Oct 27

22384119_1544678295614271_186302083511065547_oPROGRAMAみなさんこんにちは。いかがおすごしでしょうか?

今晩22:00、ペーニャ・エル・チョッサ(Calle Ricardo Palma 133, Sevilla)で踊ります。
ギター:ミゲル・イグレシアス
カンテ:エル・ガジ、モイ・デ・モロン
バイレ:萩原淳子
入場無料。お早めにお越し下さいませ。

昨日はこのペーニャでアルフレッド・テハダのカンテを聴いてきました。アントニオ・カリオンのギターとともに圧巻!お客さんは愛好家ばかりで、やっぱりカンテはそういう濃い空間で聴くのがいい。ペーニャ会場は楽屋にまで歴代の出演アーティストの写真で埋め尽くされ、ここで私踊るんだって緊張してきました。たくさんのお客さんから、明日観に来るからね!とお声をかけて頂き昨日はあまり眠れなかったなあ・・・。

でも踊るのだ!

2017年10月27日 セビージャにて。

Oct 11

みなさんこんにちは。いかがお過ごしでしょうか?

お陰様で風邪はだいぶ良くなりました。今日から本格的に自主練習を始めました。

10/27(金)ペーニャ・エル・チョサ(セビージャ)で踊ります!

  •  2017.10.27 // ペーニャ・エル・チョサ, (Calle Ricardo Palma 133, Sevilla), . 入場無料。
    22384119_1544678295614271_186302083511065547_oPROGRAMA

    Baile Cante Guitarra
    • 萩原淳子
    • ダビ・エル・ガジ
    • モイ・デ・モロン
    • ミゲル・イグレシアス 

9月中旬に出演したペーニャ公演での踊りを見て下さった、このペーニャ・エル・チョッサの方が「うちのペーニャでも踊ってほしい」の連絡を下さいました。「はい、是非是非!宜しくお願いします!」なんて嬉しくお返事しましたが、このプログラムが届いてびっくり!!!!毎年行われるペーニャ・エル・チョッサの文化週間のフラメンコプログラムなのですが、他の日に出演するアーティスト達が強豪すぎる!!!私の出演日の前日がアルフレッド・テハダ。最近エバ・ジェルバブエナの舞踊団で歌っているグラナダ出身の歌い手。今年のウニオンのコンクールの優勝者でもあります。そして最終日が今をときめくフラメンコ界のサラブレッド、マリア・テレモート。その間に挟まれている私って・・・。初日に出演するレメディオス・レジェス・モントージャという歌い手は初めて知りましたが、現代若手カンタオールの四天王(と私が勝手に命名している)うちの一人、アントニオ・レジェスのお姉さんか妹みたいです。わーすごいなー、聴きたいなー。

・・・・そんでもって、その中に私・・・・

・・・大丈夫なんだろうか・・・私・・・

でもペーニャの方が私に白羽の矢を立てて下さったのだから、ちゃんとしないと!!!

共演はこれまた強力、ギターにミゲル・イグレシアス、カンテにガジとモイの最強ユニットであります。この人達が揃って共演してくれるだけでもありがたい・・・(涙)頑張ります!!!(気合)

セビージャにいらっしゃる方、是非いらしてください。22時開演、入場無料。ただし、このペーニャはかなり会場が狭いらしいので満員になり次第締め切りとのこと。セビージャでもかなり離れた場所にありますが、フライヤーによると、地下鉄「Cochera(コチェーラ)」の駅から近いようですよ。

あー、先週風邪引いている場合ではなかった・・・今日からエンジンかけてバモー!!!

