Mar 14

みなさんこんにちは。

地震のことをスペイン時間の朝、クラスに着いた時に同じ日本人の受講生から知らされました。その瞬間、何も言わずにドアをバン、と閉め、外に飛び出していました。家族は・・・私の家族は・・・。こんな時に限って、充電していた携帯を宿泊先の友人宅に忘れてしまった・・・・。公衆電話はどこ?・・・見つかったけど、電話がつながらない。近くのネットカフェはまだ開いていない。宿泊先の友人宅までは歩いて40分。タクシーを拾おうにもタクシーはどこ?セビージャだったらすぐにタクシーがつかまえられるのに。走って走って・・・・やっと友人宅に着いて。置き忘れた携帯にセビージャの友達からのいくつもの留守電が。私の家族からの連絡はない。急いでパソコンを立ち上げ、妹に安否確認のメールを送る。テレビをつける。信じられない光景。しばらく呆然とテレビを見、セビージャの友達に電話をし、妹からの返信を待ち、もう一度両親に電話してみる。そんな私を、友人夫婦の子供、ゴンサロが見ている。いつもだったら私にちょっかいを出してくるけど、今日は何も言わない。無断で、彼が見ていたお気に入りのディズニーチャンネルから、ニュースに切り替えてしまった。でも何も言わない。2才の子供に地震は理解できないだろう。でも私がいつもの状態でないことは理解しているみたいだ。ゴンサロ、ごめんね。

クラスには1時間半遅刻した。先生のハビエル・ラトーレが心配して私の家族の安否を尋ねてくれた。でも連絡がとれていない。ラトーレはそうか、と言って私を抱きしめた後、「舞台は明日だから、集中して」と言った。そうだ、舞台は明日なのだ。私がいない間にブレリアの最後の部分の振付けがほとんど終わっていた。一生懸命遅れを取り戻そうとしても集中できない。何も頭に入ってこない。こんなのではだめだ、そう自分に言い聞かせているうちに、残りの1時間があっと言う間に経ってしまった。

クラスの後いつも何人かのお友達とご飯を食べていたが、その日はやめる。それぞれ家に帰る。その時、同じクラスの日本人受講生のご実家が倒壊してしまった、という話しを聞いてしまった・・・

本番当日。午前中のクラスは舞台上で行われた。クラス兼、通し稽古。前日振付けられたばかりのブレリアがぐちゃぐちゃだ。みんな「覚えられない」と焦っている。私はもっとだ。今まで大丈夫だった部分まであやふやになってきてしまった。集中しなくてはならない。そんな中、ギターがコンパスを外す。これまでの練習中から微妙にずれていたギター。今日はソレアの歌振りで完全に外す。3度も。舞台上で立ち尽くしてしまう私たち。「ちゃんと歌っているわよ!」歌い手が怒鳴る。「何やっているんだ!」ラトーレもまでも。「いい加減にして!こんなギターでどう踊ったらいいの?!」一人の受講生が私に訴える。その通りだ。でもみんなの前で「ギターがおかしい」なんて言えない。なぜ皆、気づかないのだろう・・・。そんな調子で自分も周りもおかしなまま、通し稽古は終わってしまった。本番まであと6時間。大丈夫なのだろうか・・・?

そしてその本番はあっという間に終わってしまった。ラトーレの弟子のスペイン人の踊り手3人とハビエルがそれぞれソロを踊った後が私たちの出番。暗転し幕が降りる。その間、自分の立ち位置につく。その時思った。私は踊る。間違えてもいい。転んでもいい。(超スピードの2回転があった)とにかく踊るのだ。日本にいる人達のことを想って。

