Feb 20

みなさんこんにちは。いかがお過ごしでしょうか。

木曜の「テ・デ・トゥリアーナ」ライブはお陰様で無事終了致しました。(ギター:フィティ、カンテ:エル・トゥリニ、踊り:アルヒロ、萩原淳子)前回のブログで、もう一人の踊り手を“男性舞踊手”とアップしましたが、女性でした・・・「テ・デ・トゥリアーナ」のライブでは男性舞踊手、女性舞踊手が一人ずつ出演すると聞いていたので、私が女ならもう一人は男と、勝手に思っていたのでした・・・しかしなんとアルヒロも同じ事を思っていたらしく、顔を合わせて「あれ〜女だ〜」とお互いにびっくりし、ゲラゲラ笑ったのでした・・・

当日はアルヒロがアレグリアスを踊りたいと言ったので、それじゃあ私はソレアかな。ということでソレアを踊りました。久しぶりのソレアで、やっぱり私の踊りはソレアなんだなと実感した次第です。ギタリストのフィティとは初共演でしたが、本当にいい瞬間がたくさんありました。こんなに踊りやすいギターってないんじゃないの、というくらいぴったり呼吸の合うギターでした。 トゥリニのソレアも重厚で、多分三者がそれぞれ光っていたのではないかな。ブレリアに入ってからは、それぞれの即興の掛け合いがあい、とても楽しかった。

ライブの次の日、観に来てくれた友達にこんなことを言われました。

「あんなにうるさい場所だったのに、よくあんなにすごいソレアを踊れたね。しかも、ジュンコが舞台に向かって歩いている時に男がジュンコの目の前を横切ったんだよ!信じられない!ひどい!」

・・・はあ?という顔をしてしまいました。 確かに最初はうるさかった。バル「テ・デ・トゥリアーナ」はグアダルキビル川沿いのベティス通りにあります。トゥリアーナ橋やヒラルダの塔を眺められるその通りは観光のメッカ。フラメンコはバルの奥の方で行われますが、入り口はライブ中も開放しているので通りにいる一般の通行人の騒ぎ声が筒抜けになります。私のソレアが始まった時、フィティのギターが始まった時、その騒ぎ声でギターが聞こえにくかった。そしてライブのお客さんが「シーシー」と静かにさせようとしている声も聞こえて来ました。そこまで。そこまでは確かに、私もうるさいなと思ったけど、それからはギターとカンテしか聞こえなくなったので、静かになったと思っていたのでした。でも実際は通りの騒ぎ声はずっと続いていたそうです。そして、私がお客さんの間を縫ってソレアを聞きながら舞台に歩いて行った時、ある男が私の目の前を横切った・・・・らいしのですが???全然知りませんでした。

自分が踊る時、ギターやカンテを聞き始めると、おそらく私の中で何かが起こります。その時の独特な感覚がある時は、あとは自分の身体から流れ出るものに素直に従えば、その時の踊りはきっとフラメンコなのだと思います。そしてそういう時の自分には恐らく余計なものは入ってこない。周りの騒ぎ声も私の踊りを阻むものも。

10年以上前にやはりソレアを踊った直後にお客さんから「大丈夫でしたか?痛くなかったですか?」と聞かれたことがあります。「何が?」と聞いたら「え、腕から血が流れていますよ」と言われたのです。え?!と思って自分の腕を見たら本当に血がたらたら。どうも踊っている最中にシージョ留めの針が外れ、それが腕に刺さりそのまま腕を動かしていたので針で腕をザザザと切っていたそうなのです。・・・ひえ〜と貧血を起こしそうになってしまいました・・・もちろんその時も全然痛みなんて感じなかった。(今ではもう、うっすらとしかその跡は残っていませんが、しばらくの間は跡が残っていたので本当は痛かったんじゃないかなと思います・・・。)

もちろんそれがいいか悪いかは分かりません。踊り終わった後に気付いたら歩けなくなっていて、その後1ヶ月半びっこを引いていた経験もあるから・・・。でもあの独特の感覚なない時は、確かに技術的には上手に踊れるかもしれないけど、ただソツなく無難に踊った、という結果になる場合が多い。なんなのだろう。ラジオのチューニングをするように、ギターとカンテに自分をチューニングさせる感覚。自分を集中させようと思って集中するのではなく、また何かを思い出したりストーリーを作って感情移入させるのでもない。ただギターとカンテを聴く。だからこそカンテとギターがいいものでないと。でもただよく弾けてよく歌えればよいという訳ではありません。なぜなら私達はそれぞれ人間だから。それぞれの、その人間としての何かがフラメンコを通してカチっと合った時、初めて私達はフラメンコの扉を開くことができるのではないかな。そしてその開かれた扉にすっと素直に入れる人が、同じフラメンコを共有できるのではないかな。