2017年10月11日 セビージャにて。

Oct 8

みなさんこんにちは。いかがお過ごしでしょうか。

今週末は残念なことに風邪を引いてしまいました。だいぶ良くなって来ましたが、本当は昨日ヘレスに行くはずだった予定がパー。昨日は17:30からペーニャ・ブエナ・ヘンテでモモ・モネオ、22:30からペーニャ・ティオ・ホセ・デ・パウラでマリア・テレモートのコンサートがあったのです。ああ、聴きたかったなあ。ヘレスのアーティストをヘレスのペーニャで、ヘレスのお客さんと一緒に聴く。こんな贅沢な週末はなかったのに・・・。ああああああ。

日本から帰ってきてすぐにペーニャ公演やクラスが始まったので、身体が疲れていたのかもしませんね。風邪でも引かないと倒れるまで突っ走ってしまう性分ですから、身体が、「おいオマエ、ちょっと待て」とブレーキをかけてくれているのでしょう。

とはいえ、脳みそは動いているもので・・・ここちょっと考えていたことをブログにしようと思います。

悪い「氣」をクラスで振りまく人がいる時。

日本のお教室のクラスだといつも生徒さんは同じメンバーだし、クルシージョで違う教室の人が集まると言っても、大体顔見知りだったりするかと思います。でもスペインのクラスは結構バラバラ。もちろんよく会う人もいるのだけど、基本的には国も文化も年齢もバラバラ。いろーんな人が集まってくる。それがいい時もあれば、うーんという時もあります。

うーん、という時。それは、この人のクラスを受ける姿勢って・・・???と思ってしまう人がクラスにいる時。自分がクラスを受けるにあたって、他の人のことは気にしないで自分のことに集中すればいいのですが、そういう人って大体感じが悪くて、その悪い「氣」みたいのを周囲に振りまいている。全然気づかない人もいると思うのだけど、私はそういう「氣」をすぐに察知してしまうタイプで、その「氣」にやられないように自分でバリアを張り巡らせたりして、そんなこんなでクラスにいるとすごく疲れてしまう。学ぶ以前に余計なエネルギーを使ってしまい、本来の学びにたどり着きにくくなってしまうのだ。

だからどんなにいい先生でも、クラスに一人そういう人がいると、クラスの雰囲気が悪くなりそのクラスではうまく学べない。まずは自分がそういう存在にならないようにするというのが第一だけど、そういう人がクラスにいたらどうするのか、それをスペインの先生達から学ぶこともある。

この間受講したとあるクラスでこんなことがあった。一人、とても悪い「氣」を飛び散らしている女の子がいた。その子がスタジオに入ってきた時、パッと見て私は、「あ、この子、マズイな」と思ったので彼女が立つ位置からなるべく離れてクラスを受けることにした。生徒側からすると、なるべくその人から離れた所でクラスを受けるしかない。近ければ近いほどその悪い「氣」を浴びてしまうから。

だからクラスでは何事もなく終わったけど、クラス終了後更衣室にて・・・。受講生数の割には狭い更衣室ということもあり、着替えていた時に肘が誰かに当たってしまった。「あ!ごめんなさい!」と言ってその人を見ると、なんとあの彼女だった・・・。彼女は立ち止まり、一歩引いて私を頭のてっぺんからつま先まで2往復くらい眺めた後、私を睨みつけて、うん、と頷いて無言で去ってしまった・・・。

関わりを持ちたくないので、私の方はなんにも言わなかったけど、一体どういう教育を受けたらこういう人間が育つのだろう、と疑問に思ってしまった。後から別のクラスメートに聞いた話によると、先生が説明している時にサパテアードの練習をカタカタやっていた彼女に注意したところ、彼女は「私には母親は一人で十分間に合ってる」(要するに、お前から注意をされる筋合いはない、ということ)と言ってきたらしい・・・。こりゃー筋金入りだわ。

次の日。何の因果か、彼女の斜めうしろに立つ事になってしまった・・・。彼女は踊りは下手ではない。でもすごい走る。走るというのは、ちゃんとしたリズムよりもどんどん早くなっていくこと。ちゃんとしたリズムを保てない。先生も彼女に注意しているのだか、聞く耳持たず?走り続ける。その走り続けるリズムが耳に入りりつつ、正しいリズムを保つというのは至難の技でもあるのだが、実際、自分が踊る時にそういう状況もなきにしもあらずなので(パルマが走ったりする中で踊らなくちゃいけないとか)それも自分の修練のうち。(と思うしかない)