舞台終了後、ラトーレが観客に挨拶する。「この1週間、合計たった15時間のクラスで学んだことを今日発表しました。皆よくがんばり、素晴らしい作品に仕上がったと思います。そして今回特にがんばったのは8人の日本人受講生。昨日のクラスは彼女達にとっては本当につらいものでした。クラス中、携帯で家族の安否を確認したり。そんなつらい中、よくがんばってくれました。」私は涙が出そうになった。そんな私の肩を隣にいたジョランダが抱きしめてくれる。彼女は昨年のラトーレのクラスにも参加しており、一緒にアレグリアスを踊った。楽屋でもフランス人のマリアが「日本に帰れない人、私の家に泊まって。」と私たちに声をかけてくれる。そしてラトーレ。厳しい状況の中でも群舞作品を仕上げなければならない。集中できない何人かの日本人に叱咤するのはつらかっただろう。

通し稽古が終わった後、実はラトーレは舞台上で観客に言ったことと同じ事を受講生全員にも言っていた。でもその時は8人の日本人受講生の名前を一人一人言ったのだ。「キョウコ、カナコ、サチコ、ノリコ、コトエ、フユカ、サトミ、ジュンコ」。私たち日本人だけではない。ラトーレは20数名いた受講生全員の名前を覚えていた。たった1週間のクラスなのに。もう会うことはないかもしれないのに。そんなところに、私はラトーレの人間性がにじみ出ているように思う。

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この1週間、私は自分の身体の小ささを気にしていた。大柄な欧米の受講生の中で、私は明らかに小さい。そして華奢だ。線が細い。彼らの中で私は埋もれている。そんな自分を鏡の中で発見する度に、落ち込み、それをまず精神的に乗り越えることに労力を要した。ラトーレの弟子のスペイン人達は身長が高く、手足が長い。そしてその恵まれた身体を存分に使うことに長けている。舞踊団に所属する人、独特の踊り方。舞台で大きく美しく見せることを第一目標として教育されている人達。それをもって、フラメンコとするか否かは別として、私が持っていないものを彼らは持っている。もちろん、彼らが持っていないものを私は持っている、と思う。でも重要なのは、どちらが優れているか、という問題ではなく、学ぶことだ。どうしたら私は大きくなるのか。身体のポジション、筋肉の使い方、動かし方、そういった技術的なものをラトーレの弟子達から学び取った。そう、そんなことは誰も教えてくれない。自分でつかまなくてはならないのだ。

でももっと重要なことは、その踊り手が内包するエネルギーだ。どんなにスタイルがよく、身体能力に長けていても、そのエネルギーがなければ、もしくは足りなければ、その踊りは観客の心には伝わらない。感心はしてもらえるかもしれないが、感動はない。そのエネルギーがほしい。そのエネルギーが自分の身体から押し出されなくてはならない。観客だけではない。そのエネルギーが日本にまで伝わってほしい。

私の家族は無事だった。東京に住んでいるお友達も、つくばの国際美学院の先生方も、仙台に住む踊り手の藤井かおるちゃんも。でも無事ならそれでいいのか、周りのスペイン人達がそれで安心するように。毎日一刻一刻とニュースを見て、胸が痛くなる。私の国で起こっていることなのだ。

私が踊る意味って、何なのだろう。私ができることは・・・。

2011年3月14日 帰って来た、セビージャにて。 (写真:アントニオ・ペレス)

Mar 9

2011.3.12 // 「タジェール・デ・ハビエル・ラトーレ」 -サラ・パウル ヘレス)19H 入場無料

Baile Cante Guitarra
  • ハビエル・ラトーレのクルシージョ生徒有志(萩原淳子、他)
  • メルセデス・コルテス
    • ジョルディ

みなさんこんにちは。いかがお過ごしでしょうか?