別の人がライブの終わった後に私にこう言いました。

「あなたのパソ、盗んじゃった♪」

「お好きなように。」私は答えました。そう、盗みたければ盗めばよいのだ。でもあなたは、何もフラメンコを学べない。フラメンコを感じられない。たとえパソを盗めても、その時は得したようでも、一番大切な瞬間を共有できなかったのだ。それはもう二度と現れない。それを自ら放棄したのだ。そして、あなたが盗んだそのパソは私のものと同じかもしれない。でも決して同じではない。なぜなら私のパソには私の歴史がある。これまでに私は何度もソレアを踊った。私の人生の中で何度も。その中で繰り返し繰り返し何度も涙を流し、そうして学びとったパソなのだ。

でも思い出さなくてはいけないことは、“私の”パソ、なんて本当はないのだ。フラメンコの長い長い歴史の中でそのパソは作られたのだ。誰のものでもない。本当は。でもその長い歴史に敬意を払い、自分の人生をかけて自分の命を吹き込めは、そのパソは自分に答えてくれる。いつも自分と一緒にいてくれる。そしてその命は誰かの心に伝わるはずだ。

フラメンコは電子レンジではない。長い長い時間をかけてやっとできるものだ。長い長い時間をかけてもできないかもしれない・・・自分の一生をかけても。でも続けていく。そのフラメンコに出会えたことだけで、私がこの世に生まれてきた意味があると思うから。

2011年2月19日 セビージャにて。

Feb 16

みなさんこんにちは。いかがお過ごしでしょうか?

今晩、セビージャの「テ・デ・トゥリーアナ」のライブに出演します。そこにいつも出演しているギタリストのフィティから声をかけて頂きました。カンテは過日のペーニャ・ピエス・プロモ公演で共演したエル・トゥリニ。なんと豪華な共演陣!踊りはアルヒロという男性舞踊手と私の二人。一人一曲ずつ踊るとのことですが、何を踊るのかはまだ分かりません。事前の合わせもないみたいです。さてどうなるのでしょう。楽しみです。

2012.2.16 // テ・デ・トゥリアーナ – セビージャ. 22:30H. 入場無料.

Baile Cante Guitarra
  • アルヒロ
  • 萩原淳子
  • エル・トゥリニ
  • エル・フィティ

ではまたお会いしましょう!

2012年2月16日 セビージャにて。

Feb 12

みなさんこんにちは。いかがお過ごしでしょうか。

2/3(金)のペーニャ・ピエス・プロモ公演はお陰様で無事終了致しました。その前のペーニャ公演に引き続き、今回もたくさんのお客様にお越し頂き感謝しております。外国人フラメンコ留学生、日本人の留学生のみなさん、地元のフラメンコ愛好家、プロの歌い手達の姿も客席に見られました。誠にありがとうございました。

やはり緊張もしていましたが、前回のペーニャ公演よりもよかったと思います。床が結構すべったのと、歌い手のトゥリニのパルマが走りがちで、ちょっと危ない面もありましたが・・・。

共演ギタリストのミゲル・ペレスの言葉が印象に残っています。(一番嬉しかった言葉は自分の心の中にしまっておくことにして)ミゲルの言葉。

「カンテとギターを聴いて踊るということは、相手へ敬意を払うことだ」

何度も何度もこのブログでも書いていますが、ミゲル・ペレスというギタリストは本当に本当に素晴らしい人間性を持っていると思います。いつも舞台の上では私に寄り添ってくれて、舞台の外では大切な言葉を残してくれる。ミゲルと出会えたことに感謝しているし、彼が私と共演してくれることにも感謝しています。

そしていろいろな出会いもありました。ミゲルと一緒によく仕事をしている、ある歌い手がこの日観に来てくれていました。その歌い手とは私は共演したことがないのですが、彼は私の踊りがとても好きだそうで、彼が所属するあるカンパニーの踊り手に私を推薦してくれたそうです。そのカンパニーの練習には4月から参加することになりました。もしかしたらその話しは流れてしまうかもしれないけど(残念ながらよくあることです・・・)それでもなんだか嬉しいです。

次回出演するライブも、ギタリストのフィティから声をかけられました。マリア・パヘス舞踊団で活躍するフィティ。彼のギターには香りがあります。彼のギターを聴いていると自然と踊りたくなってしまう。そんなフィティと共演できるのはとても嬉しい!