その次の日。先生が「一列目は列を揃えて」と言う。例の彼女は一列目に入るのだが、彼女だけちょっと飛び出て後ろにいる。先生がまた同じことを言うが、彼女は動かない。何回かその繰り返しがあり、先生が今度は名指しでその彼女に列を揃えてと言った。すると彼女は「¿Como?」(コモ?)とほぼ口答え。¿Como?という表現は、え、何?という感じで自分が聞き逃してしまった時などに使う表現。でも声のトーンによっては、「何だと?もういっぺん言ってみろ」くらいのキツイ表現にもなる。彼女の声のトーンは後者で、それには萩原だけでなくクラス中が凍りついてしまった・・・。先生は冷静に「あなたよ、一列に揃えなさい」と言って、彼女を一列に揃えさせる。不穏な空気。

そのまた翌日。先生が「一列目はもっと前にいって」という。一列目に陣取りたい人達というのは必ず一列目にいるのだが、鏡の中の自分がよく見えるようにするためか後ろに下がる人が多い。そうするとその後列の人達の踊るスペースがなくなってしまうので、一列目の人というのはクラス全体を見て立ち位置を決める必要がある。まあ、それを生徒同士で調整できればいいのだが、それができない場合上記のように先生が指示を出すことになる。例によって彼女は動かない。また何回か先生とのやりとりがあって、やっと半歩だけ前に出た彼女。(でも、その後しばらくしてからまた一人後ろに下がっていたのを萩原は見逃さなかったぞ)その後、やっぱり彼女はガンガン走り出して、先生は彼女の目の前まで言って彼女に言った。「あなた、走っているからもっと落ち着いて」ところが、彼女は先生から顔を背けている。先生は「私が話している時は私の目を見て」。(日本では文化的に相手の目を見て話すということがあまりないかもしれないけど、スペインでは人の目を見て話す、聞くというのは当たり前、それがないと誠意や信用に関わります)彼女は顔を背けたまま言う「No.」。教室全体シーン。。。。「私の目を見て私の話を聞くことができないのね?」先生の問いに、彼女はやはり顔を背けたまま「できません」。その途端先生は鋭く言う。

「私の目を見て私の話を聞けないのなら、教室から出て行きなさい、今すぐに」

その時初めて彼女は顔を上げて言った。

「¿Como?」(この時の¿コモ?は前日の¿コモ?とは全くトーンが異なり、本当に状況が読めずにえ?っとびっくりした感じだった)

先生は

「クラスから出て行きなさい。お金は返すから、今日の分と昨日の分を」

と鉄拳!!!

彼女がどういう顔をしていたのかは見えなかったけど、真正面を見たまま、スタスタ去っていった。

私の中では想定していなかった展開だったので、びっくり、目玉まん丸になってしまった。先生はクラス全体に向かって「私は誰から責められるようなことはしていません。はい、クラスを続けますよー!」と普通にクラスに戻っていました。

うーん、すごいな。この状況でさっと元の通りのクラスに戻したその先生はすごい。先生だって人間だもの、心の中で相当なわだかまりや、敬意のない生徒に対する怒りというのだってあるんだと思う。でもそれを引きずらずに、パッと切り替えて何事もなかったかのようにクラスに戻る。すごい。

そこでふと思う。こういう先生は日本では「こわい」と言われてしまうのだろうか?その先生に限らず、先生がクラス中に生徒を外に出させた場面に出くわした事はセビージャで何回かある。いずれの場合もやはり生徒の方に問題がある、と私から見てもそう思えた時だ。生徒は先生を選べるけど先生は生徒を選べない、そんなことを日本でよく聞くけれど、そこら辺ビシッとしている先生はいらっしゃる。その時の感情によって生徒を追い出すのではなくて、またその生徒と先生の関係だけを見るのでもなくて、先生はクラス全体の先生でもあるわけだから、クラス全体に悪影響を及ぼす人にはクラスにいてもらっては困る、ということになる。またその生徒がその先生に悪影響を及ぼす場合も同様だ。それによって二次被害的にクラスの雰囲気が悪くなれば、他の生徒達がきちんと学べなくなる。そういうことも考えた上でのことなのだろう。