ただ今私はヘレスにおります。セビージャに着いたのが3月2日。それから荷物をほどいて、個人レッスンでバタ・デ・コーラのカラコレスの振付けをし、そしてまた荷造りして3月5日にヘレス入りしました。そう、ただ今へレスでは毎年恒例のフラメンコ・フェスティバルが行われています。今年は午前中にハビエル・ラトーレのクラスを受け、夜は劇場公演という1週間の、本日3日目。

ヘレスに着いたら、結構日本人の姿を見かけました。いろいろな方から「ブログ読んでます」と声をかけられ・・・「ハビエル・ラトーレのクラス、ブログにして下さい。」とリクエストがあり。そう、すごいんです。ラトーレのクラス。昨年もこのフェスティバルでラトーレのクラスを受け感銘。今年もまた受講することにしました。

フェスティバルで行われるクラスは7日間、1日2時間半のクラスです。2時間半ぶっ続けのクラスというのもすごいけど、このラトーレのクラス、なんと、この7日間の最終日にこのクラスで学んだ振付けを舞台で発表してしまうのです。それもヘレス・フェスティバルの公式プログラムとして。クラスのレベルはプロフェッショナル。事前にビデオ審査もあります。(こんなことを書くと、ものすごいクラスのようですが、集まってくる受講生のレベルは結構ばらばらだったりします。だから、そんなにすごくないですよ〜)

今年の振付けはソレア。3日間でサリーダ(出だし)、歌振り、ファルセータ、エスコビージャ、ソレア・ポル・ブレリアのファルセータまで終わりました。でも振付けだけじゃないですよ。舞台で踊るわけですから、フォーメーションもどんどん決めて行きます。うわ〜、頭がパンパン。残りの振付けはソレア・ポル・ブレリアの歌振り、エスコビージャ、ブレリア。今日が水曜日でしょ、ということはあと4日後には舞台で踊っているのです。信じられない〜

受講生は全部で25名くらいかな?今年は日本人も多いです。全部で8人くらいかな?それにしてもすごいのはハビエル・ラトーレ。それだけの人数、そしてしかもばらばらなレベルの受講生達を群舞集団にまとめあげて行くわけですから。どう考えても無謀。でもそれをやってしまうラトーレ・マジック。そのマジックに去年やられてしまったのは私だけではありません。昨年も受講してた人達も姿もちらほら見えます。みんな顔を覚えていて、わ〜なつかし〜!

昨年は今年以上に受講生のレベルの差が激しかったように思けれど、みんなすごくまとまっていていい空気が流れていたのを覚えています。今年はどうなるのかな・・・みんなそこそこ上手に踊る人達が集まっているけど、3日間終わって、なんとなく空気が固い気がする。お互いをライバル視しているというか、自分が上手いと思い込んでいるというか・・・そういう雰囲気って群舞に悪影響を及ぼすんですよね。全部で25名くらいいるわけですから、常に全員が舞台の上に乗っているわけではありません。袖に引っ込んでいる人と舞台で踊る人。舞台の上でも前列の人後列の人。中心にいる人、端にいる人。それをラトーレが決めていきます。昨年は割と均等に全員舞台に乗っていたと思うけど、今年はちょっとばらつきがあるかも・・・。3日間終わってまだほとんど舞台に乗っていない人もいます。残りの4日間でもう少し舞台に乗せてもらえるのでしょうか・・・・その人達は・・・

でも残念なのは、舞台に乗せてもらえないからといって(今のところ)、群舞を放棄してしまっている人がいること。自分の踊りらしきものを隅で練習してたり、あきらかに不服そうな態度を見せたり。気持ちは分からないでもないけど、自分が踊れなくても学べることはいっぱいあるのに。私は逆に、今の所は舞台に乗せられている立場だけれど、もしそうでなかったとしても、自分の踊りの練習はしないよな・・・きっと。不服そうな態度もとらないと思うな・・・だって、それって先生に対しての敬意というものを欠いているのではないかな・・・

そして、踊るパートが多い私(今のところ)。しかもエスコビージャではど真ん中にされてしまいました。どうしよう・・・不器用な私。振りつけられたものをぱっとすぐにできないのです。特にエスコビージャ。足は動いても、ブラッソ(手や腕の動き)をつけると、おかちめんこになってしまう。足だけならできる。ブラッソだけでもオッケー。それなのに一緒に合わせるとどうして、おたんこなすになるのか?しかも4日後だよ〜舞台は〜。ブログ更新している暇があれば練習しろ、と自分でツッこんでしまうけど。