2012.2.16 // テ・デ・トゥリアーナ – セビージャ. 22:30H. 入場無料.

Baile Cante Guitarra
  • アルヒロ
  • 萩原淳子
  • エル・トゥリニ
  • エル・フィティ

いろいろなことがあって、世の中にはいろいろな人がいて、悲しい思いをすることも多い。でもそんな中でも私の踊りを感じ取ってくれている人達がいるのだ、とひっそりと、でもしっかりと確認することができてよかった。。。

実はもう一つの出会いもあり、先週から始めた興味深いこともあります。それはまた次回ブログにて。お楽しみに!

2011年2月12日 セビージャにて。

Feb 3

2012.2.3 //  ペーニャ・ピエス・プロモ – セビージャ.  22:00H. 入場料5ユーロ.

Baile Cante Guitarra
  • 萩原淳子
  • エル・トゥリニ
  • ミゲル・ペレス

みなさんこんにちは。いかがお過ごしでしょうか。

今晩とうとうピエス・プロモでのペーニャ公演です。昨日、共演ギタリストのミゲル・ペレスと歌い手のトゥリニと合わせをしました。何度も共演しているミゲルと、今回初共演のトゥリニ。実はトゥリニには何度か共演しようとこれまでに試みたのですがスケジュールが合わず、今回やっと初共演となりました。いつも舞台の上にいたトゥリニ。昨日初めて近くで見たら何か似ている・・・鳥???「トゥリニ」じゃなくて「鳥似」???

・・・不謹慎にもくだらない事を考えながら合わせが始まりました。しゃべり出したトゥリニ。「ケ・・・ケケケケ?(ななななななな何?)」「コココココココ・・・コモ?(ななななななな何だって?)」やっぱりこの人は鳥なんじゃないかと思ってしまいましたよ。ま、そんなわけはないのですが、それよりトゥリニにはどもる癖があるのです。歌い手なのに?びっくり。歌い手なのにどもるの???

ところが。歌い出したらすごい。感動しながらタラントを聴きました。そしてアレグリアス。トゥリニはカディス出身の歌い手。あ〜この歌を聴いて踊れるのか。そしていつも素晴らしいミゲルのギターと。あとはどうでもよくなってきました。今まで自分をコチコチにしていたものが全部す〜っと溶けていくような感じがしました。

フラメンコってそういうものなのではないかな。少なくとも私の踊りは。誰がなんと言おうと。

そして今晩踊ります。

2011年2月3日 セビージャのとあるバルにて。

Jan 29
土曜日のペーニャ公演を終えて。
La Yunko | ブログ, 新着情報 | 01 29th, 2012| Comments Off

みなさんこんにちは。いかがお過ごしでしょうか。

お陰様で無事に土曜日のライブは終了致しました。たくさんのお客様に来て頂き本当に感謝しております。小さなペーニャで50人入れば満員のところ、60人もいらっしゃったそう。さらにどんどんお客さんが増えたらしいのですが、会場に入りきらなくてペーニャの方がお断りされたそうです。本当に申し訳ございませんでした。

今ライブが終わってミニ打ち上げをし、家に着いたところです。同居人が寝てしまったところでブログを更新することにしました。きっと自分の気持ちを整理しないと前に進めない。そんな気がします。

最低最悪の踊りをしてしまいました。ひどかった。よく、共演していた歌い手達が一緒に仕事をした踊り手がひどい踊りをした時に「あいつの足は切るためにある」という言い方をしていましたが、まさにさっきの私の踊りがそれでした。あんなサパテアードなら足なんていらない。ほとんど全てコンパスを外していました。

満場のお客さんはなぜか拍手喝采で大満足だったようです。でも私は自分がどんな踊りをしたか自分で分かっているので「来てくれてありがとう」とだけお礼を言うのが精一杯でした。直接お礼をお伝えできなかった方も多かったと思います。この場をお借りして・・・ありがとうございました。