教えるっていろんな責任が伴う。

日本だと個別に話し合って「辞めてもらう」という形をとることが多いのかな?そういう方が日本の文化や習慣に合っているのかもしれない。いずれにせよ先生にはいろんな責任が伴うから、ただ教えればいいってもんじゃない。そういうのも含めていいクラスができるかできないかはその先生の手腕だし、それは単なる教授法にとどまらず、先生の人格にも関わっていると思う。

生徒としてクラスを受ける時の姿勢、そして教える側としてどういう姿勢でいるべきか色々考えさせられた「事件」でもあった。

2017年10月8日 セビージャにて。

Oct 4

22180126_10155727005206228_4179790276480508354_o22137047_10155727004916228_7323798326874089995_o22135680_10155727005686228_879774025051049998_o22135517_10155727003966228_2393206915730588178_o22181338_10155727004036228_423910129008412787_o22181190_10155727004391228_8086443650628089640_o22136898_10155727004511228_7942603394563942962_o22255032_10155727004516228_321879623588887690_o22219997_10155727004591228_1291416526702045388_o22136988_10155727004646228_4727949041580485937_o22135684_10155727004681228_3194961021657276905_o22218292_10155727004921228_1247464001435588108_o22218358_10155727004711228_5208851281099217764_o22256590_10155727004831228_5447948903937230330_o22135701_10155727005291228_1339705402509813978_o22181518_10155727005286228_351014620527324856_o22136997_10155727005621228_6134667458612481549_o22135714_10155727005691228_4512541673646708700_o22219990_10155727005871228_271980585346781404_oみなさんこんにちは。いかがでしょうか?

来年の3/1、ウトレーラのフェスティバル「タコン・フラメンコ」にて踊ります。今日はその記者会見でウトレーラまで行ってきました。

マエストロ、マノロ・マリンへのオメナへ、そしてアルテ溢れる土地ウトレーラのプーロなフェスティバル、「タコン・フラメンコ」にて踊る機会を頂けたことに感謝すると同時に、フラメンコ大先輩の林結花さんと心のこもった公演を作り上げたいと思っています。

詳細は随時ご報告させて頂きます。
是非皆様、ウトレーラへお越し下さいませ!

「第6回タコン・フラメンコ・フェステイバル」プログラム
2/24 ホアキン・グリロ公演
2/25 ヌエバ・サビア公演
2/26ー3/2 ホアキン・グリロのクルシージョ
2/26 マリア・マルーフォ公演
2/27 インティモ・イ・フラメンコ公演
2/28 マノロ・マリン講演
3/1  林結花&萩原淳子公演
3/2  インティモ・イ・フラメンコ公演
3/3  マノロ・マリンへのオメナへ公演
3/4  フラメンコ学校公演

写真:アントニオ・ペレス

Oct 2

みなさんこんにちは。いかがおすごしでしょうか?

10月になりましたが、セビージャは猛烈に暑いです。昨日は日中40度近くにもなっていました。今日も暑い!午後これから友達と会う予定ですが、待ち合わせ場所をアイスクリーム屋さんに変更!あーザブッとプールにでも入りたい!

2週間前のペーニャの公演が終わってから、セビージャのアカデミアでラ・ルピのクラスを受講していました。いつだったか日本のタブラオ、ガルロチに出演されていたのでご覧になった方もいらっしゃるかもしれません。マラガ出身のベテラン女性舞踊家。ブレリア、理論、タンゴの3クラスを受講しました。どのクラスも面白かったけど、理論のクラスが勉強になったかな。割とフラメンコ初級者向けの理論のクラスだったので、ある程度知っている内容だったりもしたのですが、自分が知っていることでも先生から改めて教わると、なるほど、と納得があったり、そういう説明の仕方をするのか、と教える面での勉強にもなります。ただ、フラメンコには正解がたくさんあると思うので、一つだけの理論を鵜呑みにしてしまうのは良くないですね。(ルピの教えがまちがっているというわけではなく)10月はルピに習ったことをいろいろな角度から研究してみたいと思います。

