかった方へ。踊りのクラスを受けることだけがフラメンコの勉強ではありません。踊れない時間が自分の内面を深めることも知っておいて頂きたいと思います。そしてそれが、どんなに高度な技術やカッコいい振り付けを持つことより、何百倍も大切だということも。

いつの日かお会いできることを楽しみにしております。必ずお会いできると信じて。

「がんばろう日本」 「続ける。フラメンコ」

2011年5月9日(火) 明日セビージャに戻ります。 今のところはまだ湘南台にて。

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