そう言えば昨日、去年一緒にクラスを受けていた人がこんな事を言っていました。

「群舞ってフルーツ・ポンチみたいだよね。一つ一つの果物が合わさって、おいしいポンチになる。どの果物が欠けてもだめ。出しゃばり過ぎてもだめ。でも一つ一つの果物にそれぞれの良さがある。ハビエルはポンチを作るのが上手なんだよね。」

そうか〜!なるほど〜!本当にそうだよね。「フルーツ・ポンチ」という例えは思いつかなかったけど、そうだ、去年私が学んだことはそれだったんだ。だから今年もまたこのクラスを受講することにしたんだ。自分の踊りもちゃんと練習するけど、最終的にはおいしいポンチができればいいんだ。そうか〜、大切なことを忘れていた〜。思い出させてくれてありがとう。

がんばるぞ。学べることは全部学んで、できることは全部やって。あと4日間で私は変わるぞ。

ではまた後日、ご報告します!

2011年3月9日 ヘレス、お友達夫婦の家にて。

Feb 28

みなさんこんにちは。いかがお過ごしでしょうか?

先日行われたマルワ財団主催CAFフラメンコ舞踊コンクールのエキシビション出演、無事に終了することができました。観に来て下さった皆様、応援して下さった皆様、ご感想のメールを下さった皆様、どうもありがとうございました。

コンクール本選の舞台を生では拝見できなかったのですが、何人かの踊り手さんの舞台合わせや、本番のモニターなどでちょっと拝見させて頂きました。みなさんのコンクールに対する意気込みもひしひし伝わってきました。満足のいく踊りができた方、おめでとうございます。それは受賞か否かという結果にかかわらず素晴らしいことだと思います。満足のいく踊りができなかった方、その悔しい思いがきっとあなたを成長させることでしょう。客席で、もしくはネット上で批評するのは簡単。誰にでもできること。そうではない立場で自分自身と闘ったみなさん全員に私は拍手を送りたいと思います。

そして、コンクールに出たくても出られなった人・・・・とても残念に思います。でもコンクール出場・受賞だけがフラメンコ人生ではありません。皆ひとそれぞれ自分なりの道を探して邁進してゆけばよいのではないのでしょうか?「出られなかったけど、私もがんばる!」と思ったみなさんにも私は拍手を送りたいと思います。そうだそうだ!お互いがんばろう~!

さて、私が出演したエキシビション。バタ・デ・コーラでアレグリアスを踊りました。終了後、客席にいらっしゃった岡田昌己先生に私の踊りについてご意見を伺うことにしました。私が前々回コンクールに出場した時の審査員でいらっしゃった岡田先生。その4年前にもご意見を伺ったのですが、うならされました。「あなたの踊りにはペジスコ(直訳するとつねり、ひねり。でもこれはフラメンコ用語でもあるので上手く訳せません。)があってよかった。でも、これはあなただけではなく出場者全員に言えることだけど、最近の若い人達は当たり前のマルカールがちゃんとできていないのよ。クルシージョでたくさんカッコいい振り付けをとれるのはいいけど、一番肝心なことができていない。これはクルシージョの弊害ね。」・・・・・・・・・・・全くその通り。核心をついていらっしゃる。その時、私は3位で正直その結果に満足していませんでしたが(今だったら言えますよね!うひひ)、でもこのお言葉を伺いマルカールもできない私が優勝しなくてよかった、と思ったのです。あの時優勝して有頂天になっていたら、あの重要なお言葉をすっと聞き流していたかもしれない。そしてもしそうだったとしたら今の自分はありえない。

前置きが長くなりましたが、そんな岡田先生のお言葉をまた伺えたら!と思い、ずっと岡田先生がお一人になるのを狙っていたのです!ふふふ。そしてエキシビションの私の踊りをご覧になった岡田先生のお言葉は・・・・