22096206_10155721433586228_3108985455651528077_o22095945_10155721433426228_1864912237023710424_o22137123_10155721433251228_6691747889408279365_o22135375_10155721433246228_3092579742801955724_o22104398_10155721433241228_8038058354063050441_o22051367_10155721433421228_6755635624299696210_o22104492_10155721433416228_710680920874530242_o22136871_10155721433561228_5109998639664944232_o22104722_10155721433576228_1560785554328538822_o22137225_10155721433826228_1161106927009304741_o22104775_10155721433836228_2746078034284202007_o22095938_10155721433821228_4008888627661454863_o22096164_10155721434226228_1454446570577635591_o22135293_10155721434466228_559480128538675095_o22104317_10155721434471228_4127720900966387716_o22179804_10155721434476228_8274513414166848034_oそして、先週の木曜と金曜はウトレーラで開催された、ディエゴ・デ・ラ・マルガラのブレリアのクルシージョに行ってきました。ウトレーラはセビージャから電車で20分程の小さな町。たくさんのフラメンコアーティスト、特に歌い手を輩出したフラメンコ色の濃い町でもあります。ディエゴ・デ・ラ・マルガラはヘレスの踊り手。ヘレスの人たちに「ヘレスのブレリアを最も素晴らしく踊る、踊り手」と絶賛される方でもあります。昔のカルロス・サウラの映画「フラメンコ」の中で、冒頭ヘレスのブレリアのシーンで踊っている方なので、ああ!と思い出される方もいらっしゃるかな?動画はこちら→https://www.youtube.com/watch?v=CeTIwQSOYr0

セビージャのルピのクラスでは、スペイン各地からやってきているスペイン人の踊り手や、外国人留学生がいっぱいなのに対し、ウトレーラでのディエゴのクラスでは、受講生はほとんどがウトレーラ在住のセニョーラ達(平均年齢50代くらい?)と、10代後半くらいの女の子達も3人いました。外国人は私と、スイス在住の日本人の踊り手さんだけ。なんともいい雰囲気。みんなのんびりしているというか、普通にフラメンコを習っている。こう、ある種の「ガツガツさ」というのが全くありません。いいなあ。

ディエゴは踊る時にはあんなにエレガントなのに、普段は子どものようなはしゃぎっぷり(笑)いきなりクルっと回ったり、ジャンプしたり、すばしっこい。目が離せない。というか、そんな動きにも実はアルテが隠れているんじゃないか、なーんて萩原は思ってしまうわけで(笑)、目を皿のようにしてディエゴを観察していました。(笑)

シンプルなんですね、なんでも動きが。動きだけ見ると、何だそれだけのこと?って思ってしまうかもしれない。でもそれだけのことに、ものすごいことがいっぱい詰まっている。同じように動こうなんて思っても、ダメ、だって同じようには動けない、根本的に全然違う。ああ、素晴らしいなあ。技術や振付の巧みさではないんですね。

あれはどこから来るんだろう。

一つ、とても重要なことを言葉で教えて下さいました。ブレリアを踊り終わる時の抜け方。ああ、そういう発想は私、持っていなかったなあ、そういう小さなことが実は大きな違いなんだなと、大いに納得。素晴らしい教え。忘れないようにしっかりとっておこう。

人生がシンプルであるなら、踊るということもシンプルでいいんだと私は思います。世の中たくさんの難しいことが溢れていて、いかに難しいことや目新しいことをするのかに躍起になっている人もいるけど・・・・、それはそれ。

そして、誇張。本当に心から嫌だなと思う。なんで誇張するんだろ。そのままでいいのに。

でもそのままに自信がないからきっと誇張してごまかそうとするんでしょうね。

フラメンコって、本当はシンプルで自然のはず。だって、カンテを聴いたらそういう内容じゃない?それを踊るわけだから。

写真:アントニオ・ペレス

2017年10月1日 セビージャにて。

Sep 17

21543938_1328790733896069_6542548860149132462_o21731071_1328790917229384_8194080456145530507_n21462418_1328790797229396_334809042938781435_n21731145_1328790677229408_7605809710134809119_n21741022_1328790790562730_2824200224668036508_o21751853_1328791030562706_1474870218983133488_n21751962_1328791007229375_5155482441676287470_n21761839_1328790963896046_6444541620881126960_nみなさんこんにちは。いかがお過ごしでしょうか?