トロンボのクラスを再び受け始めて数ヶ月。私はずっと悶々としていました。トロンボのコンパス。クラスにいるヒターノの男の子達(ポレーテとペテーテ)のコンパスに私は毎日うちのめされています。そのコンパスに心から「ole」と言ってしまう自分と、自分が打つサパテアードやパルマに幻滅する自分。練習しても、いや、こんなんじゃない。何かが違う。違うのは分かっている。でもその違いを埋められない。多分感性がどんどん鋭敏になっているのだと思います。今までの自分では気にもとめなかった音が、許せない音になっている。それを分かっていながらどうすることもできず、そのままペーニャ公演を迎えてしまったのです。

これまでの練習で何かをつかめた感覚がまるでない。準備不足だという思いが強くて、それが不安につながり自分をコントロールできないまま舞台で踊り、それがもっとひどい状態でサパテアードに出てしまったのだ。要するにそういうこと。

もう10年以上前の話しですが、やはり舞台で大失敗をして(初めて舞台でソロを踊った時でした)どう立ち直ったらよいのかあの時は分からなくて、当時習っていたクラシック・バレエのC先生に相談したことがあります。先生はこうおっしゃいました。「たくさん練習したと自分で思っても舞台で失敗するということは、練習がまだ足りないからなのよ。」・・・・え?あんなに練習したのにまだ足りない?・・・私は驚きました。でもそれがとあるバレエ団でプリマとして活躍されていた先生のお言葉なら、本当なのでしょう。プロとして踊るということはそういうことなのだ、とはっと気付かされた記憶があります。

そして先生はその時もう一つ重要なことを教えて下さいました。「じゅんちゃんは、自分の悪い所ばかり見ている。自分の欠点を探すのも勉強だけど、良い所も探さなくてはだめよ。でないと他人の踊りを観る時もその人の欠点しか探さなくなるから。」

私の良い所・・・。あれから10年以上経ってやっといくつか見つけることができました。わざわざそれをここで表明する必要はないけれど、その良い所を感じとって下さったお客様が今日のライブで満足されたのだと思います。それが心に届いたのだと思います。

それはそれで重要な事。それがなくてはフラメンコにはならないから。でも私はプロとして踊るからには自分に足りない部分をもっと磨かなくてはならない。次の公演は来週の金曜日。もう1週間もない。自分がやろうとしていることにはまるで時間が足りない。でもやらなくては。

自分の一生をかけても多分到達することはないだろう。でもやると決めている。それと同じこと。

今回の踊りはきっと意味がある。ああ踊ってしまったのは、これから私が成長する上で必要となるのかもしれない。今までもそうやって繰り返して乗り越えてきたから。また繰り返すの?これから先10年も?とげんなりもするけど、それが私の学び方なのだと思う。

  • 次回公演・・・・2012.2.3 // ペーニャ・ピエス・プロモ(セビージャ)22:00開演、入場料5ユーロ
Baile Cante Guitarra
  • 萩原淳子
  • エル・トゥリニ
  • ミゲル・ペレス

2011年1月29日 これでやっと眠れるかな。 セビージャにて。

Jan 26

みなさんこんにちは。いかがお過ごしでしょうか。

今週の土曜と来週の金曜日にセビージャのペーニャで私の公演があります。タラントとアレグリアスを踊ります。今日は土曜日に共演するギタリストのホセ・ルイス・メディーナと歌い手のディビと合わせをしました。ホセ・ルイスはここ1年ほどタラントを弾いていなかったらしく悪戦苦闘・・・「本番までに練習しておくね」と言っていましたが大丈夫なんだろうか・・・そんなこと言う私もタラントを踊るのは多分2年ぶりくらい?大丈夫なんだろうか・・・

実はすごく不安で最近はよく眠れていません。常に頭の中でカンテとギターが流れていて止まらず、小さい私が頭の中で踊っています。そのくせスタジオに入ると集中できないのです・・・最悪の悪循環。こんな状態でどうしようと思いながらとぼとぼ道を歩いていると、すれ違いざまに耳に入った声がありました。あ!この声は!と思ってバッと振り向くと・・・・やはり・・・・ミゲル・ポベダでした。妹のソニア(踊り手)としゃべっているミゲル・ポベダ。人目を気にしているのか(さすが超大物アーティスト)帽子とマフラー、サングラスで変装しているぽかったのでチラ見でしたが、かなりガン見が入っていたかもしれません。

なんだかちょっと得した気分。それで踊れるようになるわけではないのですが。全然。

というわけで・・・何卒応援よろしくお願い致します。

2011年1月26日 チラシは素敵だと言われます。チラシは・・・ね。 セビージャにて。

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