「私は自分で踊る時に一度も満足したことがないのよ。そんな私が他人の踊りに意見なんて言えないわよ。」

・・・・・私ははっと胸を突かれました。ちょっとフラメンコに詳しくなってくる(なったつもりになる)とすぐに他人の踊りを批評したくなってしまう私。そんな自分を恥ずかしく思いました。・・・・・無言・・・・で、でもそれだけでは自分は成長しない。「先生、どんなことでも構いません。な、な、な、何かお言葉を・・・い、い、い頂けないでしょうか・・・」

「コーラが短いわよ。もう少し長くしなさい。あの長さではバタの動きのよさがいきてないから。」

・・・・・あ!と言葉を失いました。実は、あのコーラ、元の長さよりも1段短くしたものだったのです。バタを習い始めて一番最初に作ったバタ・デ・コーラがあの赤いバタでした。しかし自分ではコーラの先までエネルギーが伝わらない、これは長すぎるからだ・・・とコーラのせいにしていたのです。そして身長が低い人(私、153cm)が長いコーラを履くと相対的に身長がさらに低く見える、という話を聞き(それは本当だと思います)、「やっぱりね~」なんて軽い気持ちで1段とってしまったのでした。見破られた、さすが岡田先生!!!そしてさらにお言葉は続きます。

「腕と脇の空間を空けなさい。」

・・・・・またもや、言葉を失いました。そうなのです。クラスではさんざん生徒さんに教えているくせに、そして自分で練習する時にはいつも気をつけているのに、舞台の上で感情が高まるとそれを忘れてしまうのです。ありがとうございました。岡田先生。そして先生は「でもね、今のまま踊り続けないさい。」とにっこりと微笑み去ってゆかれました。あ~、本当になんて素晴らしい先生なのでしょう。きちんと踊りを見て下さり、私の成長のためにお言葉を下さって。私は岡田先生に師事したことはありません。でもやはり先生なのだと感じました。ありがとうございました。

すると今度は歌い手のマロコ・ソルデーラがひょろひょろ~と近づいてきました。マロコは先日の恵比寿でのライブでの歌い手です。そしてこんな興味深いことを言いました。「この間のライブの時『ビエン』(よかった、上手だったの意味)と言ったけど、あれはただ言っただけ。本当はそんなに思ってなかったよ。」爆笑。そんなの知ってるよ、自分が踊れなかったことくらい。そしてマロコは続けます。「でも今日は本当によかったんだ。これは本当だ。あれは何て言うんだっけ???えっと・・・・そう、『trasmitir』(直訳すると『伝達する』という意味)していたんだよ、君の踊りは。スペインから来た僕でさえ、皆が上手に踊ることに驚いている。本当に。でもそういうことではないんだ。立ち上がった瞬間にアルテ(フラメンコの芸術性、とでも訳しましょうか・・・)があることが分かる、それをアルティスタというんだ。」

この、ロード・オブ・ザ・リングに出てきそうなヘレスのヒターノ。ありがとう。そう、「バイラ ビエン」という言葉。直訳すると「上手に踊る」という意味。これは、ほめ言葉でもあり、ほめ言葉でもない。前者の場合はその直訳どおり。しかし、後者の本当の意味は「イミタ ビエン」。つまり、スペイン人やヒターノ(ヒターナ)のものまねは上手だよね、でもキミ自身が見えてこないよね、という意味。もしくは「踊りは上手だよね。でもそれ以外何もないね。フラメンコってそういうものじゃないんだよね」。

これは私がスペインでの経験から学んだこと。その意味で本当。彼らが本当によい思った踊りに対して「バイラ ビエン」という言葉で片付けることはほとんどありません。もちろん状況や言葉のトーンにもよりますが。その踊り手に対して嫉妬などのネガティブな感情がなく、純粋にその踊りがよいと思ったのなら、それがどのようによかったのか、その踊りがどのように『trasmitir』してきたのか、どのように自分の心に伝わってきたのか、を言葉にします。言葉にならない人は涙を流し、抱きしめ・・・彼らはそういう人たちなのだと思います。