お陰様でペーニャ・セーロ・デル・アギラ公演は大盛況で終了しました!公演のオーガナイズをして下さった、ギタリストのトゥデーラ、歌い手のプラテアオ、そして陰でいろいろ調整してくれたプラテアオの奥様でもあり今回のバイレ出演者でもあった由香ちゃん、本当にありがとうございました!そして遠藤郷子さん、鍛地陽子さんとも共演できてとても嬉しかったです!ありがとうございました!そして当日はギョエーって思うくらいたくさんのお客様にお越し頂きました。皆様、本当にありがとうございました!

ペーニャ・セーロ・デル・アギラでは10年くらい前に一度踊ったことがあるのですが、別の会場で舞台もまあまあ広かったです。それでバタ・デ・コーラを持っていたのですが、昨晩の会場は私が以前踊った場所ではなく別の場所。屋外の素敵な空間でしたが、舞台はかなり狭く・・・しかもお席は満席、お立ち見のお客様もぎゅうぎゅう状態。舞台の横にもお客様ぎっしり。バタで踊るスペースはほとんどなかったです・・・これまで色々な場所でバタで踊ってきたけど、昨晩の会場が史上一番小さい舞台だったかなあ。最初はギターとカンテのみが舞台に立つという話だったので、まあなんとか踊れるかなと思ったのですが、当日急にパルマも入ることになり、踊れるスペースはさらに小さく・・・本当に申し訳ないのですが、パルマの皆さんには立って叩いて頂きました。スミマセン。。。

うわっ踊りにくい!と思いながら踊っていたので、自分の中ではイマイチ。不完全燃焼。それでもペーニャのお客様は暖かく、たくさんの拍手やハレオをかけて下さいました。

そして、今日のブログのテーマ、がやってきました・・・

ジャジャジャジャーン。

ブレリアに入る直前、竜巻のようにぐるぐる回って止まってブレリアを呼ぶ所。大きな見せ場でもあります。この「竜巻回り」はバタ・デ・コーラの女王、ミラグロス・メンヒバルが若かりし頃アレグリアスで使っていた大技で、ブラッソを上げ、上を見たまま回る特殊な回り方。つま21764260_10154588498256642_2096353396_o21684248_1600388776666756_898385122_o21706071_10154588498121642_530951483_o21766916_1600388660000101_1276683887_o21684619_10214448632670033_1047174927_o9/15(金)セーロ・デル・アギラ公演り、回転のポイントとなる視点が上にあるので、自分の目の高さを支点にするのよりずっと難しい。目も回るし軸もぶれやすい。そんな回転をミラグロス先生から頂き、私もアレグリアスの中で使わせて頂いているのですが、この竜巻回りでぐるぐる回っているうちに、回転しながら舞台から落ちてしまったのです。

状況を説明すれば落ちたのですが、自分の中では回転を止めたら、あれ?私、なんで舞台の下にいるわけ?って感じでした。一瞬空中に浮いている感じがあって、?っと思った瞬間に着地。多分回っている間に少しずつ前に出て、舞台から落ちてしまったのでしょう。(なんせ舞台の奥行きがほとんどなかったから。笑)

幸い怪我もなく、というより、その体操選手のような完璧な(?)着地ぶりに、後ろでパルマを叩いて下さっていた鍛地陽子さんは「10点!」と思われたそうです。(笑)