そんなことを思い出させてくれたマロコ。そして隣でにこにこ笑っているギタリストのイスマエル・エレディア。彼は「Me ha gustado tu baile.」と何度も言ってくれました。いつも私を幸せにしてくれるこの言葉。直訳すると「キミの踊りが気に入った。好きだ。」かな。ありがとう。上手に踊る人は世の中にたくさんいても、自分が、この人の踊りいいわ~、好きだわ~、という人はなかなかいない。誰かとの比較や競争で順位をつけるのではない。ただただ単純に自分が好きと思えること。思われること。こんな素敵なことが世の中にあるってなんて素晴らしいことなのでしょう。

私の踊りは、ある時にはただの「バイラ ビエン」かもしれない。ある時には大失敗をして「バイラ ビエン」にすらならないかもしれない。(人間ですから。)でも、私の踊りを好きだと言ってくれる人がいる限り、私は踊り続けようと思う。そして誰からもそんなこと言われなくなったとしても、自分が自分の踊りを好きな限り、私は踊る。今も昔も私は欠点だらけだし、持っていないものがたくさんある。それを持っている人を羨んだりしてしまう自分も時々いる。でもそれも全部ひっくるめて、私は今の私の踊りが好きだ。そしてその「今」はどんどん変わっていく。その度ごとに好きでいる自分でいたいと思う。

たくさんの事を思い出し、確認させてくれた今回のマルワ・コンクール・エキシビション。ありがとうございました。マルワ財団。私は私の道を進んでゆきます。

2011年2月28日 明後日、日本を発ちます。 今のところは、湘南台ネットカフェにて。

Feb 23

みなさんこんにちは。いかがお過ごしでしょうか?

先日2/18(金)に行われた恵比寿「サラ・アンダルーサ」でのライブ、東京・中野で行われた「第6回少人数制クルシージョ」、つくば国際美学院でのクルシージョ、おかげさまで全て無事に終了することができました。ありがとうございました。

2/18(金)のアンダルーサライブでは、もう10年来の友人(あねご)の純さん(浅見純子さん)、いつもなんだか慌てているさっちゃんこと市川幸子さん、ほんわか優しいマキさん(太田マキさん)との共演で楽しいひと時を過ごすことができました。お越し頂いた皆様、どうもありがとうございました!ギターのイスマエル・エレディア、カンテのマロコとの共演も楽しく、そして当日は客席にたくさんのスペイン人アーティスト達の姿も。ちょうどその週末に行われたマリア・パヘス舞踊団公演出演のアーティスト達だったみたい。最後にはみんな舞台にのってしまい、なんだかすごいフィン・デ・フィエスタに突入。お客さんからは「ここは日本ではないみたい~」との声が。確かに。そしてどうも私が一番楽しんでいたようです。え~、だって楽しいでしょ~。

帰りの電車の中でもニタニタ笑ってしまいました。しかしここは日本だ。山の手線だ。一人で笑っていると不審者だと思われるので、急いでマスクをつけました。セビージャでは道でニタニタしていると、「guapaaaaaaa!」(美人だね!)と声をかけられるのにね。そうすると余計に嬉しくなってもっとニタニタして、それにより街全体が明るくなるような気がするのですが。まあ、「郷に入れば郷に従え」といったところでしょうか。

東京・中野での少人数制クルシージョも、ハードな日程でしたが、よく体調を崩さずに無事終了することができました。よかった!いつもお世話になっているスタジオ・アル・ソルさん、受講生の皆様、大変お世話になりどうもありがとうございました。回を重ねるにつれ、受講生の実力が伸びているのが分かります。私が教えているのはほんの少しで、それ以外の部分でみなさん地道な努力をされているのでしょう。えらい。えらい。その調子でがんばってほしいです。今回初めて受講された方もみなさん一生懸命でした。真摯な眼差し、キラキラ光っていた表情が印象的でした。今回残念ながら受講できなかった方、次回のクルシージョ(2011年4月16日~30日開講。詳細はこのHP「クルシージョ」にて。)でお会いできることを楽しみにしております。

つくば・国際美学院でのクルシージョでも大変お世話になりありがとうございました。セビージャでたった1度お会いしただけなのにクルシージョのお話を下さったのが国際美学院の松岡範子先生でした。そしてそのクルシージョが記念すべき、日本での初の教授活動でした。1時間半のクルシージョがいつの間にか2時間を越えていたことも気づかず・・・そんな不慣れな私を温かい目で見守って下さった学院長先生。範子先生。真澄先生。先生方の芸と向き合う姿勢、教える姿勢、生きる姿勢に私の方こそ学ばせて頂き、人としてどうあるべきか、ということを毎回考えさせられます。生徒の皆さんもみな熱心。とにかく熱心。まじめで明るく、素晴らしい生徒さんたちです。これからもどうぞよろしくお願い致します。

ほっと一安心するのもつかの間。今週土曜日にはマルワ財団主催フラメンコ・コンクール本選後のエキシビションにて踊ります。審査員が協議する間に、前々回コンクール優勝者の後藤なほこさん、前回優勝者の高木亮太くん、そして前回準優勝の私の3人でソロを1曲ずつ、そして最後に3人でブレリアを踊るというもの。私はバタ・デ・コーラのアレグリアスを踊ります。なんだか教授活動をがんばると、自分の練習が後回しになってしまい・・・本番大丈夫かな・・・・という不安もありますが・・・明日はギター(フアン・カルロス・ベルランガ)、カンテ(ナタリア・マリン)との合わせです。二人は昨年セビージャ・ビエナルでの小松原庸子スペイン舞踊団公演にも出演していました。あの時のナタリアのアレグリアスの出だしの歌が素晴らしかったな~。あの歌が聞こえてきた途端に、舞台の、会場全体の空気が変わったのを覚えているよ。あの時私は2階席で観ていたけど、そこからマエストランサの舞台に飛び降りようかと思ってしまったほどでした。あの歌、私にも歌ってもらおうかな~。・・・・なんて考えるとまたニタニタしてしまう~。あ~、マスク、マスク。

というわけで、みなさんまたお会いしましょう。

2011年2月23日 でも、本当に花粉症でマスクしている場合もありますからね。誤解のないよう、念のため!

PS。 あ、最後に!!!2月20日発売の月刊パセオ・フラメンコ3月号に、私の記事と写真がでかでかと載っています。パセオの編集長小山さんに「ロンダ・コンクール優勝に関する手記を書いてほしい」と依頼されましたので、私事で大変恐縮ですが執筆させて頂きました。小山さんからは「3度読み返しました。リアル、とにかく面白い。感動。読者にとって記念的な記事になるでしょう」とのお言葉を頂きましたよ。あれま~。すでにお読みなった皆様、どうもありがとうございます。まだの方、お暇な時にでもお読みになって下さいね。

パセオHPはこちら→20113.php

では今日はこれにて!ごめんあそばせ。

Feb 13

みなさんこんにちは。寒さと乾燥の毎日が続いていますがいかがお過ごしでしょうか?

昨日歯医者に行って口を開けたら唇が切れました・・・乾燥のしすぎです。それにしても歯医者はなぜ「お口を開いて(あいて)下さい。」と言うのでしょう?どの歯医者も歯科助手も・・・。正しくは「お口を開けて(あけて)下さい。」だと思うのですが・・・「開ける(あける)」は目的語を伴う他動詞。「開く(あく)」は目的語を伴わない自動詞。そのどちらでもない「開いて(あいて)下さい。」これはつまり、「お口を開いて(いる状態にして)下さい。」の略なのかな?分からん。しかし気になってしょうがない。来週が歯医者最終回なので先生に聞いてみようかな。