なんか、竜巻回りしている時にものすごいお客様や共演者からの歓声が聞こえてきたんですよね。わー、盛り上がっている!もっとぐるぐる回っちゃえ!と私は調子に乗って回っていたのですが、それは歓声ではなく、「うわー落ちるぞー」という声だったみたい。最前列のお客様はみんな、私を受け止めるため(もしくはご自身の身を守るため?)両手を伸ばしていたそうです。(笑)

普通、バタ・デ・コーラで回転していて舞台から落ちたら、(そういう想定はレアケースだと思うけど)バタを踏んづけて転んで前歯折ってもおかしくない。もしくはお客様の中に飛び込んじゃうか。でも、あまりにも普通にストンと着地したので、後でトゥデーラからは「さすがジュンコ、仕込んでいたな」とか言われて。いや、そんなの仕込めるか(笑)

とにかく無事に着地したことで、お客様は盛り上がりは最高潮に。私の方ではなんで舞台の下にいるのかよく分からないまま、でも舞台の下でそのまま適当に踊っていました。(笑)舞台上のパコが手を差し伸べてくれて舞台に上がるまで。

その時のパコは王子様に見えましたねー。(笑)と後から言ったら、手を差し伸ばせと指示したのはギターのトゥデーラだったそう。なーんだ、って思ったけど、パコ曰く、すぐに手を差しのばしたらつまらんないから、そのままほっておいて私が何するか見たかったのだそう。うわ、放置プレイ(笑!)でもパコはよく分かっているね。それもさすが。あの日の踊りの中で一番楽しく、私らしかったと自分で思ったのはその舞台の下での数秒間だったから。・・・まあ、そんなこんなで後は舞台上でブレリアを踊り、私の踊りと1部は終了!

でも私、そういえばこのペーニャで踊る前にあることを思っていたんです。
最近、アレグリアスを踊る時になんだか自分の中で馴れ合いみたいのが出てきているかも・・・って。アレグリアスはもう相当昔から踊っているし、バタでもマントンでもいつでもOk。それはある意味踊りこんでいて、自分の踊りになっていて安心の面もあるのだけど、それが裏目に出て馴れ合いになってしまうこともあると思うんです。そんな自分になりかけていたのをもう一人の自分が、そんなんじゃダメだ!「ariesgar」しないとお前は成長しないぞって警告を出していたのです。

「ariesgar(アリエスガール)」

つまり、危険を冒すこと。踊り慣れているものを繰り返すのは安心。でもその踊りの中に一箇所でも、一体どうなるんだろうって自分でも思うような即興の部分をあえて作る。そんな話をエバ・ジェルバブエナがしていました。

今回はほとんどエンサージョなしで、私はアレグリアスって歌い手のパコに伝えたけど、本番パコはカンティーニャスを歌ってきました。その意味では歌振りが即興になったけれども、本当の即興はその後、舞台から落ちたところだったんだなって、今気付きます。

師匠トロンボが昔、言っていた。転ぶことは悪いことではない。人間だから誰だって転ぶ。でも重要なのは転んだ後。その後どう起きるのか。つまり、アクシデントがあった時にどう対処するかがそのアーティストの実力なんだと。

もしバタ・デ・コーラではなく普通の衣装でアレグリアスを踊っていたら今回のようなことは起こらず、舞台も広々使えて気持ち良く踊って、100点に近い踊りだったかもしれない。それはそれでいい。

でも。

「フラメンコってのは100点満点じゃないんだよ、他が0点でも一箇所1万点があれば、それがフラメンコなんだよ」

そう教えて下さったのはギタリストの俵英三さんでした。

そうなんだよなー。

自分があの瞬間1万点だったとは思えないけど、そんなフラメンコの奥深さを垣間みたかな。そんなことも思いました。

だからフラメンコは面白い。

最後になりましたが、まだ落っこちる前の踊りの動画を見に来てくれた姑が撮ってくださっていました。

こちらご覧下さい!→VID-20170916-WA0009

舞台写真:Objetivo Flamenco ラモン・アマジャ

その他の写真は共演の皆様から頂きました。ありがとうございました!

2017年9月17日 セビージャにて。

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