そんなことよりも、昨日、その歯医者に行く前に恵比寿のタブラオ「サラ・アンダルーサ」でのライブがあり、無事終了致しました。連休中ということもあってかお客様はいつもより少なめでしたが、お客様の中にはクルシージョの生徒さん、数年ぶりに会うことができた友人、家族の姿も見え、とてもうれしいライブとなりました。寒い中お越し頂き、皆様どうもありがとうございました。

共演のイスマエル・エレディア、マロコ・ソルデーラ、小川愛ちゃん、奥野裕貴子ちゃん、田倉京ちゃんとも暖かい雰囲気の中でライブを行うことができました。みなさん、どうもありがとう!

しかし・・・それにしても寒かった・・・足がかじかんで、最初から最後まで指先じんじん・・・踊りにくかった・・・聞いた話によると「塗るホッカイロ」というものがあるらしい。次回ライブ(↓)はそれを試してみようかな。

2011.2.18 //  サラ・アンダルーサ-(恵比寿)1部19:00/2部21:00開演

入場料:1部 もしくは2部のみ:2500円、通し:4000円

Baile Cante Guitarra
  • 浅見純子
  • 市川幸子
  • 太田マキ
  • 萩原淳子(通し出演。アレグリアスとソレアを踊ります。)
  • マロコ・ソルデーラ
  • イスマエル・エレディア

そういえば、前々回のブログの衣装はどうなったの?という質問攻めにあいました。ハイ、一応袖はついているのでなんとか踊れるかなと思って今回のライブで使うようにと持ってきました。(お直しは間に合わなかった・・・)しかし先日その衣装で試しに練習してみたら・・・・袖がビリリリリリ!!!音をたてて裂けました・・・・やっぱりね。想像はしていたので、思い切って袖をとってしまい、袖なしの衣装にしちゃったよ。2/18のライブでそれを着ますが、寒いので上からマントンか何かをかけようかなと思っています。

Siempre hay solucion.」 (このパソコンではスペイン語表記ができないから「solucion」の「o」の上にアクセント表示できない・・・)

「シエンプレ・アイ・ソルシオン」。日本語に訳すと「必ず解決方法はある。」といった感じかな。どうしよう!どうしよう!とあせってしまう時に呪文のように唱える言葉。この言葉で絶対絶命のピンチですら乗り越えることができる(かな?)魔法の言葉です。ま、今回の「袖事件」は全然たいしたことではありませんけど!

というわけで、みなさんライブ会場でお会いできることを楽しみにしています。

クルシージョもあと数日!がんばります!空きのあるクラスが少なくなってきましたが、ご興味のある方はこのHP「クルシージョ」にて詳細をご確認下さい。よろしくお願い致します!

2011年2月13日 小さな「マルイ」がオープンした中野南口にて。

Jan 25

みなさんこんにちは。いかがお過ごしでしょうか?

本日、日本に着きました。「寒い寒い」といろいろな方から脅されて(?)いたので、気合を入れて着込んで帰ってきたのですがそんなに寒くないですね!それとも今日はあたたかいのかな?なんだか私一人だけ厚着のような気がする・・・。家から駅まで着膨れのままスーツケースやら何やら持って帰ってきたら、汗までかいてしまいました。家では久しぶりにこたつに入り、おでんを食べ、母とべらべらべらべら・・・なんで私たちはこんなにしゃべるのでしょう?と自分でもあきれるくらいしゃべりまくっていました。

明日から東京クルシージョ開講です!帰ってきたばかりで少し休まなくて大丈夫?!とよく聞かれますが、休むと変な時間に昼寝をしてしまい、結局時差ぼけになってしまうのです。というわけで早速明日からがんばります!よろしくお願い致します!

では今日はこれにて。スーツケースを片付けなくてはなりません・・・

2011年1月25日 湘南台ネットカフェにて、これまた久しぶりの好物、カルピスを飲む。うまい。

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